シオン

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シオン - (2011/02/16 (水) 22:49:27) の編集履歴(バックアップ)


全部、見て欲しかったんです!

私の身体を、裸を、余すところ無く




________Name ________________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Όνομα ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

シオン・エルミオール・オルテンシア

忘れていた彼女の名前、永久に忘れぬ追憶と、移り気の真逆の意味を名前に宿した、彼女の名前。
エルミオールは母方の姓であり、オルテンシアは父親の姓、またエルミオール家は護衛を主とした弦術で有名であり
オルテンシア家は錬金術の第一人者である……その為彼女はその両方の期待を過度に背負う運命の持ち主。

元々エルミオールの弦術は中世のカラクリ人形に端を発する。
中世のカラクリ人形は音楽技術の向上と共に、普通の動きだけでなく、演奏することも可能な複雑なギミックを得た。
それはつまり素人がかじった程度ではとてもとても及ばぬ境地、だからこそ彼女達が呼ばれた。

彼女達の使う弦術は元々はカラクリ人形を操る為のもの、それが時代の流れによって戦闘術へと進歩していった。
そのせいか、攻撃よりは防御、治癒、その方面に突出した技術である。

オルテンシアの錬金術は特筆すべき事は無い、単なる普通の技術、事実彼らが名門と呼ばれる由縁は
ただ単に長くやっていただけ、のお話――――しかし、長年つちかわれた知識――尤もそれも文献だけの知識ではあるが――は
誰が教えるわけでもなく、能力として彼女に宿っていた。逆に言えばこの家でなければ彼女の能力は生まれなかっただろう。

シオンの花言葉 「遠方にある人を思う」「思い出」「君を忘れない」「追憶」

オルテンシア(紫陽花)の花言葉 「移り気」「自慢家」「辛抱強い愛情」


________Looks ________________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄κοιτάζει ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


162cm 87 55 86 のギリギリFカップ。胸に関しては特段大きい、というわけではなく
どちらかと言えばスレンダーな体系のお陰で大きく判定される、という話、だからすっごく揉みやすい大きさです。

服装はよく変化するがミニスカ、ニーソの黄金パターンは崩さない、彼女のスラリとした美脚がいっちゃん強調される服装は。
タイツとかは嫌いなのかあくまでもニーソックスを多用する、ここら辺子供っぽい。

今でも白い手袋は外さない。


________Character_______________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Χαρακτήρας  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


冷静沈着で頭脳明晰、どんな時でも、時には非常な判断も下せる知的な大人の女性……になりたがっている。
実際彼女は冷静なところもあり、頭脳も優れている、しかし圧倒的に足りない経験、若さゆえの無知

この世界のどんなことにも正しい判断を下せるわけでも、他人を見捨てることもできない、甘い性格
事実彼女は悪人であろうと、殺人をするのに抵抗を覚え、今まで一度も人を殺したことはない

正確に言えば殺人をしたことはある、が、それはロゼが行った行為、割り切れるわけではない、一生をかけて償わねばならないが
彼女は自分の意思で殺人をしたことはない、それは弱みでもあり彼女の誇りである。

要するに普通の16歳の若い若い女の子、性知識は結構あるのかたまに天然な発言をして空気を固まらせる。
……そのうち迷言集ができると思うよ!!


________Feature________________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Χαρακτηριστικό γνώρισμα ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


現在は彼女の体に存在するのは彼女だけである、以前はロゼが彼女の体に巣食っており、彼女の体調を悪くしていた。
ロゼが居なくなった今は、体調も良く、絶望的だった体力も大分回復しているようである。

それでもロゼに寄生されてた影響か、僅かではあるが彼女自身にも吸血鬼の血液が流れている。
上手く共存できるか、はたまた、それに飲み込まれるか……今のところでは何ともいえない。

また、酒に弱い、ひっじょうに弱い、どれだけ弱いかと言うと一口飲んだ時点で大暴走、シズク様珠音様の結婚式で
綾菊に飲まされ大暴れしたのは記憶に新しい、結構ストレスを溜め込む性格っぽい、南無

最近は収まっていたが、ヴェルチェリのせいで再発


________Information______________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Πληροφορίες ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

目的であった、吸血鬼討伐も終わり、彼女の物語は終わった……と思いきや、織守に惹かれ彼女の組織に参加
組織の一員として、彼女の心に従って、悪を断つ事を目的として活動中。


________Ability________________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Δυνατότητα ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


グラフを見れば分かるように純粋な運動能力だけでは大分高い水準にある。
筋力はやや低め、だがそれを補うほどの脚力を持ち、更に手先が器用

ただ、体力が低いのが唯一にして最大の弱点
以前よりはマシであるが、それでも普通の人と比べるとやや低めである。

その為高速思考、と回路切断という特技を要しており、そのお陰で何とか戦闘ができているようなものである






________Time Is Running Out _________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄高速思考 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

自身の思考能力を大幅に上げることで
常人の数倍の速度で思考を張り巡らせる事が出来る。
常に最善手を打ち続けるしかないシオンにとって、重要な特技


描写はされないが、彼女の能力のための記憶の読み取り
それは膨大な量の情報から、必要なものを取捨選択することと同義。
この能力が無いととてもではないが戦闘では役にたた無いだろう。


更に高速思考をいくつかの回路に分かれて使用している節がある。
それはつまり――常人の数倍から数十倍、否数百倍にも及ぶ思考力の持ち主。


言い換えて見ればそれは天性の才能だろう――彼女のバトルセンスの片鱗がうかがえる。


________Stop the Clocks____________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄回路切断 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

脳から伝達される電気回路の一部を意図的にカットすることで
思考速度を更に上げたり、精度が増す


ただし、電気回路をカットすることは使わない身体の能力を文字通りカットすることに繋がる
身体能力の一部を失いつつ戦闘するのは数倍の労力が必要になる
……裏を返せばここまでしないとマトモに戦えないほど体力がない

以前よりかは体力がマシになったため、使用頻度は低い

________Dead Memories____________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Thnks fr th Mmrs ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


記憶に関する彼女の能力達、詳しくは此方



________Weapon _______________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Όπλο ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



・S&W M500ライクなリボルバー


能力に攻撃性の無いシオンの攻撃手段の一つ。
もはや冗談としか言えない破壊力が魅力、のため、連射なんてできる筈がない。


銃弾はかつて磔用として使われた銀十字架を溶かし、流し込んだ。
能力発動で一発の銃弾が巨大な銀十字架へと変化する。


・Cz75


銃を使い時には主にこれ、至って普通の銃
威力、安定性ともに高い、15発入り


銃弾には普通のモノが使われている


・ワイヤー


シオンの通常の攻撃手段、派手なワイヤーアクションが魅力


鉄製の鎖の繊維が使われているため、通常のそれより強度が高く
能力発動で鎖へと変化する

更にライクのお陰で更に強力になり、冷気の性質を持たせることも可能になった。


・黒絲


漆黒の黒い絲、ワイヤーと比べ切断性では落ちるが
此方は縄から作られている為、能力発動で縄へと変化する。
……あんま長所じゃないとか言わない


________How to Fight ____________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Πώς να παλεψει  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

主にワイヤーや絲を使った戦闘を得意とする――しかし、能力に多彩な攻撃手段を加えた
遠距離、中距離、近距離と全ての間合いにおいて活躍する彼女は
まさにジェネラリスト、戦いのプロと言っても過言では無い。

更に言えば彼女の真の特徴はその類まれなるバトルセンス
戦闘の中で生み出す数々の奇策は非常にトリッキーで強力、つかみ所の無い糸のような柔軟な戦闘を得意とする。

ただ戦闘全般において攻撃力自体はやや控えめである。
その分記憶読み取りをはじめとしたサポート能力や地形を利用した攻撃はとても強いだろう。



刻み込まれた記憶を再生しつつ舞うワイヤーや絲は
まさに"生き物"、切断、拘束、移動、防御、回避において他の追随を許さない。


彼女の舞は美しく、素早く、静かで、そして強い
体力さえどうにか維持できれば、これほど心強い仲間はいない





________Name________________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Όνομα ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ロゼ・オルテンシア


ロゼはフランス語でバラ色という意味を持つ、彼女の瞳に象徴される黒紅色の薔薇の花言葉
〝死ぬまで恨みます〟

________Character_______________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Χαρακτήρας  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


非常に自尊心が高く、他人を見下したような言動を取る、自身をシオンのヒーローだと頑なに主張する
一種の歪んだ愛の持ち主であろうか、また自信過剰でもありそれに伴う力も持っているため暴れだしたら手がつけられない。

その奥に潜むは彼女の誕生――後述するが彼女は生物というよりかは現象や思念の類に近い――が関係している。
自身の生みの親とも言えるシオンに対する歪んだ愛が一つの悲劇を生んだ。


________Feature________________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Χαρακτηριστικό γνώρισμα ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


生物ではなく現象であり、思念の存在である。
幼少時のシオンの負の感情――怒り、憎みから始まり終末をも望んだ彼女の負の心、それが明確な形を持ったのが彼女である。
シオンの最も畏れていた、吸血鬼という存在として。

しかしながら――――形を持った、とはいえそれは単なる蜃気楼、触れれば雲散霧消と掻き消える影でしかない。
その為、本来ならば宿り木であったシオンの体から抜け出せる筈も無く、流行り病のような一過性の出来事――――だった。

シオンが彼女を殺すために蓄えた、力や知識――――そしてあふれ出る才能を、彼女は使う――――シオンの能力を使い生み出した〝満月〟
それによって彼女は身体を得た、有り余る力を存分に振るい――――能力者たちの前へと、その姿を現した。〝シオンの姿〟で。


________Ability________________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Δυνατότητα ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



グラフの通り、シオンに寄生している状態では単なる思念の類でしかない彼女の戦闘能力は皆無
だが、一夜の悪夢として、月を通じて実体化した彼女の戦闘能力はシオンのそれを遥かに凌駕する。

思考能力は存外に高いが学習する能力は無いので全体的な知能は低め
だが吸血鬼の身体、であるが故の純粋な戦闘能力だけをみれば、シオンどころか他の能力者よりも高い水準にある。







________Thnks fr th Mmrs____________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄能力 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

彼女の記憶の中の人物を読み取り再生する。

シオンの能力と違うのは、血を対価にするということ。
それはつまり――――生み出された人物が自我を持ち、彼らの思考で戦う、ということ

その再現精度はまさに圧巻、どれほど強力な能力であろうと、どれだけ優れた身体能力を保持する者であろうと
引き金をひくより簡単に、再現することができるのだ。

また、再生するのは姿だけで無く性質――――特殊な人外であれば、それに見合う性質をも再生した。
現に彼女はとある龍を再現し、その血を啜ったことで――――まさに悪夢、それだけの力を手に入れた。


________Memory________________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Μνήμη ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


シオン色の記憶ロゼ色の記憶

それはあまりにも正反対で――――逃れられぬ十字架。


シオン色の記憶


彼女――――シオン・エルミオール・オルテンシアはとある名家と名家の間に生まれた。
エルミオール家は糸を使う弦術による護衛技術の本家であり、戦いを芸術の域にまで育て上げた功績者達の家系。
オルテンシア家は錬金術の最先端に立ち続ける老舗、その両家の期待を一心に背負って生まれた彼女。

幼い頃からその才覚の片鱗を見せつけ、両親の自慢の娘であり、期待を受け、それぞれの手ほどきを受け始める。
彼女自身もそれが誇らしく、それに応えるように見る見るうちに上達し、技術を自らのモノへとしていった。

完璧主義者ではあるが優しい心の持ち主であり、誰とでも仲良く接し誰よりも人を愛し、友人を愛していた。
彼女の人生は――――順風満帆だと、明るい未来だけが彼女を待っていると、誰もが思っていた――――あの日、六年前のあの日までは


吸血鬼が来て、彼女を除いて、彼女の町の人々を〝殺した〟
皮を剥ぎ、血を抜き、死体を貪り、目の前で母親を〝取り込んで〟
彼女の眼前で哂って消えた――――――――たった一夜のキゲキのようなヒゲキ、悪夢のような惨劇

彼女の人生は大きく崩れだす、明るき未来は闇夜へ堕ちる〝復讐〟という闇夜へ彼女の心は向かい始めた――――。



――――――――そう。しんじて。いた。そうであって。ほしいと。ねがって。いた。
でも、違う、これは違う。気づいてしまった。気づかれてしまった。
溢れ出す紅い紅い記憶、隠しておきたい真実が、ぽっかりと口を開けた。


ロゼ色の記憶


彼女――――シオン・エルミオール・オルテンシアはとある名家と名家の間に生まれた。
エルミオール家は糸を使う弦術による護衛技術の本家であり、戦いを芸術の域にまで育て上げた功績者達の家系。
オルテンシア家は錬金術の最先端に立ち続ける老舗、その両家の期待を一心に背負って生まれた彼女。

幼い頃からその才覚の片鱗を見せつけ、両親の自慢の娘であり、期待を受け、それぞれの手ほどきを受け始める。
彼女自身もそれが誇らしく、それに応えるように見る見るうちに上達し、技術を自らのモノへとしていった。

でも、彼女はまだ幼く、流石に成長する量には限界がある、日に日に彼女は消耗していく。
入らぬ知識に、理解できぬ言葉に、動かぬ身体に――――言葉は、両親の言葉は日を追う毎に厳しくなって、それに比例して勉強も厳しくなって。
それでも彼女は必死に理解しようとした、ものにしようとした――――でも、全部は身に付かなくて。

増える増える、体罰、罵声、懲罰、彼女の幼き蕾のような心は枯れる、朽ちる、堕ちる。
町のみんなは彼女の両親から言われているのか、彼女を甘やかさないように接する――――生まれる、負の感情。どす黒い負の感情。
いつの間にか、そこには一つの意思が生まれた、ことを彼女は気づかない。


もういやだ――――こんな、せかい。だれか、こわして――――このせかいを


彼女の叫びに、そぅっと哂う彼女の心
巣食う闇が、生まれて――――蝕む、彼女を――――そして訪れる、終末

結論から言おう、彼女の世界を壊したのは彼女自身だ。
教えられた技を使い、彼女の街の人々を、彼女自身が殺した。

嫌いな人々は惨い殺し方で。同年代の友達は優しい殺し方で。両親は醜く無残で汚い殺し方で――――殺した。

動いたのは彼女、動かしたのはロゼ――――でも、彼女がそれを受け入れるには、まだ幼すぎるから
ロゼ色に薄いアオ色を加えて、シオン色の記憶に書き換えて、彼女にそれを気づかせないようにした。

だって、ロゼは、彼女の嫌な世界を壊した――――ヒーローだから、そして彼女自身も望んだから――――忘れることを。


________Story________________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Ιστορία  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


彼女〝シオン〟を乗っ取った彼女〝ロゼ〟は、彼女〝シオン〟の体から抜け出して、誰も知らないどこかの丘へと向かった。
そしてそこで〝Dead Memories〟を使って過去の満月を再生し、身体を得た――――彼女〝シオン〟の姿を


〝ああ、なんと気持ちの良い夜だろうか――――憧れの彼女の体を得て、ヒーローとして彼女を護れるようになったのだ
まず手始めに消してしまおう、眼前に群がる虫たちを――――〟


彼女の持つ〝Thnks fr th Mmrs〟が彼女の元へ集まってきた能力者たちへ向けられる。
〝Thnks fr th Mmrs〟の能力により再現された大量の能力者が、集まってきた彼らと対戦する。


〝何だか、つまらないわね、予想以上に使えない人ばかり、でも――――中々強い能力を持ってる人もいるわね
なら貰ってあげましょう、強い能力は、強い体が使うのが、当然だもの〟


彼女は一人、自分の生み出した人物の内一人の身体を貫き、血を啜り、その能力を手に入れる
水と雲、その能力を手に入れた彼女は、荒れ狂う暴風のように暴れ始める。


〝アハハハハハ!!とーっても良い力ね!!何も怖く無いわ!!〟


――――でも、ルルティファニアの捨て身の攻撃が、彼女の鉄壁の防御をこじ開け
そこから流れ込む他の攻撃を止めることができず、彼女は地に伏せる、堕ちる、吸血鬼が。

何故負けたか、何故勝てないのか――――薄れゆく心の中、欠けていく月の中
自分に無くて、彼らに有るもの、そのことに気づいた彼女は、ようやく気づく――――その力が、自分にもできたって。

自分に生まれた初めての優しい心〝羨望〟という、心に彼女は気づいて、満足して――――散っていった。



________チラシの裏______________________________________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄μυστικό  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。

名前の元ネタ集


〝Dead Memories〟――――SlipknoTの11thシングル、および5thアルバム〝All Hope is Gone〟より


元々SlipknoTは色々と元ネタにするわりに好きじゃなかったけどこの曲だけは別です。
どこか切なげな曲にピッタリの声、こんなメタルもありじゃないかな




〝Amaranth〟――――Nightwishのシングル、及び6thアルバム〝Dark Passion Play〟より


シンフォニックメタルって時点でもう邪気邪気してます、そして聞いたらもっと邪気邪気します
めっさ良い曲、そして歌詞見てもう一度邪気邪気します




〝Rage Against the Machine〟――――同名のアメリカのメタルバンドより


ラップメタルというこれまた良く分からないジャンルのバンド。
少ししか聞いて無いけど良いバンド、ちなみにURLはラジオでも使った〝Guerrilla Radio〟




〝Thnks fr th Mmrs〟――――Fall Out Boyのシングル、及び5thアルバム〝Infinity on High〟より


いわゆるポップロック、すっごく聞きやすくて大好きな曲。
余談だけどよくもまあここまで能力とピッタリ合う曲名があったなぁと思ってたり




〝Time Is Running Out〟――――MUSEのシングル、及び3rdアルバム〝Absolution〟より


哀愁漂う泣きロック、初めて聞いたときは暗いなぁとしか思わなかったけど
聞けば聞くほどお気に入りになったり、取り合えずジャケットが好きだっ!




〝Stop the Clocks〟――――Oasisのコンピレーションアルバム〝Stop the Clocks〟より


ナニが良いって全部が良いに決まってるさ、〝Whatever〟は無いけど他にも良いのが沢山入ってる。
これと〝Time fries〟は買っておいて損は無い、そしてどうして解散したんだよぉ……