【正中線】 人間の正面に真っ直ぐ引いた縦線の事。 正中線には鼻、人中(鼻の下の窪み)、咽喉、心臓、水月(鳩尾)、金的(股間)と、 人体の急所がずらりと並んでいるため、不用意に正中線を晒すのは危険な行為とされる。 【額】 ボクシングの影響からか打撃に強いと思われがちだが、れっきとした急所。 殴打されると脳震盪、脳障害の危険性があるため、額で攻撃を受けるのは勧められない。 毛細血管が集まっているため出血量も多く、垂れた血が目に入る恐れもある。 【こめかみ】 殴打されると脳震盪を起こし、平衡感覚を失って倒れる恐れがある。 こめかみの下にある動脈を傷つけられると、脳梗塞により昏睡状態もしくは死に至る危険性も。 格闘技などでは「テンプル」と呼ぶ事もある。 【顔面】 額と同様、切られると大量出血を引き起こす。 肉体的ダメージを受ける事は少ないが、心理的なダメージを大きく受ける。 ショックを受けた瞬間、動けなくなる事が多く、その隙を突かれると苦しい。 【眼】 切られたり突かれると失明する恐れがある。 実は以外に硬く、強く殴打されると眼球の裏側にある眼底骨という膜状の骨が砕け、脳に達する事も。 先端の鋭い凶器で突かれると、脳にまで貫通し即死する恐れがある。 【乳様突起】 耳の後ろにある、出っ張った骨の事を指す。 運動神経が走っていて、殴打されると麻痺して動けなくなる恐れがある。 この部分が損傷すると後遺症や昏睡の危険性があり、最悪の場合は死亡する危険もある。 ボクシングなどでは「アンダー・ジ・イヤー」と呼ぶ事もある。 【顎】 横から殴打されると、頭蓋骨と脳は反対方向に回転する。 その際、脳幹の毛細血管が切断される恐れがあり、先端を殴打されれば脳震盪を起こす恐れがある。 最悪の場合は意識不明に陥り、死に繋がる事もある。 【首】 首の近くには、同じく急所の乳様突起(少し上)や乳様突筋(前方首側面)もあり、 頸動脈を切られたり突かれたりすると約10数秒で死に至る、非常に危険な部位。 首の両側面を殴打されると、意識不明に陥る事もある。 また、頸動脈・頸静脈・首・胸・腹部の内臓の運動や分泌機能を司る迷走神経があり、 切られたり突かれたりした場合は、こちらもやはり死に至る。 【喉】 切られると大量出血を起こし、呼吸が困難になる。 また、殴打されると気絶したり、死に至る事もある。 【肩】 殴打されると腕の機能が一時的に麻痺する。 肩の付け根(脇下)には、腕に伸びる神経や動静脈があり、神経を切断されると手を動かせなくなる。 また、動静脈から大量出血をも招き、失血によって死に至る事もある。 【上腕二頭筋と上腕三頭筋の間】 指や腕を動かす神経の束があり、突かれたり深く切られたりすると腕が動かせなくなる。 また、深さにもよっては大量出血により、約15秒ほどで意識を失う。 その際、約2分後には死に至る。 【前腕部内側】 血管が集結しているため、切られると大量出血を起こす。 腱や筋が切断されると指を動かす事が出来なくなり、橈骨動脈を切断されると約2分程で死に至る。 表面を付近を掠めただけ場合、動脈出血ではなく静脈出血の場合がある。 この時はそれ程心配はなく、深さや出血具合にもよるが約10分後に止血処置を施しても充分助かる。 それでも十分に危険な部位である事に変わりはなく、用心が必要。 【手首】 すぐ下に尺骨動脈があり、切られると大量出血を起こす。 首吊りと並んで、自殺の方法としてはこれを切断するのが最もメジャー。 【肋骨】 一定方向から殴打されると簡単に折れる構造になっている。 また、折れた肋骨が肺に穴を開ける危険性があり、非常に危険。 【肺】 切られたり突かれたりすると大量出血を起こす。 心臓に次ぐ出血量で、呼吸器官でもある事から非常に危険。 肺が両方とも損傷した場合、約1分後に死に至る。 【横隔膜】 呼吸をするのに必要な器官であり、刺されると呼吸機能が著しく低下する。 酸素を体内に取り込む事も、二酸化炭素を排出する事も困難になり、呼吸困難を引き起こす。 また、身体の力が入らなくなってしまうため、戦闘する事も逃げる事も困難となってしまう。 殴打された際は横隔膜が収縮する事で、こちらもやはり呼吸困難に陥る。 【心臓】 深く突き刺された場合、即死に至る。 損傷すると1分間に約4000mlもの出血を起こす、脳に次ぐ人体最大の急所。 なお、一般的には血液量の30%(平均的な一般男性で1.5lほど)が致死量とされる。 【脳】 人体最大の急所である。 損傷すると昏睡や脳障害の恐れがあり、深く突き刺された場合は即死に至る。 頑丈で丸みを帯びた頭蓋骨に守られているものの、頭部を強く殴打された際は脳震盪を引き起こす事も。 【脾臓】 腹腔の左上部、横隔膜に接している。 殴打されると激痛を伴い、最悪の場合破裂する。 大量の血液を含む為、刺されると出血多量を起こし死に至る事も。 【肝臓】 殴打されると激痛を伴い、最悪の場合破裂する。 脾臓と同じく大量の血液を含むため、刺されると出血多量を起こす。 【腎臓】 動静脈と神経の束があり、過度に敏感な部位である。 殴打されると凄まじい激痛を伴い、刺されれば大量出血を起こす。 ここを刺された場合、痛みで声も出せずに死に至る事もある。 【膀胱】 神経の束が走っているため、殴打されると激痛が走る。 男性は金的がすぐ下にあるため、心理的ダメージも大きい。 【金的】 男性の持つ代表的な急所。 非常に無防備であるため、最も攻撃に弱い箇所と言える。 殴打されると激痛を伴い、最悪の場合破裂する。 攻撃された際の心理的ダメージも極めて大きい。 余談だが、睾丸が一度に両方とも潰れる事は極めて稀であり、 仮に睾丸が3つあった場合、3つが一度に潰れる確率よりも低いという。 【大腿部の付け根】 外腸骨動静脈が位置しているため、深く刺されると止血が難しくなる。 大量に出血するのは当然ながら、神経を切断されれば足が動かず立てなくなる。 もちろん、適切な処置を施せなければ出血死を招く。 【膝】 関節の周囲を攻撃されると、靭帯や筋を切断される恐れがある。 その場合は、当然ながら立つ事が難しくなる。 【脛】 皮膚の真下に神経繊維の束がある事から、攻撃されると激痛が生じる。 日本では「弁慶の泣き所」とも呼ばれる、非常に有名な急所の一つ。 【頸椎】 首の後ろに位置する。 脳へと繋がる運動神経の束があり、切断されると即死に至る。 殴打された場合も激痛を伴い、体が麻痺したり気絶する事も。 【大腿部】 殴打されると一時的に機能が麻痺する。 切られると座骨神経にまでその影響が及び、立つ事が困難になる。 【膝の裏側】 腱や靭帯を切断されると関節が動かなくなり、立つ事が困難になる。 うつ伏せの状態でここを殴打されると、地面と挟み込まれる事で膝が破壊される事も。 【アキレス腱】 切断されると体重を支えられなくなり、歩く事はもちろん、立つ事すら出来なくなる。 語源はギリシア神話に登場する英雄、アキレウスから取られており、彼はここを貫かれ命を落とした。