*「お前だけは絶対に巻き込みたくなかった。それだけはずっと思ってた」 **───────────────『魔術協会』所属の元魔術師兼研究者・赤木怜司 異世界から迷い込んだ青年。 黒の短髪に、色白の肌。子供にも大人にも見える顔つき。 研究者であるためか、或いは趣味なのか、いつも白衣を羽織っている。視力が悪いので眼鏡もある。 歩くのが困難なため、特殊な形状の杖をついている。 身長が170前後。だが体重は40台。当然、非常に細身。 恋人を別れ話の際に謝って殺してしまって以来、不眠症と女性・血液・刃物恐怖症を患っている。不眠症に対しては薬で対応しているが、恐怖症はどうにもならないようで、女性は[[一人を除いて>南雲利織]]一切触れないようだ。 ***性格 物事をしっかりと楽しんだり、人をからかって笑ったりと表情豊かで明るい部分と、非常に冷静沈着で理論立てて物事を話したり進めたりする計算高い部分、更に困っている人、特に女性をどうしても助けたくなる優しい部分の、三つを併せ持つ”複雑”な人物。 彼の周囲にはその複雑さに対してしっかりと理解を返してくれる人間が居なかったため、強い孤独を持っている。それと自身の持つ特異な知識とある程度の思考能力のせいで、悪く言えば”傲慢”、良く言えば”誇り高い”性格をしている。 だが根の部分は、後述するように非常に”お人好し”の部分が強い。困っている人間に対しては自分の性格までも計算に入れて全力で助けようとするなど、文字通り持っている全ての能力を駆使する。 ***所属と他者との関係 [[魔術協会]]所属の生徒。基礎カリキュラムの一年であり、新呪文開発班と術式解析班の一員。 彼曰く、魔術協会に所属しているのは、「自己の探求と外界の拡大化。己が内面を知ることにより、世界への理解を深めるため」らしい。 [[詩織]]の義兄。 何故か生徒用の寮ではなく、研究者用の寮に住んでいる。 [[紅閻寺 レン]]と個人的な情報交換の契約を結んでいる。 #openclose(show=交友関係){ |名前|関係性|赤木のコメント| |[[ジョン]]|友人兼何か|面白い男| |[[エルネスティーネ]]|友人の弟子であり義姉|怒ると怖いが、優しい子| |[[南雲利織]]|同じ組織の人間・恩人、大切な子|物凄く助けてくれた命の恩人。いい子。でも超超うるさい| |[[アリエル]]|親友|不器用で子供な奴| |[[ツァーリ=F=カーディナル]]|友人か知人|色々と複雑な奴| |[[ルカス・トゥアティ]]|知人|壊れた蓄音機。二面性の人間| |[[紅閻寺 レン]]|知人・契約者|まだよく知らない。これから知る必要性がある| |桜花鈴音|元恋人|殺してしまった相手。決して忘れられない人| } ***杖 [[利織>南雲利織]]に作成してもらった多機能な杖。 素材はアルミニウム。軽くて丈夫。更に強度強化魔術で補強してあり、鈍器としても使える。 腕を覆う丸い盾と、トンファーのように横へグリップの伸びた特殊な形状をしている。メタ的なことを言えば一方通行の杖のようなもの。 グリップについたボタンを押すと、杖とグリップが盾の中に収納される。更に、魔力感知機、及び音波や電磁波等を感知する波動感知機が付けられている。これらの情報は、付属の眼鏡のスイッチを押すと眼鏡の片面に表示される。 ***近況 アリエルから鈴音らしき人物を見かけたと聞いた翌日。 彼は路地裏に居た。 ナイフで人を刺した不良に向けて、刀を突きつけていた。 不良に向けて刀を振り上げたとき、[[利織>南雲利織]]が割って入り、不良はその場を逃げ出した。 数少ない友人に現場を見られ、強く動揺したがすぐに諦める怜司。それに対し利織は怖がりながらも「怜司は怜司」と声をかける。 しかし彼はそれを受け入れられなかった。「もう駄目なんだ」と言いながら、その切っ先を彼女へと向ける。その刀と腕を、禍々しい魔力が包んだ。 そのとき、彼は悟った。今まで声が聞こえなかった刀に封じられた『悪魔』がどこに居たのかを。 彼は自分の肉体が悪魔に乗っ取られつつあるのに気づき、それ自体は抵抗しないものの、利織だけは逃がそうとする。 だが利織は「ここで逃げたら、私はきっと超後悔する」と言って逃げなかった。怜司を助けるために。 そのたった一言から怜司は利織の強い決意を感じ取り、逃げることを言いはしなかった。ただ全力で来いとだけ言い残し、彼の意識は沈んだ。 悪魔との戦闘。 それは概ね利織がリードしていた。 10体の人形を巧みに駆使し、悪魔へとダメージを与え続け、本体のある刀を怜司の手から弾き飛ばそうとする。 その利織へ怜司の背後に居た悪魔が、その巨大な腕と爪で貫かんとするも、一時的に目を覚ました怜司の妨害を受け失敗。 刀を手から弾き飛ばされ、力が弱体化したところに更に攻撃を受け、無防備になったところで刀を真っ二つにし、戦闘は終わった。 刀を回収し、寮へと戻った二人。 怜司は利織に向けて非常に申し訳無さそうにしていた。 元来彼は、人に頼らない人間なのだ。だが今日に限って言えば、怜司は利織に様々なお願いをしていた。 戦いが終わった後、部屋まで付き添ってほしい、ということから、救急箱を取ってきてほしい、ということまで。 その全てを、利織は嫌な顔せず頼まれてくれた。 そんな利織に、怜司はあることを話す。 それは事の発端。約三ヶ月の総括。 恋人を殺してしまったこと。本当は嫌いになっていたこと。それを忘れるために暴れていたこと。女性恐怖症や不眠症を患ったこと。知人に思い出させられて、更に人が死ぬところを見て酷くなったこと。 利織は静かに聞いていてくれた。 そんな利織を見ていて、怜司は気づいた。どうして彼女は巻き込みたくなかったのか。どうして彼女を友人としていたのか。 それは彼女が特別でも何でもなく、平凡だったから。自分が持っていないものを持っていたからだ、と。 こうして怜司は長い苦しみから解放された。 話を終えた後、悪魔に憑依された後遺症か何かで魔力探知・操作が不可能になり、更に身体が上手く動かせなくなったせいで生活が困難であろう怜司に、利織が食事を作ることとなった。 更に何も無いと歩行も困難なため、怜司は杖を作ってもらうよう頼む。 後日、彼の元には高性能多機能な杖が送られた。 また、利織が居なくなった後、机の上にあるコップへ手を伸ばすと、”触れていないにも関わらず、コップが勝手に倒れた” ただの偶然なのか、或いは……? #openclose(show=母親のこと){ -ヤクザの組長と愛人の娘。 -母親は病死し、父親の本妻の養子となる。 -両親から酷い目に遭わされたり、攫われたりした。 -大人になってからも同じく大変だった。 }