シャドウラン

シャドウラン第四版

 西暦2070年のシアトルを舞台に、オークやエルフといった異種族や、サイボーグ、魔法使いといったSF(?)世界の住人が冒険するサイバーパンク(?)RPGです。

ルールの配分

 楽しいキャラ作成:★★★★★
 深いワールド:★★★★★
 物語性の高いセッション:★★★★★
 疑似体験性の高いセッション:★★★★★
 ゲーム性の高いセッション:★★★★★
 パーティゲーム性:★
 楽しい成長:★★★★
 ※これに適当に追加
 ※根拠も含めてざっくり紹介

 キャラメイクは楽しいです。種族も、職業分野も、装備も、コネクションも多彩で、出オチの愚にもつかないコンセプトキャラを作るだけで遊べてしまいます。
 ワールドは雑多ながら、書割感を極力排除する努力をしていて深いし、適度にリアルで適度にドラマチックです。
 そんなワールドですから、物語性の高いセッションも出来れば、キャラクターになりきって苦楽を共にする事も出来るでしょう。
 「PCは特別である」という方向付けが希薄な為、深く考えて遊ぶゲーム性の高いセッションも可能です。
 手軽さは皆無で、お互いに擦り合わせが必要な認識も多々ありますので、パーティゲームのように遊ぶには向きません。
 成長もそれなりに楽しいのですが、何か派手な技がポンポンついてドンドン強力になっていく…というタイプのゲームではない(しかも結構死ぬ)ので、過度の期待は禁物です。

所要時間(★1-5で評価)

 ルール把握:★★★★★
 シナリオ作成:★★★
 キャラ作成:★★★★★
 実プレイ:★★★★★
※これは当然、「慣れ」や「参加者の背景」で変わるものです。目安程度に捉え、自分の基準と異なるからといって、あまりめくじらを立てないで下さると嬉しいです。

 全体で見て分かるとおり、とにかく時間のかかるゲームです。
 プレイする前に全てのルールを把握しようとしたら、多分多くのプレイヤーはシャドウランのルールブックが枕に丁度いい事に気づくでしょう。
 キャラ作成は一日作業です。集まってすぐ遊ぶなら、アーキタイプか、GM側が用意したプレロールドキャラクターが必要になるです。
 それにしたって、キャラ作成の楽しいゲームですから、プレイヤー達は口を揃えて「カスタマイズしていい?」と喚きたてるはずです。
 ルール自体はいい意味でも悪い意味でも「手を抜かない」姿勢が貫かれており、大真面目に全てのルールを適用していたら、それだけで膨大な時間を要します。
 唯一、時間を削減できるのはシナリオ作成の部分でしょう。慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、ある程度パターンを掴めてくれば、さほど時間を掛けずに済むはずです。

ルールの概要

 二つくらいのパラメータ(能力値と技能、など)を合計した個数のd6を振り、5以上が出た個数(ヒット数)を数えて判定の成否を求めるタイプのゲームです。
 全体の印象として、前述しましたが「手を抜かない」システムであり、幾分ルールが体系化されて把握しやすくなったものの、やりたい事一つ一つに細かいルールが用意されています。
 この姿勢は版を越えてずっと引き継がれているものですが、第二版で大きな特徴となっていた「カルマプール」と「ダイスプール」が撤廃され、「エッジ」に統合されました。
 それによってバランスは向上したものの、「ここぞという所で全戦力を投入し、早期決着をつける」という今まで主流だったスタイルが困難になっています。
 ルールの煩雑さはそのまま(整理された以上に追加されたファクターが多く、下手をすると重くなっているかもしれません)で、短期決戦が大きく制限されましたので、ゲームにかかる時間は大きく増しています。
 これは賛否あるでしょうが、こと「プレイ時間」に限って言うなら改悪でしょう。

推奨するプレイヤー

 じっくり、ワールドに没入して遊びたいプレイヤー
 銃を振り回したいが魔法も大好きなプレイヤー
 重たいルールが苦にならないが、断じて和マンチではないプレイヤー
※ルールの傾向には反するのですが、強いキャラを使って遊びたいプレイヤーは遊ばない方がいいです。貴方を受け入れられるほどこのルールは良く出来ていません。

関連書籍

ルール
シャドウラン第四版(¥4,762 新紀元社)
ストリートマジック(¥3,500 新紀元社)

シナリオ集
リプレイ集
ストリートの天使たち(¥1,200 新紀元社)

設定資料集
参考資料

導入ガイド

 基本ルールだけあればいいです。もしそれを遊びつくすほどの時間があったなら、ストリートマジックを始めとしたサプリメントに手を出すといいでしょう。
 魔法使いおよびハッカーに関しては実際にどう動かすのかの実例がいくつか欲しいところです。リプレイ集はそのあたり、掲載されているものの、紙面の都合大きく省略されています。
 ストリートの住人の生き様とか、ランナーとの関わりにかんしては、ハリウッド映画でも見た方がいいでしょう。

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最終更新:2008年01月12日 03:29