ミルドラ族

ミルドラという、大河の女神を信仰する砂の国の小部族。

海かというほど幅の広い大河の傍に拠点を置く遊牧民で、
長い乾季はオアシスを転々とし、短い雨季は拠点へと帰るという生活を営んでいる。
他の部族との間に交易をもつことによって不足するものを補っている。
拠点は家族や血族ごとに小さな村という形で転々と存在する。

砂の国の興隆都市であるサフランとは大河を隔てて交流が断たれているせいで、
世俗の情報や技術にはやや疎い傾向にある。
砂海には魔物や盗賊が多く存在するため、隊商は物だけでなく人を運ぶ移動手段としても利用される。
ミルドラを始めとする部族が存在する地域に他者が入るには、港とサフランを経て砂漠を越え大河を渡る必要があるため、
単身は勿論集団であっても旅人が介入することはごく少ない。

女神ミルドラは水と河を支配する最高神とされており、その姿はしばしば巨大な蛇として想像される。
彼女の体である大河は、尾のしぶきが雨となり、分身である子蛇が砂漠を歩いてオアシスを作ると伝えられる。
ミルドラはまたその身の恵みによって動植物を育み、特にナツメヤシは抜けた牙が地面に落ちて実を作ったものとされている。
通常礼拝は祠の方向を意識して行われるが、うみへび座のα星アルファルドは空に映ったミルドラの姿とされ、
祠の存在しない砂漠の上で礼拝をおこなうときにはアルファルドに向かって祈ることが正しいと定められている。

ヤギやヒツジを飼っている事が多く、ヒツジは主に肉とウールを、ヤギは肉と乳を生む。
水の豊富な大河の流域に住んでいるため、小部族の中では比較的豊かな方に属する。
しかし、自然に生活が左右される事も多く、近年は数年にわたる旱害に見舞われている。

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最終更新:2013年01月09日 19:54