PC達の立場や、期待される振る舞い等に関してです。
踏まえておいた方が遊びやすいでしょうが、当然、変化をつけたり敢えて外したりするのはアリだと思います。
プレイヤーキャラクター
「PC達が何者なのか」については、ワールド設定のアレンジやキャンペーンの都合で変わるのが良いと考えます。
が、毎度いちいち考えるのも大変ですから、スタンダードについても定義しておきます。
標準的なPCは、「アウトロー世界の住人」または「アウトロー世界に踏み込むことが出来るインロー世界の住人」です。
アウトローとインロー
PCの立場について踏み込んで説明する前に、「アウトロー」「インロー」についての話をしましょう。
ここサームプリアにおいても、人間種族は繁栄を謳歌していますが、それでもまだまだか弱い存在です。
この世にはドラゴンのような強大な怪物が沢山いますし、ゴブリンなどと言ったどうしても融和できない種族もひしめいています。
そこで人間種族は群れて社会を作り、互いを保護し合う事で、これらから身を守っています。
そして社会を纏まらせる規範や指針が「法」と呼ばれるものです。
人間種族が構築する「社会」には「村」や「都市」、「領地」「宮廷」や「国家」と言ったものがありますが、そこには例外なく法があります。
法の下では皆多少の不自由を課せられますが、それでも身一つで怪物や大自然に怯えながら暮らすよりはずっと自由で安全であり、
多くの人間種族はいずれかの「社会」に属して、法の下でその制約と保護を受けて暮らしています(PCも「オフ」はそのように暮らしているはずです)。
インローとは、そうした環境、そのような生き方、あるいはそうした人々の事を指します。
インローの世界では、人々は「法」の下で平和に生活する事が出来ます。
ですが、人々の生活はこれで完結せず、「法」はその全てを守る事が出来ません。
これは「法」自体が発展途上で未熟であるためという事もありますが、それ以上に「法」を守らせる力が貧弱で未熟であるからです。
人間種族が暮らすためには、郊外の田畑、その向こうにある里山、奥山(水辺なら河川や海洋も)にある資源を回収してくる必要があります。
そうした地域の広大さに対して「法の護り手」である村会や領主、ギルドや都市政府の力は弱く、とても手が回りません。
疫病や災害、怪物や戦禍、あるいはインロー世界を悪用する詐欺師や扇動家、犯罪者によって「法の秩序」が脅かされる事もあるでしょう。
法の保護の「範囲外」はそうして生じます。
そしてこの「範囲外」の事を、あるいはその環境、そこでの生き方、そうして生きる人々の事をアウトローと呼ぶのです。
PCの立場
人々の営みがインローで完結しない以上、インローに属しつつもアウトローに踏み込みこれと付き合う者が必要になります。
それは傭兵であったり、探検家や斥候であったり、あるいは法を犯したり脅かしたりした者を司法に引き渡したり(時にその場で裁いたり)する法の番人だったりするでしょう。
彼らは対価を得たり、何らかの組織や権威に仕えてそこから使命を得たり、あるいは数奇な運命で巻き込まれたりして、アウトローの領域に踏み込みます。
PCはそうした人々の一員になります。
法の保護が期待できない以上、彼らは自衛する必要があります。
PC達が私的に武装し、これを各自の意志で行使する事に慣れているのは、そうした背景に依るのです。
一方でそれが許されるかどうかは環境次第です。
PC達は別に「どこでもフル装備で歩き回り、街中だろうが宮廷だろうが自由に武力を行使して良い」事を保証されているわけではありません。
こうした「アウトロー案件の専門家」達の事を、自称あるいはある種の蔑称として「冒険者」と呼ぶ事があります。
冒険者は厄介者
PC達は「私的に武装し、これを自分達の意志で行使できる」存在です。
それって現実で考えると「反社じゃん」てなってしまうと思いますが、この認識はサームプリアでもそう変わりません。
そりゃそうですよね、素性も知れない武装した集団が自分達の暮らす環境に踏み込んできて我が物顔していたら、誰だって怖いはずです。
一方で、それがPC達であるなら「仕事の合間に、安全な「法の下」でインローとして休みたい」程度には考えているでしょうが、山賊や侵略軍のような事は考えていないでしょう。
ただ、「そうは言っても荷物があるねん」ていう話なのです。
「冒険者」というのは、そうした連中が「自分はならず者ではない」事をアピールする意図を込めて作られた言葉であると言われています。
あるいはそうした人々を少しでも飼いならすため、「名前をつけて持ち上げる」目的で周囲がそう呼ばわる場合もあるようです。
(この世界においても、明確な起源ははっきりしていません)
しかしながら同時に、冒険者と言う言葉が認められる場所ではならず者達が「ボクたち冒険者でーっす」のように使いますし、そうでないなら冒険者は「ならず者」の隠語としてしか扱われません。
そんな訳ですので、(便利な言葉ですのでキャンペーンごとに意味合いを変えるのは自由で良いと思いますが)「冒険者」という呼称はあまり使われず、他に名乗れる肩書があるならそちらを使うのが一般的です。
傭兵であるならば「傭兵」、騎士や学者であるならどこの所属かも合わせて「騎士」「学者」、古代魔法帝国時代の「枯れていない」遺跡が多く眠る地域であるなら「盗掘屋」「トレジャーハンター」のように、です。
一方で、NPCに「あぁ、冒険者向けの宿なら…」と言いかけて失言に気付く、みたいな演技をさせるのも美味しいと思いますし、信念をもってリスクを負いつつ「私は冒険者である!」と名乗るキャラクターと言うのもカッコいいと思います。
キャラクターの名前
いくつか注意を守れば後は自由で良いと思います。即ち以下のような事柄です。
間違えやすい名前にしない
他のプレイヤーが「ジル」というキャラクターを使っているのを知りながら「ジノレ」にする、その国の王家の姓をつける(別に王家に連なる設定はない)、
ヒューマンだけど「ドラウ」という名前にする、名前を「セーヴィングスロー」にする、みたいなやつです。
他キャラクターや、ゲーム中別の意味で多用される言葉は避けるようにしましょう。
一方で、(ゲーム内タームは論外ですが)他と誤認される名前、というのは敢えて突くのもシナリオや設定のネタとしてアリだったりします。
(多くはNPC側がシナリオの都合で「PCと誤認される名前」をつけられる、という順番でしょうが)
呼びにくい名前にしない
寿限無じゃないですが、長ったらしかったり、文字コード次第ではテキストに保存すら出来ないような字を使ったりするのは避けましょう。
どうしてもそのような名前を付けたい場合は、2-4文字で呼びやすい自然な呼称もセットで設定するようにしましょう。
不快な名前にしない
これは「一般的には別に悪くないんだけど、特定の人に刺さる」系統です。
ヒロインの名前が母ちゃんと同じで萎えるとか、そういうやつですね。
自分は悪くない、むしろ頑張って考えたのかもしれませんが、こういうのは本当に運ですので、キャラクターの名前は基本、凝り過ぎず「変えるとなったらさっさと変えられる」ぐらいにしておくのが良いでしょう。
雰囲気を著しく損なう名前にしない
この辺はセンスもあるかと思うのですが、ファンタジー世界で「どっからどう見てもイギリスの庶民」みたいな名前を付ける、的なやつです。
どうでもいいモブなら咄嗟に浮かんだもので良いと思うのですが、ググッて実在の著名人でヒットするような名前や、「山田太郎」「ジョン・スミス」みたく「典型的な○○名」的な名前は避けた方が良いでしょう。
(種族や地位、地域に応じて「名付けの凡例」みたいなものを作るのも良いかと思うんですが、現時点で作る予定はありません)
さらに、迷う人向けに指針を述べておきます。
多くのキャラクターの名前は「(素性)の(名前)」で構成されます。並びとしては[名前][素性]のようになるでしょう。
名前はそのキャラクター個人を特定するものであり、素性は騎士・貴族なら立派な由緒がある「姓」、庶民なら「○○村の」「△△屋を営む」「□□の息子の」程度の意味合いの言葉をそれっぽく並べただけです。
種族ごとに「頻用される音」が違うとか、凝りたかったら幾らでも凝れると思いますが、名前自体はダジャレでもなんでもいいと思います。
ただ二点、「それっぽく見えるようにもじる」事と、「通りの良い呼称を意識する」事を心がけましょう。
例えば「ヒューマン・ファイター・オトコ」をそのまま名前にして「俺はヒューマン・オトコファイター。戦士だ」では流石に「(´・ω・`)?」ですが、「ヒューマン♂」→「ヒューマンオス」→「ヒューマノス」のようにもじって、「俺はヒュー・マノス。戦士だ」なら、まぁネタ元は察しが付きつつも、「ヒュー」「マノス殿」と普通にゲーム中で違和感なく流す事が出来ると思います。
(卓によってはこれでも怒られるかもですが)
最終更新:2023年12月27日 14:52