ルベーグ積分の小技

可積分関数は単関数で近似する
単関数で証明しておいて,一般の場合は単調収束定理に持ち込む。
測度と積分の橋渡し
1. \int_A dx = \mu(A)
2. (応用)チェビシェフ不等式
可測関数fがLpの元であることを示す
f:可測関数,g:Lp関数
|f| \leq |g| を示せばよい。
実際,このとき
\|f\|_{L^p} \leq \|g\|_{L^p} < \infty
となって,fもLpで可積分となることが分かる。
Lpから別のLrを作り出す
f \in L^p(\Omega) に対して,f^{\frac{p}{r}} \in L^r(\Omega)
なんとなれば,以下の変形から従う。
\| f^\frac{p}{r} \|_r^r = \int_\Omega |f^\frac{p}{r}|^r dx = \int_\Omega |f|^p dx  = \| f \|_p^p < \infty
積分を見たら
かけて同じならガンガン移りあえる。
p=qr; \quad p,q,r \in [1,\infty] 
f \in L^p(\Omega)とする。
\| f \|_p^p = \int_\Omega |f|^p dx = \int_\Omega |f|^{qr} dx = \Big \| |f|^q \Big \|^r_r 
とくに,
\| |f|^q \|_r = \| f \|_{rq}^q = \| f \|_p^q
さらに,p-s,s \in [1,\infty]ならば,Hölderの不等式によって,
= \int_\Omega |f|^{p-s}|f|^s dx \leq \| f \|_\frac{p}{p-s} \| f \|_\frac{p}{s} 
共役指数の使い方
逆数で考えるとよい。
特に,
p,q,r \in [1,\infty] \Leftrightarrow 0 \leq \frac{1}{p},\frac{1}{q},\frac{1}{r} \leq 1\frac{1}{p}+\frac{1}{q}=\frac{1}{r} を満たしているとき,
\frac{p}{r},\frac{q}{r} \in [1,\infty] \Leftrightarrow 0 \leq \frac{r}{p},\frac{r}{q} \leq 1 が成り立つ。
つまり,\frac{p}{r},\frac{q}{r}は互いに共役な指数になる。
\frac{1}{\frac{p}{r}}+\frac{1}{\frac{q}{r}}=1
Lp関数に収束することを示す。
f \in L^p \Leftrightarrow f^p ^in Lなので,
f^p_k \to f^pを示せばよい(L1関数への収束に帰着)。
概収束を示す。
fn→f を満たす点の集合は次のように書ける。
L := \bigcap_{j=1}^\infty \bigcup_{n=1}^\infty \bigcap_{k=n}^\infty \{ x \in X | |f_k(x)-f(x)| < \frac{1}{j} \}
あるいは,収束先fを出さない場合は次のようになる。
L_C := \bigcap_{j=1}^\infty \bigcup_{N=1}^\infty \bigcap_{n=N}^\infty \bigcap_{m=N}^\infty \{ x \in X | |f_n(x)-f_m(x)| < \frac{1}{j} \}

集合列から互いに素な列を作る
F_1 := E_1, \quad F_j := E_j \setminus \bigcup_{i=1}^j E_i \quad (j \geq 2)
このとき,Fjは互いに素な集合列で,しかも次を満たす。
1. E_j \supset F_j
2. \bigcup_{j=1}^\infty E_j = \bigcup_{j=1}^\infty F_j

Ejが単調増加列なら,F_j = E_j \setminus E_{j-1} と置くだけで同じ意味になる。
減少列から増加列を作る。
F_j := E_1 - E_j とおけばよい。補数をとるようなもの。
最終更新:2009年08月29日 10:51
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