岩山仁(以下、ヒトシ)「つっちー、進路希望書いたか?」

貴田剛(以下、ツヨシ)「ん。C大。デザインの学科。」

ヒトシ「は?またかけ離れたな。バイクは?お前進路はバイク関連って言ったろ。」

ツヨシ「バイクのデザイン、したいんだ。C大は工業デザイン学科ってのがあるから。ヒトシは?」

ヒトシ「んー…経営系に進みたいな。希望はW工大の経営管理学科。」

ツヨシ「Wとは大きく出たな。」

ヒトシ「お前に笑われたくないからな。」

ツヨシ「なんだそりゃ。」

ヒトシ「笑うなよ。もう3年だから言うけどさ。…俺、お前みたいになりたいんだ。」

ツヨシ「…は?」

ヒトシ「…ずっとお前みたいになりたいって。そう思ってたんだぜ?生徒会長よ。」

ツヨシ「…ぁ…。」

ヒトシ「何故泣く。」

ツヨシ「…俺、は。お前みたいになりたかった…。俺は生徒会長でも、みんなが見てたのはお前なんだ…!」

ヒトシ「…。」

ツヨシ「みんなに頼られて!いつもみんなを…俺も引っ張ってくれる!そんなお前に、ずっとなりたく…痛ぇ!?」

ヒトシ「大馬鹿が。」

ツヨシ「…なんで殴るんだ。」

ヒトシ「俺が好きにやれたのは、お前がケツを持ってくれたからだ。責任取ってくれたからだ。そうだろ。」

ツヨシ「…俺は何もしてない。」

ヒトシ「誰かが『責任は俺が取る』って手を上げないとな、動けないもんなんだ。…お前は立派にみんなを引っ張ってくれてるよ。」

ツヨシ「…く、ぅ…。」

ヒトシ「だから泣くな。…つっちー、約束をしようぜ。」

ツヨシ「…?」

ヒトシ「どっちかが夢を諦めそうになったら、もう片方が全力で殴りに行く。どこにいてもだ。」

ツヨシ「…なんだそりゃ。」

ヒトシ「いいだろ?このくらい。…俺は『リーダーになる』。」

ツヨシ「…なら俺は、『自分のバイクを作る』。」

二人「約束だ。」
最終更新:2016年06月22日 22:24