「すると星が黒くなって落ちてくる。私の立ち尽くした骸骨の中へ」
『The Catcher in the Rye』
「 ── 細い身体の、どこに力を入れて立てばいい?」
【名前】
シーラ・T・ヴェールイレーベチ
【容姿】
綺麗だけどあんまり手入れされてなさそうな金髪。肩くらいまでのポニーテールにして、両肩にも髪房を少し垂らしている。枝毛が目立つ。
透き通った大きな青い瞳。整った目鼻立ちは、しかし女とも男とも取れない中性さ。あんまり笑わない。よく不機嫌になる。身長は168cmくらい。発育は、よろしくない。
アメカジ大好き。デニムは友達。だいたい服装が青い。青白スタジャンの下にオーバーサイズな白いプリントT、ケミカルウォッシュのジーンズ、コンバースのスニーカーかティンバーランドのローカットとか。
ただし、野球帽だけは常に被っている。表が青で、内側が白。あと、大きなヘッドホンも首にかけてる。ビビッドな色合い。 ── 黒いチョーカーと、バーコードの葡萄を隠すみたいに。
【能力】
『B-52』 ── The B-52's:超空の要塞
破壊力-A スピード-C 射程距離-C
持続力-C 精密動作性-D 成長性-A
「爆弾」を作り出す能力。大きく分けて「触れた無生物を爆弾に変える」能力と、「掌で包んだものを、手から離れる際に『実在の軍用爆発物』に変化させる」能力から成り立つ。いずれも発動は任意。
一つ目の能力は文字通り。触った物が見た目はそのまま、オクトーゲンの1.5倍くらい強力な爆発力を持つ爆弾になる。非生物限定のキラークイーン、みたいな感じ。右手の人差し指と左奥歯に「スイッチ」があり、これを押すことで起爆できる。
爆弾の「タネ」になったものは消滅する。ただし「誰か(プレイヤーキャラ)の所有物」は、相手の許可がなければ爆弾にできない。当然ながら、スイッチを押さなければ起爆はできない。
二つ目の能力は、例えば握った野球ボールを地対空ミサイルの弾体に変化「させながら」投げつける、みたいなことができる。ロケットモーターなど推進器が内蔵されている場合を除き、変化した物体は投擲時の「速度」を引き継いで飛翔する。
手榴弾から巡航ミサイルまで基本的には制限なく変化させられるが、あまり強力な武器を使うと自分も巻き添えを食うので、対能力者の戦闘では無反動砲をぶっ放すくらいが関の山。
この能力を補佐するのが首に巻かれたチョーカー型の補助電脳。これは彼女の肉体と一体化していて、あるいはそれは、首輪なのかもしれない。
「量子コンピュータに匹敵する大脳皮質の演算性能と、███手術によって獲得した分子構造に関する限定的な現実改変能力」が、この能力の本質である。
即ち「脳内で理想的な各種ニトロ化合物の分子構造を算出し、必要に応じて加害能力を高めるよう具体化、それを現実改変によって生成する」 ── 鬱屈した感情の遣り場は、こうして彼女に与えられた。生き物や、誰かのモノを変えられないのは、きっと彼女が怖がりだから。
【性格】
一見すると、何を考えているのか良く分からない思春期の子ども。人並みに悩むし、うだうだしているし、時々やたら思い切りがいいし、そんな弱みは見せようとしない。
その内心に抱いているのは持て余した正義感。青臭く、闇雲で、実力が伴わず、具体性はなく、義憤で動いて事態を悪化させる。そんな自分に、少しばかりの自己嫌悪。
本人が言うところ、「経験値を獲得する」ことを最優先事項としているらしい。それなりに好奇心旺盛。ちなみに、左利き。
【装備】
装弾数8+1発の大口径マグナムオート。使用するのは.475ウィルディ・マグナム。リボルバーのバレルとガバメントのトリガーグループをニコイチしたみたいな見た目。
威力はライフル弾に少し劣るくらい。反動は馬鹿みたいに大きく、射程はごく短い。しかも割とよくジャムる。彼女はビビってガク引きしがちなので尚のこと。だから命中率も悪い。
あまり役には立たないのに、これといった思い入れもない筈なのに、何故か彼女はこれに拘る。曰く、「見た目が好き」らしい。
首に埋め込まれたチョーカー状のサポートデバイス。型番の「AI」とは人工知能を意味するが、また同時に「アームド・インプラント」 ── 内蔵武装の意味を持つ。
外付けの大容量RAMとして彼女の異能を補佐する他、これ単体で外部ネットワークへの接続を可能とする一種のウェアラブル・デバイス。操作方法は視神経へ上書きされるHUD式。そしてまた、彼女を縛る呪い。
【戦闘方法】
自分の能力で「爆弾」に変えた何かしらを投擲する、または所持する拳銃で爆発性の弾丸を撃つ。この2つが主な攻撃手段。 ── ただし戦闘に関してはズブの素人で、反射神経も格闘技術も一般人同然。
おまけに攻めてる間は威勢よく撃ちまくるトリガーハッピーなくせに、守勢に回ると無駄に慌てたり、人質を取られるとどうしようもなくなったり、予想外の事態には躊躇いを捨てきれない面がある。
【概要】
トリカゴの「小鳥」。「第三世界」からやってきたと自称する、素性の知れない少女。東西冷戦の軍事ネットワークから生じた電子生命体 ── とは、本人の談、そのくせ、ほとんど生身。人体実験の形跡くらいは、探れば見つかるかもしれないけれど。
トリカゴには出自不明で行くあてのない孤児として、6歳のころに保護された、ということになっている。その後には色々あって、能力を付与され、15歳の今に至る。ちょっと厨二病かも。
ヴェールイレーベチとは、ロシア語で「白鳥」を意味する。与えられた名前だけど、本人は「シーラ」って呼んでほしがる。というか、コードネーム以外は自分で考えたもの。
パーソナリティも体質も女性のそれに近いが、実際のところ生殖器は「存在しない」という。見た限り胸はないけど、真偽は、不明。
爆破工学全般に極めて造詣が深く、またハッカーとしても一流の腕前を持つ。歩くスパコン。パソコンの大先生。ちょっとオタク気質。
【記憶野】
「阿呆」。しばしばダル絡みされる。あんまり好きではない。ヘッドホン壊されたくないし。けれど、なんだか世話を焼きたくなる。
「侮蔑」、のちに「困惑」「心配」「後悔」。前評判だけで嫌っていたけれど、寂しげな背中の濡羽色、追いかけたいと願ってしまう自分がいると、気付く。
「友情」 ── しかし、「疑念」。奇縁ではあった。少なくとも悪い印象はなかった。けれど、 ── クーラって、誰だろう。わからない。あの視線の意味も、同じように。
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いろいろ。 |
- 見た目の元ネタは、マテリアルスナイパーのアイリスとDTBのアンバー。性格の元ネタは、攻殻機動隊の笑い男。わりとそのまんま。
- セカイ系な斜に構え中二病/高二病ガール。それは他ならぬ自己嫌悪の裏返し。自我同一性の拡散を恐れて、正しくありたいと願わずにはいられない。
- 名前は旧ソ連の爆撃機「Tu-22"シーラ"」と「Tu-160"ベールイ・レーベチ"」ならびに両機のメーカーであるツポレフ社の頭文字から。
- 能力の名前は同名のカクテルから。いわゆるフレイミング・ビバレッジの一種でもある。見た目が綺麗。
- さらに元を辿ると同名のロックバンドに辿り着くが、さらにさらに元を辿るとこのバンド名もアメリカの爆撃機「B-52"ストラト・フォートレス"」から取られている。
- 完全に余談だけど、コイツはWW2直後から運用され続けてきた由緒正しい爆撃機。その安価さと積載量と信頼性、そして何より事実上米軍唯一となる核ミサイル(≠核爆弾)の運用能力から重用され続けている。最近では近代化改修の話が持ち上がり、世界中の航空機を探したって稀有な「100年選手」になろうとしてる。ファントムおじいちゃんなんて目じゃない。
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最終更新:2018年07月06日 17:08