サームプリアの社会です。
基本的に、主に「アイテムリスト」を見て、それ相応である、と定義しておくのが良いと考えています。
サームプリアの社会
この世界は全体的に、中世から一部近世に差し掛かっているぐらいの(日本人が想像する)ヨーロッパ。
より有体に言えばドラクエとかソードワールド、ロードス島戦記のイメージで考えられれば良いと考えています。
人々の多くは農民で、お城に住む貴族や王様がそれを統治しています。
自然はずっと強大で、環境保護など遠い未来の話。
戦になれば鎖帷子や板金鎧に身を包んだ戦士や騎士が、剣や槍を振り回して戦い、魔法使いは強大だけど絵的にイメージしづらいのかあまり出てこないという、あれです。
経済
貨幣による取引が定着していて、「お金を出せば大体買える」社会です。
貸金や銀行も既にあり、トラベラーズチェックのようなものも生まれているかもしれません。
商品は「シナリオの都合」がある可能性がある都合、供給体制は貧弱で不安定さがあります。
一方で、売り手がいて買い手がいるなら何でも(マジックアイテムであっても)取引される事でしょう。
通貨
ルール通りの貨幣が使用されています。
造幣は通常、国家の特権ですが、室町時代あたりまでの日本のように余所に依存している地域もあるでしょう。
いずれにせよ、この世界の貨幣価値はその貴金属の価値を本位としていて、特にシナリオ上の都合がない限りどこでも通用するとします。
(コイン一枚の重量は共通だと金:銀:銅がそれぞれ10倍の価値になってしまうのですが、あまり深く考えない事にしましょう)
通貨単位は当然あるでしょうが、地域により異なります。
基本的には「金貨一枚」とか「銀貨十枚」のような呼び方をし、ガメルとかギルトみたいな単位はひとまず用意しない事にします。
科学/工業技術
武器防具から見る技術
武器リストを見る限り火薬はなく、剣や斧、槍を武器にし、分厚い革や金属の鎧が使われています。弓矢も使われるが、兵科として集中運用するほど使い手がいません。
簡易的な爆薬等はあるかもしれませんが、銃火器は誕生していません(火器がある解釈もサプリで追加されてますが、使用しません)。
防具を見る限り、金属加工の技術は高く、都市なら板金鎧を作って売る事が出来る職人が珍しくないレベルのようです。
(基本オーダーメイドになるプレートアーマーを、わざわざイタリアまで買い付けに行くようなレベルなら、あんな価格で流通しないでしょう)
動力と交通
動力には風力や水力もありますが、多くは人力、家畜に頼る事もある、ぐらいのようです。
交通は主に徒歩。車輪も発明されていて、輸送に用いられています。
馬が家畜として一般化していて、騎乗や牽引に活躍しています。馬以外の畜獣が使われる地域もあるでしょう。
ソードコーストの地図を見る限り、宿場等は未発達のようです。
航海技術は帆船が既にあるものの、世界中に航路が繋がる段階には達していません。
小舟を使った河川交通は多くの場所で発達しているが、海上交通は原始的で、大航海時代には程遠いレベルのようです。
遠洋航海はそれ自体が冒険で、多くは沿岸・近海を巡る程度でしょう。
(ロングシップがあるので、デーン人的な特殊なグループが、大洋を渡るような遠洋航海をやってたりするかもです)
通信
通信は手紙や伝言が主。狼煙や半鐘によるネットワークが使われることもありますが、これは大規模なインフラが必要で、主に軍用です。
伝書鳩のような通信も生まれていると思われます。
紙は重量/価格的に、植物繊維を使った「紙」は高級品ですが、工場で生産・流通させる体制も確立できているようです。
魔法
基本ルールの範囲では、あまりマジックリッチにはしたくない様子です。
ですが、回復ポーションや呪文発動サービスがありますので、「魔法使い」はそこそこ身近な存在であるようです。
灯りをつけたり火を起こしたりと言った部分でも、(個人の資質に依存するので「全員」とはいかないだろうけど)魔法が活用されているのかもしれません。
一方で、サプリでは日常的に使われそうなマジックアイテムがどっさり追加されてたりもします。価格帯も我々の感覚では「高めの家具・家電」から「そこそこの高級車」ぐらいでしょうか。
資質がない人も魔法を活用できそうなのですが、「魔法の力で」を使えばどうとでも言えてしまう反面、「じゃあここはどうなってるんだ」みたいな部分を類推しづらくいちいち覚える必要が生じてしまいます。
そこで、魔法的な技術やそれに起因するインフラに関しては、個人頼みで「体系化していない上に技術の平均化もなされていない」としたいと思います。
なので、「あてになる魔術師」がいる人ならあてにしますが、魔術師は数が少なく、信頼できる魔術師となるとさらに少ない。
そのため魔法的なインフラは「資金力やコネがある」人に限られ、一部現代人に受け入れがたい「不衛生さ」とかを誤魔化す程度で、ほとんどの人は「中世の暮らし」を営んでいる事にしましょう。
食
主食として麦や芋、温暖で水が豊富な地域では米が食べられています。それらをそのまま炊いたり蒸かしたりして食べる場合もありますが、こねてパンや餅にする事もあります。
生鮮の類を保存する手段は貧弱で、温度の安定した地下を使う以外は塩や油、酢や蜂蜜などに漬け込む程度。酒やチーズを含む発酵食品も良く食べられています。
見る限り小麦が基本なので、貴族が奴隷を所有する社会じゃないと回らないんじゃないかと思うんですが、ここは「物語的に美味しい」時以外はあまりフォーカスしないようにしましょう。
モチーフとなっていそうな史実を考えると大航海時代前っぽいので、アメリカ産の野菜なんかはあるとおかしいと感じる人もいるかもしれないですが、別にサームプリアは「中世ヨーロッパ」そのものではないので、適当で良いと思います。
イタリアっぽい地域ではトマトやトウモロコシ(あるいはそれらの相当品)が食べられていますし、ドイツやアイルランドではジャガイモが酒色になっていたりもするでしょうし、日本ぽい地域では醤油が出回ってる、で良いかと。
社会
戦場での様相は兵器相応。騎士や武士といった専門職が中心となって「会戦」を行って決着をつけていくスタイルです。
その規模は小さくて、数十から数百、文明間の生存戦争でもせいぜい数千から数万で行われます。
宗教に根差した道徳観はあり、その範囲で「(神の御前での)平等」や「(善行を積む意図での)施し」がなされる事はあります。
が、基本的には不平等がまかり通り、実現できている「平等」は、「強大な武力の前には誰も膝をつかざるを得ない」とか「死は誰にも訪れる」とかその程度です。
娯楽は多くの場合、生活に根差しています。例えば戦士階級の娯楽と言えば、体を鍛えるレスリングや相撲、机上演習を娯楽化したボードゲーム、あるいは食事に直結する狩りや釣りと言った具合です(狩りや釣りは何処でも人気のある娯楽です)。
カードやダイス、あるいは石投げなどといったゲームも、賭けとセットでよく楽しまれています。
酒宴はどこでも手っ取り早い楽しみとして事あるごとに催されています。
それ以外だとやっぱり娼館が大きいのですが、これは(別に存在しないとかそういうわけではないけど)DMからはあんま詳しく描写しない事にします。(娼館にしけこむようなキャラクターを禁止すると言う意味ではありません)
身分の不平等は沢山あります。大体の地域で大きく分けて、王侯・聖職者・自由民・不自由民の四種類に分けられるでしょうか。
持てる者は権力も富も持っていて、持たざる者は明日の暮らしをもままならないのが珍しくありません。
奴隷の有無は地域によります。(実質奴隷、みたいな立場はどこにでもあるでしょうが)
詳細は地域ごと、キャンペーンごとに設定されるけど、欧州みたく「身分の不均衡バッチこい」な地域もあれば、江戸時代の日本みたいに「一番偉いはずの武士が一番貧しい」「一番卑しいはずの穢多に農民町人が頭を下げている」みたいな不思議なバランス取りがなされている地域もある事でしょう。
類推されるその他の技術/文化
いわゆる「中世ファンタジー」なので、ヨーロッパ的な封建社会が基本……と見せかけて、種族の解説やソードコーストの解説読んでると、アメリカ的な「とにかく種族平等、とにかく民主主義こそ善なのだ!ていうかそれ以外想像つかない」て意識も感じます。
別に悲惨で汚いリアルな中世を再現したい!とかが目的ではないので適度に現代日本に合わせていいと思います。
一方で、「君達の決断があって、彼らを救う事が出来た」ってカタルシスを大事にしたいので、あんま優しい世界にはしたくないですね。
最終更新:2023年12月27日 21:13