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**みぽりん@神聖巫連盟様からのご依頼品 「来須の受難+α」 作:11-00230-01:玄霧弦耶 /*/ 『俺はなにか間違えたのだろうか』 今回の主役、来須銀河は、ふとそんなことを考えた。 目の前には、黒髪でおかっぱを長くしたような、そう、いわば巫女の髪型というような女が一人。 この女が言うに、敵は不死身の存在で、死者を自由に操る術を扱うらしい。 現在の彼が戦うべき幻獣の中には似たような特性を持つナイトメアというものもいるが、それでもないらしい。 否。彼の中には似たような存在に心当たりがある。 この世界に来る前、アポロニアにいたころの記憶。その中には確かに似たような者がいる。 が、話を聞く限りそれすらも一致しない。 『俺はなにか間違えたのだろうか』 無口な彼が、そう思ってしまうのも仕方のないことではある。 現在位置は、病院の外。屋外に設置されたベンチに女を座らせ、話を聞いている。 事の発端は、クーリンガンとかいう幻獣もどきの攻撃だった。 そのクーリンガンとやらが、女の言う例の「不死者」らしいが、にわかには信じがたい。 しかし、先日頭を滅多刺しされ、20mm機関砲を生身で受けたはずの人物(?)が、元気に動き回り、病院で厚志を狙ったという。 その場面を目撃していない以上、やはり信じがたい話ではあるが、どうにも精神をやられた様子も見えない。 そういった経緯で話を聞くことにしたのだが・・・ 「だから、くーりんは不死身というかすでに死んでて、あと、すごく強いんです!」 「でも、なんか向こうにも意図?・・・があって、その、あれなんです!」 誰が来須を責められようか。 善行あたりはこれをきいた瞬間に病院に放り込んで聞かなかったことにするだろう。 滝川あたりなら、笑って流すのだろうか。 だが、来須は来須であった。 つまり、みぽりんががんばって伝える案件に「……そうか」「……それで?」と返すしか、できなかったのだ。 /*/ しばらくそうしていると、天の助け・・・とまでは行かないが、若宮が病院から出てきて合流した。 ひとまず話を聞くのをやめ、病院内部の情報交換を行う。 病院の中の騒動は若宮の誘導でなんとか収まったらしい。敵の影は、まったくなかったようだ。 看護士の死体は、後ほど片付けるらしい。 「……若宮」 「ん、なんだ、来須」 「すまんが、俺と一緒に聞き取りを頼む」 「聞き取りだぁ~?」 若宮と来須が、同時にみぽりんのほうを見る。 「来須、聞き取りのできる状態なんだろうな?」 「……おそらく、嘘は言っていないだろう。あの存在に、心当たりがあるのは間違いない」 短い会話を終えた後、若宮がみぽりんの方に少し近づき、ベンチの前にしゃがみこんだ。 怖がらせないようにとの若宮の配慮だが、ある意味逆に凄みが出ているともいえる。 が、みぽりんはそんなことを気にもせず、先ほど来須に伝えたことを再度伝えなおす。 「えーと、くーりんは不死者なんです。だから、普通の方法では死にません」 「うちの国の悪魔を祀ってる神社の結界を壊したりもしてました」 「ほかにも共和国のカマキリさんの治療をしたりもしてました」 「多分、色々考えはあるんだと思います。それがいいことなのか悪いことなのかは、わかりません」 ……殆どを理解できなかった来須と若宮を責められるものは、第五世界にはおるまい。 というか、これを理解できるのは情報を集めているアイドレスプレイヤーだけである。 閑話休題。 ともかく、殆ど理解できない説明を聞いた二人が導き出した結末は、こうだ。 『クーリンガンという存在は、幻獣ではない』 『クーリンガンという存在は、死体を操る術を使う』 『クーリンガンという存在は、通常の手段では撃退はできるが、殲滅はできない』 『また、クーリンガンに協力する存在であるミチコという存在もいる』 しかし、問題は「この情報をどう伝えたものか」という部分にある。 おそらく、まともな思考回路を持った軍人ならこの話をきいた瞬間にわれわれも含めて精神病院送りにするだろう。 同じ部隊の指揮官である善行でも、このまま報告するとおそらく結果は見えているだろう。 「来須よ、どうする」 「……この女は嘘は言っていない。目が、語っている」 「うーーむ…いやしかし、この情報が本当だとしてもだなぁ」 若宮が、しゃがんだまま再度みぽりんの方を向く。 みぽりんは、『信じてくれないの?』といわんばかりの真剣な顔をしている。 来須と若宮は、そろって難しい顔になる。 ややあって、若宮が急に立ち上がる。 「ええい、仕方ない。俺は戻って詳しい話を隊長に伝える。来須はもう少し聞き出しておいてくれ」 「………まて、俺が」 「後は任せたぞ、来須!」 そのまま走り去ってく若宮。 どう考えても、手に負えなくなって逃げ出したようにしか見えない。 結局、十数分前に逆戻りである。 ベンチに座って話を続けるみぽりんと、それをたって聞き続ける来須。 こう書けばほほえましい光景かも知れないが、来須にしてはたまったものではないのかもしれない。 みぽりんの方も、厚志に会いたくても会えないので何とかしたいという気持ちなので、ある意味現状たまったものではないのかも知れないが。 会話のほうも元のとおりに 「……確認する。クーリンガンの目的は、なんだ?」 「わかりません。けど、何か目的はあるはずです」 といった風である。 『俺はなにか間違えたのだろうか』 こう考える来須を、誰も責められはしないだろう・・・ 彼が救出(?)されるのは、後もう少しあとの話となる。 /*/ 余談ではあるが、この報告を聞いた善行は真剣に若宮と来須の扱いを考えたという。 幸いなことに、現場証拠と状況証拠からおそらく正しいと判断されたため、彼らおよびみぽりんの情報および無事は証明された。 が、クーリンガンの行方もいまだ知れず、厚志の件も含めて、今回の一件の解決にはもう暫くの時間がかかりそうである。 /*/ コメント: だいぶかかってしまいましたが、納品させていただきます。 なんというか、状況が状況なので微妙に難産でした・・・ リアル仕事の都合がなければもう少し早く納品できたんですが・・・今後の課題です。 ---- **作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) - 受注してくださり、ありがとうございました。何度読み返しても面白いです。 きっと更なる困難が彼らを待ち受けるのでしょうね。(主に、みぽりんの生活ゲーム的意味で)  -- みぽりん@神聖巫連盟 (2009-09-14 22:14:01) #comment(,disableurl) ---- ご発注元:みぽりん@神聖巫連盟様 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one&namber=2103&type=2050&space=15&no= 製作:玄霧弦耶@玄霧藩国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=2165;id=UP_ita 引渡し日: ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|
**みぽりん@神聖巫連盟様からのご依頼品 「来須の受難+α」 作:11-00230-01:玄霧弦耶 /*/ 『俺はなにか間違えたのだろうか』 今回の主役、来須銀河は、ふとそんなことを考えた。 目の前には、黒髪でおかっぱを長くしたような、そう、いわば巫女の髪型というような女が一人。 この女が言うに、敵は不死身の存在で、死者を自由に操る術を扱うらしい。 現在の彼が戦うべき幻獣の中には似たような特性を持つナイトメアというものもいるが、それでもないらしい。 否。彼の中には似たような存在に心当たりがある。 この世界に来る前、アポロニアにいたころの記憶。その中には確かに似たような者がいる。 が、話を聞く限りそれすらも一致しない。 『俺はなにか間違えたのだろうか』 無口な彼が、そう思ってしまうのも仕方のないことではある。 現在位置は、病院の外。屋外に設置されたベンチに女を座らせ、話を聞いている。 事の発端は、クーリンガンとかいう幻獣もどきの攻撃だった。 そのクーリンガンとやらが、女の言う例の「不死者」らしいが、にわかには信じがたい。 しかし、先日頭を滅多刺しされ、20mm機関砲を生身で受けたはずの人物(?)が、元気に動き回り、病院で厚志を狙ったという。 その場面を目撃していない以上、やはり信じがたい話ではあるが、どうにも精神をやられた様子も見えない。 そういった経緯で話を聞くことにしたのだが・・・ 「だから、くーりんは不死身というかすでに死んでて、あと、すごく強いんです!」 「でも、なんか向こうにも意図?・・・があって、その、あれなんです!」 誰が来須を責められようか。 善行あたりはこれをきいた瞬間に病院に放り込んで聞かなかったことにするだろう。 滝川あたりなら、笑って流すのだろうか。 だが、来須は来須であった。 つまり、みぽりんががんばって伝える案件に「……そうか」「……それで?」と返すしか、できなかったのだ。 /*/ しばらくそうしていると、天の助け・・・とまでは行かないが、若宮が病院から出てきて合流した。 ひとまず話を聞くのをやめ、病院内部の情報交換を行う。 病院の中の騒動は若宮の誘導でなんとか収まったらしい。敵の影は、まったくなかったようだ。 看護士の死体は、後ほど片付けるらしい。 「……若宮」 「ん、なんだ、来須」 「すまんが、俺と一緒に聞き取りを頼む」 「聞き取りだぁ~?」 若宮と来須が、同時にみぽりんのほうを見る。 「来須、聞き取りのできる状態なんだろうな?」 「……おそらく、嘘は言っていないだろう。あの存在に、心当たりがあるのは間違いない」 短い会話を終えた後、若宮がみぽりんの方に少し近づき、ベンチの前にしゃがみこんだ。 怖がらせないようにとの若宮の配慮だが、ある意味逆に凄みが出ているともいえる。 が、みぽりんはそんなことを気にもせず、先ほど来須に伝えたことを再度伝えなおす。 「えーと、くーりんは不死者なんです。だから、普通の方法では死にません」 「うちの国の悪魔を祀ってる神社の結界を壊したりもしてました」 「ほかにも共和国のカマキリさんの治療をしたりもしてました」 「多分、色々考えはあるんだと思います。それがいいことなのか悪いことなのかは、わかりません」 ……殆どを理解できなかった来須と若宮を責められるものは、第五世界にはおるまい。 というか、これを理解できるのは情報を集めているアイドレスプレイヤーだけである。 閑話休題。 ともかく、殆ど理解できない説明を聞いた二人が導き出した結末は、こうだ。 『クーリンガンという存在は、幻獣ではない』 『クーリンガンという存在は、死体を操る術を使う』 『クーリンガンという存在は、通常の手段では撃退はできるが、殲滅はできない』 『また、クーリンガンに協力する存在であるミチコという存在もいる』 しかし、問題は「この情報をどう伝えたものか」という部分にある。 おそらく、まともな思考回路を持った軍人ならこの話をきいた瞬間にわれわれも含めて精神病院送りにするだろう。 同じ部隊の指揮官である善行でも、このまま報告するとおそらく結果は見えているだろう。 「来須よ、どうする」 「……この女は嘘は言っていない。目が、語っている」 「うーーむ…いやしかし、この情報が本当だとしてもだなぁ」 若宮が、しゃがんだまま再度みぽりんの方を向く。 みぽりんは、『信じてくれないの?』といわんばかりの真剣な顔をしている。 来須と若宮は、そろって難しい顔になる。 ややあって、若宮が急に立ち上がる。 「ええい、仕方ない。俺は戻って詳しい話を隊長に伝える。来須はもう少し聞き出しておいてくれ」 「………まて、俺が」 「後は任せたぞ、来須!」 そのまま走り去ってく若宮。 どう考えても、手に負えなくなって逃げ出したようにしか見えない。 結局、十数分前に逆戻りである。 ベンチに座って話を続けるみぽりんと、それをたって聞き続ける来須。 こう書けばほほえましい光景かも知れないが、来須にしてはたまったものではないのかもしれない。 みぽりんの方も、厚志に会いたくても会えないので何とかしたいという気持ちなので、ある意味現状たまったものではないのかも知れないが。 会話のほうも元のとおりに 「……確認する。クーリンガンの目的は、なんだ?」 「わかりません。けど、何か目的はあるはずです」 といった風である。 『俺はなにか間違えたのだろうか』 こう考える来須を、誰も責められはしないだろう・・・ 彼が救出(?)されるのは、後もう少しあとの話となる。 /*/ 余談ではあるが、この報告を聞いた善行は真剣に若宮と来須の扱いを考えたという。 幸いなことに、現場証拠と状況証拠からおそらく正しいと判断されたため、彼らおよびみぽりんの情報および無事は証明された。 が、クーリンガンの行方もいまだ知れず、厚志の件も含めて、今回の一件の解決にはもう暫くの時間がかかりそうである。 /*/ コメント: だいぶかかってしまいましたが、納品させていただきます。 なんというか、状況が状況なので微妙に難産でした・・・ リアル仕事の都合がなければもう少し早く納品できたんですが・・・今後の課題です。 ---- **作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) - 受注してくださり、ありがとうございました。何度読み返しても面白いです。 きっと更なる困難が彼らを待ち受けるのでしょうね。(主に、みぽりんの生活ゲーム的意味で)  -- みぽりん@神聖巫連盟 (2009-09-14 22:14:01) #comment(,disableurl) ---- ご発注元:みぽりん@神聖巫連盟様 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one&namber=2103&type=2050&space=15&no= 製作:玄霧弦耶@玄霧藩国 http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=2165;id=UP_ita 引渡し日:2009/11/12 ---- |counter:|&counter()| |yesterday:|&counter(yesterday)|

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