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  • 49

家財を運ぶ(後編) εεε┏( ・_・)┛スタコラ

 身の回り品は、知り合いの運送屋で「ダンボール一箱500円也」と格安で運んでもらったものの、電気製品はデリケートなだけに扱いの手荒な運送屋などには、うっかりとは頼めない。

 かといって、セダンで運ぶには限界がある。

 そこで、にゃべっちが勝手に白羽の矢を立てたのが、実家近くに住んでいるワンボックスを所有する友人だ。

 この際とばかり、オーディオセット一式(スピーカー4本+ウーファー+プレーヤー+アンプ+イコライザ)にビデオ、デスクトップPCなど積めるだけ積み込んで運んでもらい、無事に引っ越しが完了した。

 「お礼に(唯一近くにある)、回転寿司でも奢るよ」

 と、労うにゃべっちに

 「いいよ、そう気を遣わんでも。
 それに用事もあるから、呑むことも出来んしな?」

 「喰うだけでいいじゃん。
 まあオレは、遠慮なく呑ませてもらうが・・・」

 「ったく・・・」

 とかなんとか言いながらも、これ以上人遣いの荒いにゃべっちに扱き遣われては堪らんとでも思ったか(?)、親切な友人は近くのスーパーでにゃべっちがお礼に買った信州の地酒2本とロースハム、カマンベールチーズ、サラミなどを手にそそくさと帰って行ったのだった。

 さて、それからは配線に大童だ。

 PCとネット接続とビデオは簡単だったが、オーディオの方は線が何本も入り組んでいるだけに

 (ちゃんと出来るかいな・・・)

 と些か不安・・・

 なにしろ、説明書もどこかへ行方不明になったままで改めて探すも面倒なので、とにかく外したときの記憶だけを頼りにデタラメに見当を付けてゴチャゴチャ悪戦苦闘していると、どうにかこうにか巧く出来てホッと一息 (^。^;)ホッ

 こうして前日までは何もなかった殺風景な部屋が、一気に快適空間に変貌を遂げたのであった \(⌒▽⌒)/

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  • 48

家財を運ぶ(前編) εεε┏( ・_・)┛スタコラ

 富士通某のリーダーから、4人のメンバーへ向けて

 「(上位会社の)のSEから

 『皆さんにもっともっとunixを勉強しないと、先の段階から徐々に業務に付いていくのが難しくなります』

 という要求がありました。

 但し、ここでの環境は(失敗した時の、システムへの影響を考え)実機で勉強するに相応しくないとの×××社からのお達しがあり、各位で自宅にサーバを立てるなどして自己啓発に務めていただきたい。

 それぞれがプロのSEという立場を考え、私の方からあれこれ指示を出すつもりはありませんが、参考までに(これまでハード専門にやって来た)私自身も皆さんの研修に便乗して、SEの講義を通じて自らの知識不足を痛感しました。

 それで、私は中古の安いPCを買ってきてサーバを立て、Linuxを導入して独習しています。

 皆さんも各位、これと思う方法で結構なので自己啓発に務めて下さい」

 このリーダーからのお達しに便乗し、渋る所属会社から業務用のFMVを半ば強奪する形で、借り受ける事に成功したにゃべっちである。

 ところが、住居のレオパレスが光通信網の入っている地域のために、ADSLが使えない。

 僅か3ヶ月の仮住まいで、光やケーブルの敷設にン万も払うのはバカバカしく、残された選択肢はISDN環境しかなかったが、これがまたイライラするほどにノロいのであった。

 ともあれ、ネットの環境は悪いとはいえPC自体の使いようは色々とあるから、テレビといえば野球くらいしか見ない身にはありがたかったが、一旦こうした「文明の利器」に接すると押さえつけていた煩悩が再び頭を擡げだし

 (まあどうせ3ヶ月と、短期間の仮住まいだから)

 と身軽に引っ越したものの、やはり「音楽のない生活」には耐えられなくなってきたのだった。

 そこで改めて休日を利用し、荷物を運ぶ事にした。

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  • 47

サーバ室篭城事件(後編) (* ̄m ̄)ブッ

 ちょうど誰も作業している者のないサーバ室は、電気も消され真っ暗だったために手探りで電気の在り処を探していると

 「ギィィィー」

 という音とともにドアが

 「バターン!」

 と閉まってしまった (;・_・)ノ

 (マズイ・・・閉じ込められたか?)

 一瞬、嫌な予感が脳裏を掠める。

 手探りでの電気の在り処は一向にわからず

(取り敢えず、外に出てみる事だ・・)

 と判断したものの案の定、セキュリティロックに何度指を置いても

 《登録されているデータと一致しません》

 というメッセージが、あたかも焦りを嘲笑うかのように何度も出てくるばかりであった。

 電気の在り処はサッパリわからないし、かといってどこかにあるはずのそれを探すのに暗がりの中を手探りで歩き回り、うっかりサーバに繋がっているケーブルに引っ掛けでもしたら、それこそ取り返しのつかない大トラブルにも発展しかねないため、、迂闊には身動きもままならなかった。

 「こんな事なら、携帯を持って入るんだった・・・」

 と後悔してみたところで、総ては後の祭りである。

 まさに、八方塞がりの状態。

 このまま待っていれば、遅かれ早かれ作業者が入って来る事になるから、よもや

 《真っ暗なサーバ室で、出向技術者餓死!》

 といった最悪の事態で、三面記事を飾るような事はまず考えられぬものの、作業者が入ってくるタイミングだけは案外こうしている今すぐなのか、はたまた暫くは作業予定もなく障害も出なければ半日後とかになるのか、といったところはまったく見当が付かなかった。

 そのうえ、万が一にも次に誰かが入って来る時までこの状態が続くとすれば、今度は

 (こんな暗がりの中で、一人でゴソゴソとやっている怪しげなヤツだ・・・)

 てな事にもなりかねないという、別の心配も頭を擡げてくる (-ω-#)y-~~~~

 それでなくとも先月から出向してきたばかりでありながら、先行メンバーにも遠慮会釈のない物言いをするせいで、気の短いS氏とは仕事を巡ってしょっちゅう大声で口論をしていたり、また日頃からプロジェクトリーダーや現場リーダーにもデカイ口を叩いてきていたために、さり気なく他の部署のメンバーからも注目されている立場は、ヒシヒシとその身に感じていたところであった。

 ましてや、事情を知らぬ×××社のお偉方などが何らかの用事で入ってでも来た日には、下手をすればスパイ容疑の濡れ衣をも着せかねられない状況でもある。

 そういった悪い予感ばかりが次々と頭をよぎるから、余計に認証が巧く行かないという事もあったろうがその後、執念で何十回と試みを繰り返した挙句、ようやくの事で

 「カチッ!」

 というロックの解ける音が聞こえた時は、思わず手を叩いて小躍りしかけたものであった。

 こうして実に長く感じはしたものの、実際の時間にすれば精々5分程度の出来事であったろう。

 すっかり疲れはしたものの、何食わぬ顔で手洗い帰りを装ってリーダーの隣に座った瞬間は、今しも

 「今まで何してました?」

 とでも問い詰められはせぬか、とヒヤヒヤした座り心地の悪さ。

 この「事件」で、確実に寿命が数年分は縮んだ事だろうなぁ ( ̄m ̄*)ブブッ

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  • 46

サーバ室篭城事件part2 (/||| ̄▽)/ゲッ!!!

  そうして、とにもかくにも登録が完了すると、担当者から

 「確認のため一度、この場で試してみてください!」

 と言われ暗証番号を叩いた後に指を置いてみるが、これが何度試みても

 《登録されているデータと一致しません》

 と撥ね付けられてしまうのである。

 なにしろ、何度も述べているように堅牢なセキュリティシステムだから、登録時に置いた指の角度なども認証時には影響されてしまうらしく、何度も入室して慣れているはずのメンバーに聞いたところでも、未だに二、三度弾かれるくらいは当たり前の事のようであった。

「何度か失敗が続くうちに、次第に指が汗ばんできたりしますと認識は不可能になりますので、落ち着いて行ってください」

 との事で、7回目か8回目にしてようやくの事で認証され、リーダーからサーバ室の説明を受けた。

 (しかし・・・サーバ室へ入るのにこんなに認証に苦労するようでは、いざ緊急事態の時は怖いよなぁ・・・)

 この点が引っ掛かり、密かに空いた時間にリーダーの目を盗んで喫煙のついでに試してみる事にした。

 二度目のトライだがやはりなかなか認証されず、十回目くらいでようやくロックの解ける「カチッ!」という音を聞いて、サーバ室に足を踏み入れる。

 (やっと入れたか・・・)

 ちょうど誰も作業している者のないサーバ室は、電気も消され真っ暗だったために手探りで電気の在り処を探していると

 「ギィィィー」

 という音とともに、ドアが

 「バターン」

 と閉まってしまった。

 (マズイ・・・閉じ込められたか・・・?)

 手探りでの探る電気の在り処は一向にわからず・・・ ̄_ ̄;) うーん

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  • 45

サーバ室篭城事件part1 (/||| ̄▽)/ゲッ!!!

 以前にも触れたように、この現場へ入るには門とオフィス棟とで二種類のカードキーが必要となるのだが、出向が始まってから既に一ヶ月が経過しているにもかかわらず、そのカードキーとなるIDカードが出来上がってこなかった。

そのため出勤時には、まず門衛所で記帳をして身分を明らかにした上で、通門許可証を受け取る。

 そしてオフィス棟に入る時は、中にいるリーダーの携帯にコールして開けに来て貰うという、甚だ面倒な手順を踏む必要があった。

 勤務中に、手洗いや喫煙に行く時は他のメンバーから借りたり、それも面倒な時は日中の時間帯であれば何人ものスタッフが頻繁に出入りしているため、その時に便乗して滑り込んだりしていた。

 そんな不自由を一ヶ月間我慢した末に、ようやくの事でIDカードとキーが手渡される運びとなり、またサーバ室に入る時に照合が必要となる指紋の登録も併せて行った事で、ようやく必要不可欠な場所への出入りが自由になったのである。

 サーバ室とは言うまでもなく、どの現場でもそうだがコンピューター業界では、心臓部に当たる最も重要な聖地である。

 殊に、この現場は「世界の×××」が密かに推進する、業界最新技術を導入しての大プロジェクトが行われている事からも、その重要性はわかろうというものであろう。

 ここでその環境を詳述する事は守秘義務に照らして出来ないものの、ざっというならMicrosoftやSun、富士通、IBM、Redhatらのサーバ群、またルートのところではFWなどセキュリティやマルチホーミング技術を担うCiscoの最新鋭機器がズラズラと並んでいる様は、ネットワーク技術に携わる業界人の目には垂涎とも言うべき壮観である。

 このネットワーク上に、なんらかの障害が起こった時はログを解析してその原因を突き止める事が第一義であるが、どんな障害にもせよ根幹はどれかのサーバに辿り着くわけだから、いずれにせよサーバ室へ足を運びハード面の異常も確認しなくてはならないのは、常識中の常識である。

 「にも拘らず、既に研修期間も終了したというのにサーバ室に入るための権限さえ付与されぬまま、借り物の身分で単独での夜間対応のシフトに組み込むとは、何たる事か」

 とリーダーと、そして後方でいつも聞き耳を立てているような×××社のスパイと言われる、現場全体のリーダーにも聞こえよがしに毎日のように声高に文句を言い続けてきたが、ようやくにしてリーダーとクライアントである×××社の担当者立会いの下、指紋登録が完了したのは5月のGWも開けてからの事であった。

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  • 44

初の単独夜間対応(後編)

 このタバコの一服以外は、食事も席に座ったままで済ませなければならず、ほとんど動かず休憩もないまま空が白み始める朝3時くらいから6時頃までは、猛烈に襲ってくる睡魔と闘わなくてはならない (-。-;)

 これまで夜勤の経験はあまりなかったから、どうも深夜過ぎになると眠くなり

 「小さい簡単なトラブルなら、眠気覚ましに出てくれてもいいがな・・・」

 とさえ思えたが、この日も何事も起こらず13時間の業務が平和に終了した。

××日(土)
まったく拍子抜けがしそうなほどに、平穏なうちに迎えた4日目。

「どうせ今日も、何事も起こらないだろう・・・」

と、すっかり緊張感が薄れて来たところに・・・

 遂にやってきました、超面倒系のトラブルが発生 ( ̄▽ ̄;)!!ガーン

すっかり油断しているところへ、しかも選りによって過去に前例のない、厄介なヤツが来たからたまらない。

すっかり舞い上がってしまい、慌てて参入してきた他部署のメンバーの勘違いにも足を引っ張られ、メロメロの対応となってしまった ( ̄_ ̄;) うーん

この一件で、クライアントの×××社担当のお偉いさんの信用をすっかり落としてしまう事になったが、一方では一人しらけていた現場では他の部署とリンクしていたトラブル対応での連携で、2人のメンバーとはすっかり打ち解けた仲に (*^ー°v 

これまでの緊張感がどっと出てしまったのか、或いは環境の激変などといった要素も影響したか、この時のトラブルを境に胸の当たりに不可解な圧迫感と痛みを覚えるようになる (・_・ゞ

××日(日)
夜間対応最終日。

前日のトラブル対応によりすっかり打ち解けた他の部署のメンバーと、新シフトで出てきた別の部署の担当者の3人とで世間話に花が咲く。

 気がついてみれば、例によっていつの間にかにゃべっちが中心になって

 「みなさん関西から来てる人ばかりのようだから、名古屋の事ならワタクシに聞いてちょうだいな。
 関西にも、3年間住んでいたからそこそこ知ってるしね!」

 などと、話をリードしているのだった (^O^)v

そんな感じで

「どうやら今日は、平穏無事に終わりそうだな」

とすっかり安心していたところで小さいトラブルが2つばかり出たが、ここは難なく対応したにゃべっち。

 胸の圧迫感は、前の日よりは少し薄らいだ気がする。


××日(月)
朝9時、交代のメンバーとリーダーとの引継ぎが終わり、ようやく初体験の単独での夜間対応5連発から開放されたにゃべっち。

仮住まいのレオパレスにPC一式が届き、こちらもトンだトラブル続きだったネットがようやく開通した。

 取り敢えずは、公私共にホッと一息。

胸の圧迫感は、とりあえずかなり治まった様子である (^-^)

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  • 43

初の単独夜間対応(前編)

××日(火)4連休最終日。
午前中に市役所へ行き、転出届や保険の手続きを済ませ、昼過ぎに実家を出てQ市へ。

 時間があったので、ブラリと町を歩いているうちに見つけたQ市スポーツセンターに入る。

久々に汗を流した後、気泡風呂→サウナ→再び気泡風呂を満喫。 

平日昼間だったせいか浴室には誰もおらず、一人で独占し大名気分を味わう (  ̄∇ ̄)

××日(水)
昼間は買い物に行き、夜10時からの勤務。
いよいよ初めての一人勤務でさすがに少し緊張したが、トラブルは起こらず平穏のうちに夜明けが ( ̄ー ̄)

一人勤務初日としては、まあナンとかサマにはなったという感じ (^。^;)ホッ

××日(木)
単独での夜間対応2日目。

前日に比べ多少気は楽になったが、それでも珍しく緊張感が持続している。

同じ部屋には、各部門の夜間対応シフトに入っているメンバーが各部署に一人ずつ、にゃべっちを除いて4人いた。

そちらの方は、システムが安定し障害対応はあまりなく暇なために、関西弁のムダ話で盛り上がっていた。

 知らないメンバーばかりの中で、新参者のにゃべっちだけはだけに除け者にされ、一人手持ち無沙汰にジリジリしながらも

 「このまま何事も起こらず、夜が空けてくれよ・・・」

 とひたすら祈っていたが、思いが通じたかこの夜も平穏なうちに終わった (^。^;)フウ

××日(金)

「今日が3日目か・・・そろそろ、トラブルが出る頃かいな?」

という不安の中で迎えた3日目。

この日から3日間は、夜8時30分からと少し早めの勤務となる。

例によって、他の部署メンバーらによる関西弁でのムダ話が飛び交い、そろそろ苛立ちが募り始めてきた。

「テメーら、うるせーんだよ」

などと、いつ怒鳴ってしまうかと我ながら不安になってきた。

そんな中、やはりこの日も平穏のうちに夜は空けた。

 夜の8時30分から翌朝朝9時半まで、トラブル待機での13時間勤務は想像以上にキツイ。

 一応は喫煙はOKという事になっているが、喫煙所が室外の離れたところにあるから、障害時にメールで通知をしてくる設定のしてある携帯を持っていく事になり、また他のメンバーはヒマだから非喫煙者らの

 「なんやアレは・・・タバコ休憩ばかりしてるな・・・」

 といった陰口が聞こえて来そうである (-ω-#)y-~~~~

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  • 42

空虚な夜間研修(後編) (;´д`)ノ

 これまで、ちょこちょこと出ていた小さなトラブルには無難に対応してきたK氏も、大きなトラブルにはクライアントの×××社責任者への連絡の遅れた事から、非難を浴びる事になった。

 「連絡に不備あり! 対応も遅い!」

 早速、×××社担当者から窓口となっているSEを通してクレームが入り、リモートで対応したSEのK氏の的確な対応でトラブル自体は最小限で食い止めはしたものの、翌日にはSEからプロジェクトリーダーを通して事情説明を求められ、シドロモドロに。
 改めて、リーダーとK氏の遣り取りを聞いていてもチンプンカンプンだから 

 「結局のところどういった原因で障害が起こり、またどう対応すれば良かったんですか? 
 その辺りを教えて下さい」

 と、K氏に問うと

 「どうって言っても・・・訊いてた通りなんやけど・・・」

 「訊いてても、わからないから・・・わかるように説明してくれませんか?」

 「説明ちゅうてもなぁ・・あれは特殊なケースやったし、説明したかてあんまし参考にならんちゃうんやないかな・・・?」
 と何故か、ノラリクラリと逃げてしまうのである。

 「来週からは、私も一人で対応しなくちゃならないんですから、そういうのをちゃんと説明してくれないと困るんですよ。
 そのために、この2週間一緒のシフトに入っているんですから・・・」

 「オレらもいきなりシフトに入れられたけど、今回見たいなのは例外でトラブルなんてそうは出ぇへんよ。
 オレも、今回くらいだモンなァ・・・まあトラブルちゅうのは、実際にその時になってみな対応なんて決って来ぉへんで!」
 といった遣り取りが何度かあったものの、いつもこんな具合で暖簾に腕押しだから次第に

 (バカヤロー! もうどうにでもなれ!)

 と、何が気に喰わぬか無愛想を絵に描いたようなこのオッサンには、一切質問をしないハラを決め込んだのだった。

 そうして、互いにソッポを向き合ったまま2週目の研修も終わり、いよいよ翌週から夜間対応となる。

 これまでは何故か、4人のスタッフのうちS氏の当番のときに限り障害が集中し、度重なる連絡の拙さといい加減な対応から早々に

 「失格!」

 の烙印を押されていたが、残るK氏と現場リーダーのM氏の2人の時は大きな障害は殆んどなかっただけに、後は自らの幸運を祈るのみという心境であった。

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  • 41

空虚な夜間研修(前編) (;´д`)ノ

 現場近くのレオパレスへの引越が完了し、当初契約通り夜間対応のシフトに組み込まれる事となった。

 この週と翌週の2週は、月曜から金曜まで先輩(といっても、半月くらい早く来ていただけだったが)のK氏に付いての最後の研修となり、これが終わると日曜夜から正規スタッフとして単独で夜間の障害対応に当たらなければならないだけに、最も重要な期間である。

 サーバの負荷がピークとなる夜間から深夜にかけては様々な障害が発生する時間帯だけに、実地研修で現実の問題への対応を習得するには僅か2週間はあまりに短かったが、以前にも紹介したように欠員がボロボロと出てきている状況では、贅沢は言えない。

 既に1ヶ月前から入っていた、先行部隊の3人の疲れはピークに近く

 「一日も早く、シフトに組み入れてくれ・・・」

 と富士通某社員のプロジェクトリーダーは、皆から陰に陽にと突き上げられていたらしかった。

 当然の事ながら、自分なりにも今後の障害にスムーズに対応するためには研修期間中にありとあらゆるトラブルを経験し、K氏の対応振りをとくと勉強しておきたい立場であったが、皮肉なもので一向にトラブルの出る様子もなく拍子抜けがしたものである。

 ところで、このK氏は非常に無口な性格で無駄口を一切利かないタイプらしく、本来ならこちらは研修中の身なのだからあれこれと教えてくれても良さそうなものだが、こちらが黙っていると知らぬ顔を決め込んだまま勝手に自分の作業に没頭しているし、また何か話し掛けてみても鈍い反応の末にボソボソとした口調でピント外れの返事が返ってくるのみだから、次第にお互いが押し黙ったままとなっていった。

 現場には、各部署に夜間対応のスタッフがローテーションで4ー5人詰めていたが、前にも触れたように殆んどが関西からの出向チームである。

 にゃべっち属する「Aプロジェクト」以外の他の部門は、いずれもプロジェクトの立ち上げ後2ー3年を経過した運用フェーズに入っており、システムはすっかり安定していたから保守的な要員という位置付けである。

 夜間にトラブルが発生する事はあまりない気安さも手伝って、和気藹々とした関西ネタが飛び交う中で「Aプロジェクト」の2人だけが蚊帳の外といった、気まずいムードで押し黙ったまま重苦しい時を刻んでいた。

 そうしてシステム的には平穏のうちに1週目が過ぎ、2週目に入る。

 研修期間の夜の勤務は22時から翌朝9時が基本だが、その11時間の間にコンビニやスーパーで買ってきておいた弁当やおにぎりを食べる事くらいしか出来ず、そうした息の詰まるような時間が続くうちに次第に、イライラるとともに募り焦りが生じてきた。

 そうこうするうち、遂に比較的大きなトラブルが起こった (;・_・)ノ

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  • 40

引っ越し(後編) εεε┏( ・_・)┛スタコラ

 さて、引っ越し当日の月曜日は昼過ぎからの出勤で、夜22時くらいには終わる予定だったがトラブルに見舞われ結局、深夜3時まで対応するハメになる。
 帰りに通る駅前のコンビニで弁当を買い、食べてから風呂に入ったりなどしているうちに目が冴えてきて、結局まったく睡眠をとる事が出来ず、代休となった翌日は10時間くらいドロのように眠った。

 水曜は夜の勤務に廻されたため、昼間のうちに近所にある唯一のスーパーへ買い物に行き深夜勤務に備え睡眠を取っておこうとしたものの、慣れない時間帯に寝る事は出来ずそれでも結局3時間ほどウトウト。

 木曜も深夜に回してもらい、昼間はスーパーへ日用雑貨などを買いに行く。

 慣れない前日深夜勤の疲れから昼間から寝ていたら、夕方4時頃に隣の住人らしきニーチャンがTVをガンガン鳴らしながら部屋をドタバタしていたが、さすがに昼間っから

 「うるさい!」

 と怒る訳にもいかず、結局4時間程度の睡眠しか取れず Ψ(ーωー)Ψ

 木曜夜からの勤務は、金曜の昼までに及んだ。

 引越の時は慌てていたためPCなどは自宅に置いたままで、新しい住居ではまだネットを始めPCが使えない事もあって、スーパーで買ってきた缶ビールを1週間で一ケース空けてしまい、今度は発泡酒2ケースを買ってきた。

 翌日の土曜以降は他のメンバーとの調整で4連休となったため、ようやく新生活の舞台となる町をぶらぶらと散歩してみる事にする。

 といっても、見事なまでに本当に何も娯楽施設のようなものの(というべきか、本屋すら見つけられなかった)ないところなのである。

 街は殺風景な上に部屋も何もないがらんどうなので、現場の近くにあるスーパー2Fの100均ショップで生活雑貨などのガラクタを3000円分くらい買い込んでから、昼に一旦自宅へ戻る。

 自宅までは道路が空いている時は約1時間、夕方などの渋滞に引っ掛かると1時間30分近く掛かる。

 土曜から自宅に泊まり久々にネットでメールチェックなどを済ませ、月曜は役所に住民票など転居手続きに必要な書類を取りに行く。

 この1週間は、コンビニやスーパーの弁当ばかりでロクなものを食べていなかったので、久々に行きつけの定食屋でのご馳走に舌鼓を打った ヾ(*´ー`)ノ

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  • 39

引っ越し(前編) εεε┏( ・_・)┛スタコラ

 4月初めから2週間に渡り、富士通某のプロジェクトリーダー・M氏とソフト会社のSE・K氏の元で、2週間に渡る研修期間を終えた。

 unix歴十年という、ベテランのK氏からは

 「ここで必要となるエッセンスは、総て教えました。
 後の足りないところは、自分で勉強するなり努力しておいて下さい」

 とチクリとやられ、リーダーのM氏からも

 「ネットワークに関しては、私の方が色々と教えていただきたいですよ。
 ま、unixに関してはボクも専門ではないので、最初に一緒にK氏から研修を受けさせられましたが、にゃべっちさんも私みたいに安いPCを買ってきて自宅でサーバを立てるなりして、勉強していって下さい。
 まあ、開発知識までは必要ないですが・・・」

 と、クギを刺された。

 (ウムム・・・ こりゃ当初訊いていた話よりは、遥かに求められるレベルが高そうだ・・・)

 と思いはしたものの、なにせゆっくりと引越しに時間を割いている余裕はない。
 とにもかくにも必要最低限の身の回り品だけ車に詰め込んで、家電製品などは休日を利用して少しずつ運ぶ腹づもりであった。
 引越先は、現場から歩いて約10分のレオパレス某。
 何しろ人口が10万にも満たない新興の田舎都市とは訊いていたが、実際に来てみて本当に何もないのには驚いた。

 周辺には某大企業が2社ばかりあったが、近所にはスーパーが1件しかないし飲食店も2,3件しかなく、視界に入るのは無機質に高さを競うかのように聳え立っている分譲マンション群と、その合間に押し潰されるようにしてポツリポツリと挟まっているようなレオパレス群である。

 レオパレスだから当然ワンルームで、取り敢えずバス・トイレがついていたのは助かった(当たり前か!)し、キッチンは普通のマンションの半分くらいしかスペースのないショボイやつだが、どうせ調理などしないからこれに関しては不満はない。

 これでも3ヶ月契約前払いで30万近くは掛かるのが、会社負担でタダで入れるのだから文句は言っていられないのである ( ̄д ̄)ブツブツ

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  • 38

波乱の船出(後編)

 「A部門」のメンバーはワタクシを含め4人だったが、3名の内の2人(共にunix経験数年)は大阪からの、残る1人(プログラマーでunix経験約1年)は東京からの出向組。

 イメージとは違い、大阪の2人は無口でムッツリタイプだったが、逆に東京のS氏が気取りのない気さくな人で、そのS氏から驚くべき話を訊かされた。

 それによると、プロジェクトが始まってから僅か1ヶ月の間に、早くも3人がNGを出され交代の憂き目にあったらしい。

 最初の1人目(unix経験は殆んどなしのプログラマー)は、研修役で来ていたソフト会社の担当者から初日で早々に『NG』の烙印を押され、早々にクビとなる ( ̄ェ ̄;) エッ?

 交代で入った2人目(unix経験少々のWin畑)は、入る早々に

 「体調が優れないので・・・」

 と早退許可を貰うと、そのままトンズラを決め込み行方不明に (゜艸゜;)フ゛ッ

 続く3人目(unix経験1ー2年)は、夜間勤務の時に

 「背後に、誰かが立ってる・・・」

 とウワゴトを言い続け、皆から気味悪がられてクビに (;・_・)ノ

 unix経験者の3人が揃って

 「クライアントの要求レベルを充たせず」

 という烙印を押され、×××社のスパイと元請けのC社から出向してきている、unix開発者歴10ン年というバリバリのSEの目がピカピカと光る中、unixの得意ではないWin畑のにゃべっちには、早くも暗雲垂れ込めるような波乱の船出となった  ̄_ ̄;) うーん

 この内幕を話してくれたS氏自身も、夜間対応時に重なって起きたトラブルに巧く対処出来ずこの時点で既にNGを出されていたが、最初に見た時のヤマアラシのようにフサフサと盛り上がっていた髪が、現場でのストレスからか3ヵ月後には見る見る斑の禿げ頭になってしまっていた (  ゜ ▽ ゜ ;)エッ!!
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  • 37

波乱の船出(前編)

その現場の職場環境は最悪だった。

 なにせ《世界の×××》が業界内でも極秘理に進める新プロジェクトの拠点だから、人目に触れないような郊外の山の上の立地にひっそりと隔離病棟のように建っている、巨大なビルである。

 セキュリティは厳しく、まず門を入るのに「××証」が要り門衛に見せる。

 次に部屋へ入るのには「××証」を、カードリーダーに通さなければならない。

 そこまではそれほどでもないが、心臓部のサーバ室には入るにはこのカードリーダと登録してある指紋の照合があり、また作業をする部屋には各コーナーに監視カメラが取り付けてあるため、360度監視の目から逃れる術はなかった。

 勿論、作業端末に至るまで総て、Proxyでログが吸い上げられていた事は言うまでもない。

 しかも、一旦入門した後は事実上終業まで外へ出ることは出来ず、またあれだけの巨大なビルにも関わらず食堂が一箇所しかなくコンビニもないので、昼の休憩時間は事実上15-20分くらいしか取れない。

 その食堂の不味い食事がどうしても口に合わないと、出勤時にコンビニで買ってきたおにぎり等を食べるしかなく、といって食堂以外に食べる場所もないので、作業場に座ったままで食べなければならない。

 そんなわけだから、富士通某から来ていたリーダーはいつも昼食を摂らず、朝から夜遅くまで何も食べずに頑張ったせいで、半年後に胃をやられた惨状であった。

 しかも前回も触れたように、現場は関西からの出向組が幅を利かせて関西弁が飛び交うような「関西村」と化していたから、地元の人間は話に加われず余計に居心地が悪い。

 そんな中でワタクシが所属となった「A部門」は、まさにその新規プロジェクトを担うところだったのでハードルは高く、元請け会社でこの部屋の総元締めという触れ込みでちょくちょくと顔を出していたオッサンが実は×××社から派遣されていたスパイだったと知るのは、ずっと後の事であった。

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  • 36

新展開(後編)

 そうして最初のうちは、自宅からの通勤が始まる。

 朝は9時からだが、通勤に2時間近く掛かるから7時くらいには家を出なければならず、終業は一応夕方6時だが研修中だから7時くらいにはなってしまい、家に着くのは9時が良い方だったから

 (こんな面倒なら、いっそ早く引っ越した方が良いな・・・)

 という気持ちだった。

 現場には何故か大阪からの出向組みが多く、各部署総勢で30人ほどの半数くらいを占める関西弁が部屋を支配しているようで、なんだか大昔の学生時代に帰ったような、ヘンな気分である。

 さて、肝心の仕事の方は

 《(世界の)×××》が極秘裏に進める、業界最先端技術

 というだけに、話に訊いていたよりは遥かに高度な内容であった。

 当初は

 《unixとWindowsの混在環境ネットワークの障害対応》

 と訊いていたものの、予想していた通り得意のWindows系は少なくunixサーバがメインであり、アプリケーションを開発しソフト会社から研修の教育にきているSEの説明する内容が高度過ぎて、正直なところ良くわからない部分が少なくなかった。

 (ムムム・・・ 
 オレの覚束ないunixの知識で、果たしてやっていけるのかどうか・・・)

 と不安になり、富士通某から出向してきている現場リーダーに疑問をぶつけると

 「Cisco(米国シスコシステムズ社)技術者認定とMS(米国マイクロソフト社)認定プロフェッショナル、ネットワーク技術者・・・

 にゃべっちさんくらいの資格と知識があれば、まったく問題ないです。

 ボクなんかネットワークスペシャリストの、ショボイ一つしかないんですから・・・

 unixの開発及び環境系辺りは、これから覚えていただかないといけなくなるでしょうが、今のところ必要以上にunixとかLinuxというのを意識することはないかと・・・」

 同じ部署には、この現場リーダーの他に大阪からの出向組の40過ぎの中年2人と、もう一人は東京から出向してきている1歳上で、4人の中ではワタクシが一番年下であった(リーダーの富士通某社員は、まだ30代前半で最も若かったが・・・)

 そんなこんなで不安を抱えた見切り発車のままに、ひっそりと人里離れた現場で進行しつつある、新技術へのスタートに携わっていく事になったのである。

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  • 35

新展開(前編)

 富士通関係の会社から、新たな提案が齎されてきたのは翌日の事である。

 あのCS社のY氏や、元請けとなっていた会社との電話によるドロ仕合にいたる間はひっそりりと鳴りを顰めていた、富士通関係のMT社の担当女性営業から、ようやく回答が来た。

 「先日お話しました×××さんの件ですが、問題となっていた時間の点について元請けの富士通某さんと相談した結果、こういうのはどうかと新たな案が出されましたので、是非一度ご検討願いたいと思います。

 まず時間については、客先の×××さんに確認しましたところ、やはり

 『現行案通りで変更はなし』

 との事でした。

 となると、先日検討した通りにゃべっちさんの通勤に支障が出てきますが、先回ヒアリングの時に伺ったお話ではにゃべっちさんは引越しが可能だという事でしたので、当面しばらくの間は準備期間として当社でマンスリーマンションを借り受けて、三ヶ月ほどのその費用は当社で負担させていただきます。

 ×××さんも富士通某さんも、にゃべっちさんの経歴を見て

 『是非ともこの人に、この仕事をやっていただきたい』

 という経過でこんな案が出ましたので、是非とも前向きに検討していただけるでしょうか?

 当社としましては、3ヶ月分の費用を余計に負担する事になりますので、にゃべっちさんが本当に今引っ越される気持ちがあるのか。

 また契約切れになる3ヶ月後には、にゃべっちさんの方で新たな住居を探され家賃等も負担が掛かって来る事になりますが、そういう状況の中である程度のタームで、この仕事をやって行こうというだけの強い意思があるのかどうか?

 当社のリスクをも考えますと、この2点を是非とも吟味された上でもう一度、確認しておきたいのですが・・・」

 「そういうお話ならば、まあ結構じゃないですか。
 なんの問題もないですよ」

 「ありがとうございます!
 では早速、現場の近くの物件を探してみます。
 住居が決まったら、追って連絡します」

 という返事から3日と空かぬうちに、メールで回答が来た。

 それによると、勤務地となる現場から僅か歩いて10分程の立地にある《マンスリーレオパレス・フラット》の一室である。

 勤務は4月初めからだが、この物件の入居可能日が4月半ばからに設定されていたため、その辺りの事情を踏まえ現場での調整の結果、入居前の約半月間は研修期間に当て通勤可能な日勤帯のみの勤務で、最も重要な深夜の障害対応は研修期間を終える引っ越し後からと決った。

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  • 34

にゃべっち、スーパー銭湯へ行く εεε-(* ̄∇ ̄)-○

 かつて触れたように、年明けに家の水道管がイカレて水漏れが始まったために水道工事を依頼したが、工事の関係でその日1日は風呂場の水道が使えなくなった。

 現在の住まいは、古い造りのため風呂場にはシャワーが取り付けられない構造になっており、おまけに湯も出ないので昔ながらに浴槽に水を張ってから、ガスで沸かさないといけない。

 これが面倒な無精者のワタクシは、汗をかかない冬場は1日置きに沸かしていたのだったが、前日は沸かさない日だったのでさすがに2日風呂に入らないのは気持ちが悪いという事で、何処か外の風呂へ入浴に行く事にした。

 たまたま、用事で拠った時に見かけた某公共施設の中に『スーパー銭湯』なる健康ランドのような施設があったので、早速そこへ入ると運良く

 「通常は1回1000円ですが、本日は特別サービスデーで半額の500円です」

 との事である。

 (こりゃ、酒のツマミ代くらい儲かったわい)

 と、気分良く風呂へ入る。

 内部はジャグジーやジェット風呂などなかなか充実しており、それら幾つかの風呂を存分に満喫していると

 「よう!」

 といきなり声を叩かれ、見れば知った顔のヤマダ氏が。

 「あれっ? にゃべっちさん、いつもここへ来とるの?」

 「いや、ちょっと事情があって今日だけ。ヤマダさんは?」

 「オレは毎日来とるよ。
 定期券(というのがあるらしい)買って来とるで。今日は安かったろ?」

 「うん、500円・・・知らないけど、なんか普段の半額だって言ってたね」

 「来月、ここ工事で1ヶ月休みになるんだわ。
 そんだもんで今、キャンペーンやっとるらしいで。
 にゃべっちさん、運がえーわ」

 そんな取り止めのない会話を交わしたが、翌日からは風呂場の水も元通り(正確には、水道管が新しいのに取り替えてあった)出るようになり、大枚1000円はたいてわざわざ「スーパー銭湯」に行く必要もなくなった。 

 だから、その存在さえ2ヶ月後にはすっかり脳裏からは消えていたが、そんな或る日、郵便ポストに

 《『スーパー銭湯』リニューアルオープン!! 
 ××日まで、お得意様サービスキャンペーン中! 
 期間中はもれなく、無料(1回のみ)でご利用できます》

 というDMが入っているではないか。

 あまり足を向ける場所ではないが、そんなに遠いというほどでもなくまたこうした大きい風呂も好きなので、ガソリン代はかかるが通常1000円の料金がタダとなれば行かなきゃ損だ、とあのジェット風呂の快感を蘇らせ再度繰り出すと、またまたスキンヘッドの特徴あるヤマダ氏の姿が ( ̄m ̄*)ブブッ

 「今日はタダ! ハハハ・・・
 ということは、にゃべっちさんは2回で500円か。
 ウマい事するなー。
 で、あれから1回でも来たの?」

 「いや、今日はあれ以来・・・ハハハ」

 と大笑い。

 最初こそは少し気がヒケていたが、なにせ気心知れたヤマダ氏の他は、見知らぬオッサンばかりだ。

 気付けば、広いジャグジー風呂をデカイ顔して独占しているにゃべっちでありました (^○^)

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最終更新:2007年09月18日 00:38