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  • 65

レオパレス最終日のオオボケ(後編) (;・_・)ノ

 そしていよいよ、そのレオパレスを出る日が来た。

 レオパレス社員の立会いに関して、電話をかけると

 「3ヶ月の短期契約ですので、立会いは不要です。
 鍵はお出になる時に、郵便受けから中へ落とし込んでおいて下さい」

 との事で面倒がなくなり、ホッとしたところで

 「郵便受けに鍵を落とし込む」

 というのが、なんとなく少し刺激的な感じがし

 (どんな具合になるんかいな?)

 と試してみる事にしたが、うっかり鍵を落としてから鍵をかっていた事に気付いたのだった。

 「しまった・・・」

 と思わず言ってみたものの、総ては後の祭りである。

 何せ「実験後」直ぐに部屋に戻るつもりだったから、草履を突っ掛けた普段着の上に車のキーも部屋に締めこんである。

 おまけに財布も中に入れたままだから、まったく身動きが取れないと来た。

 (残された道はレオパレスセンターへ電話をして、鍵を持ってきて貰うしかないか・・・)

 などと頭を抱えていたところで、ようやく窓を開け放っていた事に気付いた。

 冷房が弱いために、部屋にいる時は常に窓を開け放っていたのと、網戸に鍵が付いておらず夜は締め切りを余儀なくされ散々に不自由をしてきたのが、最後のこの時になって思わぬ役に立ったものである。

 (そうだ・・・窓から入れるんだよな)

 まずはホッと一息ついたが、窓側は芝生を模したようなショボいガーデン風の植え込みに、柵のようなものが打ち込んである。
 無論、こんなものは飛び越えるのはわけないが、なにせ晴天の真っ昼間でおまけに道向かいには大きなドラッグストアがあり、ただでさえ退屈な日常に刺激を求めて始終、好奇の眼をギラツカせているオバタリアンどもが控えていたから、空き巣に間違われてお節介な通報でもされぬものかと些か気にはなったものの、そんなことを言っている場合ではなかった。

 かくて草履履きのままに柵を乗り越え、芝生を踏みつけてベランダから我が部屋へ闖入という、なんとも締まらぬレオパレス最終日となったのであった ( ´∀`)タハ

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  • 64

レオパレス最終日のオオボケ(前編) (;・_・)ノ

 前回紹介した通り、7月中旬で3ヶ月契約のレオパレスの期限が切れると同時に、現場も名古屋の富士通某社に変わるのに伴って、元の住居へと戻る運びとなった。

 それにしてもレオパレスでは、隣室のボンクラ三流大学生に散々に悩まされたものである。

 地方から出てきた田舎者として都会近郊に気後れでもあるか、ハタマタいつまで経っても垢抜けない雰囲気から女にモテナイせいかはわからないが、何せ部屋に引き篭もっている時間が異常に多いのには参った。

 初めての関西が珍しく、学び舎には一向く事のなかった足を大阪まで延ばしては、毎日のように出歩いてばかりいた我が身を思い出し

 (一体なにが面白くて、こんなところに蟄居しているのやら・・・)

 と、他人事ながら思えたものである。

 夜間対応の翌日は、朝上がりなので昼のうちに寝ておかなければならなかったのだが、隣から昼夜の別なく聞こえてくるテレビや携帯でボソボソと話す陰気な声が聞こえ、耳について仕方がない。

 何せ、生まれついて音には異常なまでに敏感な性質の身には、あのレオパレスの木造の安普請の壁の薄さは、致命的なのである。

 これまでは比較的家庭環境に恵まれたせいで、学生時代を含めて鉄筋コンクリートの建築にしか住んだ経験がなく、おまけにワンルームというのも初めての事なのだった。

 が、勿論と言うべきかそんな事情にはお構いなく、アホな学生は6月の終わり頃からは友達を連れ込んでくるのが日課のようになり、それもモテナイせいかゾロゾロやってくるのはむさ苦しい男ばかりのようである。

 女学生の嬌声が聞こえて来るのは、それはそれで精神衛生上極めてよろしくないだろうが、壁一枚隔てた隣室から陰気な男の声ばかりが轟くというのは、尚更いただけない。

 最初のうちの一人がやがては二人となっていき、深夜の2時や3時まで毎日ピクニックにでも来たかのように、ワイワイやっているのには閉口させられたもので、翌日になると決まってドアの前に膨れ上がったゴミの山の1~2袋が置きっ放しという、だらしのなさである(だらしがないばかりか通行の邪魔にもなり、さすがに酷い時は蹴飛ばしたりしていたが)

 これまで、未知の土地に住むのは刺激があって嫌いではなかったが、このレオパレスだけはそうした日常にはすっかり辟易としていたので、契約終了の時は寂しさよりも心底ホッとしたものであった。

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  • 63

Uターン εεε┏( ・_・)┛

 「これまでの話では、交代メンバーが決った時点でにゃべっちさんが辞めるという話でしたが、知っての通り今の最大の課題はしっかりしたドキュメントの整備です。

 という事は、新しく入ってくるメンバーにはその作業は無理ですから、それは引き続き今のメンバーでやって貰うとして、にゃべっちさんはウチ(富士通某)と新たに契約を結んでいただき、引き続き最低でも第一フェーズの終了までを見届けて貰いましょうと・・・

 その場合、当社の所属ですから名古屋の本社内で、作業をしていただくという事になります。

 つまり、交代メンバー云々とはまったく関係のない話として、考えていただこうかと・・・」

 「確かにそれならまあ、今よりは環境として悪くはないですが・・・しかしそんな裏技みたいなのを、果たして×××社やら元請けが許可するものですかね・・・」

 「いや、裏技というのとは少し違いましてね・・・

 元々、あの資料は当社が×××社から丸請けしてるものなので、当社の担当メンバーで作るのは当たり前の話で、にゃべっちさんの立場は担当部門が少し変わって、単に出向先が変更するというだけです。

 それは、住居の契約等の社内事情も含めてのものであって、なんら問題はない・・・というよりは、実は×××社も元請けもそんな動きは、先刻ご承知なのですが・・・」

 「黙認・・・という事? 

 確かに、今のままでは×××社の満足するような資料は、出来そうもないですからね」

 実際、リーダーを含めた各自が作った資料を完成後に皆でチェックをする「チェック表」が手元に回ってきた時は、既に全員に「チェック済」の印がうってあるにも拘らず、かつてフリーランスの記者として編集経験もあるにゃべっちの目からすれば

 「え? 
 これの、どこをチェックしたのか・・・?」

 と思わず目を疑ってしまうようなお粗末なものばかりで、×××社の厳しい「検閲」を通ったのは実際のところ、夜勤の空いた時間の眠気覚ましに殆んど一人で修正して仕上げたものばかりなのであった。

 「しかし、私の方は別に求職活動も始めている事ですから、もしなんらか良い話が出てきた場合は直ぐにも、そっちの方に代わるつもりですが、それは承知の事でしょうね?」

 「それはまあ、事情が事情だけに仕方がないでしょうね。

 今はどこも、仮契約から契約までは稟議書の盥回しやらで手間が掛かりますから、仮にそういう流れになったとしても半月とか1ヶ月のオーダーは見ておく必要があるだろうというのが当社の目算で、その間にもひたすら課題を一項目でも多く進めていただけたらと・・・

 勿論、プロジェクトリーダーの彼(M氏)と現場リーダーのD氏とは、進捗等に関してメールで連携を取り合ってやっていただくことが条件ですが・・・」

 現場リーダーのD氏はおとなしい性格の人物だから、容易に主導権が取れるだろうと計算し

 「では、取り敢えずはやることもないから、やってみましょうか」

 と×××社出向契約に変わる、富士通某社への異動出向契約を新たに結び直す事になった。

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  • 62

新提案(後編)  ヾ( ̄〇 ̄)

 とにもかくにも、6月末までと決められた課題の割り当てられた分は作ってしまったので、いつでもお役ご免が出来る立場ではあったが、7月から予定していた交代のスタッフが決まらない。

 一次面接を一任された、リーダーM氏から

 「今度は、ボクの方が(unix超バリバリの経験者という)×××社の要求に沿って、絶対に中途半端なところでは妥協しませんからね。
 既に3人に、NGを出しましたよ・・・」

 といった経過報告が齎されたのを皮切りに、次第におかしな雲行きになって来つつあった。

 「あれから今週も2人面接しましたが、どうもパッとしませんわ・・・
 ボクとしてはにゃべっちさんに、このまま9月まで残って欲しいところですが・・・」

 「はぁ・・・? 
何を今更・・・ 確か×××社は

 『月額100でも200でもいいから、絶対にミスをしないバリバリのキャリアを富士通本社からでも連れて来い、って事じゃなかったっけ?』

 と皮肉をかますと

 「あんなの、ハッタリもいいとこですわ」

 と吐き捨てるように言い

 「第一、そんな予算がどこにあるのか・・・
ボクもちゃんと上の方から訊いてますが、ルートの違うにゃべっちさんはともかく代わりに来る人も、他のメンバーの予算と同額以上にはなり得ないですよ。
それでも、ボクなんかから見れば羨ましいような額ですが・・・
実際、富士通本社なんかでバリバリ出来そうなヤツが、そうそう遊んでいるわけはないですしね。
実は、今度面接に来た人たちのデータを見て、×××社もようやく少しは現状認識が改まってきたようでして・・・ハハハ」

 そして数日後、富士通某社の営業課長N氏がリーダーのM氏と同席し、また所属元の女性営業担当も交えて思いもよらぬ、しかし半ばはこんな話もあるのかなと、漠然と予想してもいた提案を持ちかけて来たのだった・・・

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  • 61

新提案(前編)  ヾ( ̄〇 ̄)

 「さて・・・ではここから本題に入りますが・・・実は今のドキュメント作成を始めとした、6月末までの第一フェーズへのスケジュールが、にゃべっちさん以外のメンバーの分がかなり遅れてまして、Sさんのは言うまでもないですがSC社のメンバーらの分も検収元からチラッと見ただけで、NGを出されてしまいました。

 名前は伏せて出していますが、実はにゃべっちさんの分でOKが出て

 『この線で、総て統一した方が良いのじゃないか?』

 という提案が出されましたので、これからはにゃべっちさんに進捗管理などを含めた、ドキュメント整備の旗振り役をやっていただきたいと・・・勿論7月以降も完成するまでは・・・」

 と、思わぬ要求が出された。

 その後、リーダーM氏と2度に渡って話し合った末、現状の求職活動を優先しつつも6月末までに気に入った仕事が見つからない場合は、しばらくドキュメント作成を継続しても良いという結論に至った。

 但し、3ヶ月契約の今の住居(レオパレス)は7月半ばまでで契約切れとなるため、延長しても最大で半月までと申し入れておいたが

 「その辺は会社(富士通某)との話し合いで、何とかなると思いますよ。
実際、会社からの出向組には数ヶ月単位で、ホテル住まいとかも何人かいる事ですし・・・
取り敢えずボクは、会社若しくは必要に応じて×××社の担当と話を詰めてきますので、その間にゃべっちさんは検収資料の作成に全力投球していてください」

 という結論が出た。

 勿論新しい職が決ればその方が良いわけだが、前に話の出ていたJRや名古屋の方の×××社の案件などはどれもウヤムヤのままに立ち消えとなり、その間ネットで登録しておいた求職サイトから2,3のオファーは来て休日を調節しながら面接に行ったりもしたが、どれも直ぐには決りそうもなくそうこうしている間に6月末を迎えた。

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  • 60

詐欺師・Tに三行半(後編) (メ-_-)ノ~┻━┻

 「いや、まださっき連絡が来たばかりでね・・・ちょうど今から、連絡しようと思ってたタイミングだったんだ・・・
言われるように、オレにとってもサッパリわけのわからない話だから、確認を取ってるうちに少し遅れたけどさ・・・」

 ここに至り、最早堪忍袋の緒が切れないような人がいたら、お目に掛かりたいものだ (*`θ´*)ムキー!!

 「しかし・・・よくぞ、そこまでいい加減なことばかり言えるもんですわ・・・」

 「は? 
 何がいい加減なんだ?」

 「何がって・・・いいですか。
 いつも結果がNGの時は、連絡もなく知らん顔でしょうが。
ダメな時も必ず連絡してくれと、最初から何度言って来た事か・・・」

 「いや、それはだな・・・」

 「まあ、いいから私の話を訊きなって。
 この前のCS社のY氏との件ではホトホト頭に来てましたが、それから今回の件もこっちは頼んでもいないのに、そっちから話を持ち掛けて来たのでしょうが。
それは水に流しても、ちゃんとした話ならばやってもいいとは言いましたが、相変わらずこういういい加減な対応しか出来んようでは、人間性も疑わざるを得ないよ。

 ハッキリ言ってなにか別の目的があって、因数合わせか何かに利用してるとしか思えませんな。
 という訳なので、今後はもうこれ以上ロクデモないいい加減な話に付き合わされるのは懲り懲りなので、くれぐれも二度と電話してこないように」

 とグの音も出ないタヌキに、一方的に絶縁を言い渡した。

 (バカヤローが! 
 これで二度と、電話してくる事はなかろう・・・)

 と、この時点では激しい憤りの中にも、多少は溜飲の下がる思いもあったのだったが・・・

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  • 59

詐欺師・Tに三行半(前編) (メ-_-)ノ~┻━┻

 マリオットのCafeで行った面接ではあれほどまでに好感触だっただけに、どう見てもNGの出るような感じはなかった話にもかかわらず、一週間を経過してもSK社のTからは例によってなんの音沙汰もなかった。

 所属している某社担当の営業女性からは、×××社関係の別の現場のオファーがあるとの事で進めていてもらったが、その方は

 「あれから、社内事情が変わり人員削減の方針が出されたそうで、今回の話は流れてしまいました・・・」

 というわけのわからない結末となっていただけに、続いて紹介の来た富士通関係の仕事は

 「今後、御社の仕事をするかどうかは、少し考えさせてもらいましょう」

 と、二つ返事で即座に断った。

 そういった状況だけに、何の連絡もしてこないTに対する怒りは益々、増幅されてくるばかりである。

 こちらから連絡するのは癪に障るので我慢していたが、遂に痺れを切らせて一週間以上経ってから電話をすると

 「ああ、あの件ね・・・どうも上手くないみたいなんだ・・・」

 と、なんとも投げやりな返答であった。

 「は? ダメって・・・? 
この前のあの面接では『直ぐにも、客先面接が入ります』とかいう話でしたが・・・」

 「いや、どうもさ・・・この間面接した人が、客先で何か余計な事を言ってしまったらしくてさ・・・流れちゃったみたいなんだ・・・言わなくてもいい事を言ったもんだから、どうやら競合相手に取られちゃったらしい」

 これでは何の話だか、サッパリわからないではないか。

 こういう話をする時は嘘を吐いているのは歴然であり、口調からも真実性の欠如は明らかであった。

 「はぁ・・・? 
なんなんでしょうか、それは?

 全然、納得できませんが・・・ともあれ結果としてNGになった事をゴチャゴチャ言っても仕方がないでしょうが、それならそうとなんで今まで連絡してこなかったのか?」

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  • 58

意外な展開(後編)  (* - -)ノ

 ともかくこのプロジェクトリーダーとは、その件に関しては一度も腹を割って話す機会がなかったので

 (何を今更・・・)

 とは思いながらも、日中勤務の終業後に休憩所で話をする事になり、そこで意外な事実も含めて事の真相を初めて知らされたのであった。

 「なにしろ、×××社の要求するレベルが異常なまでに高くて・・・
本当の事を言いますと

 『現有メンバーを全部、入れ代えろ』

 とまで言われているんですよ。

 これまで何度も、障害対応でもたついて来たSさんは仕方ないにせよ、にゃべっちさんは最初の深夜のトラブルの時点でもうNG出されましたし、他の二人も偶々大きいトラブルに遭遇してない点で運が良いだけで、『心許ない』とか言われてますしね・・・ボクだって、いつそう言われるかわかったもんじゃないですわ・・・」

 「しかし・・・現実問題として、4人全員を入れ替えるって事はないでしょう?」

 「いや・・・本気らしいです。
 ただ、そんな事したらボクが一番困るというかやっていけないので、何とか説得して順次段階的に入れ替えるという事になりました。

 それで、最初は勿論Sさんでこれが6月一杯ですが、正直言ってSさんに関してはボクもダメだと思っているので異論はありません(S氏は能力はともかく、いい加減な性格から、他のメンバーがかなり尻拭いをさせられてきていた)

 で、後の3人で入れ替えの順序を決めろと言われたので、それは出来ませんと言うと数日後に向こうから

 『DとKは保留にしてもう一人、つまりにゃべっちさんを変えてくれ』

 と言って来たのです」

 「ははぁ・・・ワタクシには、すっかりカラクリが読めますよ。
 つまりD氏とK氏の2人は、元請けのSC社の社員だからか。
 つまりSC社が、×××社か富士通某に働きかけたとしか思えない・・・」

 「うーん、それはボクの口からはなんとも言えません・・・
 ただ、こういう事実はあるみたいです。
 なんでも、SC社は随分昔から×××社とは太いパイプがあるみたいで、こうした場合は富士通某を飛ばして直接、×××社の幹部クラスに掛け合うケースがあるとかは訊いてます。

 ちなみに、いつもにゃべっちさんが『うざいオッサンや!』と言っていた、あの部屋の総リーダーであるRさんは表向きは元請けからの出向となってますが、本当は×××社の幹部社員らしいですよ。
 ボクも、つい最近初めて知りましたが・・・」

 「って事は、つまりTC社の働きかけを受けたRが、ワタクシを交代させようと暗躍したと。
 じゃあ、度々あの部屋に顔を出していたのは、要するにスパイみたいなもんですな。
そうか・・・最初のあのトラブルの時に、アイツに電話した際にゴチャゴチャ鬱陶しかったので相手にしなかったのを、根に持っているのかな・・・」

 「その辺りは、どうかわかりませんが・・・まあ、にゃべっちさんの今の推定はあくまで憶測としか言えませんが、私自身が訊いている情報と照らして考えるなら、あながち的外れでもない気がしますが・・・

 さて、それで・・・ここから本題に入りますが・・・・

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  • 57

意外な展開(前編)  (* - -)ノ

 そうして約束の日に、何週間ぶりで懐かしいJRの名古屋駅へ行くと、およそ3ヶ月ぶりくらいで顔を合わせる、T氏の小太りな姿があった。

 「やあやあ。
 相変わらず、元気そうだね」

 とまずは挨拶を済ませたところで、マリネットにある喫茶室へ入りコーヒーを飲んでいると、早速相手が現れた。

 ×××社系、某IT部門で現場リーダーを務めるH氏で、そこで簡単なヒアリングが行われる。

 今回の案件は外部向けWebサイトの管理と、社内システム管理及びヘルプデスク、障害対応、ベンダー折衝など、仕事の内容的にはそれほど難しいものではなく、これまでにこなしてきた延長線上で充分務まりそうに思えた。

 相手のH氏からも

 「にゃべっちさんの経歴を拝見しても、こうしてお話を聞いていても私の後任としては、充分問題ないと思われます・・・が、私には決定権はないので、一応帰ってから上司と相談の上、改めて客先(×××社)での最終面接という運びとなるかと・・・」
 という回答を貰い、待つ事になった。

 一方で、先行して話の来ていたコンサルタント・T氏によるJR某の案件の方も面接の運びとなり、休日のセッティングで名古屋にある元請けの某大手製造業を訪問したが、こちらの方は相当に高いスキルが要求された。

 残る一つで、金融関係官庁の案件を持ち込んできたH社は、あれだけ煩くアプローチしてきていたわりには何故かここへ来て、パッタリと音沙汰がなくなっていたのであった。

 ここまでの感触としては

 《まったくなにもない白紙の状態から、一人で環境を構築できるくらいのバリバリの技術者》

 と相当に要求の高いJR某は、恐らく上手くいかないだろうと見当は付いた。

 ×××社系某の方は、先日の面接の感触はかなり手応えがあったものの、なにしろ間に入っているのが前科数犯のSK社のTだから、契約が成立するまではどう転ぶかわからないところがあっただけに

 (まだまだ良い話があれば、平行して進めていかねば・・・)

 と考えている矢先に、ようやく現場プロジェクトリーダーのM氏から

 「7月以降の仕事は、決りましたか? 
 もし決ってなくて、にゃべっちさんにもその意思があるのなら、しばらくここで続けてやって貰いたいんですが・・・」

 という持ちかけがあったのは、6月半ばになろうという時期の事であった。

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  • 56

詐欺師再び現る(後編) (* - -)ノ

 「まあ話によっては、やらなくもないですがね・・・」

 「お・・・じゃあ話によっては、やる気があるんだね。
 いやー、実はとてもいい話なんだ・・・場所は栄周辺だし、×××関係の仕事でね・・・」

 途端に勢い込んで話を始めたところによれば、なんでも×××社が最近になって力を入れている金融関係の子会社のIT部門で、東京から出張して来ていた現場リーダーの交代要員として、後釜を探しているという話であった。

 「にゃべっちさんがOKなら、直ぐにも先方(元請け)に書類を流そうと思うんだけど、チラッとこういう人だと輪郭だけ話したら先方がかなり興味を示してね。

 『是非、一度お目に掛かりたい!』

 という事だから、案外話は早いんじゃないかな・・・」

 などと、例によって調子良く捲くし立てるのであった。

 「まあ取り敢えずは、話だけなら訊いても良いですが・・・」

 しかしなにせ相手が相手だから、ここは一本クギを刺しておく必要があった。

 「その前に一つ確認しますが、前回の件ですがね・・・あれについて、Tさんはどうお考えなのか?
 まだ、そこら辺を伺ってませんが・・・何しろあの時は、こっちの方は酷い事になったのにTさんはどっかへ雲隠れでもしてたのか、CS社のY氏に訊いた話ではまったく連絡が取れないとか言ってたので・・・
 おかげで、上の会社の部長とやらからこっちに直接脅しの電話が掛かってきて来たりで、夜に2時間以上も非常識な対応をさせられて随分と迷惑したものですよ・・・」

 なにせ今度の仕事をするとなれば、嫌でもこのTとは付き合っていかざるを得ないのだから、この際我慢してでも付き合えるかどうか最低の線引きは、じっくり見定めておく必要があった。

 「いや、あれは確かに迷惑をかけて悪かったと反省してるよ・・・ま、結局のところはYの引き抜きだから、オレもヤツにはすっかり騙されたクチだけどさ。
 にゃべっち君には迷惑かけたが、オレはYのところへ怒鳴り込んで行ったし、あれからはもうアイツんとことは一切取引してないよ」

 どうにも嘘っぽい話だし、相変わらずYに総ての責任をおっ被せている点は気に喰わぬものの、一応は謝罪とも取れる言葉が出たから今度ばかりは大目に見てやることにした。

 何度も言うように、こちらとしても状況が状況なのだから、なにせ贅沢は言っていられないのである。

 「では具体的な事が決り次第、連絡するのでよろしく」

 と言って電話を切ったその日の夜に早々に連絡があり、指定された日に現場のリーダーとTの待つマリオネットのCafeへと向かったのであった。

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  • 55

詐欺師再び現る(前編) (* - -)ノ

 詐欺師とは人の弱みを見抜いて、そこへ巧みに付けこむ才能に優れた者である。

 が、いかに腕が良くとも騙す相手が居ない事にはサギは成り立たないから、善良そうな「獲物」を見つけ出してくる嗅覚を備えている事が、重要な条件である。

 そもそも騙しのテクニックそのものは、社会で揉まれているうちに腕を磨く事も出来る後天性のものだが「獲物を見つけ出す嗅覚」となると、これはもう努力や経験だけでは如何ともしがたい、先天性の才能(?)に拠るところが大きいであろう。

 前回までの経緯により、6月末までで今の現場での仕事を終える事になったが、ちょうどそんなタイミングで二箇所から新たなオファーが舞い込んで来てはいたものの、一方は静岡までの新幹線通勤という話だったし、もう一方は仕事自体がルーチンワークが主体で魅力に乏しかったりと、どちらも帯に短し襷に長しであった。

 (6月末までと啖呵を切ったは良かったが、これで7月からの仕事にあぶれたら格好がつかんな・・・)

 と心配していたところへ、あたかも遠く離れた名古屋の中心部からこんな状況を監視していたかとでもいうような、まさに絶妙のタイミングで電話をしてきたのが誰あろう、あのこれまでに何度もインチキ臭い話で散々にダマクラかして来た挙句に、最後はトラブルの最中にさっさと雲隠れを決め込んでいた(*過去作参照)、あのSK社のT社長であった。

 「SK社のTですが・・・にゃべっちさん、お久しぶり」

 以前に記述した、ドタバタ劇以来である。

 本来なら、声を訊いた途端にでも

 「バカヤロー、二度と電話してくるんじゃねーよ、この詐欺師めが」

 とでも怒鳴りつけて電話を叩き切るところであったが、何せこの時ばかりは世間から半ば浮き上がりつつあるような状況という自己認識に身を揉んでいた時期だけに、背に腹は代えられず心ならずも本心を曲げて対応する事になったのであったが・・・
 「この前は・・・」

 まさか今更、コイツからアプローチがあるとは露ほどにも考えていなかった事もあってどう対応したものかと決めかねていると、その暇を与えはせぬとばかり

 「この前は、あんな事になったけどさ・・・もう一回、ウチの紹介を受けてみる気はないかな? 
 今度は、にゃべっちさんにピッタリのいい話があるんだ・・・」

 (どうせロクな話じゃないんだから、訊かずに断れ。
 今まで何度、この手で騙されてきた事か。
 早く断れよ)

 と頭の中の冷静な回路が命じる声が聞こえたが、何故か口をついて出た言葉は全然意図せざるものであった。

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  • 54

対立(後編) (ー_ー )ノ" パス

 (この委託元の会社もこれだけコケにされながらも、尚もたかだか3ヶ月の契約にここまで拘るからには、勿論信用問題もあるが・・・こりゃ相当な単価が出ていて、儲かる話なんだろうな・・・)

 と、腹の中ではせせら笑いながらも

 「いや、もう結論はさっき言いましたよ・・・実を言えばこの間の話があってから、幾つかの方面からオファーが舞い込んで来てます。
その間、日中勤務だったのでリーダーから何らか話があるだろうと思い、それも含めて結論を出そうと思っていましたが、結局リーダーからは何のリアクションもなかったので、正直『ナンダコリャ』って感じなんですよ・・・
 つまり、リーダーも×××社の決定に異論なしって事だから、寧ろ折角必要と認めて声を掛けてくれているところへ行くのが、技術者としての筋かなと・・・」

 「そういうお気持ちはわかりますが、それはちょっと理解が違うと思うんです・・・
そのリーダーのMさんも、まだ富士通某から知らされたのは一昨日くらいなんですよ。
 その時に

 『にゃべっちさんに抜けられては困るなー』

 と富士通某さんに掛け合った結果が、9月末の第2フェーズ終了までに決ったと訊いてますので・・・リーダーといっても富士通某の子会社の人だから殆んど権限がなく、立場的ににゃべっちさんにどう話して良いのか判断がつかなかったんだろうと・・・」

 「しかしリーダーはリーダーなんだから、それなりの意思表示をして貰わん事には・・・
こっちはそんな水面下の動きなんて、わからないわけだしね。
 立場はわからなくはないが、仮にワタクシがその立場のリーダーならば、真っ先に本人と話をして少なくも自分の考えは伝えるでしょうな」

 「実は、Mさんから私に

 『自分がリーダーとして、力不足で申し訳ありませんでした。
富士通某を説得して何とか、9月末までには残っていただく方向で話を付けましたので、その後の事はこれから一緒に考えていきましょう』

 というメールも来ました。

 富士通某の営業さんの話でも

 『Mは今回の件で、かなり落ち込んでたみたいだよ。
元々、彼は口下手なタイプだから、仕事上はいいんだけど外部スタッフとのコミュニケーション能力は、これから身に付けさせていかなければならない課題だと認識している・・・云々』

 という事でした。

 立場的には非常に辛いものがあるようですが、そんな彼もにゃべっちさんが残ってくれるのを望んでいるのは、間違いないのです・・・」

 なんとなく裏事情はわかったものの、最早覆水が盆に還る事はない。

 「まあ、なんにしろ他の話が上手く運ぶ運ばないには関係なく、6月末までって事でお願いする」

 「そうですか・・・そこまで決めているのでしたら、わかりました・・・
ところでもう求職活動をされてるようですが、例えば当社からも良いお話があればご紹介させていただいてもよろしいのでしょうか・・・?」

 あくまで堅そうな意思を感じ取ったか、案外あっさりと態度を切り替えてきたので

 「そういう事なら、まぁよろしくお願いします」

 と一応は答えてはおいたが、正直この会社には殆んど期待するところはなかった (=´ω`=)y─┛~~ 

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  • 53

対立(前編) (ー_ー )ノ" パス

 その後、委託元から

 「再度、富士通某さんと×××社さんとの話し合いの結果、やはり第二フェーズ終了となる9月末まで頑張っていただきたいという結論になりましたので、色々とご迷惑をお掛けしましたがよろしくお願いします」

 という連絡が入った。

 しかしこの時点では、すっかりやる気が失せていたから

 「ワタクシとしては、6月末までで結構なんですが・・・×××社もunix超一流の人を望んでいるようですからねー」

 と皮肉をかまして、少しの猶予期間を時間を貰った。

 その週は日中勤務が続くシフトに当たっていたため、富士通某のプロジェクトリーダーがずっと横に座っており、直接の働きかけを待ってから結論を出す腹積もりであった。

 ところが・・・である。

 このリーダーのM氏からは、一向に何の話もないままに重苦しい時間が過ぎていき

 (なんだ、コイツは。 
 要するにオレは、必要ではないって事かい・・・)

 と些か拍子抜けのする一方で、以前何度かお誘いのあったコンサルタントのT氏からJR関連の案件、それに別のルートからも金融関係官庁のオファーが舞い込んできた事もあって、こんな折りだけに

 (まだまだオレを必要として、声を掛けてくれるところもあるんだ・・)

 と一際そのありがたさが身に沁み、気持ちの方も大きく固まりつつあった。

 そうして、何の動きもないままにこのシフトの最終日が終わったため、遂にまったく働きかけの気配すらなかったリーダーの意思を確認する事のないうちに結論を出す事になり、委託元へ連絡をした。

 「やはり当初お話のあった、6月末で辞める事にしますよ・・・」

 「そうですか・・・
 ウチとしては、いや富士通某さんとしても、どうしても9月末までは残っていただきたいとい意向なんですが・・・
実際、9月末までやっていただくとして、その間にまた話がどう変わっていくかもわからないところがあって、案外そのうちににゃべっちさんの真価が認められて、やっぱり延長していただきたいって事にもなるかもしれないかと・・・」

 「さあ、それはどうですかね・・・
第一、延長したら、また3ヶ月だけの住居を探さなければいけないし・・・言うまでもなく3ヶ月だけ住むために自腹を切ってまでやる意思は毛頭ないですが・・・」

 「その点は、にゃべっちさんに継続する意思があれば、富士通某社さんに改めて掛け合ってどうにでもなるとは思いますが・・・」

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  • 52

青天の霹靂(後編) (:´Д`)ハァハァ?

 実際トラブルが起き対応している最中に、電話でゴチャゴチャとイヤミな質問を投げかけてくる、無神経さと悪趣味に呆れるとともに

 (て事は、このくらいは実際には大したトラブルと認識してないんだな・・・)

 と判断してからは、落ち着きを取り戻す事ができたのであった。

 「新しい環境で、最初からなにもかも完璧に出来るような人間なんて、いないと思いますがね」

 「私も・・・本当に、そう思いますよ。
 富士通某社さんも随分と困っていたのですが、現場の事情を知らない×××社さんは無理を承知で、要求をゴリ押ししてくるのだと・・・

 後の2人が比較的文句を言われてないのも、偶々今までのところ大きなトラブルに見舞われていないだけとか・・・確かに言ってる事はメチャクチャなんですけど、なにしろ相手が×××社だけに・・・」

 「世界の×××社の声は天の声」と言われ、どれだけの人間が泣かされて来たかという話はあちこちで耳にしてはいたが、今まさにその火の粉が我が身に、降りかかってきたわけである。

 「それで・・・あの時はまだ研修を終えたばかりで、初めての夜間対応である事などを説明すると

 『そう。
 じゃあ、もう少し見てみようかな・・・ともかく現行の4人では不安が残るから、第二フェーズからは交代要員を最低2名で予定しておいてよね・・・』

 という結論になったと富士通某社さんから昨日話がありまして、富士通某さんも突然の話に大童でもう一度掛け合ってみますと・・・」

 が、既に話の半ばからもう、どうでも良くなってきていた。

 と言うよりは、どうも以前から漠然と感じていた、こうした人事を巡る元請け会社やら富士通某社やらの裏工作めいた胡散臭い構図がおぼろげに見えて来つつあったその場で、気の短いワタクシは素早く結論を出していた。

 「なるほど・・・話はよくわかった。
 では、ワタクシは9月と言わず6月一杯で身を引きますので、後は富士通のスーパーマンに代わって貰いましょうか」

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  • 51

青天の霹靂(中編) (:´Д`)ハァハァ?

 とはいえ、最初の話では

 「出来る限り、長期間でお願いしたい」

 という事だっただけに、その点がどうにも引っ掛かり問い詰めていくと

 「にゃべっちさんだから、ブッチャケた話をしてしまいますが・・・
 実は、×××社さんの求められるレベルがとても常識外れに高く、現行の4人のメンバーに不満があるらしいのです。プロジェクトリーダーのMさんは

 『皆さん、最近は良くやってくれてますよ!』

 と、言っておられたんですけどね。

 それで本当は・・・
 最初の話では、第一フェーズ終了となる6月末で2名を交代して欲しいと・・・代わりの2名は、月額が100でも200でもいいから富士通本社からでも、絶対にミスのないバリバリの技術者を連れて来い、とかいうムチャな話で・・・」

 「アホか。
 そんなロボットみたいなのが、居るわけがない。
 富士通本社くらいならいるかもしれないけど、そんなヤツが遊んでいる訳がないでしょう。
 ワタクシがダメだと言われてるのは、つまり最初の夜間対応が上手く出来なかったから、という事ですな?」

 「どうもそうらしいです・・・最初の時に連絡を受けた×××社の偉いさんが

 『何を言ってるのかよくわからんかったが、あれで大丈夫なのか?』

 とか言ってたらしくて・・・」

 確かに最初のトラブルでは、自分でも何がなんだかわからないまま義務的に説明の連絡を取ったから、色々と突っ込まれた時にはシドロモドロの説明となり

 「そんな事で、その障害をどうやって治すつもりなの?」

 とか突っ込まれたものだった。

 しかもその緊急時に連絡体制に沿って、3人もの幹部に経過報告の連絡をしなければならず、3人目のR氏は元請けの総責任者として時々、顔を見せていた(この人物が実は×××社の幹部で、スパイとして様子を見に来ていたのは、ずっと後で知らされた)この人物がかなりイヤミな突っ込んだ質問ばかりをしてきたので、次第に腹立ちが嵩じて

 「ともかく、こうして電話でゴチャゴチャやりあってるよりも、障害対応を優先しますので直り次第、また後から報告しますよ!」

 と電話を切ってしまったのが、かなり相手に悪印象を残したらしい。

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  • 50

青天の霹靂(前編) (:´Д`)ハァハァ?

 5月も後半になるとすっかり業務にも慣れ、一ヶ月前から入っていた先行メンバーともほぼ同レベルに達していた。

 夜間一人の時に起こるような障害にも対応する自信を備え、また変則的な勤務のリズムにもすっかり慣れてきつつあり

 (さあ、これからはバリバリとこなして行くぞー)

 と、張り切っていた矢先である。

 そんなタイミングの時に、委託元の女性営業担当から

 「一度、お会いしたい」

 とアポイントメントがあり、勤務終了後に現場近くの店で会う事になる。

 普段はメールでの遣り取りのみだったから、久闊の挨拶を済ますと

 「実は・・・契約の件なんですが・・・」

 なにやら切り出し難そうな口調で、それでも話を始めた。

 「今の富士通某さんとの契約は3カ月単位となっていて、普通ならまあ自動的にドンドンと更新されていくというお話でしたが・・・実は次の6月の契約は、三ヶ月で更新して9月からは・・・
 富士通某社さんの内部調整などもあって、別の要員と交代も視野に入れておいて欲しいという申し出がありました」

 「はぁ・・・?」

 このプロジェクトは前にも何度か記述した通り、準備期間となる3月からスタートし4月からの三ヶ月間が導入試験をしながら実運用に入り、実際に起きるトラブルなどの問題などを洗い出していく「第一フェーズ」とし、続く7月からの三ヶ月間で運用基盤が整備されたところで、障害対応マニュアル及び本運用のためのマニュアル等の作成とツール化をしておいて、10月からの本運用に橋渡しをしていくための「第二フェーズ」と位置付けられていた。

 したがって、このタイムスケジュール通りに順当に運べば、10月以降の本運用では障害対応などの殆んどのものがツール化(簡易化)されているはずなので、大した技術を持たぬ技術者であってもそこそこの知識さえあれば、マニュアルベースで対応がこなせるから、そこで交代となるのはその限りにおいては渡りに船といえた・・・

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最終更新:2007年12月03日 01:04