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  • 102

真紀と千春(後編) (*`▽´*) ウヒョヒョヒョ

 ところで5月も後半ともなると暑い日が多くなり、上着を脱いで椅子の背にかけておくと知らない間に誰かがさわった形跡がある。

 「誰か、オレの制服で悪戯しやがったな?」

 と訊いてみると

 「オーミヤとシマダが、オマエとグリの制服をさわっていたみたいだが・・・」

 といった声が返り、「犯人」は真紀(にゃべっち制服)と千春(オグリ制服)と解った。

 「勝手に人の制服にさわりやがって・・・
 アイツめ・・・まったくふざけたヤローだ」

 と、気の短いオグリが憤慨を始めた。

 「オマエのも、イジクリ回されたんだぞー、にゃべっちよ! 
 頭に来るよなー?」

 「学ランが珍しいんだろ。
 ま、別に汚されるわけでもないから・・・」

 真紀のオメガネに適い、内心満更でもないにゃべっちは苦笑で誤魔化すが、無論それで引き下がるオグリではない。

 「オイ、シマダー。
 勝手に人の服をイジクリ回すのはヤメロ」

 「えっ? なによ・・・ちょっと、さわっただけじゃん・・・」

 根が図太く出来ている千春は、オグリが激怒しようが平然たるものだ。

 「アイツめ、今度やりやがったらガツーンと言ってやるからなー」

 と息巻くオグリを尻目に、欲の深いにゃべっちは

 (こりゃ、うまくすれば真紀と千春、2人ともいただきってな事も…)

 と密かに、コーカツな計算をしていたのであった (`m´+)ウシシシ

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  • 101

真紀と千春(前編) (*`▽´*) ウヒョヒョヒョ

 中学1年時代の記憶といえば、もっぱら真紀と千春(とオグリも)に関するものばかりだ。

 中学の級長ともなると、小学校時代の委員長とは比較にならないほど役目が多くなってくるが、その分真紀との接触の機会が多くなり、それなりに親しさを増していった。

 とはいえ、無論「交際」などといった親密なレベルではなく、あくまで教室内に限っての話なのだが。

 真紀の親友・千春はもっぱらオグリにご執心で、さりげなくモーションをかけるものの、硬派な野球少年・オグリは振り向きもしなかった。

 その一方で、にゃべっちは次第に千春の魅力にのめり込んでいく。

 真紀と千春の比較は、とても難しい。

 純粋な「カワイさ」だけなら、おそらくは千春の方が幾らか上という気がしたが、真紀には知性の輝きがあった。

 決してひけらかす事はないが相当に頭の回転が速く、まさに「打てば響く」という表現がピッタリで会話を楽しめるという点ではピカイチ。

 性格的にはお嬢さん気質というか、かなりワガママなところのあった千春は、そこがまた魅力でもあったが時によると些か持て余す部分もあり、その点においても真紀の方がおっとりしていて、肩が凝らない。

 小学生時代からリーダー的存在だっただけに、さすがにしっかり者で芯の強さを随所に窺わせ、それまで外見のカワイさにばかり眼が行きがちだったにゃべっちに、内面から溢れ出る知性の輝き(勿論、外見も充分にかわいかったが)というものを初めて認識させてくれたのも、この真紀である。

 それにしても、この二人はともに比較的大柄な事もあったせいか随分と大人びて見えた。

ついこの間まで、小学生だったとはとても思えないほど(特に、この時期における千春の肉体的な成熟とお色気は、群を抜いていた)であった。

 小学生時代の香、小夜子といった美少女がともに小柄だった事もあってか、まだ子供子供していたことを思うと格段の差が感じられたが、セーラー服に身を包んだ中学生になってからの彼女らにはまだお目にかかっていなかっただけに、或いは同じように成長しているのかもしれない、とチラリと想像もしてみた。

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  • 100

中学最初の試験(後編) __φ( ̄^ ̄ )カキカキ

 このゴトーと真紀、そして10位のヨシカワ、そして今回はトップ10からは漏れたががケーコという女子が『H小』のベスト3という事であった。

 「ところで・・・オマエらは、どうなってんだ?」

 「そうそう・・・人の事ばかり言ってるけど、アンタたちは一体何番だったのさ?」

 と、にゃべっちと真紀に突っ込まれた千春とオグリの2人。

 「そうだぞ、シマダー。
 オマエは一体、何番なんだ?」

 「そうそう、人の感心ばかりしてるオマエは何番だったんだって」

 「アンタこそ、どうなのさ?」

 「なーにが。
 ずるいやっちゃなー。
 グリ、人の事よりオマエは?」 

 「オレか・・・まあ真ん中よりは、ちょい上って程度だな・・・」

 「じゃあ、私はグリよりは幾らかはマシかな。
 真紀にだけは、後でこっそり教えるからさ・・・」

 と調子よく逃げられた。

 後日、千春の成績が気になるにゃべっちは

 「オイ、オーミヤ! 
 シマダの順位は、訊いたかよ?」

 「うん、訊いた訊いた」

 「で、何番だったって?」

 「ダメよー。
 誰にも言わないって、約束したから・・・」

 「わかりゃしないって、んなもん! 
 オレにだけ、こっそり教えてくれよ」

 「ダメだってばー。
 そんなに気になるなら、本人に直接訊いてよね」

 「じゃあ、グリは何番だったか、こっそり教えてやろうか?」 

 「ふーん、ちょっと興味あるかも。
 でも、しまの順位は教えて上げられないからし、やっぱり私も訊かないでおくよ」

 真紀の固い友情に阻まれ結局、千春の順位はわからずじまいだった。

 それからしばらくして、通路でバッタリ出くわしたマサに

 「オイ! オマエがなんでトップ10に入ってねーんだ?」

 と追求すると

 「オレか・・・オレは11番だったんだよ、11番 ヾ(≧▽≦)ノギャハハ 」

 「ホンマかいな?」

 なんとなく、ウソっぽい感じだったが。

 結局、この時チラッと脳裏を掠めた「ゴトー」という名への既視感をよそに、もっぱら

 (しかしアベの名があって、マサの名が見当たらんのはどういうわけか・・・?)

 と、その事にばかりクビを捻る、にゃべっちだったが・・・(´-ω-`)うーん

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  • 99

中学最初の試験(前編) __φ( ̄^ ̄ )カキカキ

 5月、中学生になって最初のテストが行われた。

 入学時に行われた「学力テスト」は国・数・社・理の4教科だったが、中学からは英語が加わったために5教科では初めてのテストである。

 『B中』では、テストが行われる度に各教科の点数及び偏差値、合計点とクラスでの順位、そして学年全体の順位がコンピューターによって弾き出され、印刷された紙を渡されるのが慣わしであった。

 初回のテストという事で、上位10人の名が掲示板に貼り出された。

 入学直後に行われた「実力テスト」では、全505人中トップになったにゃべっちだったが、今回は3位。

 トップのナカムラは『Y小』で生徒会長を務めたガリ勉と評判の絵に描いたような面白味のない真面目人間で、学力テストでもにゃべっちに次ぐ2位との評判であった。

 2位の香は、ご存じ『B小』生徒会副会長のもろこ。

 にゃべっちを抑えての2位は、立派である。

 「学力テスト」トップによって『B中』でも、いち早く名が知られる事となったにゃべっちとともに、6組で級長を務める真紀が奇しくも仲良く3位に並んだ。

 にゃべっちの親友・ムラカミは7位で、8位には香織とアベと『B小』の顔ぶれの名が並ぶ。

 ムラカミと香織の2人は『B小』からベスト10上位の常連だったが、『B小』では上位10番までには入っていなかったアベが香織と並び8位に食い込んでいたのにはちょっと驚いたが、他はまずまず順当なところである。

 6位の「ゴトー・カズマ」(H小)という名に、やや引っ掛かるところがありながらも・・・

 「凄いねー、真紀もにゃべっちも・・・3位って」

 「オイ、にゃべっちー。
 オマエってやっぱ、すげーヤツなんだな・・・ま、ホントはトップかと思ったが」

 「何いってんの、3位なら凄いよ! 
 にゃべっち、やっぱり天才だったんだ?
 でも今回は、もろこちゃんの方が上なんだねー」

 と早速、オグリと千春から変な具合に祝福された。

 「ホント、2人仲良く並んじゃってさー。
 それに香織とかムラカミも、さすがよね。
 アベは、ちょっと意外だったけど・・・」

 「にゃべっちの方が凄いよー。
 3位でも、前回(学力テスト)よりは落ちてるんだから・・・私なんか、これでも出来すぎよ」

 「凄い凄いっていうけど、まだ2人も上がいるんだからなー」

 (ハテ、6位の「ゴトーカズマ」というのは、なんか訊いたような名だな)

 と漠然とは感じながらも、その時は気にもとめていなかったにゃべっちだったが・・・

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  • 98

『B中』学生図鑑part3 しまちゃん物語(後編)

 千春の家は『B中』からは殆ど目と鼻の先といった距離にあり、実際に見たことはないが

 「家から裏門までは2~3分くらい」

 と訊いていた。 

 子供の頃から、朝が極端に弱いにゃべっちは

 「家からは『B中』の校舎が見えるからねー」

 という話を訊いた時

 (。学校から近くて、いいなー)

 と単純に思っていたものだったが、体操部に属していた千春に言わせると

 「夏休みに1日、部活をズル休みして家にいたのよ。

 そしたら、グラウンドからランニングしてる女子の掛け声が聞こえて来て、もうあれからはサボれなくなっちゃったわ」

 と笑っていたのを考えると、学校からあまり近いというのも考えものか。

 体操部といえば、純白の体操服を着た千春の色白でしなやかな身のこなしを偶然の機会に目にして以来、一層この千春には熱を上げたにゃべっちであった。

 この千春、成績もまずまず上位と言えそうだったが、運動神経もなかなかに優れていた上に芸術性も高いという、特にこれといった図抜けたものはなかったものの才気が縦横に迸るというタイプで、英検チャレンジを通して英語をマスターした後には声楽を始め、ついにはオペラ歌手になってしまった、と訊いた時はさすがに驚いたものであった。

 最も、反面では

 「アイツなら有り得るか・・・」

 との思いもあったが。

 が、中学生のこの時点では、よもや先々あれほど親しい仲となって行く事になろうとは、思ってもみなかった (*´ー`) フッ

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  • 97

『B中』学生図鑑part2 しまちゃん物語(前編)

 「しまちゃん」こと、千春との出遭いは『B中』入学後であった。

 6年間同じ『B小』に通いながら、一度も同じクラスになったことがなかったため、にゃべっちは千春の存在すら知らず、てっきり仲の良い真紀と同じ『H小』から来ている学生かと勘違いしていて、千春に怒られた ( ´∀`)タハ

 中学で初めて出逢った千春は、大人びた美貌に加え大柄な上背、そしてはちきれんばかりの若々しい体がセーラー服にピッタリフィットし、にゃべっちの目には真紀以上に目の醒めるような、美しい女学生に見えた。

 彼女の最大の魅力は、なんといっても目を瞠るような日本人離れした、白い肌であろう。

 真紀も相当に色が白かったが、千春のそれは艶々と白光しておりあたかも後光が射しているかのように見えたものだ。

 ふっくらとした顔立ちにモチモチとした白い肌には若さが横溢し、まさに青春真っ盛りといった清潔な雰囲気に溢れていた。
 これで目がパッチリしていたなら、それこそはにゃべっちの頭に描く理想の女神像に殆ど完璧にマッチするところだったが、さすがにそうは問屋が卸さず、こればかりは案に相違して切れ長の一重瞼で、やや険のあるキツイ感じが特徴であった(そのため、最初はいわゆるツッパリに見えた)

 しかしながら人間とは勝手なもので、にゃべっちは次第にこの時に底意地が悪そうに見え、またそれでいて時にはどことなく涼しげにも見える、この不思議な千春の眼に惹かれていくことになるのだ。

 さて、この千春の愛称は、嶋田という苗字から採った「しまちゃん」である。

 香織や真紀といった親しい友人からは「しまー」と「ちゃん」抜きで呼ばれていたものの、多くの女生徒からは小学生の時から「しまちゃん」と呼ばれていたらしい。

 小学生時代は接触のなかったにゃべっちは、他の男子生徒に倣う格好で「シマダー」と呼んでいた。

 本当は「しまちゃん」呼びたかったところだが、さすがに学ラン姿でそう呼ぶのは照れ臭かったので ( ´艸`)ムププ 
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  • 96

にゃべっち、二度目の電撃(*゚ー゚*)ポッ

 才色兼備で注目度ナンバーワン、あれよあれよの間に「B地区」出身の男子生徒たちにも憧れの的となった、級長・真紀。

 その真紀と、なぜか『H小』出身者の誰よりも親しい間柄だったのが、千春である。

 長身スリムな真紀とは対照的なポッチャリ型で、真紀にも劣らぬ色白の肌は艶々と白光りしているかのようだった。

 サラサラの美しい髪に、歌うように透き通ったソプラノも魅力的であり、外見に関してはどこから見ても真紀にも決して見劣りのない美少女である (= ̄∇ ̄=)ニィ

 言うまでもなく、男子生徒では注目度ナンバーワンの、にゃべっち。

 そして級長同士の誼で、真紀とはそれなりに親しく会話を交わすまでの仲になっており、その為いつも真紀の傍にいる千春とも次第に言葉を交わす機会が増えてきた。

 小学校の違う真紀とはともかく、千春とは同じ『B小』ながら不思議にも、6年間で一度も同じクラスになった記憶がなかっただけに、千春の存在を知ったのもこの時が最初である。

 (『B小』には香や小夜子にも匹敵するような、こんなかわいいコがまだいたんだっけ・・・)

 という思いで

 「オマエ、『B小』にいたっけ? 
 『H小』じゃあなかったのか?」

 と訊いたところ

 「やだなー、同じ『B小』だわよ・・・」

 「えっ、ホント? 
 全然、知らなかった」

 「フーンだ! 
 でも私はアンタの事、知ってたよー。
 だって1年生の時から、超有名だったしー」

 そして『H小』出身の真紀に、些か得意げに話すのだ。

 「このコってさー、こう見えても、ウチの学校じゃあ何年かに一人の神童とか、随分と騒がれていたのよ。
 私は遠目にしか見たことなかったけど、すっごくカワイくってねー、あの頃は・・・
 遠目にも、オーラが出てるのがわかったよ。

 それで、どんなコなの? って思ったわけよ。
 訊いたところではかなりの変わり者って事だったけど、ホントにこんなヘンなコだったとは驚いたわ きゃはははヽ(▽⌒*)

 天真爛漫な千春は、いつもこんな具合に思った事を遠慮なく、ズバズバ口にするのが常だった。

 ところがこの千春、なぜかにゃべっち友人であの偏屈者のオグリが好みらしく、お互いが友人同士の『にゃべっち&真紀』と『オグリ&千春』コンビで、折角のいい雰囲気が出来そうだと密かに期待したのだったが・・・

 ところが、オグリの方が自分の気性が激しいせいか、おとなしいタイプの女の子が好みらしく「じゃじゃ馬」タイプの千春はまったくお気に召さない様子なのだ (´-ω-`)うーん

 男子生徒の間での呼び名だった《グリ》を、あの千春の美しい声で連発されるのは傍から見れば羨ましい限りだが

 「何が《グリ》だ、バカヤロー! 
 どうもアイツは、馴れ馴れしくて腹が立つ」

 などと怒っていた。

 口には出さなかったが、にゃべっちの眼には正直、友人オグリとはいえ千春は勿体ない気がしていたのだが ( ´艸`)ムププ

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  • 95

『B中』学生図鑑part1 オグリ物語(後編) ~ スーパーオグリ(第三部)

 が、にゃべっち以上に長身のヒグチとは比較にならぬ中背で、虚しく見送ったその盛り上がった広い背中は見紛うはずのない、あのオグリ少年のものであった。

 「チクショウ、またしてもオマエかー」

 「ハッハッハッハ! 
この勝負、どうやらオレの勝ちだなー」

 と勝ち誇るオグリ少年。

 満面に気色を湛えたその表情は案外子供っぽく、悪戯小僧のようなどうにも憎めないものだった。

 相撲では、あの「幻の対決」での敗戦以来も対戦を重ねたが、オグリの方は腕力にモノをいわせた力任せに押してくるばかりだったから、直ぐにオグリの攻撃のパターンを読み尽くしたにゃべっちが7割くらいの勝率で圧倒するまでになっていたが、体力的に駆け引きの余地はない200m走ではしばらくの間、ヒグチを頂点にしてにゃべっち、オグリの3人による熾烈なトップ争いが名物となっていった。

 去年までは同じ『B小』にいながら、片や『神童』として知らぬもののなかったにゃべっちに対し、オグリの方は(オグリによれば一度か二度、同じクラスになった事もあったそうだが)にゃべっちすらその存在をまったく知らなかったくらいだから、それほど目立つ存在ではなかったハズである。

 それが低学年時代からのボーイスカウト活動に加え、5年生から地区の少年野球チームに入るやメキメキと頭角を現し、中学でも野球部に入部して、頭角を現していたらしい(成績の方は、それほどパッとしなかったようだがw)

 こうして、スポーツ分野においては良きライバル関係でもあり、またすっかり意気投合もした2人は、少し距離があったが互いの家が同じ方角にあった事も手伝って、お互いの家に訪ねあう機会が増えていく。

 にゃべっちにとっては中学生となってからは最初の友であり、またムラカミ、マサ、シモッチといった、お馴染みの連中とはまた全然違ったタイプの、個性的な友人となっていくのであった (^-^)

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  • 94

『B中』学生図鑑① オグリ物語(前編) ~ スーパーオグリ(第三部)

 今度は、誰一人見るもののない土俵で白熱の名勝負が繰り広げられる事となったが、思った以上にオグリの腕力はバカ強く、次第にまさかの展開で形勢不利に追い込まれていく (;・_・)ノ

 誰一人見るもののない土俵で、白熱の名勝負が繰り広げられる事となったが、思った以上にオグリの腕力はバカ強い。

 内心少しの油断があったとはいえ思わぬ互角の展開となり、投げに行ったところを待ってましたとばかりに切り返され、完全にバランスを崩して倒れかかりながらも、執念の粘り腰でうっちゃりを放つにゃべっち。

 二人して、もんどりうって倒れ

 「同体か・・・?」

 と確認したのはオグリだったが、僅かに自らの手が先に付いたのは、にゃべっち自身が最もよくわかったいた。

 「ううむ、信じられん・・・オレが負けるとは! 
 しかしオマエ、やたらとバカ強えじゃねーか」

 神童にゃべっちにとっては思わぬまさかの不覚であり、また日頃から負けず嫌いなにゃべっちではあったが、互いに持てる力と気力をを振り絞った勝負の後だけに、案外と清々しい気分であった。

 それから数日後・・・
 再び、体育の授業である。

 10人ほどが団子になって走る200m走で、風を切ってトップで走るにゃべっち。

 大きなカーブを曲がり、最後の直線コーナーからのラストスパートで2位以下を一気に引き離し、トップでゴールイン! 
 まさに脳理に描いたシナリオそのままの展開でゴールを目前にしたところで、突如背後から一陣の風とともに猛烈なスピードで追い込んできた少年に、よもやのうちにかわされてしまった。

 「うぬぬ・・・一体誰だ? 
 ヒグチか?」

 ヒグチというのは、クラスで最も俊足の陸上部員である。

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  • 93

対決 (* - -)ノ\(-_- ) スーパーオグリpart2

 ところが周囲のそんな期待感をよそに、勝負の方はいとも呆気なく終わった。
 (これが、あのさっきまでの力強いオグリ少年か・・・?)

 「やっぱりにゃべっちは全然強えな?!」

 「にゃべっちにかかっては、さっきまであんなに強そうに見えたグリもまるで歯がたたね?じゃん! やっぱ格が違うか・・・」

 と、皆が納得の溜息を漏らしながら教室へと帰って行く。

 その輪とは離れた反対側にオグリを引っ張って行ったにゃべっち。

 「オイ、待てよ! オマエ・・・わざと負けたな」

 「いや、わざと負けたわけじゃね?んだ・・・」

 「ウソつけ、このヤロ?! 全然、力出してね?だろ?が!」

 「だからさ。決してわざとってわけじゃね?んだが。その・・・なんていうかな。やっぱ、みんなが期待してるのはオマエの優勝だからな?。もしオレが勝っちゃたりしたらシラケるかな?、とか余計な事考えちゃってさ。だからそのなんだ・・・決してわざと力を抜いたとかじゃね?んだけどさ・・・なんか力が入らんかったっつーのかな・・・」

 「なにぃ? 今のはちょっと訊き捨てがならね?な・・・ってことはなにかい? 本気だったら勝てた、とでも言う事かい?」
 「いや、だから『もし』って言ったろ?が!」

 「なに言ってんだ・・・もしもへったくれもあるかい! よ?し、じゃあここでもう一丁やろうじゃね?か! オマエなんぞに負けるオレじゃねえって事を体で知らせてやるぜ! 但し、今度は見苦しい言い訳するなよな!」

 「仕方ねえなぁ。オレはどっちでも良いが、まあオマエがそこまで言うのならやってみてもいいがな」

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  • 92

スーパー・オグリ (*゜ο゜)ゞ

 体育の授業で勝ち抜き相撲大会が行われた。

 生まれついての抜群の反射神経とサッカークラブで鍛えた強靭な下半身から、切れ味鋭くちぎっては投げちぎっては投げと破竹の快進撃を続けていたにゃべっちは、当然のようにあれよあれよの間に決勝へとコマを進めた。

 対するもう一方のブロックでは、中肉中背ながら

 (これが中学生の脚か!?)

 と皆が眼を瞠るほど、大腿部からふくらはぎにかけての筋繊維が保健室にある人体標本のようにくっきりと浮かび上がった少年が力強いパワーで勝ち上がり、にゃべっちと優勝を争う相手となった。

 相手の力強さは充分に警戒しながらも、頭ひとつ分は背の低いこの相手を見下ろし

 (こんな小さいのに、このオレが負けるはずはない・・・)

 と、にゃべっちも気合が入る。

 さあ運命の軍配が還ろうかという直前に終業のベルがなり、女生徒たちがぞろぞろと見物に。

 「なにあれ? にゃべっちとオグリがやるの? そんなんにゃべっちが勝つに決ってるじゃん!」

 と確信したかのように口を揃えるのは『B小』組の女生徒たちで、一方にゃべっちの神童振りを目の当たりにしたことのなかった『H小』と『Y小』組からは

 「にゃべっちの方が背が高くて動きが鋭い分だけ有利かな? でもオグリのあの足見てよ?、ちょっとぉ?! なんか、すっごい鍛えてる感じ・・・」

 などと無責任な予想を囃し立てる声が聞こえ

 (こりゃ益々、プライドにかけて意地でも負けられんわ!)

 と一層の気合が篭る。
 組んだ瞬間に強引に放ったにゃべっちの投げが鮮やかに決まり、拍子抜けがするほどに至極あっけないにゃべっちの勝利に終わったのである。

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  • 91

サッカー部監督・ガンゾー “(*`ε´*)ノ

 中学でも当然の事ながら、迷わずサッカー部に入部したにゃべっち。

 部の顧問は、今年教師になったばかりのイワハシ教諭であった。

 このイワハシ教諭、ほんの数ヶ月前に大学を卒業したばかりで22歳と若い上、スポーツ刈りの童顔は田舎の田んぼか畑でも耕しているのが似合いそうな、チトごついが気のいい兄ちゃんという感じである。

 専門は数学だが、小学生から高校生までサッカークラブで活躍し、大学生になってからもクラブチームに属していたという筋金入りのサッカー男だけに、背は低かったが良く鍛えられた体は、童顔には似ずガッチリとした厚みがあった。

 なにしろ大学を出たての新米教師だけに、数学の授業でお眼にかかるイワハシ教諭の教壇姿はなんとも板につかない頼りなさがあったが、イワハシ担任クラスの学生の間では

 「凄くやさしい先生」

 と評判で結構人気もあったらしく、苗字を捩って「ガンさん」と呼ばれていた。

 が、サッカー部の監督としては厳しいのひとこと。

 「『B中』はオレの母校の『A中』には、いつも勝てんからなー。
 オレが監督になったからには『A中』を倒して地区大会制覇だ!」

 というのが、常日頃の口癖であった。

 最も本人には、まだ学生気分が完全には抜けきっていないとみえ

 「オーイ、にゃべっちー!」

 などと怒鳴る時などは、あたかも友達に接するかのごとき気安さと童顔も手伝って、にゃべっちにとっては老け顔の気難し屋だった兄マッハに比べれば、遥かに御しやすい相手であった。

 そんなわけで「ガンさん」がいつの間にやら「ガンちゃん」に転じ(更に後には「ガンゾー」に)、サッカー部員の間では「ガンちゃん」という呼び名が定着していった (ノ∀`)アヒャヒャヒャヒャ

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  • 90

才女・真紀にトキメク(*゚ー゚*)ポッ

 前期クラス委員長選。

 にゃべっちのクラスは生徒が42人で、このうち『B小』出身者が約半数の20人、『H小』出身者が14人、最も生徒数の少ない『Y小』出身者が8人と、人数にかなりのバラツキがあるだけに、投票となるとどうしても『B小』組に沢山の票が集まってしまう。

 そこで

 「過半数の22票を超えた者がなかった場合は、上位2人で再投票を行う」

 というルールが、担任のヒグチ女史によって決められた。

 さて、1回目の投票。

 20票ある『B小』票の、おそらくは殆んどと

 《知能&学力テストで学年トップ!》

 が強く印象付けられたにゃべっちは、1回目の投票で過半数を大きく超す30票が集まり、あっさりと選出された (´ー`)y━~

 一方、女子の方は「学力テスト5位」の真紀が、出身校である『H小』の票と他学区生徒からの票も集め、22票とギリギリながら過半数を超え、最大票田をもつ『B小』の大多数の票を集めた由美を抑えて当選が決定した。

 かくして、1年6組前期級長は

 『B小』生徒会長にゃべっち&『H小』生徒会副会長・真紀

 というフレッシュな顔合わせに決定 ☆ヾ( ̄ー ̄ )

 教壇から挨拶をする真紀の姿を改めて観察してみると、颯爽たるスラリとしたその姿はにゃべっちと変わらぬくらいの長身で、病的なまで色白の細面に銀縁メガネが、いかにもインテリといった感じ。

 眼鏡の奥の細い眼はやや冷たさを感じさせるものの、大柄のせいか落ち着いた大人びたムードが漂う。

 これまでの、にゃべっち好みのカワイコちゃんタイプとは趣を異にするが、どことなく美香に似たところのある、まずは美少女というには充分なレベルである。

 これまで「才女」といえば、小学校にも香と香織という「才女」と呼ぶには充分な2人がいたが、どちらも子供の頃から見てきているだけに「才女」というイメージはどうもピンとこなかったが、そういった点からも真紀こそがにゃべっちの初めて目の当たりにする「才女」といえた。

 要するに惚れっぽいにゃべっち、またしても真紀に対してすっかり一目惚れをしてしまったワケだが、中学入学早々だっただけに

 「ひょっとして、これが世に言う『運命的な出逢い』というヤツかな…」

 などと、密かに不埒な考えを起こしたりしたものであった ( *^艸^)ムププ

 心なしか、最初に眼が合った時の真紀の真っ白い頬に朱が射して見えたのは、少しノボセ気味だったにゃべっちの幻覚であったのだろうか(*゚ー゚*)ポッ

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  • 89

にゃべっち、早くも二冠の快挙(後編) ☆ヾ( ̄ー ̄ )

 「しかし、にゃべっちんとこは変わっとるよなー。
 兄さんのマッハは、陸上部のエースで県大会優勝の時の立役者(アンカー)だったろ。
 今年3年生になった姉さんは、オマエやマッハやに比べるとあまりデキが良くないが・・・

 それにヨーコ! 
 あの女って、確かアンタんとこの親戚だったよね。

 もう随分前だけど、アイツだけは今でもよく憶えてるよー。
 何しろ札付きのワルだったからなー。

 当時は私はまだ30そこそこだったけど、アレは先生たちも随分持て余してたよ。
 そういえば以前、道であった時も挨拶もしなくて知らん顔してるから

 「おい、ヨーコ! 
 挨拶くらいしてかんかーい!」

 と言ってやったら

 「なんだ! まだ生きてたのか、このクソババーが」

 ときやがったよ。 

 それで今度はどんなのが来るのかと思ってたら、これがまた505人のトップだもんなー。
 まぁ、本当になんという一族だろうかねー」

 「ヨーコ」というのはいうまでもなく従妹のヨーコ姉で、以前にも記した通りこの人が中学時代からいわゆる「スケ番」として、地区の隅々にまでその悪名が轟いていたという話は母からも何度か訊いてはいたが、これほど有名だったとはとこの時初めて実感した。

 さて、そんなこんなで個別面談終了後、ヒグチ女史から

 「入学時に行った学力テストでは、ウチのクラスから上位10人に入った好成績者が2人も出たのは、実に誇らしい事だ。
 名前は挙げないでおくが、一人は男子で学年505人中のトップ。
 もう一人は女子だが、こちらも全体で5番という好成績だから、皆もこの2人を手本として頑張っていくように」

 といった訓話があるや、クラスの半数近くを占める『B小』出身者の間から

 「トップの男子ってのは、当然にゃべっちの事だよな?」

 という声が澎湃と沸きあがった事は、いうまでもない。

 また同じように『H小』出身生らの視線は、銀縁眼鏡が涼やかな感じの見るからに賢そうな、一人の女生徒に集中するとともに

 「5番の女子ってのは、勿論オーミヤの事だろ!」

 という声が、あちこちから聞こえた。

 そんなこんなで、いきなり絶頂からスタートした中学生活だっただけに

 「まったく勉強してないのになぁ。
 やっぱりオレって、稀に見る天才なのかな?
 この調子だと、中学でもずっとこのまま行ってしまいそーだな」

 と益々、己の天才に酔いしれるにゃべっちであった ( *^艸^)ムププ

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  • 88

にゃべっち、早くも二冠の快挙(前編) ☆ヾ( ̄ー ̄ )

 『B中』では、入学早々に『知能テスト』及び『学力テスト』が行われるのが慣わしである。

 その結果を受け、生徒一人一人が隣の別室に呼ばれ個別面談を受ける段取りだったが、底意地が悪く毒舌並ぶ者なき鬼教諭として知られるヒグチ女史から密室でコッテリと油を絞られるのか、面談を終え戻ってくる学生は一様にお通夜帰りのような沈んだ顔で、気の弱い女生徒の中には涙ぐんだ顔も見られ、順番待ちの学生らの間にはいやが上にも恐怖感が増していく。

そんな重苦しいムードの中で、にゃべっちの順番がやって来た。

 「散々、ボロクソに言われたよ・・・」

 と、何人かの男子生徒からも訊かされていただけにそれなりの心構えをしていったが、案に相違してヒグチ女史はこれまで見た事のない柔らかい穏やかな表情であった。

 「オー、にゃべっち!! 
 オマエってすっごい賢いんだなー。
 小学校の先生から『東海中学』(名古屋の有名私立中学で、中部・東海圏随一の名門として有名)へ行くよう奨められんかったか?」(ヒグチ女史は、常にこうした男言葉で話した)

 「はぁ・・・何度も言われましたが・・・」

 「だろうな・・・で、どうして行かんかったの?」

 「えーっと、それは・・・
 まあ通学も大変だろうし、試験も嫌いだったし」

 「バッカだなぁ。ハハハハ・・・そうかぁ、試験が嫌いかー? 
 でも勿体ないよなー。
 私が親なら、絶対に私立へ入れたくなるようなアタマなんだけどなー」

 とか言いながら、なにやら書類をパラパラと捲り始めた。

 「小学校から貰った内申書を見たけど、素晴らしいね! 
 でも、この中に

 『並外れた能力を持ちながら、惜しむらくは大の勉強嫌いで』

 と書いてあるんだけど、これは本当なの?」

 「嫌いですねー、勉強なんて・・・
 したこともないですし・・・」

 「まったく勉強をしたことがないわけ? 
 それで、この成績かぁ」

 と、ひとつ溜息をつきながら

 「それで、この間行った学力テストなんだけど・・・アンタは学年505人のトップなんだよねー。
 凄いわー、ホント。
 あと『知能テスト』に関しては、結果を公表してはいかんという決まりになっているから言わないけれど、結果を見て私もかなり驚いた・・・知能テストの割りでいったら、学力テストはまだまだ・・・400点満点くらい取れそうなものだけど・・・」

 『B小』では、トップが当たり前だったにゃべっちとはいえ『H小』と『Y小』出身者を含めた505人の中のトップと訊いては、さすがに嬉しくないハズはなかった。

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  • 87

鬼の担任ヒグチ女史(後編) (*`θ´*)ムキー!!

 姉ミーちゃんが

 「アイツは(事あるごとに)マッハはどうしてる?
  マッハマッハ! っ煩いんだ、あのチビ男めが!」

 と扱き下ろしていたのは

 「兄貴のマッハに比べ、オマエはデキが悪いなー。
 マッハは足も速くて陸上部でも随分と活躍したし、成績もオマエよりははるかに良かったぞ」

 と、何故か異常にマッハ贔屓だったこの教師から、散々イヤミを言われつづけたせいだとか。

 H女教師・・・女子保健体育教諭。
 というと一見聞こえはいいが、その実態は超の付くヒステリーおばさんで、生徒のみならず男性教諭陣(特に若手)からも煙たがられていた存在であった。

 とまあざっと見渡しただけでも、さすがに中学ともなると小学校時代とは比べものにならないくらい、一癖も二癖もある教師揃いという感じではあったが、何の因果かにゃべっち属する1年6組の担任が、このH教諭・即ちヒグチ女史となってしまったのである。

 「そりゃ、最悪だわ。 
 この1年間、地獄を覚悟せんといかんよ、アンタ!!」

 とミーちゃんに散々脅され、あらかじめある程度の覚悟は出来ていたつもりであったが、実際のご本尊は想像をはるかに上回るような、恐るべき怪人物であった。

 年齢は、40そこそこといったところか。

 (コイツ、本当に女?)

 と誰もが目を疑いたくなるほどに、いくら目を皿のようにして探しても女らしい要素は、欠片ほどもない。

 というよりは、女である事をとっくの昔に(或いは、生まれながらにして既に!?)放棄してしまったような、異様なパーソナリティであった。

 そしてヒステリーの発作の方も、残念ながら噂に違わぬ噴火をノッケから見せるに及び、次第に生徒たちの恐怖の的に。

 実際には結婚していたらしいが、徹底的に底意地の悪いオールドミスの醜悪さを顕微鏡で何倍にも拡大したような化け物を連想して頂くのが、最も手っ取り早いだろう。

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  • 86

鬼の担任ヒグチ女史(前編) (*`θ´*)ムキー!!

 創立ン十年の古い歴史を持つ『B中学校』には、古参の名物教師が沢山いた。

 昨年まで、浪人生として自宅にいたマッハと現役の『B中』生だったミーちゃんとは、元々相性がよく話が弾むことも多かったが、『B中』の名物教師に関する話題では殊のほか盛り上がり、マッハによる教師モノマネにミーちゃんが大爆笑している時など、小学生だったにゃべっちは一人蚊帳の外に置かれ、なんとも恨めしく思ったものであった。

 話がわからないまま、聞き役に回らざるを得なかったにゃべっちであったが、それでも頻繁に名前の出てくる名物教師の名だけは、知らぬ間にしっかりと頭にインプットされてしまった。

 例えば、こんな具合に…

M教師・・・体育教諭。
 陸上部鬼コーチとして知らぬ者なき存在だが、かつて黄金時代のエースだったマッハは、最もしごかれたクチだ。

 「よーし、モモアゲ100回ーっ」

 などとマッハがしょっちゅう口真似をしていたが、幸か不幸かにゃべっちが『B中』に入学する直前に、他の学校へと転出していた。

 ミーちゃんによると、体罰が問題視され島流しされたというのがもっぱらの噂のようだったが、真偽は定かではない。


 K教師・・・国語教諭
 マッハの1年と3年、そしてミーちゃんの2年生時の担任。

 小柄の童顔に似合わずガラが悪く、マッハの1年生担任の時の家庭訪問では家に来るなり

 「『オーイ、マッハー、居るかー 
 オレだよー、オレだ!』

 なんて怒鳴りながら入ってくるんだから、あれには本当に驚いたわよ! 

 あの時はまだ、あの先生も若かったでしょう。

 顔もあのとおりの童顔だし背はマッハよりも小さいしで、てっきりマッハの同級生かと思ったわ」

 さすがの肝っ玉かあさんも、すっかり度肝を抜かれたという型破り教師であった 扉| ̄m ̄) ウププッ

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  • 85

B地区の学区事情

 にゃべっちの故郷A市は、大きく分けて市名を冠した『A地区』と、地区名を冠した『B地区』、『D地区』、『E地区』、『Y地区』の5つに分かれる。

 実際の区割りではもっと細かくなるが、小学校の場合は『A地区』内に市名を冠した『A小』と『X小』、『Z小』など、一方の『B地区』内には地区名を冠した『B小』と『H小』、『Y小』といった具合に行政地区単位で細かく区分されていたが、これが中学校になると数がぐっと減り、A地区では『X小』、『Z小』が『A小』とともに『A中』へ、またB地区でも同じように『H小』と『Y小』が『B小』とともに『B中』へ統合されるような仕組みになっていた。    

 従って『B中』に関していえば、比較的学校に近い『B小』組に対し『H小』、『Y小』組は長年に渡り遠距離通学を余儀なくされていたのだったが、にゃべっち中学入学の翌年、新たに『H小』と『Y小』のあるC学区に『C中』が新設されることなった。

 これにより、長年に渡るH地区の『H小』、『Y小』のY地区生徒に強いられてきた『B中』への遠距離通学はこの年限りとなり、翌年度からは『B中』は『B小』と同じ顔ぶれのみが残る事になる。

 そんな事情もあり

 『Y地区やH地区(またはB地区)のヤツらと仲良くなっても、来年はまたバラバラだもんなー』

 といった意識は誰の心にも少なからずあったようで、何をするにも『B小』組、『H小』組、『Y小』組のそれぞれがなんとなく固まりあって、対抗するようなムードがあった。

 そんな波乱含みの中で、にゃべっちの中学生活はスタートした。

#文中のシチュエーションは必ずしも現実とは一致するとは限らず
、これにより現実の地域や年代を推定する事は出来ません。

 身近にこれと同じケースを知っている場合でも、それをサンプルケースとして借用している、或いはまったくの創作が一般的なケースとして現実と一致している、と考える方が賢明です。

 悪しからず、ご了承ください m(_ _)m

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最終更新:2007年09月05日 00:32