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 グリーンペペをみて、緑色の光の中、星空の下で踊った帰り。
ソーニャとエミリオは心地よく体を火照らせながら道を歩いた。

「ソーニャ。今日は楽しい一日をありがとう」
「いえいえ、私も楽しかったです。こちらこそありがとう」
 エミリオはソーニャの手を引いていた。
 ソーニャは先ほどのことが気になって話を切り出した。
「ね、さっきの話なんだけど……」
「何?」
「僕が、君の好意に気付かないくらい鈍感にみえるかって、こと。っていつから気付いてたの?」
「さてね。いつからだと思う?」
「最初に会ったときから?」
「内緒」
 エミリオはソーニャの言葉を上手くはぐらかした。
「もうっ」
 ソーニャは可愛らしく声を出した。
「ねぇ、エミリオは私のことどう思う?」
「君はどう思う?」
 エミリオは足を止めると、手を離してソーニャの姿を正面に据えた。
 ソーニャも足を止めてエミリオの姿を目に焼き付けるように見た。
「好きでいてくれたら嬉しい……」
「僕の事、信用できないの?」
 エミリオはどこまでも真摯な瞳でソーニャを見つめた。
 ソーニャは顔を赤くすると、エミリオから逃れるように瞳をそらした。
「信用してるわ。でも、貴方の口からその言葉を聞きたいの」
 今日のエミリオ、どこか意地悪に見えるのは気のせいかしら。ソーニャは思った言葉を心の奥にしまった。
「僕は君の事が好きだよ」
 ゆっくり間をおいてからエミリオは静かに口を開いた。
 ソーニャは顔を真っ赤にしてダンスで火照った体を更に熱くさせると、エミリオの瞳を見つめながら口を開いた。
「ありがとう。私も貴方のことが好きよ」
「うん」
 離していた手を繋ぎなおすと、二人は一緒に歩き始めた。
「ねぇ」
「何?」
「私達ずっと一緒よね」
「そうだね」
 エミリオは輝くような笑顔をソーニャに向けた。
 ソーニャはこの笑顔は嘘だと思った。
「またそんな顔をしないで」
「大丈夫。ずっと一緒にいれるさ」
 エミリオは一瞬の隙も見せない笑顔だ。その顔にソーニャはひたすら傷ついた。
「エミリオ。約束して。私の前から黙っていなくならないって」
「わかった。約束する」
「本当?」
「本当だよ。僕って信用無いのかな」
「エミリオの笑顔はどこか嘘が混じっているもの。私には本当のことを言って」
「これからどうなるか僕にもわからない。だけど僕は君を不幸にはしない」
 ソーニャはエミリオの瞳を長い間見つめていた。
「わかったわ。貴方の事を信用するわ」
「ありがとう」
「だけど、貴方のそばにはいつもいさせてね。それだけが約束よ」
「わかった」
 繋いだ手からは互いの体温が伝わってきて、どこか心安らぐ。
 二人の目はどこまでも暗い闇のせいか、それとも互いを信用しあったからか輝きに満ちていた。
 それは未来への希望のように、闇の中の光のようにずっと輝いていた。
 そして二人は闇の中へと静かに消えていった。




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最終更新:2007年09月28日 14:05