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"帝国"と呼ばれる巨大な政体連合体が主な舞台となります。"帝国"はただ"帝国"と称するのが通例ですが、特に固有名詞を関する時はインペリウム帝国と呼ばれます(インペリウムというのは古語において"統治権"を意味し、同時に"帝国"を意味するので、インペリウム帝国というのは帝国帝国という意味になります)。
"帝国"は様々な統治形態の政体の集合で、各政体が選出した代表による議会共和制が敷かれており、名前に反して"皇帝"はいません。が、有力政体議員による元老院が選出する執政長官兼軍事最高責任者(インペラトル)を"皇帝"と称する事はあります。 政体の中心は城塞都市で、周辺には衛星的な村落や荘園が点在し、都市の生活を支えています。都市人口は基本的にその城塞都市と周辺村落を合計して計上し、規模の大きな都市で2-3万、小さな都市でも5000-7000ほどの人々が暮らしています。 "帝国"は広大な亜大陸の中央から北東部分を支配しています。気候等は地域ごとに異なります。簡単に分類すると主に中央山地で大きく分かれ、南側は一年を通じて温暖で冬が雨期であり、北側は季節風の影響で一年を通じて湿潤ですが南側に比べれば寒冷です。 |
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第一の剣がどうとかってのはひとまず忘れて下さい。
"剣の欠片"と呼ばれる謎の金属片(に見える何か)は存在し、そう呼ばれているのでこの世界の住人達は創世にまつわる"剣"の存在を認めてはいますが、剣には種類があってどうこうというのは聖職者や神学者達が戯れに考察して様々な説を作っては喜んでいるというのが実情です。 信仰に関しても混沌としていて統一見解は人族の中でも得られていません。プリーストはルール上、いずれかの神格を守護神としますが、プリースト自身も含む多くの人は複数の神格を混同したり、同一神の別側面を別神格として別々に信仰したりしていて、それは地域により千差万別です。 一応冒険の舞台となる"帝国"においては、亜大陸南部で生じた"新教"が幅を利かせています。"新教"は神々の解釈を統一し、再構成した宗派で、些かの堅苦しさや、地域ごとの細かい"地方ルール"はあるものの、概ね"始祖ライフォス"を中心にルール通りの神格が並んでいます。 一部の聖職者を除く大方の人々は神を自分勝手に解釈して信仰していますが、それでも(プレイヤーほどには)人間本意で考えてはいません。全ての人間にとって神は確かにおわす大いなる存在であり、神がいて世界がおり、その一部が自分であると認識しているのです。
いわゆる"蛮族"は、人間(と、それに友好的なスタンスの各種族)と敵対的な種族全般を指す言葉であり、実際のところはともかく「神話的に徹底的に対立する種族であり、無慈悲に殺し尽くす事は何ら咎められる行為ではない」という解釈が一般的です。この解釈は人族が世界において未だ支配者として君臨していない事を示す顕著な証拠であり、現実に暮らす我々から見れば不幸な事ですが、長い時間を掛けて互いに摩擦を経験し、変化させていく事柄なのでしょう。蛮族との対立が絶対的な物ではない一つの証拠がコボルドの存在です。卑屈で矮小な彼らはよく人族に擦り寄って来る事で知られており、その扱いは現実の価値観から鑑みれば決して寛容な物ではありませんが、彼らが大人しく従順な間は人族もコボルドを種族的理由だけで駆除したりはしません。
"蛮族"にカテゴライズされる種族は時代や政情・地域により異なります。森林の開拓を巡って対立すればエルフが蛮族に認定される事もありますし、鉱山の採掘を巡って対立してドワーフが蛮族と呼ばれる地域もあります。 |
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帝国内で信仰されている神々は下記の通りで、下記のように解釈されて信仰されています。
全ての神々の上に立つ存在であり、万物の父と呼ばれています。
調和を尊ぶ側面と、融和を尊ぶ側面があり、主に信仰されているのは社会の調和を司る前者の側面です。また、"帝国"創始者はライフォスの生まれ変わり・子であるとの信仰もあり、後者の融和を推し進めた即ち、幾多の種族・民族・政体を融和して手を取り合わせた偉大な存在として同様に崇められています。 ライフォスと子たる創始者は区別されずに信仰されるのが普通で、ただ"父"や"主"と言った場合にはライフォスを指します。 ライフォスは基本的に全ての国民が信仰していますが、最もその名が呼び求められるのは為政者や権力者達に対し、「法の正しき行使」と「対立を残さない慈悲に満ちた裁定」を願う時です(威張りくさった貴族や代官達も、ライフォスの御名を穢す行為は社会的にマズいのです)。
文字通り、太陽の運行を司る神です。
農耕がさかんで比較的湿潤な帝国内においてはとても重要な神格であり、年を通じて最も祭の多い神でもあります。 農耕には太陽暦が必要であり、また夜闇の深いこの時代においては世界を照らす光というのはとてもありがたい存在なのです。 面白い事にティダンの立ち位置は地域ごとに異なり、一般に寒冷な地域に行くほど弱く頼りない存在として解釈されます。帝国北端には妃である"月神"を恐れて隠れてしまったティダンを呼び戻す祭が冬至に催されますし、"風来神"の悪戯で力を失う伝承は各地にあります。 ティダン自身は高貴な武人の姿で描かれることが多いのですが、どこか憎めない頼りなさから深く愛着を持たれる神です。
知恵と知識の神です。
学者や賢人に人気の神格である為か俗っぽさが無く、"太陽神"ティダンと混ぜてしまって「全てを照らす知恵の神」と解釈したり、"月神"シーンと混ぜてしまって「知恵と魔術の神」と解釈している地域や個人も少なくありません。 最も、キルヒア信仰のメインストリームである学者や賢人はキルヒアを「小難しく」表現するのが好みであり、「純粋なる知恵の権化」「全てを記した書物の図書館」「全ての事象を内包する幾何学模様」「陰陽の顕現たる両性具有の巨人」などと多彩な解釈をしています。
炎と戦争を司る神です。
筋骨隆々の力強い武人として描かれ、御利益などではなくその立ち位置で人気のある神格です。神話や伝承では勇壮な戦いぶりが知られ、文化人からは野蛮だなどと揶揄される事もあるのですが、その雄々しき姿と強力無比な力に男だったら一度は惹かれるものです。 炎を司る事から炉と鍛冶の神としても知られ(剣等の武器を生み出すのは鍛冶の技ですので、親和性も高かったのでしょう)、職工の守護神としても知られています。 司るのは炎ですが、興味深い事に北方においては雷と嵐の神として崇められており、"雷武神"としてのグレンダールを守護神とするプリーストの魔法は炎属性ではなく、電属性になります。 また、「軍神」としての側面以外は対極にあるザイアと混同される事がままあり、そのような時は野蛮な戦士の姿ではなく、気高い騎士の姿で描かれます。
秩序と守護を司る神です。
ライフォスを守護する為に生まれたとされ、ライフォス信仰の一環として崇められることの多い神です(神を仏に例えるなら四天王や明王が近いでしょうか)。主ライフォスを守護するという位置づけの為、ライフォスを熱心に信仰する人々の中にはライフォス自身ではなく、それを守るザイアを自らの守護神とする人も多いのです。 ザイアは軍神ですが、司るのが秩序と守護である為、武人達にはあまり人気がありません(守備任務が名誉や躍進に繋がりにくいから、というのがその理由ですが、防衛戦となればザイアは一番人気ですし、要塞にはザイアの加護を願う祈りの言葉やレリーフが刻まれるのが一般的です)。
月の女神です。
ティダンの妃としても知られていますが、処女神として信仰される地域では妹と解釈されています。 太陰暦の守護者でもあり、全体としては太陽暦が用いられるようになった帝国においてはこの側面はあまり目立たないのですが、漁業や狩猟に携わる者達の中にはシーンを守護神とする者達もいます。 ティダンとの対比として後世に追加された物とする解釈もありますが、夜と夜の眠りの守護者でもあり、諍いをひどく嫌う平和の女神としても知られています。 また、無口ながら恐ろしい女神であるらしく、ティダンは妻/妹を酷く恐れているという解釈が各地の伝承に残っています。
風と幸運の神です。
大変人気があり、多くの人がル=ロウドの名を呼び求めますが、反面で信用や崇敬の念とはあまり縁が無く、気まぐれであてにならない存在という解釈が一般的です。 ル=ロウドはその姿を自在に変えて気の趣くままにあちこちを放浪し、悪戯をしたり幸運を授けたり、また風を止ませたり大嵐を起こしたりする、一種のトリックスターのような存在であるとされており、各地の伝承にもそのようなエピソードが見られます。 |
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帝国領内における人間以外の種族についてです。
森林や湖などに暮らす長命で聡明な種族です。
人間との関係は全体としては中立ですが、人間の開拓事業や産業が彼らの生存圏を脅かすことが度々あり、地域別で見れば全くの敵対関係にある所もあります。 人間の事を「種として未熟、野蛮で下品」と捉えており、概ねの場合は「いちいち上から目線でむかつくけど言ってる事は正しいので頼りになる先輩」みたいな反応をします。一方で個人としての人間を特別な存在として評価する事に吝かでなく、一度盟友として認められれば、こちらから裏切らない限りは子孫の代まで心強い味方になってくれるでしょう。 人間の社会で暮らすエルフは非常に稀少ですが、エルフの王国の中には帝国に所属する物もあり、そのような国からはエルフの大使や議員が都市に派遣されています。
山や地下に暮らす、頑強で頑固な種族です。
彼らが生業とする職工は人間の流通と密接な関係にあるため、多くのドワーフの王国が帝国に所属しています。そのような場所では人間との関係は概ね友好的ですが、帝国と距離を置いているようなドワーフは鉱山の採掘を巡って人間と対立するようなケースもあり、そのような地域では全くの断絶・あるいは戦争状態です。 また、ドワーフは偏屈な事で知られ、関わりの深い人間はともかくとして、生存圏に接する部分の少ない他種族に対しては非常に無愛想に接します。優美で礼儀正しいエルフはそれを嫌悪しており、エルフとドワーフが一堂に会すると大抵喧嘩になると言います。 ドワーフもまた、人間社会で暮らす個体は少数ですが、それでも職人として都市に出てきているドワーフはそれなりにおり、都市に暮らす者なら一度ぐらいは見た事があるでしょう。 人間の間でもドワーフが屈強な戦士である事は有名であり、ドワーフの女性が人間の子供にそっくりであるという噂もかなり尾ひれがついて出回っています(実際には「そんな個体もいる」程度です)。その為、戦時には女児を殺して回るのが通例となっており、戦争を経験した人間には完全に逆恨みながらドワーフを恨んでいる者もいます。
ジェネレーターが帝国領内に存在しないため、非常に稀少な存在です。
どんな大都市でも二人といないのが常識であり、「ルーンフォーク見なかった?」で聞いて回れば、探す個体を見つけ出す事が可能です。 その為、ルーンフォークは半ば高級調度のように流通しており(明らかな人権侵害ですが、それ以外の種族であっても現代人から見れば侵害されているのが普通です)、貴族や大商人の使用人として雇われている個体に出会う機会があるかもしれません。
混血を意味する「バスタード」という俗称でも知られる奇形児です。
一応、帝国内の法でナイトメアの存在自体は罪ではないとされていますが、それでも偏見は根深く、蛮族や邪教と結託して社会に害を為すのではないかと疑いの目を向ける者も珍しくありません。 そして、鶏と卵の話ではありませんが、そのようなつらい境遇が実際にナイトメア達を悪の道に走らせる事もまた、珍しくありません。 多くのナイトメアはそのような経験から、自分が真面目で誠実な市民の一員である事に強く固執するか、あるいは正逆に道徳観念が非常に脆弱です。
彼らは優れた商人であり、誠実な取引相手でもあります。
帝国領内に彼らの王国はありませんが、それでも個人として、あるいは隊商を率いて帝国内で商業活動を行っているリルドラケンは複数います。 彼らは決してありふれた隣人ではないものの、人間以外の種族では比較的目にする相手でしょう。
滅亡しました。
卑屈で意地汚い隣人です。
彼らはその手先の器用さと技術を代償に、より強い種族に歩み寄って保護される事で永らえている種族です。 特に過酷で容赦のない蛮族よりも、暢気で緊張感の無い人間は彼らにとって格好の寄生主であり、美味しい料理や優れた細工を提供する代わりに堅固な人間の都市での安全な暮らしを享受しています。 彼らは概ねにおいて正直で善良に振る舞いますが、強きに擦り寄る性質が非常に強く、蛮族に負けそうになった街で一斉に寝返り、女子供まで殺し尽くした記録も多々あります。
今のところ、敵として戦う以外の交流が持たれた記録はありません。
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冒険者技能別に、それを生業にする人々のサンプルケースを紹介します。
PCはそれに準じる必要はありませんが、大体のNPCが下記の例に当てはまるはずですし、周囲もその人物をそのように見るでしょう。参考にして下さい。
武器を手に、それを拠り所として凌ぐ人々です。戦争に限らず、暴力が求められる機会というのは実に多く、ファイターに取ってそれは成功へと繋がるチャンスでもあります。
ファイター自体は何ら生産手段を持たない為、彼らの成功ケースは基本的に、権力機構に雇われたり、その一部になったりする事です。権力機構は当然ながら、暴力を独占しようとします。戦士が腕を磨き実績を積んで影響力を伸ばしていくならば、権力機構は戦士を排除するか懐柔しようとするでしょう)。 ファイター技能自体は武力以外の何者でもありませんが、この世界において武力はそれ自体一つの名誉でもあります。それ以前に剣呑な得物をぶら下げた人殺しを無碍に扱う愚か者もいないでしょうが、どこにいってもファイターは一定以上の敬意と注目を得ることでしょう。
いずれも戦士の一種ではありますが、その技術は戦争より小規模な戦闘行為に適したそれです。全くの素人を装うのは無理にせよ、どちらも軽装で、平時における護衛や刺客に最適なのです(或いは、何か別の専門分野に自衛能力を付加する意図で技術を磨いているケースも珍しくありません)。
軽装であり、ファイターよりアピールが弱い分、自分が戦士である事を周囲に強く意識させる為には何かしらのパフォーマンスが求められる事もあるでしょうが、それ以外は基本的にファイターと同様の立ち位置にいると考えて良いでしょう。 ファイターとグラップラー/フェンサーを分ける最大の相違は、彼らが最も生きる局面が華々しい戦場ではなく、特殊作戦のような注目されない舞台である事です。
射撃武器というのはとても複雑な立ち位置にある得物です。
味方である限り、離れた場所にいる敵を打ち倒す非常に力強い存在ですが、そうでないなら物陰や遠くの建物の屋根から自分を狙う死神のような存在にもなり得るのです。 そんなシューターですから、手ぶらでいるならまだしも、得物をぶら下げている時は周囲を非常に(ファイター以上に)神経質にさせる存在です(日本にも「入り鉄砲」という言葉がありましたね)。それを嫌うシューターは、都市に入ったら武器を預けるなりして、必要以上に注目を浴びないように心がける事でしょう。 シューターの成功モデルもまた、ファイターと同様です。特に射撃武器は(ルール的には安価で習得できるのですが、回避に難があるという理由から)訓練を積んだ物が少なく、売り手市場で雇い主を選ぶ事が出来ます。
マナに一番ありのまま触れる魔法使いであり、魔法が都市計画に欠かせないこの世界においては、統治機構の中枢に最も近い場所で必要とされる魔法使いです。ただひたすらに魔法の研究や知識の収集を目的として落ち着く魔法使いもいますが、統治機構の中枢に招かれて、その深遠な知識を活かすのも成功モデルの一つであるのは間違いありません。
魔法使い自体への根拠のない恐怖心などは、古代魔法文明から3000年を経た今では相当に薄れているのですが、それでも尚魔法使いの「無から有を生み出す力」は人々を恐れさせるに充分です(正確には無からではないのですが、門外漢に区別はつきません)。少なくとも、魔法使いであると知れれば「何が出来るか分からない」という恐怖心を周囲に抱かせて不思議はありませんし、人の出入りが少なく情報が滞りがちな農村部などではその傾向は顕著でしょう。 とはいえ、そのミステリアスさを魅力に人々の支持を得る術者もいれば、恐怖心を利用して難しい交渉などを成功させる術者もいます。魔法使いは手の内を見せない事に極意がある、という言葉もあながちハッタリと言い切れないものがあるでしょう。 実績作りに派手な魔法を使って注目を集める魔法使いというのは、逆説的ですが実力相応の評価しか求めない堅実なケースと呼べるかも知れません。
魔法の力で機械や道具を動かす、比較的新しい魔術を身に着けた魔法使いです。
マギテックの力は(新ルールの目玉の一つという事もあり)強力かつ多彩で、現場レベルでは非常に重宝される事でしょう。 反面でマギテックの能力は即物的でもあり、大きな工房を預かって開発主任になるなどのケースを除けば、「現場」に留まり続けるのが特徴の一つです(工房を預かっても、それは現場といえば現場ですしね)。
自然がマナに干渉して生じる「妖精」という生物モドキと交わる魔法使いです。
妖精は自然を支配している訳ではありませんが、密接に関係しており、それを使役するフェアリーテイマーは言うなれば風水師や環境デザイナーのような役割を社会から求められています。フェアリーテイマーのもたらす情報を軽視した都市計画の元では、空気が澱んだり、水が濁って悪臭や疫病が蔓延したり、土が痩せて不作になったりします。 人が快適に暮らす為にとても重要な役割を果たすフェアリーテイマーですが、彼らは妖精という、疑似人格を備えた存在と交流する霊媒のような存在であり、「神を軽視する」としてプリースト達の覚えが悪くなるケースがままあります。それでも、農夫や狩人と言った、自然と直に触れる職種の人々からは、自然の身近な声を直に届けてくれるフェアリーテイマーは頼れる隣人です。
神の声を聞き、神の威光を知らしめる職種の人達です。
宗教は権力と非常に密接であり、聖職者として布教や偉業などの実績を作り、神殿を任されたり教団中央で要職についたりというのが典型的な成功モデルです。プリーストは社会的な出世ルートが比較的確立された職種と言えるでしょう。 冠婚葬祭を取り仕切る聖職者は民衆に取っても身近でかつ尊敬される存在ですが、その宗派がその地のスタンダードから外れる場合にはその扱いは一変します。帝国領内の大抵の地域で多少の地域差に戸惑う程度で統一された宗教があるのですが、国外(あるいは国内のごく限られた地域)では邪教・異端の概念が逆転する地域もあります。 この世界の神は信仰により力を増すとされ、信仰をより大規模、より効率的に集める教団で出世していく聖職者は間違いなく高位のプリーストです(神様の立場で俗に考えれば、ろくに宣教活動もせず自分の為に戦闘用の奇跡を願うヤクザ神官に比べれば、自分に奉仕する教団で下働きをする使用人の方がよほど有り難い存在でもおかしくないのです)。反面で、市井を離れては神の威光を伝えられぬと地方に留まり続ける高位のプリーストもまた存在します。
知識全般への造詣の深さを表す技能です。
実際には万能の賢人というのはあまりおらず、何らかの分野を修めた専門家という事になるのですが、システム上はそれらの賢人に技能的な差異はあまりありません。 セージは基本的に「知識」以外に取り柄を持たない技能ですが、実践的な知識は多くの局面で他の何にも勝り役立つ物になり得ます。実践性に欠けた空論を振りかざす自称知識人や、全ての知識がその類の物であると軽視する自称現場重視の人々の軋轢は確かにあるのですが、それでも物知りであるという時点で尊敬を受けるに値しますし、文盲が(比較的少数とはいえ)珍しくない帝国においては間違いなく読み書きの出来るセージは重宝される存在です。 政治機構に招かれて助言者として活躍したり、学術機関で研究や教育に当たったりする他、書記官や会計士として地位を固めるというのもセージの堅実な成功モデルでしょう。
偵察や斥候、あるいは侵入などという、冒険者にも役立つものの基本的には「泥棒や兵士など、誰かを害する職種で重宝される技術」を身に着けた人々です。
これらの技術はある種の犯罪組織で身に着けるのが一番間違いないでしょう。軍事・治安機構が騎士や自警団などで賄われるこの世界においては、国家主体の諜報活動などもある種の犯罪結社が請け負っている場合が殆どです。 盗賊の「名人」や熟練の狩人に個人レベルで弟子入りし、学ぶケースも少なくありません。 組織にせよ個人にせよ、いずれの場合もその技術を身に着けている事で人に尊敬されるか敬遠されるかは、どこで学んだかで決まります。 辺境警備という特殊な職種で技術を磨く者達もいます。彼らは森や荒野など、人界から離れた地域を巡回して見張り、敵国や蛮族、あるいはありとあらゆる災害をいち早く見つけて中央に報告するのが仕事です(とても過酷な仕事ですので、強い使命感や愛国心がなければとても務まるものではありません)。
もう一つの成功ケースとして、都市などに工房を構え、身近な魔法的サービスを商売にする魔法使いがいます。彼らはアルチザン(AlchemistとArtisanを繋げた造語です)と呼ばれ、薬品や治癒、占いや魔化などと言った自分の得意分野は自分で取り扱い、それ以外にもギルドや他の
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この世界の人々の暮らしは「よくある中世ファンタジー」のそれに概ね準じており、現代人の我々から見ると原始的なのは間違いありませんが、決して「全く迷信まみれの非科学的な生活」ではありません。
科学技術の発展は中世ファンタジー相応ですが、都市部など人口が集中する地域においては建築・治水・通信・交通・衛生とあらゆる分野に魔法使いが進出しており、史実に比較すれば(場合によっては現代よりも)よほど快適な生活を享受しています。
産業機械に近い魔動機械も産まれつつありますが、工場での大量生産は未だ実現していません。その為、現代の感覚で消耗品にカテゴライズされるような物が非常に高価だったり、反対に現実的な価格で流通させる為に生産者が非常に薄給だったりするのですが、ギルドと呼ばれる職人や商人の互助組合による品質管理や価格保護により、安定した供給はなされています。
都市には主に職人・商人が集まり、
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一年を通して降雨があり(冬期は雪になる事もあるが、海沿い以外は降雪は比較的稀)、三圃式農業が営まれています。
川沿いに広大な平地が拡がり、都市を中心に少しずつ開拓がなされていますが、それでも尚、帝国領土の大半は人族をよせつけない森林か荒野です。 |
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少人数で適当に回すキャンペーンだし、戦闘特技は足らなくなるだろう……
と言うことで、武器/防具ランクを撤廃し、【武器習熟】【防具習熟】がなくとも全ての武器防具を装備出来るものとします。 ただし、ダメージ/防護点ボーナスは有効でしょうから、それらの戦闘特技を取得する事は無意味ではありません。 |
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