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 「――偉い――か」
  アンタは何が偉いの。
  素朴と言うには、芯を穿ちすぎて胸に痛いチャトラの問いを繰り返しながら、その男はうっすらと笑いを頬へ上らせた。
  相変わらず、機嫌は悪くない。
  こういう会話が新鮮なのだと言ったら、彼女はどういう反応を示すのだろうか、とふと思う。
 「何故そう言う問いを口にしようと思ったのか、そちらを聞きたいね」
 「……うーん」
  背後に流れ、水面にたゆたう男の長髪の汚れを丁寧に擦り洗う供周りを眺めながら、チャトラは宙を睨んだ。
 「なんかよく判らねぇけどさ。アンタきっと結構偉いんだよな?」
 「どうしてそう思う」
 「……だってさ。メシが毎度毎度、悪い冗談みたいに豪華だ」
 「それから」
 「扉とか、アンタが触る前に誰かが開けてる」
 「それから」
 「みんなペコペコ頭下げる」
 「それから」
 「なんか喋り方もおかしいだろ」
 「おかしい――、」
 「やたらと『御』が多いとか」
 「ああ」
  合点が行って皇帝は頷く。
  確かに、「丁寧語」であるとか「謙譲語」であるとか、他との会話はその連続のことが多い。
  生まれてより周囲の言葉はそれ一辺倒であったので、皇帝自身は特にその言葉遣いに対して何と思ったこともないが、下町に生まれ育ったチャトラからすれば、まるで暗号のように聞こえるものなのかもしれない。
  そうも思う。
 「こないだ、侍従のおっさんが『玉体がどうの』とか言ってるから、一体何のことかと思ったら、アンタの体のことだったりとかさ。玉ってなんだよ、的な」
 「転がるのだろうか」
 「オレに聞くなよ」
  面白がって尋ねるとチャトラが渋い顔になる。
 「まぁ、どこがどうとか上手く言えねぇけどなんとなく、いろんなところを総合してアンタって実のところ『偉い』のかなとか思ったんだけどな。……思ったんだけど、じゃあアンタの何が一体偉いのかって考えたら、思いつくことが何もねぇ」
 「私が偉いと思うかね」
 「……わかんねぇけど。けど、何もないのにアンタに頭下げるってヘンじゃねぇか」
 「――お前は思っていない」
 「当たり前だろ」
  即答だった。
 「アンタに、ヒトを動かす力はあると思うけどな。けどそれが偉いかどうかは別問題だろ」
  歯に衣を着せぬ。本心だろう。
 「――聞くが」
 「……ぅん?」
  興味を覚えて皇帝は口を開く。
 「では何故気にするのかな」
 「何でって……その」
 「その?」
  言ったきり、しばらく口を噤んで言葉を捜すように宙を睨んでいたチャトラは、
 「……あー……だからさ。しばらくの間、大人しくしてやってもいいか、とか思ったわけなんだけど。……思ったわけなんだけど、別にアンタが偉いからそれに従うとか、そういうつもりじゃねぇよ、って言う」
  つっかえつっかえ呟いた。
 「――猫」
 「な、なんだよ」
 「端的に言うと」
  回りくどい説明は好まない。それに手間取る時間が無駄だと男には思えるからである。
  素っ気無く告げると、あからさまに動揺したチャトラが返事に困って足元の小石を水面へと投げ入れる。
  ――動揺ではない、のか。
  背後の気配を探って皇帝はひっそりとまた嗤う。
  そうして、気付いてしまった。
  口に出すのが、悔しいのだ。
  己の負けを認めたような気になるから。
  しかし、そこで彼女が自分から折れやすいように助け舟を出してやるほど、男の意地は甘くはない。相手が窮するほど快感を覚えるのだから、これはもはや性癖である。
 「……つまりさ」
 「ふむ」
  沈黙を楽しんでいた皇帝と違って、無言に堪えられなくなったチャトラがしぶしぶ口を開く。
 「アンタ、オレのこと、屋敷に閉じ込めてたけど閉じ込めてた訳じゃなかったんだろ」
 「――」
 「街でオレがアンタの懐を狙ったとき――アイツら――今日襲ってきたヤツら、アンタのことずっとツケてたんだな?」
 「――」
 「オレがアンタ狙ったってのはたまたまだった訳だけど、どっちにしろそのときツケられてたアンタと関わりを持っちまったから、そのまま役人に突き出すのも見逃すのも危険だってアンタ判断したんじゃねぇかな、とか」
 「――」
 「違うか?」
 「――つまり?」
 「……ああもうだからつまり!」
  静かに男が問うと、癇癪を起こしかけたチャトラはばしゃばしゃと水面を腹立ち紛れに叩き、次いで大きく息を吐き出すと、
 「オレはアンタに助けてもらったんだと思うから」
  言い切った。
  言い切った後に、歯噛みしている。
  恥じらいではなく、はっきりと怒りのためにチャトラの頬は紅潮し、吊り眼がきらきらと光を反射している。よほど悔しいのだ。
  その様子がおかしくて、喉奥でくぐもった笑いで堪えていた男は、とうとう堪え切れなくて肩を震わせて笑い出す。
 「笑うんじゃねぇッ!」
  怒鳴られた。
 「言っとくけどな!!アンタのこと、今でも気に食わないしムカつくし一発くらいブン殴ってやりたいとか思うけど!思うけどああもう仕方ねぇじゃねぇか命の恩人なんだろ!……おんじん!恩人!恩人とか!なんだよ恩人とか恩着せがましいことしやがっていつオレが護ってくださいとか言ったよ!!」
  勝手に言い募って勝手に怒り心頭している。地団太を踏んでいるだけでは飽き足りなかったのか、しゃがみこみぶちぶちと手近の草を引きむしりながら、チャトラは吐き捨てた。
  男の意図はともかく、もし「助けた」のだとすると、それにしては酷い言われようである。
 「悔しいか」
 「……悔しいよ!悔しいに決まってるだろ畜生!この先オレがメシ食って美味くても、昼寝してまったりしても、そりゃ全部、『命』の『恩人』の『アンタ』の『おかげ』なんだぜ?ああああもう!」
  完全に汚れを洗い落とす当初の目的を忘れたのだろう。チャトラは悪態をつきながら湖面に小石とは言いがたい大きさの石を投げ込みはじめた。
 「――恩を着せるつもりは」
 「ねぇんだろ。判ってるよ。判ってるから余計ムカつくんだろうが!!」
 「そう言うものなのか」
 「そりゃそうだろ。いくらアンタがそのつもりがなくたって……、そう言うわけにゃいかねぇだろ。少なくともオレの生きてきた世界じゃそうなんだよ」
 「ふむ」
  笑いを未だに残しながら男は内心驚いている。
  自身の行為が、そこまで彼女に見抜かれていたとは思わなかったからである。……というより、今まで告げたならまだしも、男の真意を汲めるものはどこにもいなかった。
  手の内を見せるつもりもなかったから。
  考えられるのは、側近のディクス、もしくは勘の良いミルキィユあたりが、男の思惑に気付いてチャトラに耳打ちした、ということなのだが、
 「その議」
 「あ?」
 「誰がお前に教えたのかな」
 「はァ?誰か?誰かって誰だよ?」
  違うのか。
 「――では問う。何故そう思ったのかな」
 「何でって。……におい、が」
 「臭い?」
 「何て言うんだ?女のにおいが男に付いた、てヤツ」
 「移り香?」
 「ああ。そう、それ。オレが街でアンタ狙って……、ダインのオッサンに捕まって路地に引きずり込まれただろ。それのちょっと前、アンタに狙いを絞るか絞らないかのあたり。安モンの白粉の匂いがぷんぷん匂ってやがった。どっかの娼館帰りなんだろうな、とかあんまり気に留めてなかったし、アンタらに捕まってからは、アンタのその……なに?香水?が強くてよく判らなくなっちまったけど。たぶん商売女の白粉だとは思うんだけど」
  だけど。
  僅かに俯いて、一瞬暗い目をチャトラが見せたので、男はふと気を惹かれる。
  けれど、上向いた彼女の顔からは憂いの表情は既に去り、元の腹立ち紛れの顔に戻っていた。
 「酒場も、娼館も数多くあのあたりには」
 「あるよ。それくらい知ってるよ。どんだけ穴場にして仕事してたと思うんだよ」
 「では」
 「けどな。あの白粉な。あの街じゃ、売ってねぇんだ。知り合いが昔使ってた。同じヤツだと思う」
 「ほう――」
  急に身を翻して、男はチャトラと向かい合う。面食らった彼女が身を引く前に、ぐいと胸倉を掴み無造作に手前に寄せる。抗う間もなくバランスを崩して、男が腰まで浸かっていた湖水に頭からチャトラは突っ込んだ。
  派手に水飛沫があがる。
  汚れを拭っていた従者たちは何も言わない。言わないように訓練されている。
  であったから、皇帝のその動作に弁え、身を引き、少し離れて控える動きを見せた。
 「な……」
  何するんだよ。
  言いかけたチャトラの抗議の声は、しこたまに水を飲んで噎せる咳に紛れて消えてしまう。
 「猫の鼻も役だつか」
  足を滑らせたのか、満足に立てずにもがいている彼女の襟足を掴んで、男は無理やりチャトラを正面に立たせると、息苦しさに涙目になっている彼女の耳元へ忍び囁いた。
 「なに。なんなの。意味わかんねぇ」
  展開についていけず、怒りすらどこかへ霧消してしまったらしいチャトラが、顔を拭い、呻いた。
 「オレに判る言葉で言ってよ」
 「喜べ。お前の鼻を”信用”しよう」
  男が口にする「信用」の一言が、どれほど重い意味を持つものか、恐らく彼女は気付かない。
 「腹の探りあい」の皇宮内に於いて、一国を統べる主がおいそれと口に出来る言葉ではないことに、彼女は気付かない。
  けれど、それで良いと思った。
  そうして男がひとつ視線を送ると、音もなく岸に控えていたディクスが心得顔で頷く。
  証拠は多いに限る。今のチャトラが言ったような娼館の筋から、またいくつかの動かないそれを抑えることが出来れば、それはそれで好都合だ。
  もとより、大きく張った罠だ。襲撃してきた不穏分子を今度ばかりは徹底的に殲滅する算段だった。
  そうでなければ、男自身を餌としてちらつかせた意味がない。
 「どういうこと」
 「お前は本当に面白い」
  けれど、チャトラに説明する気は男には毛頭ない。話して聞かせたところで、彼女が理解できるとも思えなかった。
  薄く笑って顎を取る。男に説明を求めることを恐らく早々に諦めて、チャトラが腕の中で大きく溜息をついた。慣れたものだ。ふと思う。
  つい十日前はこうして腕の中に閉じ込めることも無理だったのに。
  思うと急に悪戯心が湧いた。
 「――で?」
 「あ?」
 「『命』の『恩人』である私に、お前は何をして報いてくれるのかな」
  答えを求めた訳ではない。予想通りに言われたチャトラは鼻を鳴らして眉根を寄せた。
 「何って……そんなん、考えてねぇよ。まだ」
 「そうか」
  では。
  こうしたら、どうか。
  言うなり男は、つとチャトラの顎を引き寄せてその唇に己を重ねた。抵抗はなかった。
  軟らかくて暖かい。
  無駄に体温が高いのだ。驚いて突き放そうとする彼女の小さな体を押さえ込み、喉元を片手で掴み締める。くぇ、と声帯を鳴らして薄く口を開いたところへ、男は舌を捩じ込んだ。
  そっと探る。
  ぬるとした内部は更に暖かかった。熱いとさえ思う。
  歯列をなぞり細かく震える相手の舌をつつく。逃げるような動きを見せる前に絡めとり、軽く吸い弄った。
  何度も確かめるように形を辿ってやると、徐々にそれは解れ行き、その内ふ、と小さく湿った息がチャトラから漏れた。
  見遣れば、縋る拳を中途で堪え、握り締めている。爪が食い込んでしまうようにも見えて、男は片腕を喉元から外し、その拳に這わせた。おずおずと開く手のひらに重ねる。
  そうしてちゅ、と水音をさせて、口付けてはまた離れる動作を繰り返してからもう一度、至近距離でチャトラの瞳を覗き込む。戸惑いと言う以前に、軽く混乱状態に陥っているのだろう彼女は、揺らいだ視線を男に返す。吹きガラスにも似た深い緑青の色が綺麗だと思った。
 「ああ」
  指を瞼に這わせて、撫でさする。抗わずチャトラが軽く目を閉じた。
 「澱みの色だね」
  いっそ、抉ってしまおうか。
  囁きながらもう一度口付けると、ようやく状況を飲み込めたらしいチャトラにがり、と歯を立てられて、たちまち口内が鉄錆の香りで充満する。
  そうだ。
  それでこそ、だ。
  期待した動きに、くつくつと漏れ出る含み笑いが止まらない。
 「テ、メェ……ッ」
  男を突き飛ばそうと踏ん張った足に力が入らなかったのか、逆によろけ、チャトラは飛沫を上げて尻餅をついた。
  ばしゃばしゃともがきながらなんとか立ち上がり、頭から水滴を滴らせながら、それでも貫く鋭い視線。
 「いきなり何しやがる」
 「何」
  涼しい顔で男は応えた。
 「前払いだ」
 「前払い……ッ」
  思い出したようにごしごしと唇を擦る動きはやけに幼い。
  向けられた敵意は、はっきりと怒りだ。
  それがよくある恥じらいではないことが、逆に彼女らしいと思った。
 「……莫迦かアンタは?!こんだけ人間がいて、人前でやる行為じゃねぇだろ!」
 「成程」
  深く頷いてみせる。
 「今度からは二人きりのときにしよう」
 「そう言うことじゃねぇよこの変態糞オヤジ!」
  あからさまな罵倒に、とうとう堪えていた含み笑いが弾けて、げらげらと男は笑い出す。ここまで面と向かって己を罵った相手が今までにいたか?
  面白い。
  狂気交じりの笑みを零す男へ、殴りかかりそうな殺意をもってチャトラが拳を数度開いたり閉じたり歯軋りし、
 「水にでも顔突っ込んで溺れて死ね阿呆」
  けれど上手い対応が見つからなかったのだろう。噛み付くように吐き棄てて、ざぶざぶと岸に上がりそのまま男を振り返りもせず、点々と水滴の跡を残して走り去った。
  付き人の中でも訳知り顔の一人がそっと腰を折るところへ、
 「――良い」
  煩わしくひらひらと手を振って皇帝は留める。
  口に出されなくても、付き人が口にしようとした言葉は大概は予想が付く。
  逃げるのではないか。
  監視を付けたほうがよいのではないか。
  そう注進しかけたのだろう。
  しかし皇帝には、『命』の『恩人』への借りを返さずに、チャトラがそのまま姿を消すとは思えなかった。あの性格だ。歯噛みしながら、むかっ腹を立てながら、それでも嫌々でも付いてくるだろう。
  そのくらいは、判る。
  おずおずと供周りが再び近寄り、自身の汚れをまた落とし始める行為を当然のように佇んで受けながら、ようやく笑いを収め、皇帝はチャトラの立ち去った方角を眺め、無意識に己の唇を指でなぞっていた。
  熱かった、な。
  濡れた臙脂。
  己のものではない体温は熱かった。いっそ不快なほどに。

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  畜生、畜生、畜生、畜生……!
  音にして表すのならば、のしのしと、ずかずかと、けれど生憎足を突っ込んでいた革靴はたいそう濡れていたので、実際はぐすぐすと情けない音を立てるだけで、まるで様にならなかった。
  通りすがりにへし折った小枝をやたらめったら振り回し、チャトラは腹立ち紛れに手当たり次第木立を打ち据える。
  けれどざわざわとしなる枝は、逆に己の額や頬や腕を弾き打ち、赤い太刀筋を皮膚に残した。
  そのうちのひとつがしたたかに顔面を打ち、勢いかっと癇癪を爆発させかけたチャトラは、しかしそこで動きを止めて、大きく深呼吸をする。
  ここで癇癪を起こして暴れるのは何故か、悔しかった。
  それではあの男の思い通りになってしまう。そう思った。
  そうして、何度も深呼吸を繰り返し、頭に上った血が徐々に下がるにつれて、やがて込み上げてきたのは怒りではなく空しさだ。
  涙が滲んでいたのは、痛みのせいだ。あの男に揶揄かわれたから、では断じてない。
  ……ないと、思いたい。
  乱暴に瞼を拭って、しゃがみこむ。こうしていれば薮にまぎれておそらく誰からも自分の姿は見えないだろう。
 見つけてほしくない。今だけは。
  泣き顔を見られることを喜ぶ人間などいないだろうが、中でもチャトラは特に嫌がる部類だ。
  恥ずかしいだとか、情けないだとか、見せ掛けだけの問題ではなく、見られた相手に弱みを握られた気がするからだ。
  傷口を舐めるのは一人がいい。
  そうして半ベソをかきながら、一体自分は何にそこまで腹が立ったのだろうかと思い返す。
  残念ながら、歳不相応に世間の酸い甘いを身を以って知って生きてきたチャトラにとって、実際先の男の行為自体に衝撃を受けていないことは事実だ。
  それが自分でも、少し悲しいと思う。
  幼い頃両親と死に別れたチャトラを、変わりに育ててくれた少し年上の「姉」は商売女だった。薄い戸板一枚隔ててあちら側では姉と、客の男が一晩よろしくやっていた、などと言う、正直、情操教育には少しばかり刺激の強い夜もそれなりにあった訳で、チャトラの行為に対する抵抗感は驚くほどに少なかった。
  適応してしまえばそれは日常の話だ。
  チャトラ自身、日銭を稼ぐ手段として春を売ろうと揺らいだ瞬間を、幾度となく操り返して生きてきた。理性の抵抗は数日の空腹感には敵わない。腹を満たせれば、それは何でもよかったのだ。
  であったから。
  唇を奪われただの、貞操がどうのと喚き散らすつもりは彼女にはなかった。
 「減るもんじゃなし」
  その程度に思っている。
  だのにどうしてこうも腹が立つのだろう。
  男のしれっとした顔を思い出しただけでまたむかむかとしかけ、チャトラは慌てて首を振った。
  代わりに浮かんだのは懐かしい笑顔。
 「姉ちゃん」
  ぼつんと呟いた言葉はしゃがみ込んだ地に落ちて消えた。
 「会いたいなぁ」
  弱みを見せることが即生活基盤の危機に繋がる掏摸稼業において、「頼る」行為は酷く危険だ。
  利用されてしまえばそれで終わりなのだから。
  心弱くなった時に縋れる相手の人数などたかが知れていて、チャトラにとってはたった一人だった。
 「会いたいなぁ……」
  その「姉」はもういない。

(20100516)

最終更新:2010年05月16日 21:20