ギルド 2


扉をくぐると、大理石の中でもひときわ輝いているドーム上の部屋があった。
上には、マリア様のような女性の絵が飾られ、窓は大きく、日の光で部屋の中を照らしてるほどだった。また、歩くたびにカツンカツンと音が出るほどの静けさである。
そこに人間の3,4倍はあるご老人が奥に堂々と座っていた。
大長老様である。

「おぉ、また新たなギルドのひよっこが誕生かな?」
宮殿全部に響くのではないだろうかというほど、きれいで芯の通った声である。
「大長老様、お初にお目にかかります。」
「私たちは、ギルドとなるべくこのドントルマに来ました。」
皆で、深々とお辞儀をし、大長老様の返事を待った。
「やはりか。じゃがな~、ギルドには、誰でも入ることができるんじゃが、一つ条件があるのじゃ。」
「条件? けちってないで、入れさせろよー。どうせ入るんだからさっw」
(しっ!!!!!)
(大長老様に向かってそんな口のきき方ができるなんて…。)
たかっちがぶつくさ言い始めた。

「ま、そうなんじゃがな。 わしもギルドの人生をしょってるようなものじゃから、きちんと見定めなければならないんじゃ。」
たかっちの無礼な発言も気にすることなく、相手をする大長老様はやはり貫禄がある。
「その条件なんじゃが、この街を抜けたところにある密林に住むイヤンクックを倒してきてほしいのじゃ。」
「うげ~w クックかよ。 ロビー装備はきついってよ~。」
私たちはギルドになるのは初めてで、ギルドでいうといわゆるロビー装備という私服しかないのである。
もちろん、防御力もなく裸も同然な格好。
それ以前に装備を持つためにはギルドに入らなければならないのだが・・・。

「ははは。確かにその格好はちときついかもしれんな~。でもな。イヤンクックはギルドハンターの基本となるモンスターでもあるんじゃ。世間では、クック先生なんてささやかれているがな。それに、裸で倒せなければさらに強力なモンスターを倒せるかどうか。ギルドハンターとして生活するのはきついであろう。」


さらにイヤンクックを倒すのには目的があった。この世界は、ありとあらゆるモンスターが存在し、それらの存在が人間に害をおよぼしている。ギルドハンターたちはモンスターを狩り、住民の生活の安全を確保しなければならない。
そこに、自由にギルドハンターが増えていっても街の治安は維持できない。


「イヤンクックも倒せん輩には、ギルドに入ってもらうわけにはいかん。 というわけじゃ。」

「な~るほど♪ よし。クック先生に教えを乞うてもらおうぜ♪」
そういったのはグリコ。
「んだな~。」
たかっちもやる気満々になったようだ。

「せんべつに、初期の武器だが、お前たちにこれを授けよう。好きなのを選びなさい。」
大宮殿に使える大臣がもってきたのは、数々の武器である。
「うほw 太っ腹~。 俺はこれにするぜぃ。」
たかっちがとったのは弓であった。
「俺の身軽さを考えたら、これしかないと思ってたんだ~。弓マスターになってやるぜw」
そう言ってハンターボウを手にした。

最終更新:2008年07月15日 12:29