**「キヒヒヒヒヒヒ……ああ……美しいですよ、その『誇り高き志』……! **……ヒヒヒッ……ああ、もっともっと美シク……壊してしまいたい……ッ!!」 ――リーヴィッヒ・ルジャ 紫色の短髪、そして小綺麗な白いコートを着ている青年。 コートの下は身体にぴったりと張り付いた、異質な鎧のようなものを着ている。 後述する『美しさの≪果て≫』を求め、そのために力を欲し、 そして――[[≪ネル・ナハト≫]]の[[パンデルピエール>パンデルピエール【ネル・ナハト】]]と戦闘、勝利。 [[銀色の剣士≪シルバー・ソード≫]]に認められ、新たな≪ネル・ナハト≫と成る。 “醜いもの”が大嫌いで、“美しいもの”が何よりも好き。 そして、彼――ルジャにとって、「人の屍体」は“美しい”。 無関係なものを殺戮する殺人鬼ではないが、自らに危害を加えるものは容赦なく殺戮する。 彼にとって自らに危害を加えるものは、この上なく「醜い」ものであり、 殺害し死体へと“生まれ変わらせて”あげることで「美しい」ものに仕立て上げている。 そして彼は、それが相手にとっての『幸福』であると信じている。 或る程度の良識と礼儀を持ち合わせているが、本質は何処までも邪悪な狂気性と残虐性。 如何なる相手にでも敬語で接し、相手が何もしないなら彼もまた何もしない。 また、凄まじく屈折した思考を持っているものの知性は高い。 相手を煽り冷静さを失わせ、後述の能力で奇襲する戦法を多用する。 路地裏で「醜きもの」を「美しきアート」にしていることも多いが、 その凶悪なまでの二面性のため、街中を普通に歩いていることも多々ある。 ――能力 キリングタイム キリングタイム(暇潰し)という名の能力を持ち、自身の骨を操ることができる。 操れる範囲は骨の硬化、伸縮、ある程度の形状変化、切り離し程度。 自身の身体から骨を突き出すことも可能。この際、自身に痛みは無い。 自身の身体から切り離した骨は、再び自らの骨に接着し戻すことが出来る。 また骨折などで骨がダメージを負っても、治癒を早めるだけで完治は出来ない。 自ら切り離した骨は再接着可能だが、敵や事故によって切断されたものは元に戻らない。 骨はある程度まで自在に伸縮、操作できるものの、伸ばすのには限界がある。 またあくまで骨であるため、間接が無い限りそこまで自由度の高い操作は不可能。 骨の防御力は一般的な鎧程度。剣やナイフ程度なら十分防御できるが、 大剣や斧などの威力ある攻撃では耐え切れずヒビが入る、ないし破壊される。 使い方によっては非常に強い可能性のある能力であるが、その分弱点も多い。 例えば骨にヒビが入ったり破壊されれば激痛を伴う。 また骨を硬化させている影響なのか、通常以上に炎や冷気にも弱く、ボロボロと崩れ落ちてしまう。 無論、その際も耐えがたい激痛が走る。 なお、ルジャの身体を覆っている異質な鎧は、自身の骨を変化させた外殻である。 この骨は硬度に特化しており、攻撃に使う骨の硬度より高い。 ダメージが通らないわけではないが、破壊するのは困難を極めるだろう。 ――宿敵 かつて、路地裏にて[藤原宗則]に自らの殺人を目撃される。 そして激昂した宗則と激闘を演じ、辛うじて勝利を手にする。 その際、彼の中に見た「誇り高く輝ける、美しい志」を「更に美しく破壊」するのを夢見ており、 これまで彼とは2度にわたって凄まじい激戦を繰り広げている。 戦績は一勝一分け……ルジャは『次で全ての決着が着くだろう』と踏んでいる。 そして、それにより『美しさの≪果て≫』に至れるだろうと信じている。 ――過去 彼がここまで狂い果てたのには理由がある。 彼は幼少期、父親から苛烈な虐待を受けていた。母親はそれを見ぬふりをしていた―― そのために人間の「憎悪」「怒り」「欲望」などを激しく嫌悪し、醜いと感じるようになる。 ある雨の日、彼に対する父親の虐待は何時もにまして凄惨だった。 その時、生命を護るために、彼の本能が彼に能力を目覚めさせた―― 目覚めた骨の能力を使って彼は暴走。父親と母親を惨殺してしまう。 両親の惨殺死体を見た幼い彼の心は、崩れかけていた。 が、彼はその屍体を――――『美しい』と思うことで――――精神の崩落を止めた。 彼が異常なまでに『醜い』のを嫌うのは、何よりも醜かった父を彷彿とさせるから。 『美しさ』を求めるのには、こんな哀しい過去があったのだ――。 ――≪ネル・ナハト≫ 前述の宗則を倒すため、修練を積み、更なるパワーを手にする。 それだけでは飽き足らず、更なる力を求め銀色の剣士に取り入る。 彼が試験として差し向けたパンデルピエールを見事撃破し、新たなるネル・ナハトとなる。 ……だが――実に奇妙なことに、 彼が銀色の剣士に認められたのとほぼ同時刻に、宗則はこの世を去っていた。