オブリビオン図書館内検索 / 「後衛の心得」で検索した結果

検索 :
  • 書物/後衛の心得
    後衛の心得 テナス・ムーアル 著  城は持ちこたえるだろう。どれほどの武力を持ってしても、カスカベル邸の壁が揺らぐことは決してないはずだ。しかしそれはメネグールにとって小さな慰めでしかなかった。空腹だった。実際、ここまで空腹になったのは初めてだった。要塞の中庭にある井戸は、第四紀までも持ちこたえられるほどの水を供給してくれてはいるが、それでも何か食べるものが必要だということを忘れる暇を胃袋は与えてくれなかった。  荷車一杯の補給品はメネグールを欺いた。彼を雇っていたソリチュードの王の軍隊がカスカベル邸を離れ、その撤退を援護する後衛として彼が銃眼に配置された時、数ヶ月は持ちこたえられるだけの食料を積んだ荷車が彼のために残された。食料庫であるはずの荷車を実際に調べ、そこに何も食べられるものが積まれていないことを知ったのは、軍が撤退した翌晩のことだった。どのトランクを開けてみて...
  • 装丁別書物
    .../苦痛の典礼 書物/後衛の心得 書物/シェイディンハル案内書 書物/種族別の系統発生論 書物/商売の才覚 書物/焼炉の適切な使用 書物/スキングラード案内書 書物/センチネルに落ちる夜 書物/月夜のロルカーン 書物/デ・レルム・ディレニス 書物/ドゥーマー太古の物語 第5部 書物/ブラヴィル案内書 書物/レヤウィン案内書 茶4 -茶4の書物一覧を見る 書物/アクラシュの最後の鞘 書物/アルゴニアン報告 第2巻 書物/栄誉の金色リボン 書物/オルシニウム陥落 書物/狂気の十六の協約 第六巻 書物/狂気の十六の協約 第九巻 書物/狂気の十六の協約 第十二巻 書物/鏡面 書物/虚偽だらけの現実 書物/軽装鎧の修理 書物/言葉と哲学 書物/ザレクの身代金 書物/シシス 書物/重装鎧の修理 書物/ジョルニブレット最後の踊り 書物/盗賊の台頭 書物/ネクロム事件 ...
  • 分類別書物
    ...舞う 第7章 書物/後衛の心得 書物/氷とキチン 書物/戦士 書物/タララ王女の謎 第1巻 書物/タララ王女の謎 第2巻 書物/タララ王女の謎 第3巻 書物/タララ王女の謎 第4巻 書物/タララ王女の謎 第5巻 書物/盗賊 書物/避難民たち 書物/ファーストホールド反乱 書物/本物のバレンジア 第1巻 書物/本物のバレンジア 第2巻 書物/本物のバレンジア 第3巻 書物/物乞い 物語(戯曲) -物語(戯曲)の書物一覧を見る 書物/アルゴニアンの侍女 書物/仮説上の欺まん 書物/クレイトリー家の伝説 書物/ジール城の恐怖 詩歌 -詩歌の書物一覧を見る 書物/アベルナニット必殺の一撃 書物/ジョルニブレット最後の踊り 書物/戦士の突撃 書物/第三の扉 書物/ドゥーマー太古の物語 第5部 書物/謎かけの赤い本 書物/品性を改善した歌 書物...
  • 書物
    ...UESPWiki) 後衛の心得 (The Rear Guard - UESPWiki) 氷とキチン (Ice and Chitin - UESPWiki) 言葉と哲学 (Words and Philosophy - UESPWiki) 子供向けのアヌの伝記 (A Children's Anuad - UESPWiki) コロール案内書 (Guide to Chorrol - UESPWiki) さ 曝されし手掌の道 (Way of the Exposed Palm - UESPWiki) ザレクの身代金 (Battle of Sancre Tor - UESPWiki) サンクレ・トールの戦い (The Ransom of Zarek - UESPWiki) ジール城の恐怖 (The Horrors of Castle Xyr - UESPWiki) ジーロットについてS...
  • 書物/アネクイナの心
    タペストリー職人へのインタビュー 第18巻 アネクイナの心 帝都大学教授 リヴィラス・ペラス 著  マクァマット・ルサイン(第17巻でインタビューをされた人物)と同時代に生きたカジートのチェリムが織り成すタペストリーは、この30年間で帝都一の傑作と称えられている。彼の4つの工房はエルスウェーアに点在し、彼の作品を複製している。彼のオリジナルの作品は目から星が飛び出そうな値段で売られている。皇帝もチェリムのタペストリーを10点所有しており、皇帝の代理人が今も追加5点の販売について交渉にあたっている。  チェリムの作品は、輝く質感と押さえた色使いとを対比させているところがこれまでのタペストリーとは違うところだ。近年の彼の作品のテーマは古代の伝説である。たとえば「世界の配置を決める会議」や「預言者ヴェロスについてモロウウィンドへと旅するシマー」、「白金の塔における野生...
  • 書物/火中に舞う 第4章
    火中に舞う 第4章 ウォーヒン・ジャース 著  18人のボズマーと1人の帝都建設会社の元事務員デクマス・スコッティは、重い足取りでジャングルの中を西へ、ザイロ川からヴィンディジの古い集落へと向かっていた。スコッティにとって、ジャングルは敵意に満ちていて居心地が悪いところだった。巨大に生い茂った木々が明るいはずの朝の日差しを闇で覆ってしまい、彼らの進行を妨げる邪悪な爪のようだった。低木の葉でさえも、邪悪な力によって震えているかのように見えた。さらによくないことに、不安そうなのは彼だけではなかった。彼と共に旅をしているのは、カジートの攻撃を生き延びたグレノスやアセイヤーの地元民だが、その顔は明らかに恐怖におびえていた。  ジャングルの中には何かの感覚、単なる乱心ではなく、その土地固有の慈悲深い精神を感じさせる何かがあった。それでもスコッティは視野の端に、自分たちのあとをつけ木...
  • 書物/鎧の手引き
    鎧の手引き  この手引書は帝都の将校を対象とした、ウォーハフト将軍の監修による防具についての解説書である。  戦場では、兵士の防具は主たる任務に適したものでなければならない。斥候兵、軽騎兵、射手、尖兵には軽めの防具を身につけさせ、機動性とスピードを損なわせないことが肝要である。キュイラスとグリーヴは彼らの基本とも言うべき装備である。兜、篭手、ブーツは騎兵や尖兵には役立つが、斥候や射手には向いていない。  軽装は毛皮、革、鎖帷子、ミスリル、エルフ、碧水晶などから作られる。毛皮がもっとも安価で耐久性がなく、前述の順に質と値段が高くなっていき、碧水晶がもっとも高価で頑丈である。毛皮や革製の防具、鎖帷子は帝都のどこでもすぐに入手できる。ミスリル、エルフ、碧水晶はきわめて珍しい素材のため、古代の遺跡や僻地の墓所でしか見つからない。  重装は前線の歩兵、槍兵、重騎兵、歩...
  • 書物/預言者アルデン=スル
    預言者アルデン=スル 第二巻 サラセム ニュー・シェオスの壁に近づく者は誰でも、ある壮麗な光景に目を奪われずにいられない。円形の建物から突き出た簡素な塔から立ち上る、神秘的な炎だ。ある者たちはそれを強さと導きのかがり火として捉え、他の者たちは、自らの信仰に対するあざけりとして捉える。両者は、神の寵愛を求めて争う、いわば1枚の硬貨の裏表であり、その非常に興味深い衝突の中心点があの炎なのである。実に驚くべき過去を持つ、平凡な見た目の建物。それがアルデン=スルのサラセムなのだ。 サラセムそのものはアルデン=スルの生涯より以前から存在しているのだが、マニックス派もディメンテッド派も、サラセムの歴史に関して互いに激しく異議を唱えている。マニックス派は、ニュー・シェオスが存在する以前、アルデン=スルが初めて大啓示に苦しみ、盲人となった場所だと信じている。一方のディメンテッド派は、ア...
  • 書物/ウルフハース王 五つの歌
    ウルフハース王 五つの歌 ショールの舌  ウルフハース王の最初の歌は太古のもので、およそ第一紀の500年頃に書かれたものとされている。グレヌンブリアの沼地にてアレッシア派の軍勢が打ち破られ、その戦いでホアグ・マーキラー王が倒されると、アトモラのウルフハースが族長会議によって選ばれた。彼のスゥームが非常に強かったため、口頭で宣誓をするわけにいかず、誓いの儀は書記を介して実施されたとされている。書記たちは戴冠直後にウルフハース王による最初の布令、すなわち伝統的なノルドの神々の業火による復権である。旧態の信仰は違法とされ、僧侶たちは火あぶりに処せられ、その聖堂には火が放たれた。以後、ボルガス王の影響が一時的に弱まることになった。その狂信ぶりにより、ウルフハース王はショールの舌、北方の竜イスミールなどの異名で知られるようになった。 カインの息子  ウルフハース王の...
  • 書物/狼の女王 第5巻
    狼の女王 第5巻 ウォーヒン・ジャース 著 筆:第三紀2世紀の賢者インゾリカス 第三紀119年 21年間に渡って皇帝アンティオカス・セプティムはタムリエルを治め、道徳面でのだらしなさにもかかわらず有能な指導者であることを証明した。最大の勝利と言えるのが110年に行われたアイルの戦いであり、帝都艦隊とサマーセット・アイル海軍は、サイジック教団の魔力と力を合わせ、侵略してくるピアンドニアの大艦隊を壊滅させることに成功した。皇帝の兄弟であるリルモスのマグナス王、ギレインのセフォラス王、そしてソリチュードの狼の女王ことポテマも、それぞれ良く治め、帝都とタムリエルの諸王国との関係は非常に良好なものとなった。それでも、帝都と、ハイ・ロックおよびスカイリムの王たちと間に横たわる傷跡は、何世紀にも渡って放置されたとしてもすべて消えるわけではなかった。  妹とその息子ユリエルが珍し...
  • 書物/フローミルの歌
    フローミルの詩(うた)  フロガーの血を継ぐフローミル  彼の者を宮廷へと呼び寄せたのは  エバースノーの地を統べる王にして  ヴィジンモアの血を継ぐヴィジンダックであった 「大いなる光の魔法の使い手よ  アエルフェンドールの地を征け!  闇の王たちが我が領地に影を落とす!  影の魔女が我が領民の光を奪う!」  王命を賜るフローミル 「この輝く氷の杖に誓い  必ずや成し遂げましょう!  ……ですがしばしのご猶予を  美味なる最上のはちみつ酒と  麗しき四人の乙女が  この地で私を引き止めるのです」  王は静かに首を振る 「この使命半ばに倒れた剣を拾うは  その友たる汝がさだめ」  いつもの余裕はどこへやら  フローミルから笑みが消えた 「ご冗談を  私の友ダーファングの剣に敗北なし  私の杖をおい...
  • 書物/謎かけの赤い本
    謎かけの赤い本  この手軽な書物にこそ、様々な謎かけやおふざけが収められ、入念な研究を通じ、教養ある慎重な紳士は、同輩の者たちの鋭い才知により当惑させられることはなくなるだろう。 [西方の貴族社会では謎かけの応酬は慣習の一つとなっている。貴族や社交界での活躍を図る者たちは謎かけの本を集めて研究し、会話の際に狡猾にして機知に富んでいる印象を与えられるよう、努力を重ねるという。] 問いかけ: 汗水流して働けど 暮らし良くなる気配無し 努力の挙句に手元に残るは 返し: これぞドレイク金貨なり 問いかけ: 人とエルフの心とは 詩人こそ知るところなり 熊に詩吟を詠ませたら 返し: 瞬く間にのけものなり 問いかけ: 爺を殴って殴りつけ 見慣れぬ顔に仰天す 慌てて周囲を見まわせど 返し: 殴る拳を違えたか ...
  • 書物/本物のバレンジア 第3巻
    本物のバレンジア 第3巻 著者不明  数日のあいだ、友人に会えないという悲しみにバレンジアの心は沈んでいた。が、二週間もすると少しは元気を取り戻しはじめていた。こうしたまた旅ができることが喜ばしくはあったが、ストローがそばにいないという喪失感はことのほか大きかった。護衛についていたのはレッドガードの騎士団で、彼らのそばにいると心がなごんだ。かつてともに旅した隊商の衛兵に比べると、ひと回りもふた回りも規律にうるさく、礼儀をわきまえてはいたのだが、バレンジアのおふざけにも気さくに、それでいて敬意を忘れずに応じていた。  シムマチャスはこっそりと彼女を叱りつけた。女王たるもの、ひと時たりとも王族の威厳を忘れてはなりませんと。 「いっさいのお楽しみはおあずけってこと?」と、バレンジアはすねながら訊いた。 「その、ああいう輩とはいけません。女王の沽券にかかわりますか...
  • 書物/シェオゴラスの祝福
    シェオゴラスの祝福 我らがシェオゴラス閣下がなければ、すべての考えは端的で、すべての感情は面白くないものになるだろう。 祝福されしはマッドマン、秘密の知識の鍵を持っているから。 祝福されしは恐るる者、いつも傷つけられることを警戒している。 祝福されしは悩める者、行く末がはっきりしているから。 祝福されしは中毒者、決して引くことのない渇きを癒してくれる。 祝福されしは殺人犯、奇怪な中に美しさを見つけたから。 祝福されしは火を愛す者、その心は常に暖かいから。 祝福されしは芸術家、その手の中で不可能なことが現実となるから。 祝福されしは音楽家、その耳の中で魂の音楽が聞こえるから。 祝福されしは眠らない者、眠れぬ夢を見ているから。 祝福されしは執着する者、我々の敵に常に用心している。 祝福されしは洞察できる者...
  • 書物/月夜のロルカーン
    月夜のロルカーン ファル・ドルーン 著  アダマンチンの塔での出来事に関する様々な報告を説くつもりはない。また、明瞭なる暗喩の戦から生じた話が、俗に呼ばれる「物語」というものの特性に欠けていることに関しても、述べるつもりはない。皆それぞれに、ロルカーンに関するお気に入りの物語、ニルン創造の背後にあるお気に入りのロルカーンの動機や彼の心臓を巡るお気に入りの物語があるだろう。しかし、「月夜のロルカーン理論」はとりわけ注目に値する。  端的に言うと、今も昔も月は、ロルカーンの「聖なる肉体」の二等分から成り立っている。ほかの神々のように、ロルカーンは「偉大なる創造」に加わった惑星であった… 八聖者は自らの神聖なる肉体を一部貸し与え、死すべき惑星を創り上げた。一方で、ロルカーンの肉体は粉々に砕け、流星の如くその聖なる光はニルンへ落ち、「その存在価値と多少の利己心の跡を残す」こととな...
  • 書物/聖アレッシアの試練
    聖アレッシアの試練 (『聖アレッシアの試練』より抜粋)  はるか昔、アカトシュはアレッシアと契約を交わした。アカトシュはオブリビオンのもつれたかせを集めると、みずからの心臓の血のしたたる腱でもってしっかりと縫い合わせ、アレッシアに授けながらこう言った。「これをわが誓いの証とするがいい。おまえの血と誓いが誠実さを失わないかぎり、わが血と誓いも誠実でありつづけよう。この王者のアミュレットを象徴として契約を交わすとしようぞ。われは精霊の王として、おまえは人間の女王として。おまえが死にゆくものの証人となるように、われは不死なるものの証人となろう」  さらに、アカトシュはみずからの胸から燃えさかる心臓の血をひとにぎりほどえぐり取ると、アレッシアの手に持たせてこう言った。「これも、われらの血の絆と永遠の約束の証とするがいい。おまえとその子孫が王者のアミュレットを身につけるかぎり...
  • 書物/虚偽だらけの現実
    虚偽だらけの 現実 「幻惑」と「変性」は混同しやすい。両者ともそこに存在しないものを作り出そうとするものだからだ。二つの違いは自然界の法則にある。「幻惑」は自然界の法則に縛られることはない。一方、「変性」はその法則に則っている。これだけみると、「変性」が「幻惑」よりも弱きものであるかのようにみえるが、そうではない。「変性」は誰にでも認知できる現実を作り出す。「幻惑」の作り出す現実とは、その術をかける人とかけられる人のみの間にしか存在しない。 「変性」を習得するには、まず現実が虚偽であるということを受け入れることから始まる。現実は存在しない。我々の現実とは、その自らの慰みのために我々の心に宿すこととなる、より偉大な力を理解することである。その偉大な力が神々であるという者もいれば、神々をさらに超えた何かであるという者もいる。ウィザードにとって、それはたいした問題ではない。肝心...
  • 書物/第三の扉
    第三の扉 アンアナー・オルム 著 Ⅰ.  私は唄う、斧の女王、エラベスの唄  手斧1本、二振りで、エルムの木も真っ二つ。  楽しむだけで、ヴァレンウッドも更地同然。  テル・アルーンに居たときに、アルヘデイルに教わった。  突きに打撃に立ち回り、全部教えてもらえたの  斧の華麗な躍らせかたを。  彼は色々教えたわ、オークの棘つき斧のこと  ウィンターホールド大好きな、6フィートの巨大斧  西のエルフはくりぬき斧で  肉を切り裂き、口笛の音。  片刃の斧で頭2つ  両刃の斧なら10個は並ぶ。  暮らすところは伝説どおり  彼女の心を大斧で、断ち割った人と一緒に暮らす。 Ⅱ.  ニエノラス・ウルワース、偉大な男は生まれも育ちもブラックローズ  斧の勝負でエラベスに、勝れる唯一の男だわ  木を切る勝負を1分間、彼女は50、彼53。  そ...
  • 書物/異端の発想
    異端の発想 狂信はシヴァリング・アイルズから一掃されるべき忌まわしきもである。たとえもう1つの魂にであろうと奴らの教義が広まるのに耐えられなぬ。奴らは信念に欠けているという理由で我々を異端者と呼ぶのだ。だが我々はその名を快く受け入れよう、そして名誉に値するものを作り上げるのだ。 真実を述べるのは異端にあらず。不当な支配者を非難することは異端にあらず。真の信条を守るため武力を持ち行動することは異端にあらず。我々はシヴァリング・アイルズではいわゆる異端者だが、異説など述べてはおらぬ。真実を述べているのである。 我らが君主、シェオゴラスは、単なる人間にすぎぬ。奴は唯一、肉と血を持っているが、神などではなく、もちろんデイドラの王子たちでもない。デイドラの王国には王子などおらず、唯一我々の命令で召喚するハンガーのような卑しき従者がいるだけだ。 あの偽のシェオゴラスは...
  • 書物/ジーロットについて
    ジーロットについて シェオゴラスのジーロット 自称「シェオゴラスの狂信者」たちは、我らの君主が単なる驚くべき不思議な力の持ち主ではなく、生ける神だと信じている。そしてその意志によって大地は保たれ、そこにあるすべてが彼の気まぐれによって支えられていると信じているのだ。我らの内奥の風を読む者、アルデン=スルは、シェオゴラス閣下が定命の形で現れたものであり、世界を清めるために再び現れるだろうと彼らは信じている。その主張は明らかに馬鹿げているため、すべての狂信者たちはかなり狂っているものと思われる。 狂信者たちに道理を説くことはできない。彼らを容易に扱ってはいけない。彼らは目につけばほとんど誰でも異端者あるいは異教者と見て、攻撃してくる。彼らは大虐殺を大いに楽しみ、相手が死ぬまで戦う。 読者は疑問に思うかもしれない。どうやって人は狂信者に加わるのかと。研究を重ねた...
  • 書物/アベルナニット必殺の一撃
    アベルナニット必殺の一撃 賢者ゲオクラテス・ヴァーナスによる解説  壊れた狭間胸壁と大破した壁  恐怖(1)の崇拝が一時受け入れられた場所。  50回の冬(2)の傷、霜と風  不浄の門を砕き、穴を開け、  そして、酷くみだらな尖塔を降ろさせた。  すべては塵、すべては塵にすぎない。  血は乾き、そして悲鳴はこだまして消えた。  荒れた丘に囲まれた、見捨てられた場所  モロウウィンドの  アベルナニットの不毛な骨がある。  三度祝福されたランギディル(3)が初めてアベルナニットを見たときは、  力と不変性で光沢のある銀色に輝いていた。  恐ろしい場所を恐ろしい男たちが守っている  熱を帯びた硝子の目と恐怖を介しての力  敵数のほうが遥かに多いのをランギディルは見た。  彼が率いる数名のオーディネーターとボイアント・アーミガーよりも、  野原と死...
  • 書物/評論・深遠の暁 第1巻
    評論・ザルクセスの神秘の書 第1巻 マンカー・キャモラン 著 デイゴン  ようこそ、修練者よ。まずは安心してもらいたいのだが、マンカー・キャモランもかつては諸君たちと同じように眠り続ける浅はかで、デイドラの精力を宿していた。死ぬ定めの我々は皆、夢の保護膜、すなわち母親との共生のために用意された退避場所を離れて誕生し、実戦と親善に努め、新たな瞳を通して見ることによりやがて母親が背後にいてくれることを求めたり恐れたりしなくなり、ようやく家庭を離れる。そしてその時、我々は彼女を永遠に破壊し、神デイゴンの領域に入る。  読者諸君、本書はその領域への扉であり、諸君は破壊者ではあるが、それでもなお制約は甘んじて受け入れなければならない。立ち止まれるだけの賢明さを持つ者のみを神デイゴンは受け入れる。それ以外の者たちは、愚かにも走り出すことにより、オルビスに命を奪われるだ...
  • 書物/王者のアミュレット
    王者のアミュレット ウェネングラス・モンホナ 著  第一紀初頭、アイレイド、あるいは「ハートランドのハイエルフ」と呼ばれる強力なエルフの一族が、中央タムリエルで圧政を敷いた。横柄で傲慢なアイレイドは、危険きわまりないデイドラロードを頼ってデイドラと死霊を呼び出させ、軍隊を編成していた。アイレイドはこの恐れを知らない魔法の軍団を使って若い人間に容赦なく襲いかかり、気の向くままに虐殺し、奴隷にした。  苦しみにあえぐ人間の姿を見かねたシロディール家の始祖、聖アレッシアは、気高きエイドラを統べていた「時の竜神」アカトシュに助けを求めた。アカトシュはもだえ苦しむ人間を哀れみ、みずからの心臓からかけがえのない血をしぼり出すと、その血で聖アレッシアを祝福した。そして、アレッシアの家系が竜の血族に誠実でいるかぎり、アカトシュはオブリビオンの門をかたく封じ、彼らの敵であるデイドラ狂いのア...
  • 書物/火中に舞う 第2章
    火中に舞う 第2章 ウォーヒン・ジャース 著  完全に失った。キャセイ・ラートは数分で、隊商の中にあった価値のあるものをすべて盗み、破壊して行った。デクマス・スコッティがボズマーとの貿易を見込んでいた木の積み荷には火をかけられ、絶壁から落とされた。彼の衣服や仕事の契約書は引き裂かれ、こぼれたワインや土のぬかるみの中にすり込まれていた。一行の巡礼者や商人や冒険者たちは皆、愚痴をこぼし泣きながら、夜明けの太陽が昇る中、残った持ち物を集めた。 「なんとか『ムノリアド・プレイ・バー』の翻訳に必要な覚え書きを手放さずにすんだことは、誰にも言わないほうがいいな」と、詩人グリフ・マロンはささやいた。「おそらく皆が私を狙うであろう」  スコッティはどれだけマロンの所持品に対して微少な価値しか見出せないかを伝える機会を辞退した。その代わり、彼は自分の財布のなかのゴールドを数えた。3...
  • 書物/評論・深遠の暁 第4巻
    評論・ザルクセスの神秘の書 第4巻 マンカー・キャモラン 著 ガートック  第4の鍵を持つ者は、それによりその心を知るべし。マンデックス・テレンはかつてドゥルーの専制君主によって各領地までが完全に支配されており、奴隷の海同士の国境戦争も起きた。彼らは古い時のトーテムの血族でありながら邪悪で、あざけりと冒とくの力に満ちていた。かつてこの世に生を受けた者の中で、ドゥルーの許容範囲を彼らほど逸脱していた者はいない。  私は魂をマグナ・ゲーに捧げ、楽園での喜びを口にする。彼らは密かに、消え去る成り上がり者の領地であるリグのはらわたに刃のメエルーンズを創造したからだ。彼らは様々な水域からやって来たが、それぞれのゲットはただ一つの目的を共有している。善の王子を策略にかけ、不揃いな草刈り跡で彼の肖像を回転させ、オブリビオンにおける最も貴重かつ希少なもの、すなわち希望を吹...
  • 書物/セプティム七世の短い人生
    セプティム七世の短い人生 ルーファス・ヘイン 著 第三紀368389年:戦略家、調停人  皇帝ユリエルの人生の最初の数十年は、帝都全域において、皇帝権威が破竹の勢いで拡大し、強化された時代であった。が、モロウウィンドやブラック・マーシュといった帝都が掌握しきれない東方地域では、帝都文化の影響力は弱く、土着の習慣や伝統が強く残っていたため、この地の民は同化政策に断固として反対した。この時代のユリエルは、相談役である帝都の魔闘士ジャガル・サルンの神秘的な支援や狡猾なアドバイスにとても助けられている。  ユリエルのカウラ・ヴォリア王女との結婚は幸せなものだったとは言いがたい。ヴォリア王女は美しい魅力的な女性で、民からも熱烈に愛されていたが、きわめて意地が悪く、傲慢で、野心家で、貪欲な女帝でもあった。ユリエル・セプティムは彼女の魅力にそそのかされたのだったが、すぐさまみずから...
  • 書物/バレンジア女王伝 第2巻
    バレンジア女王伝 第2巻 スターン・ガンボーグ帝都書記官 著  第1巻では、バレンジア女王の生い立ちから、タイバー・セプティム1世閣下に背いた彼女の父がモロウウィンドを滅ぼしたところまでを紹介してた。皇帝の寛大なはからいにより、幼い彼女は死を免れ、ダークムーアの帝都貴族であるセヴン伯爵夫妻に育てられた。彼女は美しく信心深く成長し、養父母に対する深い感謝を持っていた。ところが、その信じる心をセヴン伯爵の屋敷の厩番をしていた孤児の不良少年に利用され、作り話で騙された彼女は16歳のときにその少年とともにダークムーアを飛び出したのだった。道中でたくさんの危険に襲われながら、彼らはモロウウィンドにほど近いスカイリムの町、リフトンに辿り着いた。  厩番の少年ストロウは、根っからの悪人ではなかった。彼はバレンジアのことを自分勝手にではあったが愛していて、彼女を自分のものにするには嘘をつ...
  • 書物/ストーンシンガー伝
    「坊や、そこへ座りなさい。これからお話をしてあげるからね。この物語は長年語り継がれてきたお話だよ」 「どんなお話なの? お爺ちゃん。英雄と野獣が出てくるお話?」  祖父は孫をじっと見つめた。彼は良い子供に育っていた。すぐにこの物語の価値、つまり幾世代にも語り継がれてきた教訓を理解するであろう。 「よく聞きなさい。この話はお前のその心にしっかりと刻むのだよ」        ─  昔々、スコールがまだ新入りだったころ、この地は平和だった。太陽が照り、作物はよく育ち、全創造主の与えた平和の中で人々は幸せに暮らしていた。しかし、スコールの人々は現状に満足して、全創造主から与えられたこの大地とその恵みを当然のものとみなすようになった。彼らは大事なことを忘れ、思い出そうともしなかった。それは魔王が常に彼らを見張っていること、つまり全創造主と彼に選ばれた人民を苦しめるの...
  • 書物/オブリビオンの扉
    オブリビオンの扉 セイフィジ・ヒッジャ 著 「そなたがオブリビオンに立ち入るとき、オブリビオンが汝に入り込む」  ──ナイ・チロル・ラー  これまでに存在した最高の魔術師は私の師匠、モリアン・ゼナスであった。デイドラに関するあらゆる事柄の必読本である『オブリビオンについて』の著者として、彼の名を耳にしたことがあるであろう。彼は長年寄せられている多くの嘆願をよそに、古典を新しい発見や説で更新しようとはしなかった。それは、これらの領域に関して深く調べれば調べるほど、確信を持てなくなってくることに気が付いたからである。彼は憶測ではなく、事実を探していた。  『オブリビオンについて』の出版前と後の数十年間で、ゼナスはデイドラの住みかであるオブリビオンに関する巨大な個人図書室を作りあげた。彼は自分の時間の半分をその研究に、そして我々の世界を超越した危険な場所に入りこ...
  • 書物/スキングラード案内書
    アレッシア・オッタスの スキングラード案内書  ジュリアノス、全ての正義と知恵はあなたと共に! 私の名はアレッシア・オッタス。スキングラードの全てについて皆様にお教えしましょう。  スキングラードはワイン、トマト、チーズの名産地として名高く、またシロディールでも最も清潔で、最も安全で、最も栄えている町の一つでもあります。ウェストウィルド高地の中心部に位置するスキングラードは、古き良きコロヴィアの至宝であり、コロヴィアの美徳である独立、勤勉、強い意志を象徴する存在です。  スキングラードは、城、ハイタウン、聖堂の3つの区域に分かれています。そして、ハイタウンを囲む壁に沿って、橋の下を街道が東西に貫いています。ハイタウンの西にはギルドや宿屋「ウェストウィルド」があり、北の道沿いには多くの商店や高級住宅街が並んでいます。町の南半分はというと、東の端に聖堂が、そして中央の...
  • 書物/狂気の十六の協約 第六巻
    狂気の十六の協約 第六巻 ハーシーンの物語 常に尊大で高慢なオブリビオンの憤怒の王子は、年央月のある木曜日にスカイリムの極寒の頂に立ち、旨みのある話をハーシーンに持ちかけた。狩人の神はその日が自分の日であったために姿を現していて、シェオゴラスの大胆さが彼の興味をそそったのだ。 比類なき皮肉さを持つシェオゴラスは、クスクス笑う愚か者と、派手な作家、臆病な切断者を、自らの世界に押さえ込んでいる。憤怒の王子は得をしない駆け引きに精を出し、他者の混乱と悲劇と憤激がもたらす喜びに過ぎない無意味な流血を促すだろう。つまりシェオゴラスは、自分がハーシーンの好敵手を演じるためのお膳立てをしたのだ。 恥ずかしがりの王子はあわてることなく、争いを申し出た。それぞれの王子は、きっかり3年後に再びこの場所で会い、命懸けの戦いをするために、野獣を調教することになった。恐ろしい顔つきの陰に無...
  • 書物/九大神教団の十戒
    九大神教団の十戒  聖アレッシアの代祷によって、人は神の恵みや、そこから得られる力や知恵で満たされることだろう。その結果、これらの教えから九大神教団とその栄光の真の意味に至ることもできよう。九大神の知恵が大空というインクで、大海原という羊皮紙に記されているとしたら、多岐にわたる真理と美徳の機微のすべてを人の心に伝えることはきわめて難しい。それでもアカトシュは、人というものがせっかちで、悟りまでの苦しい道のりを嫌うとわかっていたため、その知恵において、力強い明確さと簡潔な定義でもってこれらの単純な十の訓戒をはっきりと書き記すことをお許しになられている。 一の戒:ステンダールいわく、優しさと寛大さをもってタムリエルの人々に接すること。弱者を守り、病人を癒し、貧民に施すこと。 二の戒:アーケイいわく、生と死を分け隔てることなく、大地、生物、精霊を敬うこと。この世の恵みを保...
  • 書物/ブルーマ案内書
    アレッシア・オッタスの ブルーマ案内書  父なるタロスよ、我らをお守りください! 私の名はアレッシア・オッタス。皆様に、ブルーマの全てをお教えしましょう。  ブルーマはニベンの町だと思われがちですが、スカイリムとの境界に近いことと、ジェラール山脈高地の寒く厳しい気候のため、実際はニベンよりもノルドの特色が強い町です。ブルーマは常に寒く、雪に覆われており、市民を凍死から守るために町のいたるところに火鉢が置かれ、絶えず火が焚かれています。ジェラール山脈の森林では木材が豊富に採れるため、ブルーマのあらゆる建物は木で造られており、どんな金持ちもみな暗く薄汚れた木造の小屋のような住居で暮らしています。このような気候の中で暮らすノルド人が、あのように飲んだくれで異教徒の野蛮人になるのも不思議はありません。なぜなら、厳しい気候の中では人間にできることは限られており、寒さをごまかすため...
  • 書物/狂気の十六の協約 第九巻
    狂気の十六の協約 第九巻 ヴァーミルナの物語 ダリアス・シャノは気がつけば全力で走っていた。 一体何から逃げているのか、あるいはどこに向かっているのか自分でも分かっていなかったが、構わなかった。欲望が心を支配していた。逃亡すること以外に、この世には何もなかった。身を置くことができる場所、あるいは目標地点として使える場所を求めて辺りを見回してみたが、無駄だった。見渡す限りどこまでも、これまで駆け抜けてきたのと同じ平凡な草原が続いていた。「とにかく走り続けよう」と彼は思った。「できる限り速く走らなければ」。彼はひたすら走り続けた。視界にも心にも、何の目当てもないまま…… 静かに寝床に横たわるダリアス・シャノのそばに立って見下ろすのは、彼の女主人である夢の織り手ヴァーミルナと、マッドゴッドのシェオゴラスだった。ヴァーミルナは弟子である彼を誇らしげに見下ろし、自分の小さな...
  • 書物/シェオゴラス神話
    シェオゴラス神話 ミモフォナス 著 シェオゴラスは音楽を発明する 最古の時代、世界がまだ未開だった時代に、シェオゴラスは人間に混じって歩くことを決めた。彼は杖を持った紳士に変装して、気付かれずにあちこち移動した。11昼夜の後、シェオゴラスは人間の生活が彼の超俗的な生活よりはるかに退屈であると確信した。 彼らの生活をもっと面白くするために何ができるだろうか? と彼はつぶやいた。同時に、近くにいた若い女が物憂げにつぶやいた、「鳥の奏でる音はとても美しい」 シェオゴラスは黙って彼女にうなづいた。人間は美しく、心を動かされるような鳥の鳴き声を作ることができなかった。その声は哀れで、平凡なものだった。彼は人間の本質を変えることができなかった、それは他のデイドラの王子の権限だったためである。しかし、彼は人間に美しい音を奏でる道具を与えることができた。 シェオ...
  • 書物/アジル・トラジジャゼリ
    アジル・トラジジャゼリ 著者不明  この本は、くだらない本である。しかし、よく言われることだが、カジートらしさを感じさせるすべてのものと同じように、“gzalzi vaberzarita maaszi”、すなわち、「くだらないものが不可欠となった」のである。私が言うべきことのほとんどはこれまで文字にされてこなかったものである。よしんば文字にされていたとしても、誰も読めなかっただろう。帝都の民は後世のためにすべてを書き残しておくべきだと感じているが、エルスウェーアで生まれるカジートの子猫はみずからの歴史を知っている。母親のお乳といっしょに飲み込むのだ。  だが、ごく最近になって、貪欲なレヤウィーン伯爵の手から祖国を奪い返さんとするわれらの闘争が、われらの立場に同情的な人々を引きつけるようになってきた。その中には帝都の民もいて、われらの運動に加わりたいと切に願っているものの、...
  • 書物/2920 薄明の月(2巻)
    2920 薄明の月(2巻) 第一紀 最後の年 カルロヴァック・タウンウェイ 著 2920年 薄明の月3日 アルタエルム島(サマーセット)  見習いたちが一人一人オアッソムの木へと浮かび上がり、高いほうの枝から果実もしくは花を摘み、地面へと舞い降りてくる様子を、その身のこなしの個人差を含めて、ソーサ・シルは眺めていた。彼は満足げにうなずきつつも、一瞬その日の天気を楽しんだ。大魔術師自身が遥か昔に手本となって作られたとされるシラベインの白い像が、湾を見下ろす崖の近くに立っていた。淡い紫色のブロスカートの花がそよ風に揺られて前後していた。その向こうには大海と、アルタエルムとサマーセット本島を分けるもやがかった境界線が見えた。 「概ね良好だな」最後の見習いから果実を受け取りながら、彼は講評を述べた。手を一振りすると、果実も花も元あった位置へと戻っていた。もう一振りする...
  • 書物/アルゴニアン報告 第2巻
    アルゴニアン報告 第2巻 ワーリン・ジャース 著  泥と葦原の中から現れたデクマス・スコッティは走り疲れていた。その顔と腕は赤いニクバエにびっしりと覆われていた。シロディールを振り返ると、厚くどんよりした黒い河の中へと橋が消えていくのが見えた。潮が引くまでの数日間はあそこへ戻れないことを悟った。そのネバつく河の底にはブラック・マーシュに関する報告書が沈んだままであった。こうなった今、ギデオンに連絡を取るにはもはや記憶に頼るしかなかった。  メイリックは葦原の中を強い意志をもって突き進んで行った。無駄と知りつつ、スコッティもニクバエをはたき落としながらあとを追いかけていった。 「私たちはツイてますよ、スコッティ卿」と、レッドガードが言った。スコッティはその言葉に首をかしげながら、男の指す方向へと目を向けた。「キャラバンがおります」  ガタガタの木造車輪をつけ...
  • シリーズ作品/火中に舞う
    火中に舞う 第1章 ウォーヒン・ジャース 著 場所:帝都 シロディール 日付:第三紀397年 10月7日  正に宮殿と呼べるような建物に、アトリウス建設会社は入っていた。ここは帝都内のほとんどすべての建設事業に対し、建設や公証を行う、事務手続きと不動産管理の会社だった。宮殿の広場は質素で、豪奢な飾りつけなどはされていなかったが、この建物はマグナス皇帝の時代から250年間立っていて、飾りが質素で荘厳な広間と豪華な広場を構えていた。そこでは精力と野望に満ち溢れた中流階級の若い男女が働いていた。デクマス・スコッティのように、安穏と働く中年もいた。誰もこの会社がない世界など想像していなかった。スコッティもまた例外ではなった。正確には、彼は自分がこの会社にいない世界など想像していなかった。 「アトリウス卿は君の働きぶりにいたく感銘を受けているよ」と主任は後ろ手でスコッティ...
  • シリーズ作品/評論・深遠の暁
    評論・ザルクセスの神秘の書 第1巻 マンカー・キャモラン 著 デイゴン  ようこそ、修練者よ。まずは安心してもらいたいのだが、マンカー・キャモランもかつては諸君たちと同じように眠り続ける浅はかで、デイドラの精力を宿していた。死ぬ定めの我々は皆、夢の保護膜、すなわち母親との共生のために用意された退避場所を離れて誕生し、実戦と親善に努め、新たな瞳を通して見ることによりやがて母親が背後にいてくれることを求めたり恐れたりしなくなり、ようやく家庭を離れる。そしてその時、我々は彼女を永遠に破壊し、神デイゴンの領域に入る。  読者諸君、本書はその領域への扉であり、諸君は破壊者ではあるが、それでもなお制約は甘んじて受け入れなければならない。立ち止まれるだけの賢明さを持つ者のみを神デイゴンは受け入れる。それ以外の者たちは、愚かにも走り出すことにより、オルビスに命を奪われるだ...
  • 書物/ヴェルナカスとブーロル
    ヴェルナカスとブーロル タヴィ・ドロミオ 著  土曜の午後、表情を悲しみに曇らせたハルガードがキングズ・ハムへと入って来た。彼がグリーフのジョッキを1杯注文すると、彼の友人であるガラズとシオマーラとがとても心配した様子で彼の元へと近寄ってきた。 「どうしたんだ、ハルガード?」と、シオマーラが聞いた。「いつもより遅いじゃないか。それになんだか悲しい空気をひきずってるぜ。金でも落としたか? それか親戚、奥さんでも死んだか?」 「お金を落としたんじゃない」ハルガードは顔をしかめて言った。「俺のいとこのアリオッチが死んだんだが、その時甥っ子が言った一言が『年だからしかたないですよ』だとさ。アリオッチは俺よりも10才も下だったんだぞ」 「なるほど、そいつはひどいな。だがな、自分の番がいつくるかわからないからこそ、余生を楽しむ重要性に気づけたんじゃないか」と、ガラズが...
  • 書物/帝都の略歴 第3巻
    帝都の略歴 第3巻 帝都歴史家 ストロナッハ・コージュ三世 著  本著の第1巻では、セプティム王朝初代皇帝タイバーから第8代皇帝キンタイラまでの歴史の概略を述べた。第2巻では、レッド・ダイヤモンド戦争とその後に続くユリエル三世からキャシンダール一世までの治世について述べた。また、その巻の最後に、いかにして皇帝キャシンダールの異父弟ユリエル四世が帝位を継承したかを論じた。  ご存知のように、ユリエル四世はセプティムの血を引いていなかった。彼の母カタリア一世はダークエルフだが、セプティムの血統である皇帝ペラギウス三世に嫁ぎ、夫の死後長い間女皇として君臨した。しかしユリエルの父親は、カタリアがペラギウスの死後に再婚したブレトンの貴族、ガリヴェール・ラリアートであった。キャシンダールは帝位を継ぐ以前、ウェイレストの王であったが病弱だったため、また子供がいなかったためにその地位...
  • 書物/アクラシュの最後の鞘
    アクラシュの最後の鞘 タバー・ヴァンキド 著  第三紀407年、暑い夏の日、ベールで顔を覆った若くて美しいダンマーの女性が、テアのとある鍛冶屋の親方のところへ足しげく通っていた。地元の住民は彼女の顔を一度も見たことはなかったが、彼女の姿かたちや身のこなし方からきっと若くて美しい女性に違いないと思っていた。彼女と鍛冶屋の親方はお店の裏に引っ込み、店を閉め、数時間の間、弟子たちを帰らせた。昼下がりには、彼女は店から去っていき、また翌日同じ時間に現れるのだった。当然のごとくいろんなゴシップが飛び交ったが、それはとるに足らないもので、たとえばその年取った親方がそのような美しく魅力的な体型の女性とやることとは…… といったがさつな冗談ばかりであった。数週間後にはその定例訪問もなくなり、ティアのスラム街の生活も元に戻っていったのであった。  訪問が止んで1─2ヶ月のこと、近所の酒場に...
  • 書物/火中に舞う 第1章
    火中に舞う 第1章 ウォーヒン・ジャース 著 場所:帝都 シロディール 日付:第三紀397年 10月7日  正に宮殿と呼べるような建物に、アトリウス建設会社は入っていた。ここは帝都内のほとんどすべての建設事業に対し、建設や公証を行う、事務手続きと不動産管理の会社だった。宮殿の広場は質素で、豪奢な飾りつけなどはされていなかったが、この建物はマグナス皇帝の時代から250年間立っていて、飾りが質素で荘厳な広間と豪華な広場を構えていた。そこでは精力と野望に満ち溢れた中流階級の若い男女が働いていた。デクマス・スコッティのように、安穏と働く中年もいた。誰もこの会社がない世界など想像していなかった。スコッティもまた例外ではなった。正確には、彼は自分がこの会社にいない世界など想像していなかった。 「アトリウス卿は君の働きぶりにいたく感銘を受けているよ」と主任は後ろ手でスコッティ...
  • 書物/氷とキチン
    氷とキチン プレティアス・スパテック 著  物語の舞台は第二紀855年、タロス将軍がタイバー・セプティムを名乗り、タムリエルの征服に乗り出した頃にさかのぼる。その配下の指揮官の一人であるイリオロスのビアティアは、皇帝と謁見した帰り道、待ち伏せにあって驚かされることになった。彼女とその警護に当たる5人の兵士はかろうじて難を逃れたが、本隊からはぐれてしまった。みぞれの降る荒涼とした崖の岩場を、彼女たちは徒歩で進んだ。襲撃があまりにも急であったため、鎧を着る暇も馬に乗る暇もなかったのだ。 「ゴルヴィグの尾根まで行くことができれば…」と、かすみの向こうに見える峰を指さしながらアスカタス中尉が叫んだ。その声は風にかき消されてようやく分かる程度だった。「ポルフナックに駐留させた軍隊と合流できるはずです」  ビアティアは岩だらけの地形を見渡し、風にさらされ霜に覆われた木々へと目...
  • 書物/本物のバレンジア 第2巻
    本物のバレンジア 第2巻 著者不明  バレンジアとストローは貧民街に安い部屋を借りて、リフトンで冬を過ごすことにした。バレンジアは盗賊ギルドに入ろうとしていた。好き勝手に盗みを働いていてはいつか面倒なことになるとわかっていたから。ある日、盗賊ギルドの名の知れたメンバーのひとりと酒場で目が合った。若さあふれるカジートで、その名をセリスといった。ギルドに紹介してくれたらあなたと寝てもいいわ、とバレンジアは声をかけた。セリスは彼女を見つめてから笑みを浮かべると、いいとも、と言った。が、まずは儀式をこなすのが先決だとも言った。 「どんな儀式なの?」 「ああ」と、セリスは言った。「前払いでたのむぜ、かわいこちゃん」  (この一節は神殿によって検閲を受けている)  ストローに殺される、たぶんセリスも。いったいどういう気まぐれでこんなことをしてしまったのか。バレ...
  • 書物/シェイディンハル案内書
    アレッシア・オッタスの シェイディンハル案内書  健やかな心身にアーケイの祝福を! 私の名はアレッシア・オッタス。皆様にシェイディンハルの全てについてお伝えしましょう。  シェイディンハルを訪れる人はまず、緑の大草原やコーボロ川の土手に経つ優雅な柳の木、よく手入れされた庭園、花でいっぱいの垣根、そういったものに目を奪われることでしょう。手入れの行き届いた家々、その石壁にほどこされた細工や、ガラス、金属、木材を組み合わせた美しい装飾は、シェイディンハルという町の裕福さを物語っているかのようです。  しかし、その裏に何が隠されていると思いますか? 犯罪、醜聞、それに数々の不道徳です!  シェイディンハルは、3つの区域に分かれています。北の丘の上にはシェイディンハル城の中庭と城壁があります。その下に、東門から西門へ、東西に道が走っています。コーボロ川はこの道か...
  • 書物/帝都の略歴 第1巻
    帝都の略歴 第1巻 帝都歴史家 ストロナッハ・コージュ三世 著  初代皇帝タイバー・セプティムによる統治以前、タムリエルは混沌に包まれていた。詩人トラシジスはこの時代を「絶え間ない血と憎悪にまみれた昼と夜」と書いている。各地の王たちはどれも貪欲な暴君で、地上に秩序をもたらそうとするセプティムに武力をもって抵抗した。  しかし、彼らはみな自堕落で統率がとれていなかったため、セプティムの力によって駆逐され、タムリエルに平和がもたらされた。第二紀896年のことであった。次の年に皇帝は新しい時代の始まりを宣言し、第三紀の幕が開けた。  皇帝タイバーは、38年間に渡り最高権力者として君臨した。その統治は正当かつ神聖で、この輝かしい時代では奴隷から支配者まで全ての人間が正義の恩恵を享受できた。皇帝の崩御の際には雨が2週間も降り続き、まるでタムリエルそのものが悲しみの涙を流...
  • 書物/パルラ 第2巻
    パルラ 第2巻 ヴォンヌ・ミエルスティード 著  パルラ… パル… ラ… その名前は心に深く刻み込まれている。授業中、教官の言葉に集中しようとしている時も、気がつけばその名をささやいている。唇が無音の「パル」をかたどり、舌を軽く弾いて「ラ」を成す、あたかも目の前にいる彼女の霊に口づけをするが如く。乱心として自覚している点を除けば、あらゆる点において乱心の沙汰だ。恋に落ちたことは分っていた。彼女が気高い女レッドガードで、星も霞む程美しい猛烈な戦士だったことは分っていた。彼女の若い娘ベタニキーがギルドに程近い領主邸を受け継ぎ、そして彼女が私のことを好きな、ひょっとしたら夢中になっていることも分っていた。パルラが恐ろしい獣と戦い、殺したことも分っていた。パルラは死んでいることも分っていた。  前にも言ったが、乱心であることを自覚している、故に、狂っている訳ではない。確かなのは、...
  • 書物/ブラヴィル案内書
    アレッシア・オッタスの ブラヴィル案内書  恵みあふれる母なるマーラ、我らを病からお守りください! 私の名はアレッシア・オッタス。ブラヴィルの全てについて皆様にお伝えしましょう。  ブラヴィルは例えるなら、下水口のふたにぞっとするほど汚らしいごみがたくさん溜まっているような光景を思い起こさせる町です。この町はシロディール中で最も貧しく、最も汚く、最も古ぼけて、最もみすぼらしく、最も多くの犯罪者、酔っぱらい、スクゥーマ中毒者が住みつき、最も多くの住人が獣じみた下等人種もしくは外国人です。あとはここにデイドラを崇拝する邪神教の集会でも加われば、間違いなく極悪非道、品性下劣な最悪の町と言えるでしょう。しかし、おぞましいことに、ブラヴィルでは実際にそれよりも邪悪で堕落した邪神崇拝が秘密裏に行われているという噂です。  この町は陰気で殺伐としており、常に重苦しい空気が漂っ...
  • @wiki全体から「後衛の心得」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索

記事メニュー
目安箱バナー