デモンパラサイト
ソードワールドで有名なSNE作成の、台無しアクションTRPGです。
帯に書いてある「ダークヒーローTRPG」というのは、多分なにかの間違いでしょう。
ルールの配分
楽しいキャラ作成:★★
深いワールド:★
物語性の高いセッション:★★★
疑似体験性の高いセッション:★★★
ゲーム性の高いセッション:★★★
パーティゲーム性:★★★★
楽しい成長:★★★
全般的に戦闘ルールに比重が置かれたイマドキの国産TRPGです。
キャラクター作成は共生生物(いわゆるクラスにあたる)さえ決めてしまえば、あとは選択する項目が少なくスムーズです。TRPG初心者を対象にしているらしく、全体的に選ぶ項目(=迷う項目)が少な目で、パッとキャラを作ってサッと遊びたい人向きです。従って最強キャラを作って戦わせるようなゲームでもないので、いわゆる「キャラ作成が楽しいルール」ではないでしょう。
ワールドは現代日本がベースですが、オフィシャルワールドはさほど精密なデザインではなく、自分達の住んでいる町でもすぐに応用が出来そうなレベルです。共生生物の設定とオフィシャルで共通の敵役である大友製薬の設定さえ使えば、簡単にそれらしくなるでしょう。
セッションは基本的にはセラフィムに所属して、勧善懲悪の日曜冒険家という、それこそどこかで見たような展開がスタンダードなようです。PCもNPCも滅多に死ぬことはないので、あまり後先考えずに豪快な戦闘を楽しめます。
一方で情報収集は、古いスタイルのTRPGそのままの足で稼ぐタイプです。よって、地味で渋い展開も可能でしょう。
ファンブル率が意外に高い事や衝動表による突発事故も相まって、耽美系プレイに走るのはやや困難です。逆に言えば、ハプニングを美味しいと感じる人には大いに楽しめるでしょう。
おそらく想定されているセッション構成は、TRPGに慣れたGMが初心者のPLを誘って一緒に始めるスターティングTRPGと思われます。
所要時間
ルール把握:★★
シナリオ作成:★★★
キャラ作成:★
実プレイ:★★
※これは当然、「慣れ」や「参加者の背景」で変わるものです。目安程度に捉え、自分の基準と異なるからといって、あまりめくじらを立てないで下さると嬉しいです。
ルールは簡単です。TRPGに慣れている人なら巻末のルール
サマリーを読むだけでもプレイ可能でしょう。
シナリオ作成のキモは戦闘にかかる時間の見積もりです。古典的な情報収集スタイルですので、情報収集シーンの厚みが無いのも寂しいものです。また、衝動はプレイ中の回復は微々たるものですので、序盤にあまりに消費が多いとセッションが尻すぼみになってしまいます。一方で戦闘能力に特化した共生生物もありますので、まったく戦闘がないシナリオもまた寂しいものです。
キャラ作成は迅速です。初めて遊ぶというならGMから多少アドバイスを行なわなければなりませんが、それでも2時間もあれば全員が作り終える事が出来るはずです。
実プレイ時間は戦闘時間さえ確保されていればどうとでもなります。戦闘ルールはかなり簡略化されており、GMの負担が軽減されています。情報収集シーンでも共生生物特有の便利な能力を駆使すれば、さほど問題なく進めることが出来るでしょう。
ルールの概要
2d6を振って能力値を決め、共生生物を決め、職業を選び、技能や年齢などを決めて大まかなキャラクターを構築していきます。
判定はd6の上方ロールで能力値か技能が修正値として加算されるスタイルです。ダイスの個数が変身前後や振り直しの際に変化するので要注意です。
ダイスが増えると当然有利になりますが、ファンブル率も跳ね上がるのがポイントです。また、振り直しをすると衝動が早く溜まってしまうので暴走の危機がチラつくことになります。
このルールで特徴的に感じるのは、全体に漂うスラップスティック感です。より高い成功を狙って振り直せばファンブル、衝動蓄積によって衝動表を振れば自分を殴るわ叫ぶわ寝るわ。ダイスによって翻弄されるPC達はいかにも卓上ゲームらしいと言えるでしょう。
推奨するプレイヤー
単純明快にプレイできるシナリオが好きな人。
スラップスティックな展開が大好きな人。
あんまりややこしくない現代物TRPGがプレイしたい人。
関連書籍
ルール
デモンパラサイト
デモンパラサイト上級ルール
鬼御魂
シナリオ集
ディアボロス・リバース
リプレイ集
悪魔憑きの目覚め
悪魔憑きの放課後
悪魔憑きの学園
剣神(1)継承者
剣神(2)簒奪者
剣神(3)超越者
設定資料集
ディアボロス・スクール
ディアボロス・プリズン
参考資料
導入ガイド
基本ルールブックだけ購入すれば、問題なくプレイを開始出来ます。4Lv程度までPCが育ったら上級ルールも購入することをお勧めします。どちらも割合安価なルールブックですので二冊とも買っても損はないでしょう。
おそらくルールブックの値段を抑えるためかページ数がかなりギリギリで、そのためにルールブックの記述はどれもこれも舌足らずになっています。特に特殊能力はフレーバーと実際の効果の区別が付きにくいので要注意です。不明な点は卓で良く摺り合わせしましょう。
全体的にあまり細かいことに拘らずに、おおらかにプレイすると良いと思います。
最終更新:2008年04月01日 19:40