勇士に試練を与え乗り越えた者の願いを叶えるという時の神様に会いに行く旅に出た姿。
彼女に運命を切り拓く選択肢を示した者や叶えたい願いを持つ者を仲間に迎え、彼女は信念(我儘)を通しに行く。
変えたい過去は「母の死」
母の死をなかったことにする。
それはつまり母が命と引き換えに娘を産まない、彼女が生まれてこないことに相違ない。
「それでもいい、ママが元気でいてくれるなら。」
十数年ぶりの、そして最後になろう母娘の対話。
「私はあなたが、何より大事な宝物がこんなに立派に育ってくれて嬉しいの。」
「それに、あなたはもう独りぼっちじゃない、そうでしょう?」
―あなたの本当の願いは?―
「私の願いは……パパとママと一緒に……。」
「違う、もう独りじゃなく……大切な人と一緒に!」
運命は変わる。彼女が選ぶのは過去ではなく、未来。
なお切り捨てた願いのままだと母はいずれ病で命を落とす。
娘を産んで体が弱り「死期が早まっただけ」であり、病で命を落とす運命は変わらない。
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