プロフィール
キャラクター名:レイル(ストレイル・バルドマイン/Strel・Bard-Min)
クラス&レベル:バード10
背景:貴族 種族:ハーフエルフ 属性:混沌にして中立
性別:男性 年齢:19歳 身長:171cm 体重:62kg
経験点:64000
人格的特徴:どんな時も冗談を言わずにいられない。冗談を言ってはいけない時には特にそうだ。
尊ぶもの:興味。目を引き、心を掻き立てるものに従うべきだ。
関わり深いもの:私は我が家と親交の深いさる家の娘を愛している。
弱み:飽きっぽく、長続きしない。そのため真の熟練もない。
能力
|
【筋力】 |
【敏捷力】 |
【耐久力】 |
【知力】 |
【判断力】 |
【魅力】 |
能力値 |
10 |
19 |
14 |
10 |
12 |
14 |
修正 |
0 |
5 |
2 |
0 |
1 |
3 |
セーヴ習熟 |
○ |
● |
○ |
○ |
○ |
● |
※リングofプロテクションの効果で各ST+1。
副能力値
HP |
イニシアチブ |
アーマークラス |
移動速度 |
サイズ |
73 |
7 |
20 |
30 |
中型 |
技能
技能 |
習熟 |
|
技能 |
習熟 |
威圧 |
○ |
|
生存 |
○ |
医術 |
○ |
|
説得 |
● |
運動 |
○ |
|
捜査 |
○ |
隠密 |
● |
|
知覚 |
● |
軽業 |
○ |
|
手先の早業 |
○ |
看破 |
● |
|
動物使い |
○ |
芸能 |
● |
|
ペテン |
● |
自然 |
○ |
|
魔法学 |
○ |
宗教 |
○ |
|
歴史 |
● |
習熟
防具:軽装鎧,中装鎧,盾
武器:単純武器,シミター,ショートソード,レイピア,ロングソード,ハンド・クロスボウ
道具:ヴァイオル,フルート,リュート,カード
言語:共通語,エルフ語
特徴
特徴 |
参照 |
|
暗視 |
PH 41 |
60ftまで「明るい」、120ftまで「薄暗い」明るさで視認。色不可。 |
フェイの血筋 |
PH 41 |
魅了をもたらす効果に対するST有利。魔法による眠り無効。 |
貴族の特権 |
PH129 |
高貴な生まれで、人々にもてなされる。上流社会や高貴な人々の一員と見做される。 |
バードの声援 |
PH 83 |
魅/日。自TにBAで60ft内可聴の相手に声援。対象は判定後達成値を+1d。 |
|
|
使わなくても10分で消滅。効果ダイス:1d6 /CL5:1d8 /CL10:1d10 /CL15:1d12。 |
魔法への声援 |
釜 50 |
魔法によるHP回復やダメージの1体ーの効果に声援dを加算できる。 |
なんでも屋 |
PH 84 |
習熟していない能力値判定すべてに、習熟/2を加える。 |
休息の歌 |
PH 84 |
一緒に小休憩時、HDの回復量+。回復+:1d6 /CL9:1d8 /CL13:1d10 /CL17:1d12。 |
習熟強化 |
PH 84 |
既に得ている技能2つ指定。習熟B2倍。CL10でもう2つ。知覚・隠密。ペテン・看破。 |
楽派:剣 |
XG 33 |
中装鎧とシミターへの習熟獲得。戦闘スタイル:片手武器戦闘(武器1つ装備時DR+2)。 |
刃の美技 |
XG 33 |
武器攻撃A行使したT内、歩行移動+10ft。武器攻撃命中時、刃の美技使用可。T1回。 |
守りの美技 |
|
声援1消費しダイスロール。追加ダメージ+[出目]。次T開始時まで、自身のAC+[出目]。 |
薙ぎ払う美技 |
|
声援1消費しダイスロール。命中対象&5ft以内の任意数に追加ダメージ+[出目]。 |
翻弄の美技 |
|
声援1消費しダイスロール。追加ダメージ+(出目)。 |
|
|
対象を自身からMax(5+[出目])ft離れる方向に移動強制。 |
|
|
Reで↑を追いかけ、5ft以内に移動してもよい(歩行移動)。 |
中装鎧習熟 |
PH169 |
LV4の能力値成長の代わりに取得。効果適用済み。 |
声援高速回復 |
PH 84 |
小休憩or大休憩で、声援の使用回数が全回復。 |
心を守る歌 |
PH 84 |
1Aで演奏開始。演奏中、30ft以内の友好Creは、恐怖や魅了へのSTに有利。演奏維持はA要だが終了は不要。 |
追加攻撃 |
XG 33 |
攻撃Aで2回攻撃。 |
魔法の秘密 |
PH 84 |
他クラスの呪文を任意に2つまで、バード呪文として習得できる。修得数に含むので注意。 |
|
|
|
装備
名前 |
重量 |
参照 |
攻B |
ダメージ |
種別 |
射程 |
不利 |
メモ |
レイピア |
2 |
PH149 |
0 |
1d8+2 |
[刺] |
|
|
妙技。戦闘スタイルで+2。 |
愛慕の刃(ダガー+3) |
1 |
|
3 |
1d4+5 |
[刺] |
20 |
60 |
軽武器、投擲、妙技。戦闘スタイルで+2。 |
仕込みフルート |
1 |
自作 |
0 |
1d4+0 |
[殴] |
|
|
軽武器、妙技、クラブ相当 |
ショートボウ |
2 |
PH149 |
0 |
1d6+0 |
[刺] |
80 |
320 |
矢弾(アロー)、両手用 |
巧緻のレイピア |
2 |
自作 |
1 |
1d8+3 |
[斬] |
近接 |
─ |
妙技。戦闘スタイルで+2。※1 |
防具 |
名前 |
重量 |
参照 |
種別 |
AC |
【敏】 |
【筋】 |
隠密 |
メモ |
鎧 |
スタデッドレザー |
13 |
PHB145 |
軽装 |
12 |
可 |
|
|
|
盾 |
シールド+1 |
6 |
PH145 |
|
3 |
|
|
|
|
|
その他 |
重量 |
参照 |
個数 |
合計 |
メモ |
同調 |
リングofプロテクション |
|
DM205 |
1 |
0 |
同調中、ACと全STに+1。 |
同調 |
リングofジャンピング |
|
DM204 |
1 |
0 |
同調中、BAで自身に「ジャンプ」使用可。(1分間跳躍距離3倍) |
同調 |
愛慕の刃 |
|
|
|
0 |
ダガー+3、装備中、敏捷・魅力+2。 |
|
仕込みフルート |
0 |
|
1 |
0 |
武器側に重量記載。硬い木で作られていて武器に使える。 |
|
ポーチ*2 |
1 |
|
2 |
2 |
|
|
├ろうそく |
|
|
5 |
0 |
|
|
├変装道具 |
3 |
|
|
3 |
主に貴族のたしなみ的な化粧品。変装にもまぁ使える。 |
|
├魔法のスパイスポーチ |
|
XG139 |
10 |
0 |
1チャージ使用で1食分の調味料生成。(1d6+4)Chg/毎朝回復。 |
|
└財布 |
|
|
1 |
0 |
真珠(100gp相当)込み。 |
|
背負い袋 |
5 |
|
1 |
5 |
|
|
├携帯用寝具 |
7 |
|
|
7 |
|
|
├上等な服 |
6 |
|
|
6 |
|
|
└保存食 |
2 |
|
5 |
10 |
1つあたり1日分 |
|
印章付指輪 |
|
|
|
0 |
|
|
水袋 |
5 |
|
|
5 |
水 |
|
ロープ |
10 |
|
1 |
10 |
50ft |
|
アローin矢筒(Max20) |
0.05 |
PH150 |
20 |
1 |
|
|
|
|
|
|
0 |
|
※上記に加えて、市外の冒険に必要な装備類を様々適当に。
取得呪文
初級呪文
プレスティディジテイション、ライト、マイナーイリュージョン、フレンズ
レベル1呪文
アイデンティファイ、(削除:キュアウーンズ)、スリープ、ヒーリングワード
ディソナントウィスパーズ、ディテクトマジック
シールド(魔法の秘密)、マジックミサイル(魔法の秘密)
レベル2呪文
シーインヴィジビリティ、(削除:レッサーレストレーション)、シャター
レベル3呪文
ディスペルマジック
レベル4呪文
ディメンジョンドア
レベル5呪文
ミスリード、グレーターレストレーション、レジェンドローア
キャラクター
ロール
【レイル】「俺はレイル。レイル・ジョングルー。冒険に魅せられ流離う吟遊詩人。以後、お見知りおきを」
【レイル】「いいじゃないか! 俺がゴブリンだったら、そんな間抜けな作戦で動く相手なら泣いて感謝するね」
【レイル】「……僕にどうしろってんだ…くそっ」
レイル・ジョングルー ハーフエルフ♂ バード1 19歳
複雑な身の上ゆえ、色々とひねくれてしまっている人物である。
容姿に優れ、器用で多才だった事も、彼が忍耐力を育む上でマイナスに機能したのだろう。彼は自分をケイオティックであると信じているロウフルである。
彼はふざけてばかりいる厄介者(であろうと努めている)。
一行が良くない方に流れると感じたら空気を読まず諫言する(ように努めている)人物である。
表面では好奇心溢れ物珍しいものに目がないフリをしているが、これは自らの情熱の欠如を補うため、努めてそうしているに過ぎない。
偽悪的で抜け目ない人物として振る舞おうとするが、根が純朴で世間知らずな善人のためあまりうまくいかない。
若い女と見れば口説き、冗談ばかり言っているが、その本性は悲観主義的である。
普段はワルぶって「俺」と自称してるけど、テンパると素の「僕」が出る。
背景
本名はストレイル・バルドマイン。
シェリンバー南湖畔にあるグレイクローク王国の伯爵家と、シェリンバーの森のエルフ王家の間に生まれる。
二家は政略結婚ではあったが夫婦仲は良好で、彼は両民族の架け橋となる事を期待され、何不自由なく育った。
しかし母の祖国であるシェリンバー森の王国が滅び、折悪く故郷を訪ねていた母も死んだ事で状況は一変する。
エルフの王国は国土の回復を志して北方のグレイピークに住まう混沌の勢力と戦い、敗れたのだ。
シェリンバーの森が魔物の勢力下になってしまえばグレイクロークもまた脅かされる。
グレイクロークは血を流して戦い、追加の戦果を望む混沌の勢力を、シェリンバー南湖・北湖に挟まれた平地で打ち破った。
しかしこの事で、グレイクロークのヒューマンと、シェリンバーのエルフの間には大きな確執が生まれてしまった。
ヒューマンからすれば「要らぬ事をして我々に迷惑をかけた」であり、エルフからすれば「血縁まで結んだ同盟同士なのに不利と見るや見捨てた」てな具合である。
かくして希望の架け橋であったハーフエルフの少年は、互いに「迷惑な血を持った厄介者」になってしまった。
バルドマイン家の嫡子であったが廃嫡され、腹違いの弟が新たに立太子(王家じゃないのでこう呼ばないかも)された。
彼には婚約者もいた。それはグレイクローク王家、レイロイン家の令嬢、王位継承権第一位の王女ネイトラである。
二人は互いを憎からず思い、成婚の日を心待ちにしていたが、婚約は破棄された。
ここに来て彼は、「愛する娘と結ばれぬなら」「他の男に嫁ぐ様を見せられるぐらいなら」「このまま惨めに飼い殺されるよりは」と、家を出る道を選んだ。
実際のところバルドマインの者たちは彼を(扱い兼ねてはいたが)嫌っていたわけではなく、むしろどうにか「ましな生き方」を送れるよう腐心していたのだが、若い彼にはそれが分からなかったのだ。
出奔した彼は、レイル・ジョングルーと名乗り、持ち前の器用さを生かして吟遊詩人の真似事をしながら旅を続けている。
ジョングルーは、エルフの王国にあった姓から取っている。母の姓を名乗る事も考えたが、流石に王家を名乗るのは面倒に繋がると考えたためだ。
アーティファクト
アーティファクトが如何なるものか、その詳細は未定。
(役割が正しく理解されているかはともかく)存在自体は知られており、レイロイン家に受け継がれている。
未だ明らかになっていないが、その力を発現させるには、レイルの存在が(も)必要になる。
課題
主にロールの基準として使うために設定するような事柄です。通常のセッションでは勝手に設定して勝手に楽しんでる(と言いつつ拾ってもらうと嬉しいという矛盾した)ようなとこです。
ロール基準なので全部固められると困るんですが、AIに投げる形式だと結構グイグイ設定固めて物語を作ってくれる印象(かと言ってどこまで固めるか線引きするようなものでもない部分)なので「じゃあ極力出力したらどうなるのかな」て事で書いておく事にします。
「レイルのダメなとこ」はキャラクターが冒険を通じて成長したり克服したりする事を期待する、内面的な要素です。
「取り巻く環境」は、NPCや土地、組織などの「外的要素」です。普段なら何となく考えておいて、必要を感じてから固めるんですが、AIが「指定された範囲」で回答するように見受けられたので、先回りで設定しておく事にしました。
書いてない部分に関しては「決まってないので好きに決めておk」とします。書いてある部分に関しても、まずい箇所や他の提案等あれば変更できますので指摘下さい。
レイルのダメなとこ
彼が生きていく上で最大の障害は、外ならぬ彼自身が「ハーフエルフである自分」を差別している事だ。
彼は自分の幸せを求めてあて無き放浪を続け、行く先々で美酒美食に溺れ、物見遊山に耽り、見目麗しき異性とのロマンスを求めるが、全ては逃避、ある種の自傷に過ぎない。
彼に本当に必要なのは、自分で自分を認めてやる事だ。いくら旅を重ね、知見を得たり人々を助けて感謝されたりしたところで、今のところ彼にとっては自分が「よそ者」であると再確認する方法に過ぎない。
彼にとって今回の冒険は、内面の旅でもある。旅を通じて彼は、本当の自分と向き合い、その本質を受け止め、故郷や恋人をまだ愛している事を認める事になるだろう。
取り巻く環境
- 地名:ソードコースト冒険者ガイドp82左上の地図を参照。
- グレイクローク王国:地図中央、グレイクローク丘陵の西側を占める地域にあるヒューマンの王国。今はレイロイン王家が統治し、貴族による寡頭制議会が支える、立憲君主国家。
- シェリンバー湖:シェリンバー南湖とシェリンバー北湖の二つの遠浅の湖からなる湖沼地。地図中央、シェリンバー沼で示される地域が南湖、地図右上の湿地(でいいのかな)で示される地域が北湖である。
北西にあるグレイピーク山脈から下る雪解け水で潤い、良く氾濫する。
- 回廊:シェリンバー南北湖に挟まれた陸地。氾濫時は水没する事もあるが、基本的には乾いた陸地であり、王国の食料事情を支える穀倉地でもある。シェリンバー回廊やグレイクローク回廊など、皆が好き勝手に呼ぶため、公的な名称もただ「回廊」とだけ定められている。
- シェリンバー森の王国:地図上部、シェリンバー沼の北側にある森。そこに古くからあったエルフの王国である。シェリンバーは従来、このエルフの王国を示す名であったが、周辺の地名も軒並み「シェリンバー」だったため、「シェリンバー森の王国」と呼ばれた。
グレイピークを根城にする混沌の勢力に押されて勢力圏を狭め、グレイクロークのヒューマンと同盟まで結んだが、再起ならず滅んだ。
- 人名:※基本、酷いダジャレでついてる名前ばっかりですが、ネタ元を踏襲する必要はないです(捻くれたレイルの目線を表現してるとでも思ってください)。
- パテル・バルドマイン:父親。伯爵にしてバルドマイン家当主。レイルの母を愛していた事と、それなりにリアリスト、程度にしか考えてない。レイルへの感情は未定。疎んじていて「いなくなって良かった」と考えているかもしれないし、内心心配しているかもしれないし、積極的に排除したいと考えているかもしれない。
- オットー・バルドマイン:腹違いの弟。王配となる予定のレイルに対し、元から伯爵位を継ぐものとして育てられた。性格感情その他全部未定。兄を案じるいい奴かもしれないし、妬む小悪党かもしれない。
- ネイトラ・レイロイン:レイロイン王家の息女にして、次期女王。レイルの婚約者で、少なくとも婚約していた頃はレイルの事を憎からず思っていた。
物腰優雅で国母に相応しい優しさと包容力を備えた振る舞いの女性、程度のイメージ。その内面は未定。今でもレイルの事を慕い続けているかもしれないし、今は「全てを失い価値がなくなったつまらない男」かもしれない。昔からよく知るレイルの事を本当に愛していたのかもしれないし、「有力な伯爵家と歴史ある王家の血筋」を愛していただけかもしれない。
互いに余裕のない状況で心無い言葉を掛け合い別れたが、それを後悔しているかもしれないし、それを未だに怒っているかもしれない。
- ファリピ・ヤリサール:レイロイン王家の分家筋で、ネイトラの現許嫁。バルドマインの伯爵家と王家が一つになってしまう事の影響を重んじたため、伯爵位を継ぐ予定のオットーは新しい婚約者にならなかった。
性格背景その他全部未定。実は意中の女性がいて婚約は迷惑かもしれないし、王家への逆タマという棚ぼたに浮かれているかもしれないし、そもそも「実は男装の麗人」で、事が明るみに出て全てが破綻してしまう事を恐れていたりするのかもしれない。
プレイの記憶
第一話(2023/05/07) 英雄達、アンフィールにて邂逅し、おかしな三人組の襲撃を受ける
気ままな旅暮らし。俺はウォーターディープにほど近いアンフィール(アンファイル)の街に逗留していた。
いい加減な事を言って適当に日銭を稼ぎ、俺と同じろくでなしどもと適当に騒ぐ日々は楽しい。故郷とは大違いだ。
いつものようにいい加減な芸で小遣いを稼ぎ、酒場で娼婦ども相手にホラを吹いて遊んでいたら、おかしな二人組に絡まれた。
一人はいかつい北方人の男、もう一人は修道女だろうか? 年若い小娘だ。
何でも、財布を盗まれたそうで、犯人の特徴は「小奇麗なハーフエルフの男」ぐらいしか記憶になく、俺がそうじゃないかと聞いてきたようだ。
ふざけた話だが、なんだか成り行きで取り返す手伝いをする事になってしまった。
男の方はカルド。案の定北方出身で、良く言えば素朴で実直、悪く言えば粗暴で単純な奴だ。
少女の方はフィービー。一人で旅が出来るような風には見えないが、何やら訳アリらしい。
結論から言えば財布探しは無駄足だったが、向こうから来てくれた。
俺達が逗留する事にしたリリアの店に、武器を持った三人組が押し込んできた。その仲間だか監視役だかが、フィービーの財布を盗み取ったらしいガイウスという男だったのだ。
連中の狙いはフィービーだった。財布を盗んだってのも金銭や腹いせとかじゃなくて、おびき出す材料にしたかったのかもな。
どうもおかしな物語が始まったようだ。
初出/重要名詞
- アンフィール
- ウォーターディープからロングロード大街道を北へ一日二日下ったところにある街だ。
- オークはもちろんゴブリンだって、悪ささえしなきゃ暮らせる素敵な街だ。もっとも、庶民相手にスリや恐喝をするぐらいじゃ、「悪さ」に含めて貰えないようだが。
- リリア・ハートウェル
- アンフィールの泊り酒場「夜の帆」でバーテンをやってる女だ。気さくでお人好しだが、いい加減で調子のいい奴だよ。
- ガイウス・シェイドウォーカー
- アンフィールで悪さをして暮らすチンピラだ。ハーフエルフってのはろくでなししかいないのかね。
- 影の女王
- フィービーを襲ってきた三人組が口にした単語だ。聞いた事はないが、地下世界に関係してるか、そう吹聴してる詐欺女かね。多分ドラウなんだろうな。
第二話(2023/05/21-) 英雄達、秘密の地下室を目指す
①(2023/05/21)
ガイウスが言うには、フィービーを狙った三人組は「影の使徒」なる結社の一員であるらしい。ガイウスってのは財布を盗んだ男の名だ。
ただフラれた腹いせに協力しただけらしいガイウスを見逃し、三人は官憲に引き渡した。
その後、二人から話を聞くに、二人はどうも謎めいたアーティファクトを探していて、そしてそれに纏わる何かが、この街の「秘密の地下室」にあるらしい。
かと言って、二人が探しているアーティファクトはそれぞれ、杖と籠手で別物だ。そんな偶然があるだろうか? 途中で失伝して別物として伝わっただけで、同じものなんじゃないのか?
ともかく、アーティファクトとやらの実在を信じるのが、二人だけじゃない事が翌朝分かった。
「影の使徒」は世界の支配を目論み、アーティファクトはそのために必要なんだそうだ。既にいくつかを手に入れているとか。
金持ちが道楽でホラ話を追いかけているのでなければ、捨て置けない話なのかもしれない。地下室への侵入を試みるグループもあるようだしな。
エリザ・ムーンフェザーという情報屋なら、地下室について何か知っているはずだ。
リリアに教えられて接触したところ、どうも「秘密の地下室」という遺跡がこの街にはあるらしい。まさか固有名詞だったとは。
しかも都市の管理下にある遺跡だ。中に入るにも、許可が要るだろう。
②(2023/05/28)
ひとまず、フィービーの伝手を頼る事にして、ラサンダー神殿を訪ねた。
そこでカルドの使命も初めて聞いたんだが、民話に出てくる悪役でおなじみの魔術師ザーロックを封じ込めるアーティファクトを探しているのだとか。
カルドの目つきを見れば大真面目に言ってると分かるが、言われて信じる奴もそうはいないだろう。特に胡散臭い投資話なんぞに日々晒されている商人達の中には。
フィービーの伝手で町長に面会出来るのかもしれないが、いつになるか分からない。
影の使徒とやらが地下室への侵入を成功しているなら、急を要する状況だ。
外に仕方がないと判断し、忌々しい話だが、身分を明かして町長にアポイントを取る事にした。
町長は話の速い男で、二人の説明を受けて遺跡への進入はすぐに許可された。
フィービーは俺の素性について随分訝しんでいたが、適当にごまかした。
町長には廃嫡されていないように見せかけ、仲間にはそれが嘘であるかのように見せかけた。気が重いのは、奴らを仲間だと思い始めているからなんだろうな。
地下室の封印は既に暴かれ、幻影で隠蔽されていた。思っていたよりずっと大掛かりで技術スタッフも充実した組織のようだ。
衛兵がまごついていたので指示を出し、俺達は中に入った。兵士って奴は、大声で命令されれば従うもんだ。都市の市民兵だって例外じゃなかった。
結論から言えば、侵入者は死んでいた。アーティファクトを手にしたはいいが、おかしな知識欲を出して悪戯をしたらしい。
これまた、思っていたよりずっと危険な品物だ。マジックアイテムをちょっと弄って三人も死ぬか? 増して、存在を歪められてアンデッドになったりするものだろうか。
地下室に眠っていたアーティファクトは、名前を知っている人物の所在を探す、というものだった。
これを求めるという事は、連中も目的のために必要なもの全てを把握していないという事だ。
フィービーの事を知って誘拐を試みたり、部隊を組織して都市の保護遺跡に侵入したり、しかもその実態は全く把握されていないという恐ろしい相手だが、ここでようやく良い情報を得られた。
組織の実態どころか規模すら知られていない連中だ、衛兵や市庁舎の中に内通者がいる可能性もある。
アーティファクトは持ち帰るべきだろう。最悪、破壊する事も考えたが、地下室で死んでいた三人のようになるのは御免だ。どうにか借りられるよう、市長に頼むしかあるまい。
初出/重要名詞
- ギルドホール
- 周辺に遺跡等が点在し、傭兵や宝探しが集うアンフィールで、その手の冒険者が情報や依頼のやり取りを行う場所。
- 成立の経緯は詳しくないが、荒くれのよそ者どもが暴走しないよう紐をつける意図で設立されたんじゃねーかな。登録した感じ、恐ろしく緩くて所謂ギルドって感じはしない。
- トロス・アイアンフット
- アンフィールの街で衛兵を務める老ケンタウロス。あの筋肉を相手にしたら、大抵の奴は震え上がって大人しくなるだろうさ。
- 結構な歳のようだが元気に街を巡回する姿をよく見る。ケンタウロスはむしろ、そうしないと運動不足になっちまうのかもな。
- エリザ・ムーンフェザー
- ウッドエルフの情報屋。冒険者がたむろするギルドホールによくいるが、雑多なギルドホールに似つかわしくない容姿の持ち主。
- 時たま酔っ払ってちょっかい出すバカがいるが、こんな場所にドレス姿で一人でいる女がただ者なわけがないだろうに。
- マタギ
- タバクシー族で、ラサンダー神殿に仕える人物。正しくは"風またぎ"という名前らしい。役職なんかは良く分からんが、侍祭あたりだろうか。
- フィービーはアンフィールに着いたらこいつを頼るよう言われていたらしい。最初に会っていれば、財布をすられたり何だりって面倒はなかったんじゃなかろうか?
- ザーロック・クルーニス
- 民話でよく聞くレベルの有名な魔法使いだ。あまりに有名で色んなところで出てくるので、却って実態が掴みにくく胡散臭い。
- だが、実在については疑いの余地はないだろう。そして、そいつが邪悪な奴だったという事も。
- カルド達がアーティファクトを探し求めるのも、そいつが蘇るのを防ぐためだそうだ。……いや、相当昔の人物だが、死を超越しているのか?
- ちなみに影の女王とやらは、ザーロックの弟子なんだそうだ。長生きな師弟だな。
- ブロンドン・ダムバード
- アンフィールの市政を預かる町長。"銅鼻"のあだ名で知られるゴールド・ドワーフ。
- 都市の発展と安全のためなら何だってやるような男であるらしい。合理主義的なところはドワーフらしいが、拘りがなさそうなところはドワーフらしくない人物だ。
- つまらない茶番につき合わせてしまったな。
- 探索者のコンパス(仮)
- 恐ろしく古い、壊れかけた携帯型方位磁針だ。
- 名前を知っている人物の位置を特定する事が出来るらしい。壊れかけていて、使えるのはせいぜいあと2回ってところだな。
第三話(2023/06/11-) 英雄達、次なる目的地を目指す
①(2023/06/11)
アーティファクトを確保して地上に上がると、早々に市長に呼び出された。まぁ、報告は必要だよな。
色々あってアーティファクトはそのまま預かる事になった。無難な決断だろう、表沙汰にはなっていないし、どこに敵が潜んでいるかも分からないのだから。
どさくさで俺も支度金を貰ってしまったけど、これは折を見て彼らに渡そう。俺には荷が勝る探索行だ。
……そう思っていたんだけど、なんだか雲行きが怪しくなった。
最後の手助けという事で、悪党が持っていた手紙の解読に立ち会ったんだが、そこで予想だにしなかった名前が出てきた。
ネイトラ・レイロイン。グレイクローク王家の第一王女。
そんなやんごとなきご令嬢が、影の女王手ずからに誘拐されて、イリュカーンなる遺跡に運び込まれる手はずであるらしい。
俺にはもう関係ない話だが、念のため裏を取るとどうも間違いないらしい。
地元の話だ、気になるのは無理もない。だけど、俺が出来る事は何もない。
せめて、この情報を流して、誰かが解決するのを期待する事にするさ。
俺には関係ない事なんだからな。
②(2023/06/25)
あちこち駆けずり回ってみたものの、王女殿下救出に即応してくれる者はいなかった。
知ってしまった以上、見捨てるのは寝覚めが悪い。全くついてない。
最後の望みを託して、フィービーとカルドに再度同行を申し出た。
彼らは「影の使徒」なる連中からアーティファクトを守るため、イリュカーンに向かう手はずだったはずだ。
夜通し駆けずり回ってヘトヘトだったが、せっかく貰った礼金を装備に変えて「夜の帆」に戻ると、丁度彼らも出立するところだった。
話してみれば、彼らの主目的はネイトラ救出だとか。
ドッと力が抜けて、笑ってしまった。一晩の苦労は何だったんだろう、と。
晴れて三人でイリュカーンへ出立、と思ったんだが、思わぬ横やりが入った。
街中でヘルハウンドを使役する魔術師に襲撃されたのだ。
どうやって持ち込んだのか分からないが、いるものは仕方がない。俺達にヘルハウンド(しかも二匹!)は荷が重い。
対応に迷っていると、以前フィービーが助けていたハーフエルフが逃走を手助けしてくれた。
確かレオとか言ったろうか?
ゴミ捨て場の悪臭で追跡をまき、我々はアンフィールを後にした。
道中、それにイリュカーンにはもっと恐ろしい相手が待ち構えているかもしれない。心して臨もう。
初出/重要名詞
- イリュカーン
- アンフィールの東、森を抜けたところにある遺跡だ。
- 何があるかは知らないが、そこにネイトラが連れ去られたらしい。
- サビーナ(レイルは会ってない)
- ドラウの修道女。フィービーとは旧知の中であるらしい。
- どうも個人的に悩みがあるようだが……?
- セラ・ブレイズトラック(①時点で会ってない)
- 早とちりから街中で突然弓を射かけて来た頭のおかしい女。
- どうも家族を何者かに殺されたらしく、犯人の背格好がカルドによく似ていたようだ。
- ヴェイガン(①時点では誰も会っておらず、話題に出ただけ)
- セラの証言からカルドが「そいつではないか」と思い至った人物。
- カルドの親戚で、アンデッドとの戦いに出て、ついぞ帰る事が無かったという。
- 技術分野はローグに近く、思い詰めるところのある人物だったそうな。
- レオ(初登場は第二話)
- 財布を盗んだ盗まないで傭兵か何かと揉めてた少年。
- フィービーが見つけて助けて、それっきりだと思っていたんだが、今回助けられた。
- 恩は売るもんだ。まったくフィービー様様だな。
第四話(2023/07/09-) 英雄達、姫君の救出に向かう
①(2023/07/09)
アンフィールを出たところでレオと別れ、代わりにセラが旅に加わった。
何やらカルド達に借りがあるようで、助言してやろうと待っていたらしい。
イリュカーンへは東の森を抜ける必要があり、そこの住人である彼女が道先の案内をしてくれるのは大変心強い。
……と思ったが、道に迷いやがった。
どうもおかしいと思ったら、何やら森のフェイに迷わされていたらしい。
見分けがつかないのも無理はないかもしれないが、以前森で暴れた莫迦どもの仲間だと思ったようだ。
森を侵すのは確かに気が引けるが、通らない事には始まらない。
剣を交える羽目になったが、どうにか制圧。あれっぽちの規模での襲撃という事は、森の住人達の総意ではなさそうだ。
とはいえ殺せば話が変わってくるかもしれない。お互い怪我しただけで済んだのは幸いだった。
森のフェイことドライアドの女から、多少話を聞くことが出来た。
彼女は、ヴェイガンがセラの家族を殺すところを見ていたようだ(比喩表現かもしれないが)。
連中は、森の奥にある禁足地に入りたいと思っていたらしい。それで案内をさせようとして、断られたので殺した、と。
イリュカーン以外にも、この辺りには危なっかしい場所があるようだ。
いずれにせよ、悪党どもから禁足地を守って命を落とした一族には敬意を表したい。
小屋に着いたら、墓前に案内してもらおう。
①(2023/07/09)
墓は山小屋のすぐわきにあった。
軽く手を合わせ、次にやった事は大掃除。
セラが前に進むにはこうした方がいいんだそうだ。確かに襲撃のあと、遺体を片付けただけの荒れ放題ではあったが。
しかし、前に進む気持ち……ねぇ。
どうにか寝床を確保して一晩休んで、翌朝すぐ発った。
道中、薬草師とかいう爺さんに会った。うまく乗せられて木登りをする羽目になったが、今思えばうまく誘導された気もする。
まぁ、久しぶりに懐かしいものを思い出させてくれた。その礼だと思えばいいか。
…ルナリス・ヴェール。月光を浴びて育つ薬草だ。母様が昔、教えてくれた。
首尾よく薬草を手に入れてやり、川を渡ったりそこでワニに襲われたりして、俺達はどうにか森を抜けた。
先日のドライアドだろうか? その助けもあったように思う。
初出/重要名詞
- モグ
- ノームの薬草師。とぼけた爺だが、結構な食わせものだ。
第五話(2023/08/06-) 遺跡攻略
①(2023/08/06)
イリュカーン遺跡は、森とは対照的に乾いた石だらけの場所だった。
元は城下町だったのだろう、中心には立派な城がまだ形を残していた。
影の使徒のものだろう。集団が出入りした形跡がすぐに見つかった。
数はそれなりにいるようだ。徒歩が十名かそこら、動力は分からないが車両もあるらしい。
遺跡に入ってすぐ、宝探しにやって来たという女二人組と遭遇した。
彼女らは影の使徒と対立しているようで、手傷を負いながら一時撤退し、潜んでいたそうだ。
聞くところによれば、連中は遺跡に潜む怪物どもをある程度手懐け、従わせているらしい。
ゴブリン、それにシャドウあたりがいるようだ。
あと、腕利きのショートソード使い。そいつはどうやら、セラの家族の仇らしい。
彼女らの協力を取り付けつつ、寄り道になってしまうが、戦力増強に一縷の望みを託して、遺跡の宝を探る事で方針を固めた。
宝物庫には低級アンデッドがひしめいていると言う。こちらの戦力がどれほどのものか知る上でも、それなりに意義がある作戦のはずだ。
聞かれてもいないのにそう言い訳してしまうほどには、俺は焦っているらしい。
そのせいかな。その晩、ひどく懐かしい夢を見た。
「あの時」の手前で目が覚めたけど、今でも忘れられない。
ネイトラ。君は正しい。もう俺は君の前に姿を見せるべきではないのだろう。だけど、こうせずにいられないのだ。
②(2023/08/20)
翌朝の寝覚めは最悪だった。
聞けばカルドやフィービーもおかしな夢を見たという。古い遺跡だ、何か魔物でもいるのかもしれないな。
ともかく、昨夜話していた宝物庫の襲撃は首尾よく行った。
これがただの盗掘だったら大収穫だ。
しかし本番はこれからだ。
お互いの立ち回りも分かったところで、我々はネイトラが囚われているであろう塔へと向かった。
③(2023/08/27)
塔に入って早々にささやかな洗礼を受けた。
宝物庫で手に入れた武器のおかげでこれを簡単に退け、奥へ。
そこで囚われたネイトラと、ヴェイガン、それに影の女王と対面した。
夢中で立ち回り、気づけば生き永らえて立っていた。そんな感じだ。
犠牲が出なかったのは、運が良かっただけだろう。
影の女王は底が知れない。次の予定が詰まっていたおかげで、我々は見逃されただけだ。
ヴェイガンは死んだ。色々思うところもあったろうが、セラは淡々としていた。
奴は籠手と古びた手記を残した。カルドがどういうつもりで受け取り、セラがどういう思いでそれを見ていたかは分からない。
それよりネイトラだ。
何故アーティファクトを集める連中が彼女を拉致したのかは分からないが、彼女のいるべき場所まで送り届けねば。
人並みの扱いは受けていたようだが、本来からすればろくな待遇ではなかったのだろう。彼女は汚れていた。しかし変わらず美しかった。
④(2023/09/03)
色々と気になる事はあったが、優先すべきはネイトラを連れ帰る事だ。
敵拠点の調査は行わず、安全確保のための最低限に留め、我々は休息の後、遺跡を後にした。
ヴェイガンの手記を読んだ。奴は故郷の未来を憂いて悩んだ末、敵対者と知ったまま影の女王に協力して、手を汚していたらしい。
それが帳消しになるわけではないが、そのお陰でカルドは、使命を帯びて探していたアーティファクトを手に入れられた。これも事実だろう。
カルドを見る限り、彼らの故郷は「文書に残す」事をあまり重視していないようだ。だからこそ、ヴェイガンの手記は、彼の後ろめたさを強く匂わせる。悪く言えば言い訳がましさだが。
手記からはもう一つ収穫が得られた。それは「影の女王」の名が、エリザベラ・ヴェイルシャドウであるらしい、という事だ。
単なる名乗りかもしれないが、その時々で使い分けている風でもなさそうだ(ならばヴェイガンも気づいただろう)。あの女の足取りを掴む一助になるだろう。
帰りの道中は平穏そのものだった。女どもは談笑しながら歩いていたが、俺はどうにもそういう気分にはなれなかった。
あと少しでネイトラから手が離れる事が出来る。フィービーは話し合えと言ったが、あと少しすれば今度こそ二度と会わない相手だ。
そういう終わりもある。変な波風を立てるのは面倒だ。
余談になるが、遺跡で出会ったイレインという女冒険者。アンフィールで宿屋「夜の帆」を営むリリア・ハートウェルの娘だそうだ。
世間は狭いもんだ。
初出/重要名詞
- イリュカーン遺跡(追記)
- 古代、ヒューマンを中心とした王国の都市の遺跡。
- 時期や滅亡理由も良く分からないが、多くの財宝が眠っていると噂され、盗掘屋が度々訪れる。
- イレイン・ハートウェル
- ライトフット・ハーフリングの女ローグ。冒険者を自称している。
- 社交的だが、心配性で、そのくせ純朴な娘だ。おかげで我々もお宝のおこぼれに預かる事が出来そうだ。
- アンフィールで宿屋「夜の帆」を営むリリア・ハートウェルの娘であるらしい。
- アディリ
- ヒューマンの女バーバリアン。イレインとコンビを組んで活動している。
- 口数は少ないが決断力があり、魅力がある女だ。イレインとはいいコンビなのだろう。
- ゴーストリーパー
- 魔法のショートソード。+1相当。
- 「得意な敵」に対して、追加で1d6[光輝]ダメージを与える。
- 巧緻のレイピア
- 魔法のレイピア。+1相当。
- この武器を手に持っている時、1BAで声援ダイスを1つ回復できる。
- この効果は一度使用すると、次の夜明けまで再使用できない。
- セレスチャル・アーマー・アップグレード
- フィービーのミスラル製ハーフプレートを、ミスラル製プレートアーマーに変更できる追加装甲。
- 神聖伝導を使用した時と、魔力点を消費して呪文スロット生成を行った時、次の夜明けまで一時的hp10を得る。
- この効果はそれぞれ「その日初めて」その能力を使用した時に限られる。
- それぞれの効果は重複しないが、別々に使用できる(どちらか一回ではない)。
- 守護の籠手(Guardian's Gauntlet)
- 同調を必要とするアーティファクト。同調し恩恵を得るには、着用者の属性が「秩序」である必要がある。着用者のSTR・CONを各+2する。
- 着用者は特殊能力「守護の盾」を発動できる。着用者から120ft以内の任意に選んだクリーチャ全てに対し、AC+2のボーナスを与える。
- 「守護の盾」の効果は1分間継続する。いつでも発動し、発動にアクションを必要としないが、1度使用したら次の夜明けまで使うことが出来ない。
- 上記以外にも秘められた力があり、条件を満たした時にそれは発動するらしい。条件については不明。
- 影の女王
- エリザベラ・ヴェイルシャドウという名があるらしい。本名かどうかは不明。
- マルシァント
- グレイクロークの商家。王国政府の御用商人みたいな存在で、アンフィールにも拠点がある。
- と言うと「国家の貿易を一個人が一手に握る。国家もそれを異常と認識してない」ていうおかしな設定になってしまうので、実態としては王国が国営する商業ギルドみたいな存在なんじゃないかと予想。
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■使用済み相談情報 |
次回相談用の情報
ちょっと用事で参加難しそうなので、色々書いておきます。
別に要求ってわけではなくて、「使えそうなら使う」「面白そうだと思った部分を拾う」ぐらいに扱っていただければ嬉しいです。
- 次回シナリオのテーマ案
- ミニイベント集:単体でシナリオ一本まで膨らませにくいような、小さなイベントを沢山こなすタイプのシナリオ。
- 整理回:ここまでで起きた出来事の認識合わせや、次回以降のモチベーションとなる情報の展開などを行うシナリオ。
- 交流回:NPCとPCの関わりを作ったり深めたり変化させたり、と言ったイベントを扱うシナリオ。
- 次回シナリオの要素(基本「カルドの嫁候補が沢山出てくる」をテーマにでっち上げてます)
- リリアとイレインの母娘喧嘩と和解:心配から反対したリリア、反発して飛び出したイレイン。この母娘が再会してぎくしゃくした関係から仲直りするイベント。間に別イベントを挟む事で「時間経過による変化」を表現しやすくなると思います。
- セラと新しい暮らし:仇討ちを終えて目標も大事なものも失ったセラが、新しい趣味なりなんなりを探すイベント。(別目的で動き回る)PCについて回れば、あーでもないこーでもないと試行錯誤する展開にしやすくなると思います。
- アディリの取り返したいもの:完全捏造ですが、例えば「家宝の魔剣を買い戻したい」みたいな思惑が実はあった事にして、「今回の財宝や褒賞でまとまった金が手に入ったがあと僅かに足りない」とかすれば、シナリオを通して「ミニイベントを沢山こなす」理由付けにしやすいんじゃないかと思います。
- レオの道案内:ミニイベント集でアンフィールを歩き回るなら、レオが案内役として最適だろうと思います。適度に手分けをすれば、二人きりで実質デート、みたいな展開もやりやすいかと。彼は流石に「カルドの嫁候補」で考えてないですが。
- サビーナへの報告:確定していなかったと思いますが、ヴェイガンが彼女の片思いの相手なら、彼の死を伝えるイベントは見てみたいです。その後なんやかんやあって「彼に似た面影」のカルドに新しい恋をする展開も見たいです。
- ダークエルフは惚れっぽい:エリザベラが別人に化けてPCに近づき、カルドの男らしさに道ならぬ恋に落ちるイベントが見たいです。すいません見たいのはホントだけどこれはネタです。
- お金を稼げ:シナリオの目的として、短期間で目標額を稼ぐ、というのはどうでしょう。これまで報酬について金額を明確にしてこなかったので、都合よく「あと○○G足りない」はやりやすいと思います。
- 名声を稼げ:お金の変化形ですが、特定情報へのアクセスや、特定人物への面会のため、「冒険ギルド貢献ポイント」みたいなもんを稼ぐ必要がある、なんてのも手だと思います。これなら「明らかに金にならなそう」なイベントも積極的にこなす事が出来るかと。無理のある設定を一つ生やすリスクはありますが。
- ○○を探せ:人やアイテム、あるいはそれに繋がる情報を探す、という構図が作れれば、各イベントの順番や回数をコントロールしやすくなるかと思います。まぁ自由度は下がるし作るのも大変になりそうですが。。。
- 次回やそれ以降であったら嬉しい要素
- ネイトラのその後:マルシァント商会の別邸(かなぁ?)に留まる事になったネイトラが、どういう待遇でどういう生活をして、この後どうやって王国に戻るのか?て情報は知りたい……というかレイルというキャラクターは気にすると思います。
- 結局何が起きているのか?:現時点では「とある強マジックアイテムを集めて悪さしようとしてる影の女王がいるらしい」「PCの一部は使命としてとある強マジックアイテムを探している」ぐらいの理解な気がします(アーティファクトってそのぐらいのニュアンスで良かったですよね?)。
そろそろもうちょっと具体的に「強マジックアイテムに共通の符号(作成者など)は?」「影の女王の目的は?」を知って、意思決定や「看過するわけにいかない」と決断する材料が欲しいです。
- 結局何が起ころうとしているのか?:↑と重なるんですが、「ほっといたらどーなるのか?」「女王が次に狙うのは?」等といった今後の情報を(誤情報でもいいので)出してもらえると、レイルが覚悟を決める後押しになってくれてありがたいです!
- ○○しないと出られない部屋:これは次回に含めるのは難しいかと思うんですが、レイルとネイトラが互いに逃げ出せずに長時間一緒に行動するしかない、ていう状況が欲しいです。
囮作戦とか、「敵の不意打ちを受けて」とかでパーティ分散してしまい、「各個撃破される前に合流」を目指しながら個別に進むシナリオ、とか。
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外伝1(2023/09/24-) 令嬢Go Run Seen
@(2023/09/24) ※第0回
アンフィール。一国の王女が黙って入国すれば問題になってもおかしくなく、ネイトラ自身そう言う事を気にするタイプなのだが、本人が疲労困憊していたので、手続きはさておきひとまず街に入った。
イレインを使いに出して暫し。特に会話もなく過ごしたが、彼女は何を考えていたのだろうな。
駆けつけてきたマルシァントの連中に姫を託し、俺達は別れた。
別れ際。「二度と戻らないのか」と聞かれた。そりゃそうだろう、死者は蘇らない。シェリンバー森の王国が蘇らなければ、俺の居場所も戻らない。
そう返そうとしたが、何故だろうな。出来なかった。
旅が終わり、手近な店に駆け込んだ。俺達の風体からするとだいぶ分不相応な店だが、珍しくカルドが入りたがった。
俺もそうだが、一仕事終え、懐も温かいので、浮かれたんだろうな。面白かったので入って見る事にした。
店の人間にはだいぶ白い目で見られたが、武装した一団を追い返すには、この店の用心棒はだいぶ線が細かったようだ。
俺達も別に暴れたりしなかったしな。
高いだけあって酒も料理も旨かった。支払いが最後なんてのも、俺達の暮らしからすればなかなかに珍しい事だ。
額面を見てイレインが目をむいてたな。
疲れていた事もあり、しこたま食って、飲んで、そのまま上階の宿に部屋を取った。
湯女をつける事も出来るそうだが、明日にしてくれ。今はただ眠りたい。
①(2023/10/01)
朝。何やら神殿で用事があるとかで、フィービーが出て行った。
入れ違いにやってきたのが、アリアンナ・ディアネールなるご令嬢と、その供のティーフリング女だ。
ティーフリング女はモーデッサというそうで、ウィザードかアルケミストか知らないが、ともかくそっちの匂いがする人物だった。
何しに来たのかどうにも要領を得ないが、目当てがカルドであるようなのは明白だ。
興味が失せたので適当におちょくって流す事にする。世間知らずそうなお嬢様だが、男を見る目はあるようだ。うまく行くとは思えないが。
モーデッサはご令嬢お抱えのアーティフィサーであるらしい。「科学的興味」で人間を解剖しそうなタイプに見えたが、対象は違うようで一安心だ。
ご令嬢がカルドに一目ぼれ(と言い切ってしまっても良いだろう)したのは、セラとの邂逅の場面らしい。
その大立ち回り(というより苦し紛れの曲芸と言うべきか?)に居合わせて、いたく感激したようだ。
だからと言って、劇場を借り切ってその場面を再現させるという発想は良く分からん。実はモーデッサと同類なのかもしれない。
セラとカルドは令嬢の頼みをあっさり受けた。あの度胸はどうやって身に着けたんだろうな。
殺す気で矢を放ち、それを手にしかリンゴで受けるとか。一歩間違えば死んでもおかしくない危険な曲芸なんだが。
連中は特に気負うでもなくすんなりこれを成功させた。ああいうのを見ていると、俺とは違う世界の人間なのだなと実感する。
しかしその直後、不可解な事が起こった。
何もない空間から急にもう一本矢が放たれ、カルドが同じように受けた。
だがその場に残された矢は一本、受けたリンゴ(洋ナシらしいが)も一個。そして水晶?だろうか?それが一欠け。
ご令嬢の仕業かと思ったが、そうではなさそうだ。何とも脈絡無い怪異だ。この劇場に何かあるのだろうか?
②(2023/10/29)
そんなこんなでその日は解散。懐は暖かいしやる事もないしでしばらく自堕落に暮らして数日たった頃。
セラに呼ばれて下りて行ってみると、カルドから見覚えのある水晶を渡された。
先日、劇場で見かけたものだ。
解析呪文を使ってみると、時間を巻き戻す効果があり、カルドと何らかのボンディングを結んでいるらしい。
今日明日に何かが起こる訳ではないようだが、気持ちが悪いのは確かだ。
有識者に尋ねてみようとムーンフェザーに聞いてみたが、彼女に魔術師のあてはなく、代わりに関係がありそうな石の話を聞くことが出来た。
その石とやらは、ディアネール家が有しているそうだ。予断は出来ないが、あのご令嬢に関わる事で偶然、巻き込まれたのかもしれないな。
③(2023/11/05)
見立てでは商家か下級役人から成り上がった男爵家のようだが、流れ者の我々からすれば天上人だ。
どう渡りをつけようか決めあぐねつつ、ともかくディアネールの街屋敷へと向かっていると、モーデッサに遭遇した。
向こうも想定外の状況で慌てているようだ。出来過ぎな状況ではあるが、どうにも疑わしく感じてしまうのは、モーデッサの物言いが胡散臭いからだろう。
その胡散臭いモーデッサだが、知見は確かであるようだ。
短時間の調査で、石の効果をほぼ特定してみせた。
石は親子になっていて、親の方はご令嬢にボンディングしているとの事で、子はカルドに取り付いている方。
特定の条件が成立すると時間が戻るそうで、今回は令嬢とカルドが離れる事、だそうな。
微笑ましい話だが、使命があるカルドにとっては大いに害がある。
解消には「親」を砕く必要があるが、どういう理屈か、石自身が抵抗するらしい。
厄介な話だが、石の代金を請求されるよりは気楽なのが救いかもな。
④(2023/11/12)
郊外の公園で石を割る事にした。
石自体が抵抗してくるとの事だが、それはどうも、比喩ではなかったらしい。
兵士や騎士達からすればその方がありがたいのかもしれないが、石は自らの状況を人間のように察して、人間のように武力を以て抵抗してきた。
なかなかに稀有な体験をさせて貰ったが、歌にするには地味すぎる。まぁ、懐が暖まったので良しとしよう。
初出/重要名詞
- 金の燭台亭
- アンフィール通商門前の広場を見下ろす位置にある高級宿。
- 酒も料理も旨い。たまにはこういう店も悪くない。が、俺はもうちょっと常連の品が悪い方が好みだ。
- アリアンナ・ディアネール
- ディアネール家のご令嬢。あまり聞かない家名だ。ここらの社交界には詳しくないが、金はあるが歴史はないジェントリの類だろうか。
- いかにも深窓の令嬢と言った雰囲気だが、帝王学みたいなものを叩き込まれた様子もない。単なる箱入りかと思いきや、モーデッサみたいな胡散臭い人物とも親交がある。良く分からない人物だ。
第六話(2023/11/19-) 故郷に錦を
①(2023/11/19)
色々あってあれからしばらくたった頃、イレインが訪ねて来た。
どうも、冒険を成功させて凱旋したが、気まずくて帰るに帰れないのだという。
そこで何やら母親が喜びそうな品を見繕って手土産にしたい、とかなんとか。
正直呆れつつ、手を貸してやる事にした。
いや正直、知ってると思うんだけどな……。アンフィール程度の都市で、宿屋の女将だろ?
地元出身のトレジャーハンターが一山当てて故郷に凱旋したなんて、いかにも噂になりそうな話だが……。
まぁ、あの女にこの娘なら悪いようにはなるまい。
母親が生きてる内に何か恩返しができるなら、それは幸運な事だ。暇つぶしがてら、高見の見物目当てでやらせてもらおう。
②(2023/11/26)
フィービーは真面目にイレインに付き合ってやってるようだが、俺は適当にやらせてもらう。
見た感じ、カルドも「助言で十分役目を果たした」と考えてるようだ。
そんな訳で、運試しも兼ねてインスピレーションを貰おうと、古物商に向かってみた。
店主のオリヴァーは、どっからか仕入れたガラクタに「物語」をつけて売っているふざけた老人だ。
が、ストーリーテラーとしてはそっちの方が性に合う。正しい由縁なんぞは学者に調べさせておけばいい。
そんなわけで結構馴染みにしてるんだ。
店に入るとモーデッサがいた。ここ最近何かと縁がある。
学者……というか技術者、あるいは発明家とでも呼ぶのが正しいんだろうな。
一興かと思い掘り出し物を見繕ってもらったが、なかなか見事なものだった。
安くない品ではあったが、今後の冒険で大いに役立つだろう、そういう意味で。
一日街をぶらぶらして夕刻。
唐突に時の鐘がでたらめに鳴ったので行ってみると、案の定と言うか、カルドの仕業でフィービーがカンカンになっていた。
色々と情報を共有したところ、リリアは何とか言う香草を欲しがっているので、それを取りに行きたいのだそうだ。
カルド達は同行するようだが、ようやく文明地に戻ってきたんだ、当面ウィルダネスは御免だね。俺は笑顔で見送る事にした。
晩近く。ギルドホールに行くと、ネイトラがいた。
エリザに礼を述べて、ついでに何か聞ければと思ったんだが、彼女は不在、全くの無駄足……それどころか藪蛇だったようだ。
早い内に帰国したいが、人でも金も何もかも急すぎて足らず難航しているようだ。
内通者の問題もある。もどかしいが、しばらく不安定な状況が続くのだろう。
③(2023/12/10)と④(2023/12/17)
ふと、イレインの冒険を詩にして披露してやるのはどうか、と思いついた。
アディリに聞けば数年来の仲だという。彼女から、駆け出しの頃からの話をあれこれ聞いて、笑える失敗談を中心に一曲作ってみた。
客はリリアの方だ、イレインからすりゃ不満の出来栄えかもしれないが、まぁどうなるかはお披露目の時の楽しみだな。
イレインの方も大体準備が出来たようだ、と思ったら、「夜の帆」の通りで火事騒ぎが起きた。
急行すると、影の使徒?らしい魔術師(とそいつが呼び出したらしい炎の怪物)が暴れていた。
若干呆れつつも、放ってはおけない。
カルドの機転で開けた場所に誘導し、どうにかこれを撃破。死ぬかと思った。
聞きたい事は色々あったが、魔術師はさっさと自決。なんとも骨折り損の気分だ。
⑤(2023/12/24)
くたくたになって街に戻ると、それなりに感謝された。
それより早く休みたい。宿に戻るのも面倒で、その日はそのまま「夜の帆」で世話になった。
ベッドは「金の燭台」の方が上等だったが、遠くの毛布より近くのボロ布(「夜の帆」のベッドもボロ布って訳じゃないが)だ。
くたくただったので覚えていないが、イレインは無事、家に帰る事が出来たらしい。
面白い宴会だったようだが、ほぼ寝てしまっていたのが残念だ。
翌朝、フィービーを探索行に出させたらしい神父エリナスが訪ねて来た。
神父の口から改めて、影の使徒達の目的が語られた。その目的とは、古いおとぎ話で語られる邪悪な大魔術師、ザーロック・クルーニスの蘇生。
影の女王はその為のアーティファクト<闇を呼ぶ魔導結晶>を既に手にしており、さらに三つのアーティファクトが必要なのだという。
その三つとは、守護神ヘルムの籠手、愛と美の女神スーニーの刃(短剣であるらしい)、朝日と再生の神ラサンダーの杖だとか。
神父だから神がかった話になるのも仕方がないが、おとぎ話も入り混じって分からない事だらけだ。
が、確かな事もある。それが実現すれば大きな災厄となり、それを現実にやろうとしている連中がいるという事だ。
品物はセラの一族が守護していた禁足地にあるらしいが、とにかくレイロインの血筋の者の協力が必要だ。俺達ではどうにもならない。
エリナスに神殿から手を回してもらう事を依頼し、その日は終わった。
初出/重要名詞
- カルミン
- ドワーフの鍛冶屋。ドラウの尼さんを見初めて、贈物をしたいらしい。
- グリムノールの店で居合わせて、からかってやった。
- グリムノール
- 街で宝石商を営むドワーフだ。
- いい取引が出来たが、まぁそうそう関わり合いになる事はあるまい。
- スターデュー・リーフ(レイルは聞いてない)
- 地元のハーブ。高値で売買されるようなものではないが、なかなかの珍味であるらしい。
- リリア・ハートウェルの得意料理でも、これを使うらしい。
- オリヴァー
- アンフィールでオールドワールド・コレクティブルズという古物屋を営むノームの老人だ。
- 知見や腕前はかなりのもののようだが、性格に問題があって、言う事はまるで信用できない。
- けど、口から垂れ流すデタラメは実に面白いんだ。
- エリナス
- ラサンダーに仕える神父。フィービーの保護者のような存在であるようだ。
- ザーロック・クルーニス(故)
- 歴史に名を遺す邪悪にして偉大なる大魔術師だ。その名を知る者は少ないが、多くの地域で別の名前で伝わっている。
- 元は肥沃な平原だったというアノーラックを砂漠に変えたデーモンスルタン、太陽を掴みたくてヘルムの片手を食いちぎったという魔狼。
- 都市遺跡に住み着いて死者の軍勢を作り、四方に戦争を仕掛けた魔王。いずれもクルーニスの伝承にまつわる昔話だという。
- (勿論文字通りではないだろう。アノーラックは元々砂漠だ。せいぜい、どこかの農地を不毛の土地に変えた話が大きくなったのだろうし、ヘルムの片手云々も、あの籠手を作ったエンチャンターを襲って強奪したとかそういう話ではないかと思う。都市遺跡云々は嫌に具体的なので、史実かもしれないが)
第七話(2024/01/07-) 愛慕の刃と真実の愛
①(2024/01/07)
さて、スーニーの刃(愛慕の刃というらしい)の探索に取り掛かろうというところで、ネイトラの使者がやってきた。頼みたい事があるらしい。
余り気安く下々に頼られても困るんだがなどと口では言いつつ、彼女が困る姿を見るのは気分がいい。素直に応じてやる事にした。
とはいえ王族令嬢に「呼ばれたので来ました」と会いに行くわけにもいくまい。ひとまず後日伺う約束を取り付け、その日は予定通り図書館を訪ねた。
目当ての文献は意外にもカルドが見つけ出した。愛慕の刃に関しては、王国に伝わる話と大して差がないものだった。が、その所在に関して有力な手掛かりが得られた。
なんと、愛慕の刃に関する伝承で語られる時代の遺跡が、アンフィール郊外にあるらしい。
グレイクローク王国はお世辞にもここから近いとは言えない。王家ゆかりの遺跡がここにあると言う事は、今のレイロイン王朝が成立するよりずっと昔のものなのだろう。
愛慕の刃が、レガリアの如き扱いを受けているにも拘らず現物がなく、その伝承がふわっとして曖昧なのは、このあたりに理由があるのかもしれない。
その足で遺跡についての話も聞いてみたが、強烈なガーディアンに守られていて、中は分かっていないらしい。
その程度で強欲な盗掘屋が諦めるとは思えない、遺跡自体も枯れてしまっているのだろうな。
翌日。マルシァントの屋敷を訪ねた。
ファリピ・ヤリサールがやってきて、色々と情報をもたらしたようだ。
聞くところによると、宮廷で病が広がっているという。それも、呪いによるものだとか。
王国にも治癒の術師はいる、当面ばたばたと死人が出るような事態にはならないだろう。だが、罹患者が市井まで広がれば、手が足りなくなるのは明白だ。
そうなる前に事態を解決するために、愛慕の刃が欲しいのだという。
黒き疫病の箱の伝承を、彼女も思いついたのだろう。だが、疫病に短剣が役に立つと思うか? どうにも臭い。彼女がそう考えるよう、状況を作った奴がいるのではないか?
「分かりました」「任せて下さい」 そう言えば良い。宮廷の奴らがどうなろうが知った事ではないが、市井の者どもを救いたいという彼女の願いには共感しかないはずだ。
だが、どうした訳かその一言が出てこなくて、つい彼女の足元を見るような交渉をしてしまった。
自分でも分からない苛立ちがあった。狼狽えもせず、俺の賃金交渉に応じた彼女の眼に、ますます苛立ちが募った。
あまりに態度に出ていたのだろうな、見かねてカルドに窘められた。
俺は弱った彼女を見て胸がすく思いがしている。そして気丈な態度に腹を立てている。
そんな子供じみた自分に、俺は苛立ちが抑えられないんだ。
そういえばファリピとも顔を合わせた。向こうは俺の事を覚えていなかったらしい。
平民相手とは言え、王女の面会中に取り巻きを連れてぞろぞろ踏み込んできて、いかにも「話せる好人物」を気取って場を支配しようとするあたり、相変わらずのようだ。
側近の三人、トバイアス、エドマンド、セラフィナは見た顔だが、詳しくは知らないし、向こうもこちらを覚えていなかった。エドマンドとかいう若い貴族が、歳の近い同性だからだろう、親しげだったな。
内通者は彼らの中に居る可能性が高い。だが、愛慕の刃を首尾よく手に入れるには、彼らの手を借りる必要があるかもしれない。だから全く排除する事も出来ない。
数名を護衛として残し、その場は解散となった。
②(2024/01/21)
マルシァントの屋敷に交替で泊まり込み、ネイトラの護衛に当たる。
そんなある日、エドマンドとセラフィナが訪ねて来た。
新たな権力基盤を築く事に熱心なセラフィナに、調整役のエドマンド、と言った具合か。
どちらも違った意味で注意が必要だろう、全く面倒な話だ。
準備が整ったので、いよいよ遺跡に向かう。
賭けになるが、ファリピ達に協力を仰ぐことにした。
ファリピから見ても、エドマンドは若干訝しむ点があるらしい。
盗掘にはネイトラも同行する。面倒な事にならなければよいが。
③④⑤(2024/01/28~2024/02/11)
結論から言うと、遺跡は空振りだった。
王女を連れ回しての体たらく。多少手がかりぐらいはあるのではと期待したが、全く無駄足だった。
と思っていたら、ネイトラが怒り出して、そうしたら唐突に愛慕の刃が手に入った。
本国で疫病をばらまいている箱は、ファリピが持っていた。
というかファリピは偽者だった。成り代わっていたのはイザルスと名乗る青いドラゴン。可哀想に、本物はとっくに腹の中だそうだ。
戦わずに済んだのは幸運だった。しかしヤリサール家は地獄だろうな。よりによって、ドラゴンに嫡男を殺されて、面子のため復讐せねばならないとはね。
初出/重要名詞
- 大図書館
- オグマ神殿に併設された大書庫。
- 交易の要所アンフィールに集まる書物を集積し、その知識や情報を遍く広めるという崇高な使命のため建てられた、らしい。
- その目的上、俺達のような流れ者でも入ることが出来る。ありがたい事だ。
- ベラ・グリーンフィールド
- 冒険者ギルドで受付をしている女だ。
- 物腰は柔らかいが、やくざ者を相手にしているプロだ、あまり困らせない方がいいだろうな。
- ファリピの取り巻き達
- ファリピ・ヤリサールが本国から連れて来た取り巻き達。
- 側近が三人(これはヤリサール家の寄子貴族かそこの令息だろう)、使用人が二人、あと護衛が六人いるそうだ。
- @エドマンド:若い下級貴族。人当たりが良く、頭も良く、他人のフォローが出来る如才ない人物のようだ。如才ないが、得体も知れない。警戒が必要だ。
- →領主同盟のエージェント。しかも各領主が把握していない、同盟事務局直轄のスパイであるようだ。
- @セラフィナ:若い女貴族。なかなかの野心家で、混乱する宮廷から離れたここアンフィールに権力拠点を築こうと考えているらしい。ネイトラが主導するなら分かるんだがな。
- イザルス
- 影の女王に協力しているらしいブルードラゴン。
- 人に化けて、古くからの隣人を騙し切るような小器用さを持つ厄介な怪物だが、影の女王の配下と言う訳ではないようだ。それが救いだ。
- 「愛慕の刃」(Blade of Adoration)
- アーティファクト(要同調)。その力を引き出すには同調を行なった着用者が、条件を満たした資格者から承認されている必要がある。
- 魔法の武器:このダガーは魔法の武器であり、これを用いて行なう攻撃ロールとダメージ・ロールには+3のボーナスがつく。
- 能力上昇:持ち主の【敏捷力】および【魅力】値が +2 上昇する。
- 特殊能力:1アクションを費やして呪い1つ、あるいは魔法的効果1つを選択する。その作用が及んでいる範囲に関わらず、選択した呪い、魔法的効果をすべて終了する。この効果は1回使用すると次の夜明けまで再使用できない。
- これらの能力はこの刃を手に持つ必要はなく、身につけていれば効果を発揮する。
- 鑑定呪文ではこのアーティファクトのすべての力を理解することはできない。しかるべき時にこのアーティファクトはさらなる力を見せるだろう。
第八話(2024/02/25-03/10) 夜明けの杖とフィービーの素性
ファリピの件、愛慕の刃を手に入れた件を伝え、王国の事件は概ね片付いた。
愛慕の刃を借り受け、俺達は次なるアーティファクト「夜明けの杖」を手に入れるべく、次の目的地に向かった。
次の目的地は、アンフィール近郊にある「禁足地」。胡散臭い地図を手に入れ、それを頼りに禁足地に入った。
イザルスが滞空監視していたので、地図もあいつの差し金だったのかもしれないな。
禁足地は、アウローラスなるセレスチャルの一族の居住地だった。
居住地はとっくに無人だったが、杖とメッセージが残してあった。
フィービーはアウローラスの末裔であったらしい。
なんとも難儀な境遇だと同情したが、本人はけろりとしている。案外そんなものなのかもしれないな。
ともかく、杖を首尾よく手に入れた我々は、イザルスの監視網をすり抜けて帰途についた。
初出/重要名詞
- アウローラス族
- 禁足地に昔暮らしていたセレスチャルの一族だそうだ。
- ラサンダーに所縁が深く、フィービーの両親もアウローラスであるという。
'-「夜明けの杖」(Dawnbringer's Staff)
'--アーティファクト(要同調)。その力を引き出すには同調を行なった使用者が、中立属性である必要がある。
'--魔法の武器:このクオータースタッフは魔法の武器であり、これを用いて行なう攻撃ロールとダメージ・ロールには+3のボーナスがつく。また、秘術焦点具および聖印としても機能する。
'--能力上昇:使用者の【知力】および【判断力】値が +2 上昇する。
'--特殊能力1:使用者は1アクションを費やして「光の再生」という特殊効果を発動できる。この効果は、使用者が選んだ120フィート以内のクリーチャーすべてのヒット・ポイントを対象のヒット・ダイス合計と同じだけ回復させる。この効果は1回使用すると次の夜明けまで再使用できない。
'--特殊能力2:使用者は「光の盾」という特殊効果を発動できる。この効果は、着用者が選んだ120フィート以内のクリーチャーすべてに対して、1分間、使用時に使用者が選んだ特定のダメージ種別への抵抗を与える(対象ごとに変更することはできない)。この効果はいつでも使用でき、アクションを消費しない。この効果は1回使用すると次の夜明けまで再使用できない。
最終更新:2024年04月14日 10:23