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第五部 バテのツボ
体調が悪くない限り、普通の基礎体力があればバテることはない
山歩きの体力
山歩きには特別な体力はいらない
持久力のある足の筋力と、ザックを背負える背筋力があればよい
普通の運動神経と体力さえあれば3000mは困難ではない
自然がすきで、歩くことが好きならば山歩きにむく体力があるといえる
少しの体力と少しの忍耐強い精神があれば山に登れる
それぞれの体力に応じた様々な山がある
体力で一番必要なのは脚力
酸素をより多く取り込む能力も必要
上半身(心肺機能)の疲れは休めば治るが、下半身(脚力)の疲れは治らない
日々歩くように心がけておくとよい
歩き方の科学
体重と歩行の関係
速く歩くほど、体重の重い人はより多くの酸素を必要とする
倍近く重い人は倍近く酸素を使う
重い人ほど心臓が強くなければならず、そのぶんエネルギーを使う
あまり軽すぎても筋力・スタミナ不足になる
より速く、重い荷物を背負って歩くほど、酸素が消費される
勾配と歩行の関係
傾斜がきついほどエネルギー消費量は増える
速く歩くほど、傾斜によるエネルギー消費量の増加が激しくなる
ゆっくり歩くと傾斜があっても、あまりエネルギー消費量は増えない
平地や下りでは速度や傾斜に関係なくエネルギー消費量はほぼ一定
大体1時間で標高差200~300m登れる
酸素と高度の関係
酸素摂取能力が低ければ同じ運動量でも酸素がうまく取り込めず、エネルギーが不足する
3000mでは大気中の酸素は平地より3割ほど少ない
筋力アップや体調維持はもちろん、酸素摂取能力を高めることが必要
運動すると自然に呼吸数が増え、継続することによって酸素を上手に取り込め、無駄なく消費できるようになる
靴・ザックの重さと歩く速さの関係
毎秒60~70cmが一番効率的
この速度では靴の重さは全く影響がない
スピードを上げるにつれて、重い靴ほどエネルギーを消費する
当然だがザックが重いほどエネルギーを消費する
平地では時速4km、山では2~3kmがベター
水の飲み方
行動中水を全く飲まないより、自由に水を飲んだ方がよい
汗と同量の水と塩を飲むのが理想
発汗作用によって体温を調節するため、山では大量の水分を失う
激しい呼吸からも多くの水分を失う
汗とともに塩分も流出する
水分はミネラル分と一緒に必要量とらないとバテてしまう
一度に大量に飲む問に負担がかかり、吸収されない
少しずつ、何回にも分けて飲む
スポーツドリンクを利用するのもよい
ミネラル分や糖分も補給でき、吸収しやすく工夫されている
水と同時に、塩分、当分、ビタミンCなどをとると効果的
食事では、みそ汁やスープ、果物などでしっかり補給する
バテの前兆
体の動きが鈍くなる
注意力がなくなる
ふらふらする
空腹感を覚える
眠たくなる
完全にバテると動けなくなる
完全にバテる前に対処すること
バテのメカニズム
肉体的なバテと精神的なバテがある
肉体的なバテには、部分的なものと全身的なものがある
運動を続けると筋肉がつかれるのが部分的なバテ
肝臓などにあるグリコーゲンが血液に入って血糖となる
血糖はエネルギーのもとで、運動することによってどんどん酸化、消費される
血糖が補給できなくなると血糖値は急激に下がる
血糖値が下がると脳の働きが鈍くなり、ボーッとしてふらつく
筋肉を動かすことによって疲労物質の乳酸が作られる
酸素が少ない状態で運動すると、酸化されない血糖から乳酸が作られる
乳酸が著しく増加すると、筋肉は収縮できなくなり、けいれんを起こす
トレーニングを積むと乳酸ができにくくなる
肉体的な全身のバテは、スタミナが無くなることによるもの
心臓と肺の持久力がなくなるとエネルギー切れになり、それ以上動けなくなる
全身的なバテは筋肉疲労の積み重ねと、脱水、熱射病、日射病なども関係する
豊富な登山経験とトレーニングからの自信が、精神的疲労を防ぐ
空腹で血糖値が下がると、疲労していないのに脳や体の動きが鈍くなる
エネルギーを消費するときに酸素が必要となる
酸素が不足すると脳も疲労する
すると脳から筋肉への命令がうまく伝わらわらなくなる
つまりこれがバテの状態である
バテの原因
気圧低下による酸素の欠乏
トレーニング不足
血糖値の低下
悪天候などによる体温の低下と精神的な疲労
発汗による脱水症状
水の飲みすぎ
直射日光による体温上昇(日射病)
日中のテントなどに長時間いることによる体温上昇(熱射病)
バテないために
とにかくトレーニング
運動をしてしっかりと食べて、体重を落とす
運動によって心肺機能を高める
多くの山に登り経験を積む
行動中にも糖分(飴など)を摂取する
ビタミン・ミネラルを十分摂取する
バテるはずがないと思い込む
発汗量と同じくらいの水を少しずつ飲む
体を冷やさない
余裕のある行動
前述の正しい歩き方、休憩、パッキング、食事をする
無茶しない
しっかり食べ、十分睡眠をとり、コンディションを整える
雨に濡れない、濡れたらさっさと着替える
帽子をかぶり直射日光を避ける
荷物をできるだけ軽くする
体に余分な脂肪が少ない人のほうがバテにくい
ビタミンCは疲労回復に効果的
鉄分はヘモグロビンの生産を助ける
登りも降りも余裕のある一定のペースで歩き続ける
50分歩いたら10分休むというように、小休止は均等にとっていく
少し重い荷物を背負って歩くのも良いトレーニング
バテの前兆が出てきたら、なるべく早く休憩し、糖分をとる
空腹であるから、胃に負担のかからないものを食す
紅茶やビスケット、カロリーメイトなどでエネルギー補給すると良い
糖はすぐ吸収されるが、すぐに消化されて長持ちしない
ビスケットやおにぎり等の炭水化物は、徐々に吸収され腹持ちが良い
バテないための食事
普段からバランスのとれた食事をとり基礎体力をつけておけば、バテない
エネルギー源は、糖質・タンパク質・脂質の3つ
糖質・・・糖分・ブドウ糖・砂糖・穀物などの澱粉・果糖
タンパク質・・・肉や卵などのタンパク
脂質・・・脂肪分・バター・油など
脂質はエネルギーを最も多く含むが、消化が遅い
脂質は普段から摂取して蓄えておく、備蓄エネルギー
タンパク質は直接エネルギーになりにくいが、体の細胞を作る大切な要素
糖分は直接エネルギーに変化するので、運動には欠かせない
普段からバランスの良い食事をしていれば、短期の山行ではカロリー計算は不必要
無理なく食べられる、好きなものを中心にすれば良い
バテに一番有効なのは糖分
飴はスタミナ切れを予防し、唾液の分泌を促進するため渇きも防ぐ
糖分は即効性があるが長続きしない
空腹が原因のバテには糖分と一緒に穀物などの炭水化物をとれば良い
早期回復と多少の持続性があるので、両方摂取すると良い
カロリーメイトなどのバランス栄養食も、高カロリーでバテに効く
「第五部 バテのツボ」をウィキ内検索
最終更新:2010年03月30日 09:04
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第二章 準備編
第三章 山中編
第四章 知識編
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