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月光ほろほろ@たけきの藩国様からのご依頼品


幸せのゆるし (生活ゲームログ『ミート ザ ペアレンツ』より) ―月光ほろほろ様に捧ぐ―


食卓に並んだ、あたたかな心のこもった朝食を見て、ほろほろは思わず顔をほころばせた。
ヨーコは、ほろほろと、そして父親のために愛情込めて作ったパンを丁寧にスライスしてほろほろのまえに並べた。
焼き立てほかほかのパンは、見ているだけでお腹がなりそうなくらいおいしそうだった。
焼きたてパンのいい匂いが、部屋を満たす。

ああ、幸せだな。

不意に、そんな感情がわきあがってきた。
愛しい人と何気なくすごすこんな日常は、幸せに満ち溢れていて、ほろほろの心が温かいもので一杯になる。

『孫の顔を見せよ』

さきほど、風のように現れて風のように去っていった知恵者の言葉が脳裏をよぎった。

誰も彼もが自分達を祝福してくれている幸せ。
娘の幸せを願う父親からつきあいを許された自分が、彼女を幸せにしなくてはと思う。

席に着いたほろほろに、今日のパンはお米も入っているのだと告げたヨーコは非常に可愛らしかった。
が、ここで抱きしめたりするとただの変な人になってしまうのでぐっとこらえる。
かわりに、心からのお礼の言葉を伝えることにした。

「いつもありがとう。美味しいご飯」

ほろほろの笑顔に、ヨーコは照れて下を向いた。

「あ・・・あ、愛してまス。その、嬉しいな」

ほろほろは、いっそう幸せそうに笑った。


/ * /


「うん、もちろんおれも、その、うん。愛してます」

その言葉を聞いてうれしくないはずがなかった。
愛し、愛され、祝福される幸せを、ヨーコは今更ながらに噛みしめる。

父は言った。

『許す』

と。

それは、結婚の許しに他ならない。
目の前にいるとても愛おしい最愛の人との結婚。
考えるだけで幸せで、けれど同じくらいこそばゆい。

「ふふふ。許可、もらえたね。お義父さんから」
「はい・・・」

何もかもわかっているという風に、彼がおいうちのような言葉を発した。
もう顔があげられない。

きっと、自分の顔は今赤いだろう。
だから、ほろほろの顔が赤いのは気のせいに違いない。
彼も自分と同じように真っ赤だなんてそんなことは。

「はちみつ。おいしいでス。あ、よ、ヨーグルト、つくるの忘れてました」

気を紛らわせるようにそう言ってみたが、それは彼の行動によって遮られた。

「胸が一杯で…ヨーグルトはまた今度食べたいな」

そっと手を握られる。
この優しい声が、自分は大好きなのだ。

「はい・・・」

照れながら、でもやっぱり顔が見たくて顔をあげた。
優しい視線がこちらに向いていて、自分も笑みを返す。

そうして交わされる笑顔はきっと、これからの幸せの証だろう。

「い、急いで食べまスか?」
「急いで食べたらもったいないよ。せっかくだしゆっくり食べたいな。何かこの後予定でもあるの?」
「い、いいえ!でス・・・」

落ち着かなくてそわそわしていたら、彼も向かいで落ち着こうとしているのがみえた。
それを見て少しだけ安心する。

この人とならきっと幸せな家庭を築いていける。
ヨーコはそんな思いを胸に、またほろほろに向かって幸せな微笑みをこぼしたのだった。


/ * /

ほろほろは、思わず言葉をつまらせた。

窓の外に、藩王が見えたので。

「竹上藩王!?」

慌てて確認しようとしたときには、すでにその姿は見えなくなっていた。
あの人も難儀な人だよなぁと思う。
ヨーコもそれには同意らしい。

「うん、その、他人の愛情表現には口を出さないほうがいいね」
「はい」

その人にはその人たちなりのペースがあるはずだった。
そう、ほろほろとヨーコにも自分達のペースがあるように。

「あ、そうだ。ヨーコさん、食べながら聞いて欲しいんだけど」

だから、ほろほろは口を開いた。
ずいぶんのんびりペースだけれど、自分達らしいかなとは思う。

「その、結婚式をしようと思うんだ。お義父さんに許しももらえたし…」

花嫁衣裳もみたいから、というほろほろの言葉に、ヨーコはにっこり微笑んだ。

「ウエディングドレス、作りまス」
「素敵、きっと似合うだろうな…」

その時、ほろほろの目には美しいドレスを身に纏ったヨーコの姿が間違いなく見えていた。
見えていたったら見えていたのだ。
まだできてもいないドレスを素敵で似合うと断言した恋人に、思わず照れるヨーコ。
まごうことなき○カップルである。

「がんばりまス」

ヨーコは、頬を染めながらもそう言った。
ほろほろは、笑いながらささやいた。

「ふふふ…頑張らなくていいよ。そのままの君が好きだから」

さらに照れたのか、ヨーコは少しうつむいたが、それでもほろほろに聞こえる声で答える。

「……もっと、好かれたいから、がんばり、まス」

その言葉にほろほろは一瞬、返す言葉をさがしそこねた。

なんて、愛しい、ことばだろう。

「…それは、それはおれの言葉だよ」

それだけ言うのがやっとだった。
まだ少しあたたかいパンを頬張って、こぼれそうな涙をほろほろはごまかすことにした。


END


作品への一言コメント

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  • 素敵なSSをありがとうございました…思い出すと照れます(*ノДノ)キャ -- 月光ほろほろ (2009-09-30 01:15:18)
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引渡し日:2009/09/28


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最終更新:2009年09月30日 01:15