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  • 45

若き闘争の日々(第二章part7) (;・_・)ノ

 女子大生の手にある物を見ると、確かに怒るのも無理はないくらいに、酷い仕上がりになっていた。

 「ですから財布に関しては、弁償すると言ってます」

 と、女子大生が口を尖らせる。

 こうした事は、必ずしも人為的なミスばかりとは限らず、素材と薬品の相性によっては上手くやっても剥げてしまう事があっただけに、ネーム消しを依頼する客には予めその点を説明して、多少の色落ちは責任が持てない旨を告げておくのがルールになっていた。

 ただし明らかな技術的な失敗や、あまりにも色落ちが激しくなってしまった場合は、客と協議の上で弁償も含めた話し合いが行われ、店側でのその判断は言うまでもなく、総て社長が行っていた。

 「確かに、これはかなり酷くなってますね・・・ただ、これは技術的なミスではなく、あくまでも素材の関係の色落ちにしか見えませんが・・・

 いずれにしろ、これはデパートの商品のようですし、当初ご了解いただいていたように代替の品に代えさせていただく、という事でいかがでしょうか?」

 「まあ、それはそれだよ・・・今、私が問題にしているのはそうではなく、この人が笑いながら対応しているのが不謹慎だ、と言っているのだ」

 その彼女も今では半ば困ったような、また半ばは既に開き直って不貞腐れたような、なんとも言い難い表情をしていた。


 「いいかね・・・これは弁償するからいいだろうとか、そういった問題ではないのだ。

 物には使えば愛着が出てくるし、私も長年この財布を愛用して来てそれなりに愛着がある・・・新品に代えるから良い、というものではないだろう。

 そうした客の気持ちを理解せずに、接客なんてものが勤まるものかね・・・え?

 それを私が真面目に怒っているのに、笑いながら対応するというのはバカにしていると、先ほどから言っているのだ」

 「なるほど・・・今、事情を訊いて納得がゆきました。

 物に対する愛着は当然の事ですし、それゆえの憤りに対する理解が不充分なまま、無神経な応対によって気持ちを逆撫でされた点は、僭越ながら私にも充分に理解できるつもりです」

 「そうだろう・・・キミ?」

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  • 44

若き闘争の日々(第二章part6) ( ´Д`)はぁ?

 生来が怠け者のにゃべっちではあるが、真面目人間を絵に描いたような社長にこうまで言われては、さすがにやる気にならないわけはなかった。

 (そうまで期待されては、頑張らないとな・・・)

 なにせ若いだけに煽てにも乗りやすいし、それなりに意気に感じるところもあった点は、否定できなかったろう。

 名入れの仕事自体は、コツさえ掴めばそれほど難しいわけはない。

 一緒に仕事をする事になった女子大生は、小柄でまずまずは可愛らしいタイプだったが、仕事の面では殆ど頼りにならない事は、直ぐにわかっていた。

 一緒とは言え、向こうは学業優先の女子大生だけに、時間不定の勤務である。

 そうして、一週間くらいが経過した頃の事だ。

 昼休みから戻ると、その日は朝から出勤していたバイトの女子大生が中年サラリーマン風のおじさんに捕まり、なにやら強い調子で責め立てられていた。

 「一体、何がそんなに可笑しいのかね? 
 なにを笑ってるんだ、キミ! 
 フザケタ対応をするんじゃない!」

 見るからに神経質そうなメガネを光らせ、相当な剣幕で起こっている男を見た瞬間は正直、逃げ帰りたいところだったが社会人となったからには、そうもいかない。

 困り果てた表情で、シドロモドロに応対している女子大生を見捨てる事は出来なかった。

 「えーっと、あの・・・何があったんですか・・・?」

 「キミは誰だね? 
 お店の人?」

 「そうですが・・・」

 「この人は、人をバカにしているじゃないか・・・実に不愉快な事だよ、キミ・・・」

 「はぁ・・・」

 いきなりこんな風に言われたところで、居ない間の出来事だから何とも判断出来かねた。

 「私もこの店のものですが、昼休みから帰ったばかりで不在でしたので、話が見えていませんが・・・よければ、説明していただけませんでしょうか?」

 「説明もなにも・・・」

 と拳を振りかざす勢いだったが、新たな人間の介入により冷静さを取り戻したかのように、経過を話し始めた。

 「事の発端はだな・・・以前にここで入れたネームを入れ替えるために、ネーム消しを依頼したのだが、名前が消えたはいいが元の色自体が酷く剥げてしまっているのだ・・・」

 と、女子大生の手にある物を見ると・・・(; ̄ー ̄)...ン?

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  • 43

若き闘争の日々(第二章part5) ( ̄ー ̄)ニヤリッ

 「いや、実はな・・・色々とミーティングが重なってしまって、今日の顔合わせは難しいそうだ」

 「はぁ?」

 「まあ歩きながら、話を聞け・・・ともかく売り場へ戻ろう・・・」

 と訳が解からないまま、現場へ向けて歩き出すと

 「結論から言うと、顔合わせはもうなくなった・・・フロマネが忙しくなって、時間が取れそうにないらしい」

 「それはまた・・・ちょっと意外な・・・」

 「オレも驚いた・・・テナントでもこんなケースは、本来はあり得ないんだがな。

 『社長を信頼しているから・・・社長の選んだ人なら、間違いないと思っているよ』

 とか言っていた。

 忙しい人だからという事もあるが、要するにそれだけオレの信用があると言う事だ」

 と、自慢げに鼻をうごめかした。

 「キミはまだ若いし、社会人としての経験が浅いから解からないだろうが、この世界で一番大事なのは「信用という看板」なんだぞー。

 フロマネがオレに一任したというのは、それだけオレに信用があるからこそで、それは今までの地道な積み上げが評価されての事なのだ。

 世の中は地道にコツコツと頑張って、周囲の人々の信用をいかに勝ち取るか・・・これに尽きるのだよ」

 と社長は「人から信用される」事の大事さについて、珍しく誇らしげにトクトクと捲くし立てていた。

 そうして話を聞きながら歩いているうちに、売り場に着いた。

 元々、社長とバイトの女子大生の二人で、女子大生が裏の雑務などをこなし、実質的な仕事は社長が一手に行って来ていたらしいが、社長の腰の低さやソツのない接客に加え丁寧な仕事ぶりも評価され、この頃には店舗を拡張するまでに評判が上がって来ていた時期だった。

 そんなこんなで多忙となり、次第に店の仕事が手につかなくなって来た、社長の穴を埋めるための増員という形で雇われる事になったのが、にゃべっちである。

 「今のところ、スタッフはバイトの女の子が一人だが、彼女も正直言っていつ気紛れをおこして辞めていくか解からないだろ・・・
 だからオレとしては、キミに早く一人前になって貰いたいのだ。

 一人前と認められるレベルに達したら、店長のような立場でこの店を任せたい気持ちを持っているよ」

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  • 42

若き闘争の日々(第二章part4) (-。-)y-゜゜゜

 翌日、約束通りデパートへ行くと、社長が待ち兼ねたように

 「じゃあ、早速フロマネ(フロアマネージャー)と顔合わせだ・・・来てくれ」

 残った女子大生に

 「あと、よろしく」

 と言い残した。

 売り場の奥まったところに、従業員の控え室やらなにやらの部屋が幾つかあるらしいが

 「キミはまだ、ここに入る権限を貰ってないから、そこ(売り場の隅)で待っていてくれ。

 フロマネを捕まえたら、オレが呼びに来るから・・・少しは緊張してる?」

 「全然・・・今日顔合わせがある事すら、さっきまですっかり忘れてました」

 「そういう事は、オレ以外の人間には言うなよ・・・」

 「なんで・・・?」

 予想以上に待たされた挙句、社長がしかめっ面をしながら戻って来た。

 「どうも参ったな・・・フロマネが、なかなか捕まらなくてね。
 やっと捕まえたと思ったら緊急でミーティングが入って、午前中はとても顔合わせをしている時間は取れそうにないらしい・・・午後からにしてくれ、という事だった」

 「それまで私は、どうすればいいのでしょう?」

 「そうだな・・・顔合わせが済んでないうちに現場に入れるわけにはいかんから、悪いが(デパートの)中にある喫茶店かどこかで、待っていてくれないかな?」

 といった経緯で、午前中は虚しく時間を潰した。

 午後の指定された時間に再度出向くと、今度は

 「さっきの話では、午後からは一緒に入って来てくれという事だったから・・・」

 と、今度は社長と一緒に「伏魔殿」の中に入っていくと、デパートだから当たり前の事だが制服の女性ばかりが闊歩しており、その中を腰を低くしながら社長が足早に歩いていく。

 フロマネの控えているらしい部屋は、さらに奥にあった。

 「ここからはさらに許可がないと入れないから、ここで待っていてくれないか・・・準備が出来たら、呼びに来るから・・・」

 と、さらに先ほどと同じように待っていると、案外に早く社長が戻って来た。

 「いよいよ、出番ですか?」

 「いや、それが・・・実はな・・・」

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  • 41

若き闘争の日々(第二章part3) (; ̄ー ̄)...ン?

 「メガネが普通のなら、文句なくこの場で採用と言えるんだがな・・・親にも買って貰えない?」

 「それくらいは、自分で稼げと言われますよ・・・」

 「だな・・・問題は、デパートが何と言うかだが・・・」

 「案外、問題にされないかもしれないし、取り敢えず行ってみれば?」

 「それしかないか・・・何かクレームが出たら出たで、その時にまた対策を考える事にしよう・・・」

 慎重な性格で真面目一方と言うタイプの社長と対照的に、陽気で気さくな感じなのがメガネのオジサンの方だけに

 (メガネの方が、社長ならよかったのに・・・)

 と一瞬、考えた。

 そんな状況でデパートの販売部に挨拶に行ったのだが、担当のフロアマネージャーがミーティング中とかで少し時間がかかるという事もあって、まずは売り場を見るという流れに。

 裏のエレベーターの真ん前で、印章などを販売している隣の一角という、ロケーション的にはデパートの中でも最も目立たない場所である。

 最初の説明にもあった通り、財布やバッグなどにネームを入れるのが、そこでの仕事だ。

 ボーっと見ている間に社長は忙しく立ち回り、デパートの関係者と連絡を取り合っていたようだったが、しばらくすると電話を終えた社長がやって来た。

 「どうもフロアマネージャーは、忙しくて時間が取れないらしい・・・総てオレに任せるという事だったので、さっそく明日から来てくれないかな?

 メガネの件は、取り敢えず何か言われたらオレの方で対処するから、それから改めて考える事としよう・・・」

 とその日は、契約条件などの詳細を詰めた。

 この社長は真面目を絵に描いたような人物だけに、最初のうちは取っ付きの悪さを感じたものだったが、小なりとはいえさすがは一国一城の主だけにしっかり者であり、実際に現場で周囲の店の人々からの信頼の厚さを見ているうちに、次第ににゃべっちもこのムッツリ社長を見直しつつあった。

「明日は、オレも忙しくて店に出られるかどうかわからんが、誰かがいるからその人に訊いてやっていてくれればいいよ」

こうして翌日から、いよいよデパートに出勤する事にヽ( ´ー`)ノ

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  • 40

若き闘争の日々(第二章)part2 (* ̄ー ̄)y-~~~~フ~

 訪れた先は、普通の民家の一室を事務所に当てているような木造家屋で、40前後くらいの社長を名乗る人物が現れた。

「やって貰いたいのは、Mデパートで名入れの仕事だ・・・」

 「名入れというのは、何です?」

 「財布とかのものに、ネームを入れる事さ・・・アイディア商売だな・・・
 やってみる気はある?」

  「アイディア商売か・・・」

 (接客業ではあるがモノを売るような商売ではないから、こちらから積極的にアプローチする必要がないのは魅力かも・・・)

 などと皮算用をしていると、社長と同じくらいの40絡みの年配のメガネの人物が、ひょっこりと現れた。

  「彼は・・・?」

 「応募して来た人だよ」

  「男前じゃん・・・いいねー」

 と関係のない(?)メガネのオジサンの方が、すっかりその気に。

 しかしながら、社長の方は感情が顔に表れ難いタイプらしく、何を考えているのかサッパリ読み取れなかった。

 「うむ・・・問題はメガネだな・・・」

 学生時代に洒落っ気で度付きサングラスを愛用していた名残りで、調光グラスのメガネを掛けていたのだが、それが気になるらしい。

 「調光グラスだから、今は外から入ったばかりでまだ色が残ってますが、そのうちに透明になりますが・・・」

 「いや、もうかなり時間が経ったから、色は抜けたんだけどね・・・元々の色が濃いんだよなー」

 (確かに、調光グラスでは最も色の濃い物を使っているとはいえ、サングラスに比べれば殆ど透明だというのに、随分と細かい事を言うものだ・・・)

 と思っていると

 「オレ自身は、そんなのは何とも思わんが、なにせ相手デパートだからなー。
 こういう事には、殊のほか煩いんだよなー」

 と顔を顰めた。

 「新しいメガネを作る予定なんてないよな?」

  「そもそも、そんな余裕があるわけもないし・・・」

  「メガネのひとつくらい、社長が買ってやればいいじゃん・・・
 儲かってるんだし、しれてるだろ」

  「バカ言え・・・」

  「ちぇ、ケチンボ」

 どうやらこの陽気なメガネの人物は、社長の取引関係の相手で長い付き合いが読み取れるような親しさだった。

 「メガネがないと、まったく見えないのかな?」

 「支障があります」

  「それじゃダメか・・・メガネを取ると、また一段と男前になる気がするが・・・」

  「ちょっと外してくれないかな?」

 「嫌です・・・意味がない」

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  • 39

若き闘争の日々・第二章part1 ( ̄ω ̄;)!!

 またしても失職の身となった、にゃべっち。

 地元・愛知の実家に戻り、社会人としてデビューしたのが10月だった。

 幾つか渡り歩いた飲食店は、最短で半日か長くても数日、次のテレアポ営業の仕事も支店長と喧嘩の末、僅か一週間ばかりでピリオドとなった。

 気付けば早や一ヶ月以上が経過していたが、その間面接でトラブルを繰り返したりしているうちに、いつの間にやら師走を迎えていたのである。

 過去の例から、すっかりオバタリアンと飲食店に対してはトラウマを抱えていただけに、営業と販売を除外しての転職活動は簡単なものではなかった。

 腕に特別な技術があるわけでなく、専門的な資格もないとなれば尚更なのはわかりきっていたが、それなりに名の通った大学とはいえ卒業しているわけでもなく、また専攻していた「哲学」というのが、実社会では最も金儲けには結びつきそうもない、という点は早くも痛感できた。

 数年ぶりに住む事になった実家では、母屋とは離れた個人部屋を与えられていたから親の目は殆ど届く事がないとはいえ、それでも風呂と食事の時くらいは母屋へ顔を出さなくてはならない。

 本来ならば、風呂も食事も外で済ませてしまいたいところだったが、そんな金銭的な余裕があるわけもなかった。

 何はともあれ、煩いオヤジの追求から逃れるため、毎日朝9時前には家を出て夜の8時過ぎに帰宅するよう心がけ、外では就職雑誌を読み漁る日々が続いた。

 とはいえ、そうそう毎日面接があるわけでなく、余った時間は喫茶店などで無為に過ごすパターンへと流れてしまい、無駄な金ばかりを費消するという、悪循環である。

 ただ、当時は今とは違い贅沢さえ言わなければ、胡散臭いスキマ産業のような求人の需要はかなりあった。

 勿論、本人自身がまだ21歳と若く、未知の可能性に溢れていたという事情もあったろう。

 (結局、芸のない身では、販売業しかないのかな・・・)

 と妥協しそうな気分で、その日も新聞の求人広告を眺めていると

 <大手百貨店で、名入れサービスをしませんか?>

 という広告が目に入り

 (デパートで名入れって・・・一体、なんだろう・・・?)

 と興味を惹かれ応募すると、早速面接のお誘いが掛かった・・・(; ̄ー ̄)...ン?

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  • 38

若き闘争の日々(最終回) ヽ(`Д´)ノ

 (それくらいは、よほど鈍感でなければわかりそうなもんだ・・・)

 と、腹の中でせせら笑いつつも

 「そうですか・・・」

 とだけ答えた。

 「なぜ、私の話を疑った? 
 キミ以外はみな、真剣に聞いていたんだ・・・なぜ、私の話を信じなかったのかね?」

 この辺りから

 (なんでこんなクダラン事で、わざわざ呼び立てられなければならんのか?)

 と、次第に腹立たしさが込み上げて来たのである (" ̄д ̄)けっ

 こうなると、直ぐにホンネが口を突いて出てしまうのが、持って生まれた性分だ。

 「なんでと言われてもね・・・私の心の持ちようにまで、異議を唱えるのはおかしいですな。
 あのヒトラーでさえ物理的な強制はしたけど、精神的なところ(思想)にまでは踏み込まなかったんでしょ? 
 てことは、ヒトラー以上の独裁者?」

 「それは話が違うだろう、君・・・」

 「違うって、どう違うの?」

 「なんで、そう理屈をこねるのかね・・・」

 「そもそも、いちいちそんな事で気分を悪くするような、そんな程度の人物なのか・・・? 
 それでは、いかにも大人げないと思わないの?」

  「キミも、イチイチかわいげのない男だな。

  一体、君はこの仕事に対して、真面目に取り組もうという気持ちがあるのかね?」

  「まあ、最初はそのつもりでしたが・・・正直三日目くらいからは、虚しくなって来たというか。
  みんなそう言ってますけど、その実態はご存知なのですか?」

 この際、開き直る腹を決めたのである。

  「とにかくだ・・・キミのような万事に付けて疑い深い、いや不真面目な人間にこのシビアな仕事は、到底やり遂げられないというのが、私の結論だ」

  「ああ、そりゃ結構だとも・・・オレも、こんな仕事は肌に合わないと思っていたところだったし、辞めるタイミングとしてはちょうど良いですな。
  もう、こんなインチキくさい商売の片棒担ぐのは、こっちからも断るよ」

 と思わず「地」が出てしまい

 「インチキくさいとは何だ、貴様!」

 「あくまで、事実を言ったまでだ!」

 などと、支店長とはしばし口論が続いた ;(;(;*;゚;∀;゚;);););ノ゙アーッヒャッヒャッヒャッヒャァー

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  • 37

若き闘争の日々part4 ( ̄д ̄)ブツブツ

 支店長による、執拗なマインドコントロールの甲斐あってか、かなり有難がって緊張の面持ちでシャチホコばっていた愚か者が、案外に少なくなかったのは情けなかったが、頭から馬鹿にしていたワタクシの目には、どう見ても「ありがたーい生き神様」というよりは、単なる「赤ら顔で太った、俗物オヤジ」にしか見えなかった。

 ともあれ、異様なムードの中で「訓示」が始まった。

 (どーせ、ロクな話はしねーんだろーし・・・退屈になりそうだ)

 と頭から決め付けていただけに、どんな内容だったのかサッパリ記憶にない(というよりは、まともに訊いていなかったから、記憶に残るわけもないがw)

 と言う事は、途中からでも聞き直したくなるような魅力的な話は一切出なかったという事であり、微かに記憶にあるのは予想した通り、酔っ払いが呑み屋でオダを上げ、濁声張り上げ話すような与太話のオンパレードが延々と展開され、途中で面倒になるまでは

 (嘘付け、このデブが! 
 そんな事があったら、お笑い種だぞ)

 といった調子で、例によって腹の中でボロクソに扱き下ろしていた気がする (* ̄m ̄)ブッ

 こうして、ひたすらに冗漫なばかりの「訓示」が終わり、皆がつまらない仕事を仕方なく再開してしばらくすると、支店長からにゃべっちにだけ、お呼びが掛かったのだった。

 (さては・・・オレの才能を一目で見抜いた?
 だとすれば満更、あのタヌキの話も満更与太ではなかったのか・・・?)

 と半信半疑で支店長室へ行くと、やけに険しい表情をした支店長が

 「まあ、そこへ掛けたまえ・・・」

 と、向かいのソファを勧める仕草をした。

 「なぜ、君だけを呼んだかわかるかね?」

 (そりゃ言うまでもなく、タヌキが私の天才を見込んでの事でしょう・・・)

 という本音は飲み込み

 「いや全然・・・サッパリ・・・」

 などと、空トボケテ見せると

 「先の社長の訓示だ・・・君は私の話を聞いてなかったのかね? 
 社長は一目で、相手の心を見抜く天才だという話を・・・」

 「一応、訊いてましたが・・・」

 「社長が大変に、気を悪くなされたようだ・・・
一人だけ、まじめに話しを聞いてないのがいるが、あれは何だと私がこっ酷く叱られたよ。

 疑いを持ったまま、話を聞いているところまで見抜かれていたぞ・・・」

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  • 36

若き闘争の日々part3 ウゼ──(-´д`-)y──┛~~

 「今日の午後に、東京から本社社長がおみえになられる事になった。

 社長から訓示があるので、皆謹んで聞くように」

 と勿体を付け

 「この、社長というお方は・・・」

 と、実に馬鹿馬鹿しい自慢話を始めたのである (ー_ー )ノ" パス

 内容を書くのも虫酸が走りそうだが、要するに一代で叩き上げてきたその人物が、いかに超人的な人物であるかという事を「販売の神様」だの「人の心を見透かす達人」だのと、使い古された陳腐な台詞を並べ立てながら、臆面もなくこれでもかと持ち上げてみせるのである。

 このような「生き神様」のような、ありがたーい存在に「拝謁」するような機会は人生においても滅多にない僥倖なのだから、謹んで拝聴するとともに訓話の時は、絶対に粗相のないよう注意しろ

 といったタワゴトが、壊れたテープレコーダーのように何度も繰り返されたのであった。

 そして、最後には

 「このお方の特技は、とても言い尽くせないくらいに沢山あるが、その中で最も優れているのは相手の表情を観ただけで、その人が何を考えているのかというところを、総て見抜いてしまう点である。

 まさに神懸りのようなお方であり、それだから疑いを持ちながら話を聞いていたりするような不埒者は、間違いなくお叱りを受けるであろう・・・」

 とまで、臆面もない真顔で言ってのけたのには思わず失笑を禁じえず、ジロリと睨まれてしまった。

 支店長自身が、あたかもインチキ新興宗教の俗物教祖を崇め奉る、盲目の羊と化した信徒の如しである。

 この際、あまりのバカバカしさに昼休みに抜け出したまま得意のトンズラを決め込もうかとも考えたが、趣味の悪い事に

 (果たして、どんなバカモノが出てくるやら ( ;¬_)ジーーーッ

 という好奇心が少しだけ頭を擡げてきたから、我ながらタチが悪い。

 そうして昼過ぎには、勿体をつけるためか予定より大幅に遅れて「生き神様」がやって来ると、普段はソファに踏ん反り返って威張りまくっている支店長が、まるで人が違ったようにコメツキバッタよろしく、盛んにヘコヘコとしているさまは実に滑稽であった (゚c_,゚`)プッ

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  • 35

若き闘争の日々 part2 ヽ(`Д´)ノ

 2日目の、昼休みの事。

 同じくらいの年齢の仲間(当然の事ながら、皆20代前半くらいのばかりだったが)3人と、昼食に行った。

 一番新入りのワタクシが

 「みんな、アポとか取れてるの? 
 オレは昨日からやってて、サッパリなんだけどなー」

 と水を向けると

 「ぜーんぜん。
 私は今日で一週間目だけど、まだたったの2件だよー。
しかも2件とも、営業が売れずに終わってるし・・・」

 「まだ、いい方じゃん。
私なんか4日目だけど、昨日までゼロだよ」

 「オレなんか1ヶ月近くやって、まだアポ2件だぜ・・・
 そのうち1件は売れたみたいだけど、結局トータルで5万くらいにしかなってないよ・・・」

 と、やはり誰もが上手く行っていないのは明らかなようだった。

 「やっぱ、みんな同じようなもんかー。
 どうも、インチキ臭くないかな?」

 「ホント、そう思うよな・・・
 名乗った途端に、電話切られちゃうようなのが多いし」

 「なんか、評判悪くない?」

 「9割くらいは、まったく相手にされないし・・・なんか虚しくなっちゃうよねー」

 「私も沢山の子に聞いたけど、成績のいいコで二週間で6件とかってコがいたけど・・・でも1件も売れなかっから、結局5万くらいにしかならないんだってさ」

 「なんか最初の支店長の言ってた話と、全然金額が違うような・・・」

 「計算が違ってませんか? って訊いたら、経費とか差し引いてとかなんとか、ヘ理屈で丸め込まれちゃったらしいよ」

 「大体、契約取れたって話、滅多に聞かねーしな・・・
10件に1件も、なさそうだよな・・・」

 「あれも、なんだかインチキっぽくない? 
実際には取れてても、わかんないわけだしねー」

 「大体、あんなのを数万も出して買うヤツが、そうそういるわけないよなー。
実際いたとしても、売れなかったと言われれば確かに、オレたちにはわかんねーし」

 「1ヶ月もいても、訪問アポが2-3件しか取れないってコも多いみたいだよね。
まあ普通なら、それまでには辞めちゃうけどさ」

 「それだと、月収1万かそこそこだろ・・・やっぱ、完全歩合制ってのがインチキ臭かったんだよな」

 「つーか、1件も取れずに辞めたヤツの方が、遥かに多いんじゃねーか?」

 などと、訊けば訊くほどに何ともインチキ臭いのである。

 名古屋支店長から皆が集められたのは、そんな会話があった翌日であった・・・

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  • 34

若き闘争の日々 part1 ヽ( ´ー`)ノ

 とにもかくにも早く仕事を決めなければいけない、というところまで来ていたのである。

 英会話の教材販売で知られる「B社」の求人広告に釣られ、早速応募して面接に行くとその場で採用が決定した。

 仕事は訪問セールスだが、初心者はテレアポから始める。

 どこから手に入れたか、膨大にある名簿のようなものに片っ端から電話を掛けていき、自社の教材のPRをしていくのだ。

 電話の遣り取りで、少しでも興味を示した客にアポを取り訪問販売をしていく、あの悪評高い類の外資系企業であった。

 面接時の説明では

 「一セット売ったら、報奨金が5万円・・・ただし独力の場合だけどね。
 最初はベテランに付いて、セールスのコツを覚える。

 慣れてきたら、一人で行って貰うよ。

 ま、うちの教材ならフツーにしていても週に一セットは売れるはずだから、月に最低でも20万くらいにはなるはずだ。

 コツを掴んだ人なら、アナタのように20代前半の若い人でも週二~三セットは売るからね・・・これで、月収は50万。
 月収100万くらいはゴロゴロといるし、年収数億円も実際何人もいて、毎日ポルシェで出勤してるなー。
 ちなみに名古屋支部長のオレなんかは、月100~150くらいだからまだまだかな」

 (ホンマかいな・・・)

 月に100~150セットといえば、毎日三~五本はコンスタントに売る計算だからいかにもウソ臭い気がしたものの、週に一セットか二セットくらいなら案外、簡単そうに思えた。

 (仮に月六セットを売れば月収30万となり、大卒初任給が20万弱程度だろう事を考えれば、遥かに稼げるかも (`m´+)ウシシシ

 などと、取らぬ狸の皮算用をしていたのだった。

 が、言うまでもなく、現実がそうそう甘いわけはない。

 まず、テレアポの段階で説明どころか社名を名乗っただけで、バチバチと電話を切られてしまうケースが多く、とても訪問どころではないのである。

 商品のせいもあるだろうが、テレアポというものの難しさや虚しさを散々に味わされる事になった。

 また首尾よく訪問アポを取り付けた場合も、まずは営業に渡さなければならず後は営業の手腕頼みで、売れれば大枚が手に入るが売れなければスズメの涙である。

 誰に聞いても、来る日も来る日も朝から夕方まで電話を掛け続けても、訪問アポを取り付けるまでがひと苦労、というのが実情のようであった ( ̄_ ̄;) うーん

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  • 33

コンピューター占いpart3 (-_-メ)

 なにしろ人一倍デリケートな性質だけに、学生時代のような気心の知れた相手とならともかく、知らない人間とでは雑魚寝はおろか二人部屋の同室でさえ、断じて我慢出来ないのである。

 (その点を今一度、よく確認せねば・・・)

 と思いつつも、いざ雑魚寝だと言われた場合に今更断る億劫さを考えると電話に手が伸びず、気にはなりながらもそのまま放っておくと、当然の事ながら先方から電話が入った。

 「どうですか? 
 やってみる気に、なりましたかな?」

 「いや実は・・・今更ながら一つお聞きしたいのですが、出張の時の宿泊ってのはどうなるんでしょう?」

 恐る恐る切り出したものの、相手は至極あっさりと

 「ああ、それは心配無用。
 宿舎は総て、ちゃんとしたホテルを抑えてありますからねー・・・
 勿論、出張費用も宿泊費等は、総てこちら持ちで・・・まあ、何人かで雑魚寝にはなるけどね・・・」

 「雑魚寝って・・・確かその仕事は、私が一人でやると訊いていたような・・・」

 「いや、一つのデパートには一人だけど、幾つかのデパートを分担してだからね。
 向こうにもウチと同じような業者があって、そこと提携しているんだけどね、そのメンバーたちと雑魚寝だな。
 なーに、みんなアナタと同じようなザックバランな若い連中ばかりだし、すぐに友達になれるだろう」

 (そういう問題ではないのだ・・・)

 「う~ん・・・雑魚寝だけは、遠慮したいですね・・・」

 「そうかー、雑魚寝は嫌かー・・・
 仕事そのものは最新のコンピューター占いだし、若い女性が相手だし色々行けて面白いと思うんだけどなー。
雑魚寝だけは、何とか我慢して出来ないかな・・・?」

 確かに雑魚寝さえなければ、魅力を感じる仕事なのだが・・・

 「個室ならば、喜んでやりますが・・・」

 さすがに若いだけに遠慮がない。

 「それは無理だなー。
 一人だけ個室というのはね・・・予算もあるしね・・・」

 「では折角で申し訳ありませんが、やっぱり雑魚寝だけはどうも・・・
 この前は、あれだけご馳走になってしまってからで大変に申し訳ないのですが、やはりそういうわけで今回は辞退させていただきたく・・・」

 さすがにこの時ばかりは、心底恐縮しきりのにゃべっちであった (-_-メ)

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  • 32

コンピューター占い part2 (゜艸゜;)フ゛ッ

(どうしたものか・・・いい話のようだし、引き受けるか?)

 と迷っていると

 「オーイ」

 というオジサンの呼び掛けに従って、奥さんが出て来たのである。

 「オイ、いい人が来てくれたよ・・・まさに、イメージにピッタリの人だ。
 前祝いに、ビールを持って来てくれ・・・あと何か、摘むものも並べてあげて・・・」

 とあっという間に昼間から、テーブルにズラズラと摘みが並び始めたのには参った (; ̄ー ̄)...ン?

 「まあ、遠慮なくやって下さいな・・・オーイ、こんだけしかないのか・・・
 何か料理でも作って、持って来てくれよ・・」

 「いや、まだ正式にやると決めたわけじゃないし、今からご馳走になるわけにも・・・」

 「なーに、若い人が遠慮なんかしてちゃダメダメ。さあさあ」

 と言っているうちに、奥さんの手になる料理までが並び始めたから、益々困ってきた (´-ω-`)うーん

 オジサンが酌をする間にも料理は続々と運ばれ、冷蔵庫のものを全部出して来ているのではないかと疑ったくらいに、まだ陽の高いうちから時ならぬ豪勢な宴となったのである。

 (取り敢えずやってみて、ダメだったらやめればいいかな・・・?)

 と例によって軽く考えつつ、半ばヤケクソ気味に食い散らかしている間も

 「いやー、本当にこんな良い人が来てくれるとは、思わなかったなー。
 この人なら、どこへ行っても女性に人気が出そうだねー」

 すっかり顔を赤くしたオジサンは目を細めて、奥さんに対して絶賛するばかりである。

 そんなこんなで、散々に呑み食べをした末に

 「前向きに考えて、明日には返事をします・・・」

 と答えておいたが、腹の中は半ば以上はやる方向に傾いており、オジサンの方も手応えありげな表情である。

 そうして自宅に帰ると、若い女性に囲まれて尤もらしい顔をして「コンピューター占い」をしている姿を想像しながら、しばらくほくそえんでいたが

 (まてよ・・・確か関西に出張の時は、1週間とか宿舎に泊まりがけだとか行っていたが・・・
 その間は知らない連中と、雑魚寝とかになるんじゃないだろーな? 
 確かやるのはオレ一人のハズだから、一人部屋のはずだよな・・・)

 と酒が入ってウワの空で話を訊いていて、肝心なところを訊き忘れていた事を後悔した  ̄_ ̄;) うーん

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  • 31

コンピューター占い (*´ー`) フッ

 度重なる「食い逃げ事件」によって、さすがのズボラなにゃべっちにも日毎に罪悪感がヒシヒシと募り

 「やはり、洗い場なんてのは向かんな・・・」 

 と、方針転換を図る事にした。

 そんな折り、新聞の求人広告で目にしたのは

 《コンピューター占い》

 なる仕事である。

 当時は、まだPCも一般家庭では高嶺の花であり、コンピューターには誰しも免疫のない時代だから

 「コンピューター××」

 という名前だけでも、あたかも大層な印象を与えた。

 広告には

 《デパートなどで、デモンストレーションを行っていただきます。
 客層は女性ばかり・・・大阪など関西方面へ出張出来る方、歓迎!》

 と謳ってあり

 (コンピューターなんてカッコ良さそうだし、少なくとも洗い場よりは楽だろ・・・)

 と、珍しくやる気がムクムクと頭を擡げてきたのも無理はない。

 しかも懐かしい思い出のある大阪方面へ、タダで行けるというのも大きな魅力に思えた。

 早速電話を入れると、ともかく一度来てくれという返事で名古屋にある指定の場を訪れると、会社というよりは個人商店といった平屋建てに「コンピューター」のイメージとはおよそ懸け離れた、50絡みのオジサンが出てきて

 「やあやあ、ようこそ! 
 ところで、あなたはコンピューター占いは知っていますかな?」

 知らないと答えると

 「デパートなんかの展示スペースを借りて、デモンストレーションをやって貰うんですよ。
 お客さんは大体、学生さんから20代前半の若い女性ばかりだから、私のような年寄りよりは若い男性の人にやって貰った方が、受けがいいと思ってね・・・ 

 名古屋の4M(松坂屋・三越・名鉄・丸栄)だけでなくて、大阪方面にも行って貰いたいんだけど、その点は大丈夫なのかな?」

 「それは、まったく問題ないですが・・・」

 「そうそう。
 アナタは京都の大学を出ているんですね。
 そりゃ尚更好都合だ・・・どうです、ひとつやって貰えないですか?」

 「うーん、どうしたものか・・・少し考えさせて貰えますか・・・」

 「いいけど、私としてはアナタさえ良ければ、もうこの場で決めてしまおうと思ってますよ。
 何せ先にも言った通り客層は若い女性ばかりだから、あなたのような若い女性に好まれそうな人が理想でね。
 まさに私には、イメージピッタリなんだけどなー」

 とオジサンの方ではろくに話さないうちから、すっかりと乗り気になって来たから面喰った (;^_^A アセアセ

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  • 30

食い逃げ εεεεεヾ(*´ー`)ノ トンズラッ

 当時は今とは違い求人案件はかなり沢山あり、また贅沢を言わなければそれなりに選べた時代である。

 そして次に採用されたのは、和食の店であった。

 (ここなら怪しげな雰囲気と、カップルに悩まされる事もないだろう・・・)

 というのが目算であった。

 ところが、この店のスタッフはいずれもが中年以上で、この道ン十年というベテランという顔ばかり(実際には、30代前半くらいも混ざっていたかもしれないが、20歳そこそこの当時の目からすればかなりの年配者ばかりに見えたものである)である上に、職人気質というかムッツリとした性格が揃っていたために、陽気な青年のにゃべっちとしては、どうにも馴染めない雰囲気なのである。

 そんな針の筵のような状況の中、午前中の苦役をなんとか我慢して凌ぐとランチタイムに備えて一足早く昼食となり、皆でテーブルを囲んだ。

 この昼食の時さえもテーブルを囲んだ皆が押し黙ったままで、ただひたすらに黙々と箸を口に運ぶだけだから、初出勤の身としてこれほど座り心地の悪い事はない。

 そうした暗い雰囲気の中で、食事を終えると

 「ちょっと息抜きに、外へ出て来ます・・・」

 と言い残して、またしても早々にズラカル事に・・・εεεεεヾ(*´ー`)ノ トンズラッ

 前回と同じく、結果的には食い逃げと言う形となったのである ( ̄m ̄*)ブブッ

 こうして度重なる「食い逃げ」によって、さすがに罪悪感が募ったこともあり

 「やはり飲食店は向かんわ・・・」

 と方針転換を図る事にした、にゃべっち。

 ちょうどそんなタイミングで、新聞の求人広告に目を落としていると

 「コンピューター占い・スタッフ募集!
 大阪始め関西圏へ、定期的な出張デモあり!
 関西へ出張可能な若者優遇!」

 という、魅力的な好条件の案件が飛び込んで来た。

 (これなら洗い場よりは遥かに楽そうだし、関西へタダで行けて若い女性が相手とは、いい事ずくめじゃないか・・・)

 と早速、電話を取り上げてダイアルを回した・・・(  ̄∇ ̄)σ|[] ボチッ

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最終更新:2008年02月10日 01:10