にゃべっち、renomaメガネを買う(後編) εεε-(* ̄∇ ̄)-○
メガネという性質上、寝る時以外はずっと掛けっ放しになるから、どうしても経年劣化は避けられない。
それだけに常用するには高価なものを買っても意味がないし、この時は失職中で先の不安もあったから日常使用に耐えられそうなレベルの範囲で、出来る限り安いもの(目安は2万円以内くらい)を選ぶ腹積もりであった。
ところが店内をブラブラと見て廻っていると、若い女性の店員がやって来てついて歩いてあれこれと説明を始める。
結構カワイコちゃんといってもいい店員だったが、なにしろ相手のペースに乗せられては高い物を買わされるがオチだから、適当にあしらいながら見て廻るうち、非常に気に入ったのがあった。
しかし「armani」のそれは、フレームだけでも4万くらいしていたから到底手が出ない。
気を取り直して再度、品定めするうち「renoma」のいいデザインが目に入った。
念のために他のも更にチェックしていると、また件の饒舌な女性店員があれこれ説明を始めたそうに寄って来たので、短気なワタクシは段々と面倒になってきて
(まあ「renoma」なら、いいだろ・・・)
ってことで、結局僅か15分くらいで決めてしまったのである。
ところで、ワタクシは顔の輪郭が典型的な細面に加え「彫りの深いマスク」と言われるくらいだから、メガネは殊のほか良く似合うタイプだが(ホンマにw)、何故か最初にメガネをかけた高校時代に銀縁を掛けて学校へ行ったら、皆から
「超インテリ臭ーい!」
だの
「なんか、すごく冷たそうな感じがするぞー」
とかボロクソな悪評だったため遂に最後まで裸眼で押し通し、大学生になってから再度銀縁に挑戦した時もやはり同じような事を言われたため、その後「porsche」のサングラスに度を入れたのに始まって、一貫して赤茶系統のフレームを着用していた。
これまで掛けていたラルフローレンのは、朱のフレームの内側に黒っぽいラインの入った特殊効果の2色が気に入って一発で決めたが、今回は先にも触れたように面倒だったため、もう色はどうでも良かった。
が、改めて家に帰ってからじっくり見てみると、朱のやや薄めのに黒っぽいラインが少しだけ入ってるし、さらによく見ると全体にラメのようなものが微かに散りばめてある。
おまけに蔓の部分が微妙な感じに括れているなど、結構凝ったデザインなのだった。
さすがはrenomaだ!
さすがはにゃべっちのセンスだ (´0ノ`*)オーホッホッホ
にゃべっち、renomaメガネを買う(前編) εεε-(* ̄∇ ̄)-○
話は少し遡り、×××社を巡るゴタゴタ前に例のST社のT氏から、様々なオファーが舞い込んで来ていた頃の出来事である。
この頃、失職中の身とはいえ、田舎の事で刺激と人の噂が大好きな近所の小煩いオバハン連中の目を恐れ(?)、毎日勤め人のように自宅を出てはネットカフェに篭ったり、あてどもなくブラブラと町を徘徊する日々が続いていた。
そうして、辺りが暗くなった頃合を見計らって自宅に帰る。
自宅はビルの2Fにあり、門の鍵を開けて2Fへ上がる通路を通ると階段へと至る造りである。
ところが元来の不精な性質に加え、マンションとは違い親戚の一軒家だから大家とか管理人といった番人の目が光っている訳でもない気安さも手伝って、通路は随分前からちょっとした物置き状態と化していたのであった。
そこに積み上げていたあるバランスの悪い物体が、留守中になにかの衝撃の拍子で落下していたらしい。
タイミングの悪い事に、その通路に入った矢先を狙っていたかのように携帯が鳴り始めた。
「ST社のTだけど、どうも!
にゃべっちさん、いい案件が出てきたよ」
という甘いセリフに釣られ、すっかり足元の注意がお留守のまま電気も点けずに、階段を上がろうとしたのがマズかった。
すっかり電話に気を取ら、れ暗闇を手探りで歩いているうちに下に落ちていた物に躓いた拍子にメガネが落下し、更に悪い事にちょうど落ちた場所がマズかったらしく、お気に入りのデザインだったラルフローレン(polo)のフレームが、イカレテしまったのであった。
「トホホ・・・失業中の身には辛い・・・」
と嘆いてみたところで、修復不能に歪んでしまったフレームは最早使い物にはならないから、翌日一番にメガネ屋へ行くことになった。
ちょうど1年程前に、某大手メーカーの商品管理追跡新システムの導入作業プロジェクトに携わり、元請けの三井某社から1ヵ月半弱の短期で三桁に近いボロい稼ぎをさせてもらった時に、長年愛用してきたレイバンを捨て新調したのがこの3万6000円也のラルフローレンであった。
珍しく唸るほど金が余っていたこの時には、同時に7万5000円の大枚をはたいてGUCCIも一緒に購入したのだった。
さすがに、GUCCIの方は常用にはできず
(何かの時には、これを・・・)
と思いつつも「何かの時」などは滅多にないままに殆んど引き出しの中に眠らせたままで、普段はpoloの方を愛用していたのであった。
ちなみにワタクシは目が紫外線に弱いため、常用の方は学生時代から紫外線が当たるとスモークが濃くなる遮光グラスであり、目がデリケートで疲れやすいが
「これなんかは、パッド付きで断然良いですよ」
という女性店員の見立ても、当を得ていたと思える (*゚ー゚)(*。_。)ウンウン
決着(後編)
「はぁ・・・? 契約違反?
なにをバカな・・・
まだ、正式な契約なんか交わしてないのに違反も何も・・・」
「いいえ、この間のあの遣り取りでもう契約は成立してます。
ウラを取ってください」
「ホォ・・・どこに契約書がありますか?
第一、あれはまだ元請けの会社に行く前だった。
それであの後に訊いた話は、最初とは随分違っていた。
あんな口約束で契約成立とは、チャンチャラおかしいよ。
人をあんまりバカにせんといて欲しいもんですな」
「口約束だけでも、契約は成立します。
ウラを取ってください!」
「さっきから『ウラを取れ』ってのは何なんですか、それ?
刑事ドラマのアリバイ調査じゃあるまいし。アホラシ・・・」
「今になって指定した日に出られないというのは契約違反となり、損害賠償を請求されるような問題ともなります」
期待した成り行きとは行かず焦りが益々募ってきたのか、当初の紳士ぶった仮面をかなぐり捨てて絶叫せんばかりの口調だから、こちらもそろそろキレ始めて来た ウゼ──(-´д`-)y──┛~~
「ちょっとちょっと・・・
バカを言わんといて下さい。
アンタ、私を脅かそうというのですか?」
「いえいえ。そんなつもりは毛頭ありませんが・・・
にゃべっちさんではなく、ウチが訴えられるんですよ?!」
「バカバカしい。
そんな事でいちいち訴えていたら、×××辺りは毎日裁判をしてなきゃならない…」
「本当なんです。
契約違反としてウチが・・・」
脅しが通用する相手ではないと見るや、今度は一転して泣き落としに出てきたが、ここに至って遂ににゃべっちの堪忍袋の緒がキレた。
「もう、いい加減にしてくれ。
大体、オレは直接アンタんトコと、直接契約しているんじゃないんだぞ。
こっちは直ぐに断ったのに、グズグズして返事を送らせていた奴らの責任じゃないのか。
そういう話なら、CS社のY氏なりと直接話すのが、筋なんじゃないのか?
アンタラ元請け会社ってのは、普段の契約の時は
『会社同士の取引だから、所属会社を通してくれ』
とか言ってハナも引っ掛けないくせに、困った時だけ直接こっちへ電話をしてくるってのは、身勝手すぎるんじゃないのか?」
本来なら、契約会社として奔走しなければならないはずのST社のTは、とうの昔にどこかへ雲隠れしてしまったのかこの泥仕合の間、まったく音沙汰がなかった (-ω-#)y-~~~~
このゴタゴタの少し前に話の来ていた富士通関係の会社から、新たな提案が齎されてきたのは翌日の事である。
決着(中編)
そんな平行線のやり取りが、延々2時間。
いい加減、手も痺れてきたワタクシは痺れを切らせ
「まあ、それぞれ立場はあろうかとは思いますが、私の結論は100?l変わりません。
まず第一に、明日中に返事をすると言っておきながら、昨日のうちには返答がなかった。
この時点で、この案件は不採用だと判断した後の遅れた返事であり、仕事に対するモチベーションが大きく下がってしまった。
第二に、これは個人的な問題でも有り本来言うべきではないかもしれませんが、窓口となっている会社との信頼関係が損なわれるような事態に至った点もあります。
が、そういった事以上に何よりも決定的な理由は、最初に訊いていたミドルウェアの導入という技術的なスキルよりも、客先での折衝にウェイトが置かれるという業務内容そのものが、私が最初に話を受けた時とプライオリティが逆になっており、その限りでは適任ではないという自己判断と、個人的希望からもかなり開きがある内容と考えざるを得ない事。
こういった様々な観点からトータル的に判断した結果、残念ですがどう説得されようともお断りさせていただく意志は、変わりようがありません」
「うむむむ・・・例えばですね、にゃべっちさん・・・
この仕事に関してはにゃべっちさんの言い値でやってもらい、次の仕事はウチが保証するという条件では・・・」
「そういう話を訊いては、尚更出来ませんな。
それを目当てに変心した事になりますからね。
ところで気持ちはわかりますが、もう2時間も話していていい加減に手も疲れて来ているのですが・・・」
「そうですか・・・では、どうしてもダメだと?」
「申し訳ないのですが・・・」
すると、なにやら電話の向こうでボソボソとやっている声が聞こえた。
「もしもし、にゃべっちさんですか?
お世話になります。Mです。先日はどうもどうも」
と、面接の時に2人出てきた方のうち、年配の営業課長が電話口に出て来た。
「どうも、困った事になりました。
ウチでの面接の時、3月×日から出られますかと訊いた時に、にゃべっちさんは『出られます』とハッキリ言われましたよね?
すると今になって出られないというのは、これは契約違反と言う事になりますよ・・・」
決着(前編)
仕事の開始は、翌月曜日。
この日が金曜日だから実質あと僅か2日しかないだけに、先方の焦りは電話越しにも手にとるように伝わってくる。
「しかし(親請けの)×社の面接官は
『この後もまだ何人か残っていますので、今日1日待ってください。
明日中には必ず、結論を出します』
とかなんとか、大見得を切ってましたよね・・・確か。
あの口振りでは、代わりの候補者なんぞいくらでもいそうでしたが・・・」
あの怒ったような口調が感じの悪かった、SEの吐いた台詞を皮肉ってみせると
「『是非、にゃべっちさんでお願いします』
という先方(元請け)さんからのご指名なもので・・・
代わりの人間でというわけには、いかないのですよ。
もう×××さんにも、にゃべっちさんの経歴でゴーサインまで行ってますから、どうしてもにゃべっちさんにやって頂かない事には・・・」
などとどこまでも遜った口調ながら、一歩も引かぬ構えである。
「そう言われましても、こちらではもう結論を出したことですし、今更もう無理です・・・」
「お願いしますよ、本当に。
月曜日ににゃべっちさんに出ていただかない事には、うちも元請けさんも困った事になってしまいますので・・・
こういうのは何ですけど、にゃべっちさんにはここまでご無理言ってますので、ウチとしても出来る限りは便宜を図ろうと…」
かつて、まだ業界では駆け出しだった5、6年前に『NTT某』の仕事で元請けをしていた、このK社の親会社の大きなビルへ面接に訪れた時は、ケンモホロロに肘鉄を食らわされた事もあり、その当時は一度はこんな台詞を吐かせてみたく思ったものだったが、現実にこうまで当て込まれてはハナからやる気がないだけに、負担ばかりが重荷となるのであった(勿論、今回の件に関しては、ワタクシの能力に惚れ込んで食い下がっているのではなく、単にこの土壇場に来て『(世界の)×××』の信用を失いたくないが為の奔走とあっては、尚更しらけるばかりなのである)
更なるゴタゴタ(後編) ヽ(`Д´)ノ
『オレを飛ばすなよぉ!』
と綿々とした繰言ばかりを繰り返した挙句、一人合点してキタナイ罠を仕掛けてきたTの手口には心底呆れ返ったが、しかしながら最初に窓口として仕事を紹介してきたのがこの人物であった事も、また動かしがたい事実だけに
「何だかんだいっても、この件は最初にTのとこから来た話であることは確かなので、やっぱりこういうスタイルはごたごたの元でしょうねぇ。
やり方は汚いですが、怒る事自体はわからんでもないですし。
やっぱりここまでこじれてしまっては、どうにもなりませんね」
ワタクシの方は、これまでのゴタゴタですっかりやる気を失ってしまっていたものの、Y氏のCS社(社長はY氏の父)や親受け会社はそれどころではない、切羽詰った状況だったらしい。
「Tさんの事はこの際忘れて、ウチと直接なら金額的には満足なものなわけですから、もう一度考え直してはいただけませんかね?」
「金額的にも、全然満足じゃないですけどねぇ。
以前、これと同じような単発の導入支援をした時は、残業別で月××くらいは貰いましたし」
「じゃあ、ウチも××まで出しますよ」
「いや、金の問題ではないですから。
勿論最初から××なら喜んでやったかもしれませんが、とにかくこういったゴタゴタは何より嫌なんですよ」
「しかしですね・・・」
と、それからもしばらく押し問答が続いたが最早やる気を失っていたワタクシだけに、いくら話したとて溝が埋まる事はありえないのであった。
珍しく食い下がっていたY氏も遂に説得を断念し
「この仕事を断ると、これから(世界の)×××関係の仕事は来なくなると思いますが・・・
それは覚悟の上ですか?」
と、最後には恫喝してきた。
「なにをバカなことを・・・×××の窓口なんて、いくらでもありますから」
「でも、元は一つですよ」
「へー・・・
×××ってのは、そんなちゃちな企業でしたかね?」
(こうして不毛なやりとりをしている今も、現に全く違うルートで×××の別件が進行中だっての)
と、腹の中ではせせら笑いながら
「それはまあ、仕方がないでしょうね。
御社や元請のブラックリストに載る事は、この際しょうがないと思ってますのでご心配なく・・・」
と皮肉を飛ばすと
「そこまでは言ってませんが・・・」
と、Y氏の苦笑いが聞こえてきた。
こうしてようやくY氏から開放され、遅くなった夕食を済ませると今度はCS社親受けの営業担当者から、電話が掛かってきた。
「CS社のYさんから、お話を伺いましたが・・・
にゃべっちさん、なんとかやっていただくわけにはいかないのでしょうか?」
と、実にやるせない切実な懇願口調で Ψ(ーωー)Ψ
更なるゴタゴタ(前編) ヽ(`Д´)ノ
そして夕方になると、CS社のY氏から
「先日の×××の仕事の件ですが、月曜日からスタートとなりますのでよろしくお願いします」
という電話が入る。
(コイツめ! 一体、どういう神経してるんだ?
Tに内幕をバラしておきながら、今さらなに言ってやがるんだ)
と、激怒したワタクシは
「はあ? Yさん・・・アンタ、Tになに言いました?」
と詰め寄ると
「は? 何の事です・・・それは?」
「惚けんでも、ちゃんと訊いてますから。
あの話をTにばらしておきながら、今更なに言ってんだか・・・」
「ちょっと待ってくださいよ。
どうもにゃべっちさんの言ってる意味が、良くわかりませんが・・・
Tさんが、あの話を知ってる・・・ というんですか・・・?」
「知ってるもくそも、自分で言ったんでしょうが。
Tはそう言ってましたがねぇ・・・」
「ボクは、なにも言ってませんよ。
僕が言う訳ないじゃないですか。」
「じゃあ、なぜTが知ってるんですか?
他に誰が言うというのか?」
「いや、それはおかしいですけど・・・
しかし、ボクが言う訳がないですよ。
じゃあ訊きますが、ボクがそんな事をして何のメリットがありますか?」
(言われてみれば、確かにその通りなんだよな・・・
ん・・・待てよ・・・)
と考えるうち、ようやくにしてTの仕組んだ狡猾なカラクリが見えてきたのであった。
要するに、前日のワタクシの持ちかけで疑心に駆られたTである。
翌日、(ネットカフェに篭っていたため)電話が偶々通じなかったのを、てっきりY氏と謀らった意図的なネグレクトだと邪推したのに違いない。
それがあの酔っ払いの戯言のような、留守電メッセージとなっていったのであろう。
しかしこんな幼稚な罠とはいえ、情けなくも気付くのが些か遅すぎたようだった。
「どうやら、これはTの仕組んだ罠だったようですね・・・
しかしいずれにしろ、あの話はもう午前中にTに断っていますから」
「Tさんに断られたんですよね。
ですから最初のお話の通り、ウチと直接やっていただきますよ」
「だから、そういうのも含めてもう断ったんですよ。
このゴタゴタで、すっかりモチベーションも消し飛んでしまいましたのでね」
「でも、もうTさんのとこは断って、関係がないわけですから」
「と言ったって、またゴチャゴチャとイチャモンをつけてくるに決まってますから」
「だから… もうTさんのとこは関係がないわけですから・・・」
予期せぬ指名(後編) (; ̄ー ̄)...ン?
「オイ! 全部、Yのヤツから訊いたぞ!
テメー、ナメてんのか、このヤロー。
オマエがウチを飛ばしてやろーって、Yに持ちかけたそうじゃねーかよ、オイ!
オレはこんな話なんか、いつでもぶっ壊せるんだぞ、このー。
このまま、タダで済むと思うなよ」
といった調子のわけのわからないメッセージが3件も続けて入っていたが、途中まで訊くうちにあまりの汚らしい口調に耐え切れず、ゴミとして削除する。
(ナンジャ、こりゃ?
酔っ払ってんのか、コイツは?)
放っておきたかったが、まだしつこく何度もかけてきそうなので、こちらから電話すると
「おう! 今どこにいるんだよ?」
「なんですかね、あの電話は?
ハッキリ言って、なに言ってんだかサッパリわかりませんが・・・
酒でも呑んでませんか?」
「酒? 呑んでねえよ。
それよか今朝の×××の件さ・・・やっぱりやらないか?」
先の留守電のチンピラヤクザじみた凄んだ口調からは一転して、普段の苦笑いを含んだような温厚そうな口調のT氏に戻っているから、益々わけがわからないままに
「それは、午前中に断ったはずでしょう。
それはそうと、Y氏がなんか言ってきたんですか?」
「ああ。すっかり全部訊いたよ」
「なんと言ってました?」
「詳しくは言えないが、アンタの方からオレを飛ばして直接やらないか、と持ちかけられたと言っていた」
(なんで、そういう話になるんだ?)
と疑問に思いつつ
「本当に私の方からそういう話を持ちかけたと、そう言ってるんですか・・・CSのYは?」
「そうハッキリとは言わないけど、そういうニュアンスの事を言ってたよ」
そして
「それはそうと、さっきからなぜオレの電話には出ないんだよ?」
と不満を漏らすが
(それはアンタが、圏外のネットカフェに居る時に限って電話してくるからだろ!)
としか言いようがないが、この時のT氏の恨めしげな口調を訊くうち
(どうもインチキくさいな、このオッサンは・・・)
と前後の話の飛躍からも、俄かに疑惑が更に膨らんできたのだった。
とはいうものの、一方のY氏の方もT氏ほどではないにせよ、前回の富士通某の一件では
(あれはボク自身も、直前までなんにも知らされていなかったんですよー)
と、風呂上りのようなツルツルした顔を綻ばせてシレっとしていた経緯があるだけに、分裂気味のTほどではないにせよ、こちらもこちらでイマイチ信の置けるような人物とは言い難かったのだった Ψ(ーωー)Ψ
予期せぬ指名(前編) (; ̄ー ̄)...ン?
面接担当者が最後に
「この後、まだ何人か面接が入ってますので、申し訳ありませんが今日1日だけ待ってもらえますか?
明日中には、必ずご返事いたします」
というセリフで締めくくられたが、その後にゃべっちが座を外した後に元請会社のSEとの間で遣り取りがあり、その結果
「ひょっとすると、厳しい結果が出るかもしれません。
先方さんは
『にゃべっちさんが、折衝に向いてないかもしれない』
というような事を気にしておられたので・・・」
「そうですね・・・それは自分でも、向いてないのではないかと思ってます」
となんとなくすっきりしたような、だがちょっと腹立たしいような気持ちでいたが、返事が来る期限に設定されていた翌日になっても、一向に何の音沙汰もなく
(これであの話は、終わったな・・・ま、これで良かったんだろう・・・)
と結論付けた。
ところが・・・である。
翌日の午前中、例によってネットカフェ向かう途中にST社のT氏から電話が。
「この前の案件だけど・・・
是非、お願いしたいって言ってきたよ」
「・・・」
1日遅れの予期せぬ回答でもあり、またT氏を通して返事が返って来たのも意外であった。
(ありゃりゃ? なぜコイツから連絡が来るんだ?
畜生、(CS社)のYめ! また人をペテンにかけやがったな!!
人に携帯の番号まで訊いときながら、何で直接言ってこねーんだ?)
などと考えていると
「どう返事すればいい?」
とT氏が、重ねて問うてきた。
「やらないですよ」
「じゃあ、断っとこーか?」
「そうしてください」
「わかった。また別件が出てきたら、連絡するよ!」
(もうオマエはええわ!)
と、腹の中で思いっきり毒づく。
(これで、また振り出しだ)
幾らかすっきり気分でネットカフェに入り、暫く篭る。
昼食を挟んで再びネットカフェに篭り、ようやく出てきてから携帯の留守電をチェックすると、4件ものメッセージが入っていた。
1件目は以前、静岡行きの話を持ち込んできたコンサルのT氏から
「名古屋でネットワーク管理の案件が出てきたので、連絡乞う」
というオファーだった。
が、続いて2件目に入っていたTのメッセージには驚いた ( ゜ ▽ ゜ ;)エッ!!
「×××の声は天の声」というアホの声(後編) (´Д` )
(オマエの態度がデカイからだろ!)
カマをかけてきた相手に見透かされたような格好ではあるが、こういったあからさまに人を試すようなやり方にも、不愉快さを感じずにはいられなかった。
「いや、失礼! それなら良いのですが・・・
ワタシが何故、敢えてこんな事まで言うかといえばですが、×××の現場というのは真面目にやっていても何やかやと難癖つけてくるような、タチの悪いのが結構いたりするものでね。
事情を訊いてみれば何の事はない、それこそ単にその人物のムシの居所偶々悪かっただけだったりとかいうレベルでね。
ま、何かあった場合は、黙って当社の方へ電話してくだされば後の処理は、こちらでやる事になります。
とにかく当社としては、×××さんとのトラブルが一番怖いですから、そうなった場合はたとえ非があろうがなかろうが社長以下の我々役員クラスが揃って、×××さんに出向いて謝りに行く。
技術者の責任云々という話では、納まりきらないのでね。
それが決まったパターンでして、寧ろ技術者レベルで勝手な事をされるのは、逆にウチとして困るのですよ・・・」
ちょうど、これと同じような仕事を過去にも経験した事のあったにゃべっちは
(そういや、あの時も同じようなこと言われたけど結局煩いだけで、あんまり収穫はなかったよなぁ)
などと思い出しながら
(どうも・・・ やっぱり辞退しといた方が良さそうだな、こりゃ)
と、低賃金から始まったゴタゴタにケリを付けるべく、内心で決断をしかけた時
「何しろ、我々のような下請けにとっては《×××の声は天の声》ですからねぇ」
と、担当SEが最後にポツリ。
ここに至っては、あまりのアホラシさに最早返す言葉もなかった (ー_ー )ノ" パス
「×××の声は天の声」というアホの声(前編) (´Д` )
啖呵を切ってやったところまでは良かったが、その翌日になると朝一番にCS社のY氏から
「では今日の元請けでの面接、よろしくお願いします」
と直接電話が入り
(後の事は決まるってから考えるとして、ともかく話だけはしっかり訊いておこう)
と、元請を訪ねていく。
元請となっているのはZT社は、エンドユーザー×××社の子会社で
「えー、この仕事は技術的(unixミドルウェアの導入試験)には簡単ですが、寧ろ重要なのはお客さん(×××社の現場社員)との折衝能力です。
ちなみに技術的には、2週間の研修でみっちりと叩き込んでいきますので、unixの基本知識があれば問題はありません」
(なんだ・・・それじゃ、あまり先に繋がるような吸収できるものは少ないんじゃないか)
とか考えていると、更に追い討ちをかけるように
「尚、地方への出張に関しては、大阪、九州など遠方出張は当社社員で対応し、外部の方々には県内を担当していただきます」
と訊くに及び
(折角楽しみにしていた、出張もなしか…)
と、段々と腰が引けてきた。
そして気に食わないのが、面接を担当したSEの態度で
「これまでクライアントの営業トークの経験は?」
「サポートでの接触くらいですが・・・」
「それはあくまで、技術的なレベルの事だけですね。
営業的な折衝経験はゼロという事?」
といった調子で矢継ぎ早に、何故かキツネのように吊り上がった細い目で睨みつけるような表情と、怒ったような早口で念を押す態度が、なんとも不愉快に感じられた。
「ぶっちゃけた話、お客さんは現場の作業員レベルなので、かなり気の荒いタイプが多いんですよ。
中には、無理難題を吹っかけてくるような人もいますしね。
しかし、相手はなんせ『(世界の)×××』ですから、たとえどんな無理無体を言われようとも、決して口ごたえをしてはいけない。
ご無理ごもっともという姿勢でないとね。
だからこちらから出向して貰う人が、いわゆるキレ易いタイプの人では困ってしまうので。
失礼ですが、にゃべっちさんはあまり気が流そうではないように見えますが・・・」
「いや、そうでもないですよ」
ピンハネ疑惑(後編) く( ̄△ ̄)ノ
「もし、にゃべっちさんさえよければ、ウチ直接でやりませんか?
そうしたらさっき言った通り、××くらいは出せますよ」
と提示されたのは、それでもようやく相場並みになったという程度だったが、T氏の提示に比べれば遥かに違っていた。
「今更・・・ そういうことが可能ですか。
これからはともかくとして、今回ので・・・」
「別に可能なんじゃないですか。
無論、本来は出来ませんが、今度のはあまりにも酷いですからね。
もしダメだった場合は議論の余地はないですが、決まった場合でもTさんには『ダメでした』と言っておけば、わからないじゃないですか」
「なるほど。そういうテがあったか・・・
ま、それはOKとなってから、また相談しましょうか」
「じゃあ、にゃべっちさんの携帯の番号を教えて下さい。
今後は直接、連絡しますので。
どうもTさんの携帯は連絡も悪くて・・・」
そうしてY氏と別れてから、暫くするとT氏から連絡が入った。
「明日、元請けの会社に行く事になったんだって?」
「らしいですね。それで・・・」
T氏は憎いオヤジだが、それは別としてもやはり裏でコソコソやるようなのはよろしくない。
で、一応、筋だけは通しておこうと
「今回の件ですが、あまりに単価が低すぎるのでY氏の会社と直でやってはダメですかね?
元々あの人とは、以前からの知り合いでもありますし」
と持ちかけると
「ダメだダメだ! ウチが持ちかけた話ってのを忘れて貰っちゃ困るよ!」
と、意外にも心外そうな強い調子で拒絶してきやがった。
しかも
「アンタ、いつもそんな風に持ちかけたりするの?」
と来た。
「無論、こんなバカな持ち掛けは、これまではどこにもしたことないですよ。
なんせ、こんな常識外れの酷い条件を提示されたのは、初めてですからね。
さすがに(温厚な)私も、ちょっとアタマに来てるので」
「そんなに安くて気に食わなかったら、この話はもう断っちまうか?
そういうこと言うなら今後、もう仕事の紹介は出来ないぞ!」
(どうせロクな話を持ってきやがらねーくせに、言う事だけはご立派じゃね?か!)
「いいですよ。なんなら辞めにしても。
まあ、好きにしてください」
と、啖呵を切ってやったところまでは良かったが・・・
ピンハネ疑惑(前編) く( ̄△ ̄)ノ
「なんせ今回の仕事は、物凄い条件悪いですからねぇ・・・」
と皮肉ると
「えっ?」
と言わんばかりに、意外そうな表情を浮かべたY氏。
「そんなはずはないですよ。
そんなに低くは・・・Tさんのとこからは、幾らと訊いてますか?」
無論、本来はこんなことを公表してはいけないのは当然のルールだが、欲の深そうなT氏が非常識なまでに抜いている疑惑が濃厚になっており、真偽を確かめなくてはいけないと考え、あえて事実をありのまま伝えると
「それは・・・(しばし絶句ののち)
確かに厳しいですねー。
実はTさんとは最近付き合い始めたばかりなんですが、どうも・・・
こんな事にゃべっちさんだから話すのですが、正直イマイチ信用できないところが・・・」
「元々、かなり安いとか言ってましたけどね」
「いやいや、かなり抜き過ぎてますよ」
「ちなみにYさんところは・・・
××くらい出してますか?」
「ほぼ、そのくらいですねぇ」
単価のレベルによっても勿論違ってくるが、通常この業界での中間マージンは20%ー30%が相場といわれているが、Y氏の話をそのまま信ずるならT氏は40%近くもピンハネを目論んでいた事になる。
勿論、最終的にMr.にゃべっちの懐に入ってくるのが常識的な金額であれば、仮に50%以上ピンハネしようと文句はないが、常識外れの低い提示をしておきながらこれだけマージンを取ろうとしていたとは、最早呆れて物も言えぬ。
勿論、Y氏が本当の事を言っているという保証はないが、まずこれまでの経験に照らし常識的に判断するなら、やはりY氏の言い分の方に遥かに分がありそうに思われた。
「だいたいYさんは私とも面識があるわけですし、私の資料も手元にあるんでしょうから直接、声を掛けてくれたら良かったんですがね」
「そうですねぇ・・・
ここまでやるとわかっていれば、そうしとけば良かったですねぇ」
と少し考えてから
急転(後編)
それではにゃべっちさんは、明日我々営業2人と一緒に元請のT社(×××子会社)に行って頂きますので、よろしく」
という運びになった。
さて、同行したA君は
「また、別件があればご紹介します」
というY氏の言葉を受け去っていったため、後に残ったのは因縁浅からぬにゃべっちとY氏。
Y氏の風呂上りのようにツルリとした童顔を見ているうちに、数ヶ月前の怒りが沸沸として蘇ってきた。
「ところでYさん!
この前の富士通の件ですが、何なんですかあれは?
まったく、バカにしてるじゃないですか!
あんな適任者がいたのなら、何も私を同席させることなんかなかったでしょうに」
と、早速クレームをつけると
「いやー、あれはボクも直前まで、どういう人が来るのかは知らされていなかったんですよー。
完全な出来レースというか、確かにあれはバカにしてましたねぇ」
と済ました顔で、あたかも
(あの時はオレも、騙された被害者だったんだぞ)
といわんばかりに、シレっとしていたのには呆れた。
「あの後、例の会社の人には何と言いました?
もう名刺はどっかに捨てちゃったので、社名も覚えてませんがね」
「勿論、あの後直ぐ、厳重に抗議しましたよ!
向こうも『ゴメンナサイ!』と謝っていましたがね」(ウソを吐きやがれ!)
「まあ、あれは確かに災難でしたが・・・
それはそれとしてどうですか、今の話は?」
「うーん・・・事前にT氏から訊いてたのとは、かなり違いますねぇ。
技術的な事だけをやっていれば良いのかと思ってましたが、×××社の社員との折衝となるとちょっと厄介ですね」
(×××社の社員の横柄な体質は、業界では有名であった)
「まあそうかもしれませんが、そういうのをやってみるのも良いんじゃないですか?」
「正直、どっちでも良いという気がしてますが・・・」
ここで話が終わっていれば恐らくは何の問題もなかったろうが、T氏に対する度重なる不信感に加えこれまでにも面識があり、年齢的にも近いY氏に対する気安さも手伝ってまたしてもつい、余計なひと言を漏らしてしまうにゃべっちであった ( ´∀`)タハ
急転(前編)
そういった経緯で
(とにもかくにも、話を訊いてからだ)
という白紙の状態で、指定の場所に向かったにゃべっちを待ち受けていたのは誰あろう、かつて富士通本社面接で苦い体験をした時の下請けとなっていたソフト屋・CS社のY氏。
Y氏とは2年程前から面識があり、これまでにも2,3度案件の紹介があったがいずれも途中で立ち消えになったりで、前回の富士通以前前からも「あまり信用出来ない人物」という評価をしていた。
「やあ、にゃべっちさん、久しぶりですね!」
最初に詫びのひと言も出ると思いきや、あたかも何事もなかったかのように笑顔を見せるこの人物に対し
(この前のあれは、一体どういうことなんだ?)
というセリフが喉元まで出かかったが、Y氏の横にはもう一人にゃべっちとともに面接に臨むらしい人物(仮に、A君としておく)が居たため、取り敢えずこの場は一旦矛を収めておく。
さて担当者から話を訊くと、いつもの事だが事前にST社のT氏から訊いていた内容とは違い
「技術的には、大して難しいことはありません。
unixの基本知識があれば問題なくこなせるような事ですが、寧ろお客さん(エンド=×××社の現場社員)との接触が重要になってきます」
とのことで、やや興味を失いかけたところに
「ところで、この仕事は3月の×日から4月の×日までの契約となりますが、その点はお二方とも問題はないですね?」
と確認をしてきた時、A君が
「実は・・・
私の方は今、就職活動をしているところでして、1件ペンディングになったままの案件があるのですが、もしそちらが正式に決まれば4月1日からということになりますので、こちらの方は3月31日まででお願いしたいのですが・・・
勿論そちらが不採用の場合は、問題はありませんけど・・・」
「いえ・・・この案件は短期ですが2週間の研修期間がありますから、最後までやっていただくのが条件なのです」
とA君の寝惚けたような申し出は、当然ながら即座に却下された。
「ということで残念ですが、Aさんの方は今回の案件に関しては見送りということで・・・
で、にゃべっちさんの方は、その辺りは大丈夫なんでしょうか?」
この時、にゃべっちの脳裏には保留中になっている、×××社の案件がチラリと掠めたが
「大丈夫です・・・」
と、この場は応えておく事にした。
2つめの依頼
そんな動きがあった頃、もう一方ではまた例の悪癖が頭を擡げ
「今度は良い感触だよ!」
と、例のSK社のT社長がほざいていた『SONY』の案件は呆気なく消滅し、穴埋めのようにして新たに持ち出してきたのが
《UNIXミドルウェアの導入設定及びサポート&現場指導教育》
という新規の案件だった。
「どう、こんなのやってみる気ない?」
「その前に・・・この間の件の返事が未だなんですが。
まあ大方の想像はつきますがね」
「うん、あれはやっぱりHP・unixの構築経験がないとダメらしい・・・
で、さっき言った案件の方だけど、どうする?」
「物の順序からいって、前の件の結果を先に知らせてくれないとね」
「いや、ゴメン。
それで、さっきの件だけど・・・」
「どうするったってミドルウェアの導入設定なんて、これまでやった事もないですかし」
「東京本社に泊り込んで、2週間の研修期間があるからさ。
ミドルウェアの導入経験はなくても、unix全般の知識があれば大丈夫だってさ」
なるほど。約1ヶ月の短期にこういった未知の経験が積めるのに加え、旅好きの身としては全国各地へ出張出来るという点も、大いに魅力ではある。
が、その後T氏から提示された条件は、信じられないほど低いものだった。
「は?? なんですか、それは?
冗談みたいな金額ですね?」
「そう、安いんだよ、これ。
でも1ヶ月の短期だし、次が決まるまでの繋ぎと割り切ってやれば、その間無収入よりはいいんじゃないの」
確かに先々役立つものなら、儲けは度外視ということも考えられなくはないが、なにしろ間に入っているのがこれまで散々人をダマクラカシテきた上に、未だ恬として恥じるところのないT氏だけに、果たして額面通りに信用していいものなのか、判断がつきかねた。
「しかし、それをやってる途中で良い案件が出て来た場合は、困りますね」
「その時は誰か交代要員を出して、代わって貰うから」
(2週間も研修しといて、そんなことが出来るわけねーだろが!
トコトン、いい加減なオッサンやな)
「とにかくさ、話だけでも訊いて来たら?
訊いた後で、嫌なら断れば良いんだし」
「そうですな。満更興味がないわけでもなし、話だけでも訊いてみますか。
ただし話を訊いたからといって、やるという約束は出来ませんがね」
「それは勿論、お互いに選ぶ権利はあるわけだから・・・その点は大丈夫だって」
先にオファーのあった×××社の案件が社内調整中でペンディングになっていた事もあり、こうして気軽に考えた事が命取りとなろうとは。
それから数日も経たぬうちに、またしても予期せぬ修羅の渦中に立たされる事になる、にゃべっちであった。
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最終更新:2007年12月09日 11:33