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  • 136

千春の義姉 (⌒◇⌒;) げっ

 千春には、2歳年上(当時中3生)の義姉がいた。

 にゃべっちの姉ミーちゃんと同級で、ミーちゃんの話にしばしば出てきたが、3年生の間では知らぬものとてない有名人だった。

 といっても、千春のように抜けるような色白の美貌で知られていたのではなく、残念ながら逆の意味でだったが (='m') ウププ

 何しろかなりのデブ&ブス、おまけに「コワモテ」として男子生徒にも睨みを効かせていたらしい。

 「ところが、名前が『サユリ』なんだよー。
 全然、似合わねーっての」

 と口の悪いミーちゃんは、いつもこき下ろしていた。

 そのサユリ姉さんが、県下随一のお嬢様学校である『K学院』に、この年『B中』からたった一人入学したと聞いて皆ビックリ (  ゜ ▽ ゜ ;)エッ!!

 元々、実家は地区ではかなり知られた大きな商店であり、PTA役員の常連としてにゃべっち父とは、以前から顔見知りだっただけに

 「ありゃ、金で入ったんだろう・・・どうみても、デキが悪そうにしか見えん」

 と、父も胡散臭げだった。

 或る時(高校入学の時だったか)ミーちゃんと母が、たまたま電車のホームでこの「サユリさん」に出くわしたとかで

 「ホラホラ、あれが例のサユリだわー」

 と、ミーちゃんに袖を引かれた母曰く

 「それで、一度だけ見たことあったけどねー。
確かに、並みのおデブさんじゃなかったよ・・・
 あれが全然似合わない『K』の制服着てるのを見た時は、(母校を)汚されたと思ったわよー」

 と、母もオカンムリだった。

 にゃべっちは幸い、このサユリ姉さんには一度も接触することなく済んだが (*´ー`) フッ

 一度、千春に

 「オマエのいとこの姉さんってさー、(色んな意味で)凄いんだってな?!」

 と冷やかすと

 「あ・・・言ってやろー。
 怖いのよー、ネーさん・・・」

 と、さすが怖いもの知らずと思われた千春も、その話題にだけは些か腰が引けてたっけ (≧∇≦)ブァッハハ!

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  • 135

天才カミナガ受難(後編) (;´д` )トホホ

 『B小』時代はにゃべっち、ムラカミとともにトップ3を独占しつづけた悪友の一角であったマサの名は、やはりここでもまったく見当たらなかった。

 さて転入後、2回連続トップのカミナガだが、例の

 「田舎の中学は、レベルが低い!」

 発言以来も、相変わらず人を喰ったようなふてぶてしい態度が続いていた事から、依然として皆からは総スカンを喰らっており、今回はトップにデカデカとその名が貼りだされているにもかかわらず、誰一人祝福するものとてあろうはずもない。

 そればかりか、成績表を見にきたカミナガの周りでは

 「もろこちゃん凄い凄い、さすがー」

 「真紀ちゃんも、3位はリッパよねー」

 といった調子で、あたかも目の前にいるカミナガの姿など目にも入らぬとばかりの、これ見よがしの嫌がらせがおおっぴらに展開される中、当のカミナガ本人は仕方なさそうに顔を歪めながら苦笑していたらしい。

 気の優しいにゃべっちは、こうした不当な扱いを受けつづけるカミナガが気の毒に思えてきたし、こうした同級生らによるあまりに狭量な仕打ちにはかなり気恥ずかしいものを覚え、せめて皆と同じ論調には乗るまいと心密かに誓っていたが、さりとて自ら進んで救済の手を差し伸べようという気は毛頭なく、静観の構えを貫いていた。

 そもそも、B学区の生徒らはともかくとしても、H学区やY学区の生徒らにまで影響力が及ぶはずもなかったし、転校早々調子の良い振舞いでそれなりに人気を取ったことで、図に乗ったような言動の目に付いたカミナガに対しては「ザマーミロ」という気持ちが強かったことも、否定できない。

 そうしたなんとなくやるせないような思いと、少しばかりの意地の悪い気持ちが交錯した複雑な心境の中でも、寧ろ

 (なにしろ、あれだけ賢いヤツなんだ・・・今後どうやって、この四面楚歌の状況を打開していくのだろうか・・・?)

 というのが、実のところ最大の興味であった ジー(;¬_¬)

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  • 134

天才カミナガ受難(前編) (;´д` )トホホ

 1年生最後の3学期期末試験は、最後の3学区合同のテストとなる。

 成績上位20番までが、公表されることになった。

 トップは、前回に続きカミナガ。

 転入後の不慣れな中で、2回連続のトップはやはり凄いというしかない。

 しかも前回より更に得点を大幅に上げ、2位以下に大差を付ける9教科で882点という、驚異的な合計点である。

 2位の香からワーストとなる6位まで落ちたとはいえ、にゃべっちまでの5人が850点台の中にダンゴ状態で犇く中、独り別天地を行くといった圧倒的な学力には皆、苦々しく思いながらも内心ではやはり舌を巻かざるを得なかった。

 他人の能力は滅多に評価しなかったにゃべっちも、このカミナガには

 (ヤツは確かに、天才の域かも・・・)

 と、自分以外の相手に初めて「天才」の称号を与えるに吝かではなかった。

 2位は香。

 普段の成績は、にゃべっち自慢の情報網をもってしてもまったく聞えてこなかった秘密主義の香だが、初回公開時同様2位につけているのは、さすがである。

 3位に復活した真紀は

 「嬉しー。
 絶対勝てないと思っていたにゃべっちに、最後にやっと勝てるなんて・・・」

 と大喜び。

 「凄いねー、真紀。
 3位だなんて・・・にゃべっちにも勝てて、良かったじゃん!」

 と祝福する千春に

 「きっとにゃべっちが、最後だからって私に華を持たせてくれたんじゃないの?」

 と、余裕のジョークも飛び出した。

 4位はムラカミ。

 そして前回はカミナガ旋風の前に、10位ギリギリまで落ち込んでいたゴトーも5位に復帰し

 「やっぱりオマエより、オレの方が賢いだろーが・・・フフフ」

 と得意げな表情であった。

 これら「勝ち組」に対し、殆んど点差はないとはいえワーストの6位にまで落ち込んだにゃべっち、またジリ貧に順位を落としてきていたナカムラは「カミナガショック」からか(?)、遂に9位にまで落ち込んでしまっていた。

 また、前回2位と言われた香織も、10位まで後退。

 10位以下では、前回9位だったオロチが14位に落ち19位にアベ、そして20位まで来てようやく純子の名が見つかった。

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  • 133

名古屋の「お嬢御三家」 :*:・( ̄∀ ̄ )・:*:・ポワァァァン

 愛知県内の私立高校といえば、ほぼ名古屋市に集中している。

 私立高校の数自体はそこそこはあるが「公立王国」と言われる愛知にあって、公立校を凌ぐ人気の高い名門といえば男子校の『T高校』、そして女子校では『K学院』、『S女学園』、『愛知S』が「御三家」と言われ、高嶺の華であった。

 このうち男子校では『T高校』が、毎年沢山の一流大学合格者を輩出するなど、県内最高レベルの名古屋の公立校『A高校』や『C高校』(当時)と肩を並べる、県下随一の進学校としても別格的な存在である。

 一方、女子高では御三家の中では『K学院』がお嬢様学校としては突出しており、医者の娘や一流大手企業重役の娘といったところも珍しくはなく、中小企業の社長令嬢だったにゃべっち母くらいではまったく目に付くところではなかったという、別世界に存在していた。

 それに比べれば『S女学園』と『愛知S高校』は二段も三段も落ちるが、それでも名古屋の女学生たちの憧れである事に変わりはない。

 殊に『S女学園』の場合は、中部地方で唯一の「総合学園」として、幼稚園から大学院までの一貫教育を行っている事でも知られていた。

 にゃべっち母の兄、つまりにゃべっちからすれば伯父にあたるヨータロー伯父さんも長女が誕生するや、早速『S幼稚舎』(現在は幼稚園に改称)へ入園させたまでは良かったが・・・

 「娘を『S』に入れたんだけどよー。
まぁ、月謝がたきゃー(高い)でかんが(あかんわ)ねー。
だもんで2人目の坊主の方(後継社長)は、まー名古屋の市立小学校だがやー、おみゃーさんよー」

 余談ながら、この伯父さん夫婦は当時としては非常にハイカラというか風変わりで、奥さんはブティックを経営。

 ブティックとはいっても今のそれとは違い、奥さん自らがオーダーメイドで誂えるという、いわば高級住宅地での金持ち相手のお店であった。

 父は中企業の2代目社長、母は高級ブティックのデザイナー兼オーナーという家庭に育った娘は、ご多分に漏れずすっかり手の付けられないワガママ娘に育つのも、致し方のないところか。

 『S女学園』への通学は、数人の雇われメイドが交代で外車を転がしての送迎となったが

 「『お母さんが迎えに来てくれるんじゃなきゃイヤー! 
 お母さんが来ないんなら私、もう学校なんて行かないからー』

 なんてむずかるのには参ったわー。

 女房はブティックが忙しくて、そんなヒマはあらせんがー」

 日頃は太っ腹で鳴る伯父も、この一人娘には散々に手を焼かされたらしい。

 結局、この長女は大学までを『S女学園』で通し、短期部を卒業するや突如として

 「アメリカへ行きたい」

 と言い出した。

 ところが、伯父もさるもので

 「行きたきゃあ、行ってこやーえーがー」

 と、アメリカへ送り出して数年間は音沙汰がなかったらしい。

 「そういやアイツ・・・あのまんま行ったきりだがやー。
あれから、どうなっとんのきゃー? 
ちーとも(まったく)音沙汰にゃーで、どうなっとるのかわっかぁせん(わからない)がー」

 などと澄ましたものであった (゜艸゜;)フ゛ッ

 さすが「持てる者」は、なにかとスケールが違う ( ̄(エ) ̄)ノ

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  • 132

姉ミーちゃんの高校受験 φ(◎_◎;)

 さて、前回のような経緯から『S女学園』を志望したミーちゃんだったが、担任教師からはレベルの下がる『I学園』を強力に奨められた。

 「『I』なんて、レベル低過ぎるよー。
 制服もダサいし・・・」

 などと、ブツクサ文句ばかり言っていたミーちゃんだったが

 「オマエの成績では『I』の方が妥当だ。
 『S』は我が校の提携先ではないから、ウチからは誰一人受験なんてしないし。
 第一『S』では、ハッキリ言って落ちる可能性の方が高いぞ」

 と担任から強硬に反対され、かなり荒れた日々が続いた。

 「アンタが本当に『S』がいいって言うのなら、担任なんかがなんと言おうと私は、そっちを受けさせるけど。
 でもさ、先生の言うように『S』に落ちたら、公立へ行くことになるのよ。
 そこらへんのことは、大丈夫なの?」

 「どうせ『I』へ行くくらいなら『A商』(『A商業』)へ行くのも変わらんから、近い分だけ『A商』の方がマシさ」

 というミーちゃんの意思を確認した母は、進路指導相談会で渋る担任教師を遣り込め『S』受験を受諾させた。

 「でもね、お母さん・・・正直なところミーさんの成績で『S』合格は、半分以下・・・まあ、いいとこ3割の確率と覚悟しておいて頂かないと・・・」

 「いいのです、それでも。
 本人が行きたくもないところを受験するよりは」

 といった遣り取りの末、当初の志望を貫き私立は『S女学園』、公立は『A商業』を受験となり、小雪の舞う2月、担任の悲観的な予測を覆し『S女学園』から待望の「合格」通知が来た時は、親子ともに快哉を叫んだことは言うまでもない(無論、母にしては『S』のレベル自体には、もとより大いに不満のあるところではあったが・・・)

 元々、試験嫌いのミーちゃんだけに『S』の滑り止めにと考えていた『A商業』の方は、受験を取り止めることになった。

 再び進路相談で『B中』を訪れた母。

 「いやー、『S女学園』合格、おめでとうございます!」

 「どうです? 
 やってみなければ、わからないものじゃあありませんか? 
 合格確率3割とか言われましたが・・・こうして合格したのですから」

 「いや、それを言われると困りますが、ハハハ・・・
 ま、私立は『S』のようなお嬢さん学校でも、滑り止キャンセルが幾らかはありますから、その分定員よりはかなり多めに合格を出しますからねー。
 いやー、本当に私立だけはやってみないとわからないものですな」

 とか何とか、もっともらしい口調で言い逃れに汲々としていたらしい。

 最も『S女学園』に通うには、私鉄と地下鉄を乗り継いで片道で優に1時間30分程度を要するだけに

 「こんなに遠いとは・・・」

 と、慣れるまでの当初は嘆いていたミーちゃん。

 元来がワガママな性格だけに

 「今からあんな調子で、3年間も続くのかしらねー」

 と、母の心配は絶えなかったようである (〃´o`)=3 フゥ

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  • 131

姉ミーちゃん物語(後編) ヾζ  ̄▽)ゞオホホホホホ

 にゃべっちと二年違いのミーちゃんの学年では、他の学校区の生徒が混ざって学年全体で700人を超える大所帯だったが「A商業」は真ん中よりやや下くらいの学力だ。

 内申も、オール3をやや下回る程度でも合格出来ると言われただけに、真ん中よりは辛うじて上であるミーちゃんの学力でも充分であり、また立地的にも徒歩7~8分と小・中学校を含めてもA市内ではにゃべっち家から最も近く、総ての条件がまさに誂えたように整っていた。

 ところが、である。

 己の美貌には、かねてより頼むところのあったミーちゃんだけに、生来の派手好きでワガママな性格が頭を擡げ、日頃近所で見慣れた「A商」の

 「制服がダサい!」

 だの

 「『A商』なんて、イモねーちゃん丸出しのコばっかりだし・・・家からも近過ぎー」

 といった調子で、なにかと難癖を付けてばかりでどうにも気が進まない様子であった。

 余談ながら制服といえば、にゃべっち同様幼い頃から「美形」で通っていたミーちゃんだけに、オシャレには人一倍の拘りを持っていたようである。

 にゃべっちに匹敵するほどに、デキの良かった小学生時代の学芸会で『マッチ売りの少女』のヒロインに抜擢されたミーちゃん。

 秘密主義のマッハとは違い、ミーちゃんは明け透けな自慢好きタイプであった。

 「ねぇ、おかーさーん。
 ミーちゃんねー、学芸会のヒロインに選ばれたのー」

 「へぇー、凄いじゃなーい。
 でも、どうしてミーちゃんが選ばれたの?」

 「そりゃあ、ミーちゃんが一番カワイくて頭も良いからよ!」

 などと鼻高々であった。

 ところが、数日後

 「おかーさーん。
 私、この前話した学芸会のヒロインの役ねー、あれ断ったわ」

 「えっ? 断ったって・・・
 また、どうして・・・?」

 「だってさー、今日初めてお稽古したのよ。
 そしたらツギの当たったみすぼらしい衣装を着なくちゃいけないんだって。

 『どうして私が、こんな汚いのを着なきゃいけないのよー。
 イヤー、こんなの着たくないから』

 って断ったの」

 といったエピソードがあるくらい、子供時代からオシャレには異常なまでの拘りがあった(というか、要するに単なるワガママか (^^ゞ

 さて、そんなエピソードはさておき、残る学校区内で比較的近い公立校となると、電車で2~3駅のところに『A商』と同じ平均辺りの成績でも入れそうなレベルの普通科高校が3つばかりあったが、どれも何故かお気に召さないらしい。

 そんな様子を見かねた母が奨めたのが、名古屋の私立高校である。

 「どうせ電車通学になるのなら、いっそ田舎なんかよりは名古屋の私立に通った方がいいかもねー」

 これにはミーちゃんも、珍しく乗り気となったのであったが・・・

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  • 130

姉ミーちゃん物語(後編) (* ̄Oノ ̄*)ホホホ♪

 明治生まれながら阪大(旧大阪帝国大)出というインテリの父と、名古屋ばかりか東海・中部圏随一の名門『東海高校』から名古屋の某国立大に進んだ兄弟を持ち、自らも中学から大学まで東海・中部圏一のお嬢さま学校『金城学院』で通した母は、姉ミーちゃんの成績に話が及ぶや出るのは溜息ばかり、というのが常であった。

 またスポーツ万能だったマッハとにゃべっちは、それでけでスポーツ特待のヒキが来そうだった(事実マッハには『名古屋学院』や『中京高』など、幾つかの学校からお誘いがかかった)が、平均よりはいくらかは優れていたとはいえ、これといった図抜けた特技のなかったミーちゃんだけに、スポーツ特待がかかる事はない。

 さて、そんな大の勉強嫌いのミーちゃんだから、高校受験を間近に控えた時期になっても

 「高校なんて、どこでも入れるトコでいいよー」

 と、受験勉強などとは一切無縁であったことは、言うまでもない。

 しかしながら、そんな勉強嫌いのミーちゃんの好むと好まざるとには拘らず、春の気配の訪れとともに高校受験は例年通り、容赦なくやって来るのは当然である。

 学年全体で平均すると、真ん中よりやや上程度のミーちゃんであっては、県全体でもトップレベルに数え上げられる学校区トップの『A高』や、『A高』に次ぐ進学高『K高』、或いは3~5番手辺りの公立高校は、ハナから選択外である。

 A市内には、他に商業高、工業高、農業高なども揃っていたものの、工業高は当時はまだ男子校だったため対象外。
 また農学校に通う事は考えられず、順当なら「A商業」に入学する事になるケースだったが・・・

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  • 129

にゃべっち一族シリーズpart4 姉ミーちゃん物語(前編) (* ̄Oノ ̄*)ホホホ♪

 にゃべっち家の3人の子供の中で、中学時代の《学力》という点では最もパッとしなかったのが、ミーちゃんであった。

 長兄のマッハは、学校区トップの『A高』には僅かに届かなかったものの、『A高』に続く進学校2番手の『K高』から(一浪ながら)青学大に進学。

 末っ子のにゃべっちは中学1年で受験はまだ先だが、現時点では「A高」合格はまったく疑いのないところで、ゆくゆくは相当な一流大学への進学が期待される逸材である(あくまで、中1の時点での見通しではあるが・・・)

 そんな兄弟に挟まれた、紅一点のミーちゃんも子供の頃は、抜群に良くデキた。

 小学生時代はクラスで3~4番だった兄マッハを遥かに凌ぎ、クラストップを争ったミーちゃんは通信簿でも、7教科中「5」が5つの才女。

 『B小』では4年生から委員長制が始まるが、ミーちゃんは4年生から6年生までを通して、医者の娘2人を抑えて1学期の委員長を務めるほど優秀な成績で、この内科と歯科の娘もミーちゃんには一目置き、にゃべっち家にしばしば遊びに来ていたものであった。

 6年間、学年トップ通した弟である神童にゃべっちには、さすがに比するところではなかったものの、ここまでは典型的な天才少女の道を驀進して来ていたが、残念ながらミーちゃんの黄金時代はここまでで、早々に終わりを告げてしまった。

 にゃべっち同様、元来が勉強嫌いのミーちゃんだっただけに、中学生となるやあれよあれよという間に成績が凋落し、高校受験を控えた時期には、ちょうど全体の真ん中辺りに埋没してしまっていた。

 「あのコも小学生のころは、アンタほどではないけどマッハよりは、余程デキのいい子だったのにねー。
 どこで、あんなにおかしくなったのかしら・・・あんなパッとしない成績は、私の一族にはいないんだけどねー」

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  • 128

『B中』学生図鑑part4 Kの悲劇(後編) (TーT)

 普段から、歯に衣着せぬ物言いをする男だけに決して悪気があっての発言とは思われず、また人口10万程度のA市は確かに250万都市の大阪から見れば田舎であるのは、レッキとした事実である。

 レベルの違いは、転入早々でのカミナガのトップで証明されたようなものだが、寧ろその発言が的を射ていただけに余計に始末が悪かった。

 どうやら転入早々から、デカイ顔をして(見えた)カミナガを快く思っていなかった一部の偏狭な勢力が、足を引っ張る機会を虎視眈々と狙っていたらしいところへ、御誂え向きのあのひと言。

 ここぞとばかりに言葉尻を捉え、殊更に刺激的に皆を煽ったところから、この悲劇が起こったものであろうと思料される。

 根が楽天的なにゃべっちであり、また

 (オレが神童というよりは、もしかすると他の連中のレベルが低いだけじゃないのか・・・?)

 と、しばしば疑問に感じる事もあっただけに、このカミナガ発言を聞いた時は

 (確かに当たってるかもな・・・
 オレが同じ立場でも、きっと同じような事を言ったろうしな)

 と、思わず苦笑いしたくらいで全然腹も立たなかったが、或いは同じ教室内でこの発言を直接訊いていたとしたら、やはり皆と同じように許せなかったかもしれないから、その気持ちも満更わからないではなかったが・・・

 要するにムラ(田舎)社会ならではの、ヨソ者の悲劇というべきか。

 かくて天才児カミナガ、哀れにも『B中』学生から総スカンを喰らい、予期せぬ長い灰色の学生生活を余儀なくされる事になるのであった (*´o`)=зハァ-

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  • 127

『B中』学生図鑑part3 Kの悲劇(前編) (TーT)

 2学期途中、9月下旬に大阪から転校してきたカミナガ。

 父は、五大商社の一角を占める×商事に務めるエリート商社マンで、鶯山の高台にある社宅から『B中』に通い始めるや、持ち前の社交術とクソ度胸とで、ほぼ時を同じくして転入してきたオロチとともに、たちまち校内にその名が知れ渡った。

 このカミナガは、当初から「秀才」とのフレコミで、本人曰く

 「大阪市内の小・中学校を通し、常にトップを中心に3番以内の成績をキープしてきており、小学校では生徒会役員も務めた人気者であった」(本人談)

 らしく、大阪などとは到底比較にもならない田舎町にある『B中』においては、その「都会の優等生」の学力に対する注目が集まったのは、前回もご紹介した通りである。

 こうした数々の大言を証明してみせるかのように、転校早々の期末テストでの学年トップには、さすが根っからのヒネクレ者のにゃべっちも

 (うーむ、アイツは大ボラ吹きのオロチなんぞとは、確かに格違いの大物かも・・・
 さすがに都会でトップのヤツの学力は、こんなにも違うものなのか・・・)

 と、この男の実力だけはともあれ、素直に認めざるを得なかった。

 元々が、関西人らしいヒョウキンで飾らないユニークな人柄だけに、すんなり学校の雰囲気にも溶け込み、既にそれなりの人気者に伸し上がって来ていた矢先のこの快挙だけに、皆の尊敬の眼差しと人気を手中にするには絶好のチャンスだったが、思わぬひと言の失言がこの天才を一夜にして、奈落の底に突き落としたのだった。

 「田舎の学校は、やっぱりレベルが低いな・・・」

 皆の胸にグサリと突き刺さったこのひと言を境に、さしもの天才も『B中』生から総スカンを喰らうハメとなっていく事に (='m') ウププ

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  • 126

カミナガ旋風!!(後編)

 (となると… トップはまたナカムラか、ゴトーか? 
 或いは、まさか…カミナントカとかいう、変な関西ヤローが・・・?)

 と考えている間もなく

 「大阪からの転校生・9組のカミナガというヤツが、トップだぞー」

 という噂が、瞬く間に聞えてきた。

 「へぇー、あのカミナガとかいうヤローがトップだって? 
 本当かな、それ?」

 「本当みたいよ。
 本人が成績表をみんなに、見せてたらしいから。
 9教科合計864点だって」(にゃべっちは856点)

 皆の間からも

 「うーん、アイツは口だけでなく本物だったのか。
 こりゃあ、えらいヤツが来たもんだな」

 という溜息が聞かれた。

 (この時点において、オロチの影はすっかり薄れてしまった事は、言うまでもない)

 そんなカミナガを意識しすぎたせいでもなかろうが、ゴトーはまさかの10位まで後退。
 ナカムラも6位と低迷し、2人揃って自己ワーストを更新してしまった。

 真紀を含めた上位の常連が軒並みワースト更新と苦戦する中、ムラカミは前回同様5位と安定した力を見せているのは、さすがであった。

 「うむむ・・・また負けたか。
 くそー、落ちそうでなかなか落ちんよなー、オマエってヤツは・・・」

 と、冗談半分ながら悔しがるムラカミであった。

 これまではにゃべっちの情報網をもってしても、香と香織の順位だけはまったく入ってこなかったが、今回初めて

 「シミズが2位らしい・・・」

 という情報が入ってきた。

 ここまではわかったものの、やはり香の順位だけはサッパリ。
 成績抜群のはずの香だが、徹底した秘密主義が恨めしくも感じた。

 さて、見事に転校早々トップの座をもぎ取った、カミナガ。

 当然ながら、当初は皆の尊敬の眼差しをその一身に集める事となったが、口は災いの元。
 トップに気を良くしたか、調子に乗って放った何気ないひと言が天才カミナガにとっての、思いもよらぬ地獄への入り口となってしまったのであった (`ー´)イヒヒ

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  • 125

カミナガ旋風!!(前編)

 ほぼ時を同じくして、県内某市と大阪からやって来た「自称天才」の二人、オロチとカミナガの参入により、俄かにいつにない注目を集める事になった、二学期期末テストの結果が出た。

 前回、中間テストで見事トップを射止めたにゃべっちだったが、普段から勉強嫌いのにゃべっちだけにそうそうトップが続くはずはなく、今回は3位に順位を下げた。

 「にゃべっち3位かー。
でも、落ちたといってもやっぱりさすがねー。
 私の方は・・・全然ダメだったよ・・・」

 と、意気消沈の真紀。

 前回は、トップのにゃべっちに肉薄し自己最高の2位につけたが、今回はこれまででワーストの8位まで後退してしまっていた。

 学年3位のにゃべっちは、クラスではトップ。

 ところが、学年8位の真紀もクラスでは2位だったから「自称天才」のオロチは、どう見積もっても学年では真紀と同点の8位以下しか考えられないから、クラス中で囃し立てられるオロチの成績もにゃべっちにとっては、既にどうでもよかった。

 「ねぇ、ヒトミー。
 テストの結果は、どうだったのさ?」

 これまで散々自慢を訊かされ続けてきた、周りの女学生から問い詰められたオロチは

 「うーん・・・思ったより、良くねーな、こりゃ。
 『B中』って、結構レベルが高いのかな? ブハハ・・・」

 とかなんとかブツクサ言いながら仕方なく公表した成績表は、クラスではにゃべっち、真紀に次ぐ3位。
 学年全体では、真紀に続く9位であった。

 「クラス3番? 
 なんだー、やっぱりにゃべっちや真紀ちゃんよりは、下じゃんか?!」

 「でも、いきなり3番なら、やっぱり大したものなんじゃないの?」

 と、学生らの評価は真っ二つに割れたが、当の本人は

 「まあ、1回だけではなんとも言えんだろ・・・一回だけでは・・・でもまあ確かににゃべっちとオーミヤだったら、元オレのいた学校でもトップクラスは間違いねーかな。
なんせ、オレより上なんだからな・・・」

 と誤魔化していたが、にゃべっちはこの時点より既にオロチは問題にしていなかった _-)ノ⌒゚ポイッ

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  • 124

二人の転校生(カミナガ編・後編) ジー(;¬_¬)

 そしてB学区の生徒らは

 「今度は、ムラ辺りが来るんじゃないか? 
にゃべっちの次っていやー、やっぱムラしかいないよな?」

 「ムラカミよりも、もろこだってば! 
H学区の真紀ちゃんには悪いけど、女子最初のトップはやっぱもろこでしょ」

 といった声も訊かれたが、なんといってもB学区最大のスター・にゃべっちへ寄せる期待の声が最も多かったのは、言うまでもない。

 「やっぱその気になれば、にゃべっちは格が全然違うだろ。
 これまでの例から見ても、残りは全部にゃべっちがトップを独占するんだろうな」

 といった調子で、学生らの話題は「誰が真の天才か?」の予想でもちきりであった。

 さて、問題の「自称天才男」オロチとカミナガの2人だが、口では色々と吹きまくっているものの、さすがにまだ海のものとも山のものとも得体が知れないだけに、その評価は真っ二つに割れた。

 「やっぱ、オロチもカミナガも都会の中学でトップクラスだったてんだから、かなりいい線いくんじゃねーのか?
 いきなりトップなんて事も、あるかも・・・」

 「いや、あんなの案外たいしたことなさそーだぜ。
 大阪や××市のレベルが高いっつー保証もないしさ。
第一、前の中学でトップクラスなんて話も、ハッタリじゃねーのか?」

 「そうそう、どっちも口ばかりはやたらと達者だからな。
ま、案外10番以内にでも入れりゃあ、オンの字ってとこじゃねーのかな?」

 「いや、それも危ないんじゃねーか? 
いずれにせよ、アレだけ大口叩いてきたわけだからそん時は、まあ精々可愛がってやろうじゃねーかよ」

 などと、ボロクソに貶す声も訊かれた。

 当のカミナガ本人は

 「そりゃ、まぁやってみん事にはなんとも言えへんがな。
まぁ、オレもここのレベルがどんなもんかまだわからへんよって、なんとも言われへんし・・・」

 と、試験が近づくにつれややトーンダウンしてきたものの、相変わらずの自信をのぞかせていた点は、やはりオロチ同様であった。

 当時のにゃべっちの見立てでは、クラスの違うカミナガの方はどの程度かまったく見当がつかなかったが、同じクラスのオロチの方は日頃のくだらない言動の中にも、頭の回転の早さは充分窺い知れていただけに

 (ヤツはかなりデキるかも・・・よもやオレより上ってことは有り得んだろうが、もしかしたらオーミヤに次ぐクラス3番手くらいかいな? 
万一、負けたらちょっとカッコ悪いが、まさかな・・・)

 とは思いながらも、相変わらずズボラなにゃべっちは勿論、試験勉強などとは無縁である。

 さて、オロチとカミナガという二人の転校生は現実に評判通り、或いはそれ以上の逸材なのか? 

 はたまた、とんだ食わせモノの単なる大ボラ吹きだったのか?

 運命の期末テストの結果は、いかに?

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  • 123

二人の転校生(カミナガ編・前編) ジー(;¬_¬)

 9月の下旬、オロチからおよそ半月ほど遅れ、今度は大阪から転校生がやって来た。

 それなりに美少年といってもよさそうなオロチとは対照的に、見るからに「関西人」という感じのどことなくヒョウキンな風貌に加え(当然のことながら)、コテコテの関西弁でよく喋るユーモラスなパーソナリティ。

 生まれも育ちも大阪という、このカミナガ。

人見知りなどといった感情とは一切無縁の性格と見え、転校早々から何の臆するところもなくジョークを連発し、たちまち初日のうちに人気者となるなど、すっかり『B中』に溶け込んでしまったところは、にゃべっち属する6組に転入してきたオロチ同様であった。

 大阪市内の学校ともなると、当然A市のような小都市と比較するまでもなく、そのレベルの高さは容易に想像が出来たが、その大阪市内の中学校でも

 「常にトップ争いをし、3番以内から外れた事はない」

 と豪語するなど、折りにふれ自らの秀才ぶりを仄めかす言動が見られ

 「今度、大阪から転校してきたカミナガってヤツは、レベルの高い大阪市内の中学でもトップ争いをしていた、凄いヤツだったらしいぞー」

 といった噂は、たちまちにして燎原の火の如くに広まり、にゃべっちらのクラスにも否が応にも聞えてきたのだった。

 にゃべっちが学年トップを奪回した2学期の中間テストは、10月初めに行われたため転校して来たばかりだったカミナガはオロチ同様、試験を免除されたが

 「オレは、受けるって言うたんやけどな・・・担任から、アカン言われたんや・・・」

 などと嘯いていたらしい。

 が、オロチとともにいよいよ、その真価がベールを脱ぐ時がやって来た。

 12月の期末テスト。

 「自称天才」を宣伝するオロチとカミナガの参入により、テスト前は野次馬らによってかつてなかったような、ヘンテコな盛り上がりをみせた ( ´艸`)ムププ

 Y学区の学生らは

 「今度は、ナカムラがトップだろう。
 人気はにゃべっちやゴトーとは比較にならんし面白みもないヤツだけど、やっぱ実力はナカムラが1番だて。
 なんたって1回目がトップで、2回目も2位だからな」

 一方、H学区の男子生徒は

 「いやいや、ナカムラなんぞよりはゴトーが上だって。
 前々回トップ、前回も3位と安定感から見てもやっぱ、ゴトーがアタマひとつは抜けてるだろー」

 また、H学区の女生徒らは

 「ゴトーは口だけは達者だけど、実力は真紀ちゃんの方が上でしょ。
初回3位、前回も僅差の2位と徐々に本領発揮してきてるし、今度はトップに違いないわ」

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二人の転校生(オロチ・後編) ( ̄m ̄*)ブブッ

 ところで、そのクセのある美貌とともにヒトミが常々、自慢にしていたのが学力で

 「前の中学では、常にクラスでは1番か2番。
 学年でも、ヒトケタだったな」

 というのが口癖でもあった。

 「ヒトケタとか言っても、人数にもよるしね?」

 「ココよりは人数、少なかったけどな。
 ま、300人くらいだから、それでも標準だろ。
 大体、ここの500人ってのが多すぎんのよ。
普通、ある程度都会の学校だったら精々300人くらいなんだぞ。
ま、オレのいたのもココよりは都会だったから、人数増えても順位はさほど変わらんのじゃないかな」

 などと、例によって立て板に水の口調で豪語していた。

 そうこうするうちに、10月始めに中間テストがあったが

 「準備不足のヒトミは今回は無理に受けんでもええが、試しにやってみるか?」

 と、ヒグチ女史から問われ

 「オレも、どっちでもいいっすよ・・・」

 「どっちでもええんじゃなく、オマエが自分で決めんかーい」

 といったやりとりの末、結果的には中間テストは回避し12月の期末テストから参加する運びとなった。

 こうした経緯から、皆に羨まれながら高みの見物を決め込んでいた中間テストでは、前期の級長を務めていた

 「にゃべっちとオーミヤが見事に学年1、2番を占めた」

 と、ヒグチ女史から発表され

 「オイ、ヒトミ君。
 期末ではオマエも入って、ウチのクラスでトップ3独占を期待してもいいんだよなー」

 と転向早々、皮肉めいた発破をかけられたヒトミ。

 「うーん、まだ来たばっかりだしなー。
 トップ3は、ちょっと厳しいかもしれんね。
 こりゃ、えらいクラスに入れられちゃったぜ・・・しかしオーミヤは見るからに賢いのは一目で解ったが、お坊ちゃま風のにゃべっちのヤツがトップってのは、単なるマグレだろ?」

 と、どこまでも遠慮がない。

 ともあれ期末テストで、その真価が試される事になったヒトミ。

 その後、何故か「オロチ」と渾名が命名されていったが、その運命のテストには「オロチ」とともに注目されることになる、もう一人の少年がやって来る事になった ( ´艸`)ムププ

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  • 121

二人の転校生(オロチ・前編) ( ̄m ̄*)ブブッ

 2学期に入ると『B中』に、2人の転校生がやって来た。

 まず9月半ばに、にゃべっちの属する6組に転入してきたのが、ヒトミ少年である。

 「今度来るコは、非常に良くデキるみたいだな。
 にゃべっちやオーミヤも、抜かれんように頑張らんと・・・」

 と、あの滅多に生徒を誉めないことでは人後に落ちないオグリ女史も、珍しく相当に高く評価していた。

 そして実際にやって来たヒトミは、にゃべっちと争うようなパッチリとした二重瞼の大きな眼と、フッサリとした長い睫を持った女っぽい顔立ちをした仲々の美少年だっただけに、早速ちょっとした注目の的に。

 だが、そうした外見とは裏腹に驚くべき神経の図太さ(正確には、厚かましさ?)を如何なく発揮し、たちまちクラスの水に溶け込んでしまった。

 クラス一ともいえる社交性を発揮し、忽ちのうちに人気者に伸し上がってきたヒトミ。

 「『ヒトミ』って、なんか女の子みたいな名前よねー。
 顔も女の子みたいだし?」

 と口さがない女生徒から、早速冷やかされるや

 「ハッキリ、美少年と言ってくれよなー、照れない照れない。
 前の中学でも、女に騒がれて逃げてきたようなもんだぜ、アハハハ。
 オレのこの顔ってさ、化粧したらマジで女と間違われるぜー。
 歌舞伎の女形みたいだろう、アハハッハハハ」

 などと、臆面もなく口にする厚かましさには誰しも空いた口が塞がらぬ態だったが、陽気な性格に加え頭の回転も確かに早く、ミーハーな女生徒の人気をそこそこに集めるには充分だった。

 そんな「美貌自慢」で、人一倍目敏いヒトミがにゃべっちの美貌を見逃すハズはなく

 「級長のにゃべっちってのも、なかなかかわいいツラしてんじゃん。
 オレと、どっこいどっこいってとこか・・・ギャハハハ」

 「なに言ってんのよー。
 にゃべっちの方がアンタより、余程いい男じゃないのさ」

 ヒトミもにゃべっち、マサと並ぶ《B中三大色男》に数えられるレベルとはいえ、上のような意見が大方の女生徒の見方であったことは、言うまでもない ( ̄ー ̄)ニヤリッ

 「ヒトミって確かに色男風だけど、なんかちょっと卑しいっていうか下品な感じしない? 
 ま、そういうのが好きなコもいるんだろうけど、にゃべっちの方が断然品が良いな?!」

 というある女生徒の分析は、真に当を得たものであったろう(本当に!)

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最終更新:2007年11月10日 01:05