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結城杏@世界忍者国様 様からのご依頼品


 青は鼻歌を歌いながらバーベキューの用意をしていた。
 きれいに串刺しにされた肉・ピーマン・タマネギ。
 お皿の用意も綺麗に整えられていた。
「青さんオイラ達も手伝うですよぅ?」
 結城杏とみはえる、氷野凍矢が手伝いを申し出るが、青はやんわりと断る。
「あんまり人数はいらないよ。ほら、遊んでおいで。僕は、舞においしいものを食べて欲しいだけだから」
 青は幸せそうなオーラが漂っていた。
 何か幸せそうだなあ。
 皆は示し合わせたかのように「それではお言葉に甘えて」と海に走っていった。
 それを見送る青。
 その青を、舞がぽかぽかぽかと殴っていた。


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「そう言えば」
 浜辺で遊んでいた四方無畏が首を傾げた。
「青と言えば、エリザベスの姿が見えないな」
「母さんは、時間かかると思うよ」
 青はいい匂いの漂ってきた焼き網の上の串をひっくり返しながら笑った。
 その一言で、舞は背筋を伸ばした。
「? 舞さん?」
 皆は怪訝な顔で舞を見たが、舞が挙動不審な事以外は分からなかった。
「ああ」
 久堂尋軌は納得したように手を叩いた。
「舞さんにとってはお義母さんか……」
 その一言で、舞の顔が見る見る強張っていく様がありありと見えた。
「まあ、特別な日だしね」
 青は彼女の今の表情を知ってか知らずかのほほんとシェイカーにバーベキューソースの材料を入れてシェイクをしていた。焼き網からは、肉汁の匂いが漂ってきている。青はみんなの受け皿にバーベキューソースを入れ回った。
「みんなーできたよー」
 その声に緋乃江戌人は反応した。
「あ、皆、飲み物飲むだろうからこれを運んでしまおうか」とクーラーボックスをバーベキューの元にまで持っていく。
「あ、すみませんお任せしちゃって。ありがとうございます」
 逢瀬みなおも青の手伝いで焼けた肉を皿に乗せて皆に配る。
 ついでに遊んでいる間にボロボロになってしまったみはえるの手当ても始めた。
 そんな逢瀬みなおを見ながら青も箸を配り始めた。
 緋乃江戌人も青について飲み物を配り歩く。
「さ、立食だけどいいよね」
 青はのほほんと笑い、皆も「ありがとう」と言いながら皿と飲み物を受け取った。
「いただきまーす」


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「スキピオは何食べたい?」
 結城杏は肩に乗っているスキピオにスキピオ用の皿を出しながら言った。
「にゃーん」
 スキピオは野菜を気にしているようである。
 結城杏は「ああ、アスパラガス!」と皿に冷ましたアスパラガスをスキピオの皿に移してやる。
「にゃーん」
 スキピオは満足そうに食べ始めた。
 その横で箸の使い方に悪戦苦闘しているスイトピーに悪童屋は優しく箸の使い方を教えている。
 青はにこにこ笑いながら結城杏の畑の野菜を焼いていた。
 舞は……食が細い。
「あれ、青さんそういえばお母さんは、まだいらっしゃらないんですか?」
 ソーニャがハフハフと肉を頬張りながら言う。
「え? お母さんにお嫁さんを紹介するんですか?」
 氷野凍矢もフーフーとピーマンを冷ましながら言う。
 青はにこにこ笑うだけだった。
 舞は……完全に固まっている。


 そんな中、海岸線を黒い学生服の少年が歩いているのが見えた。
「? あれ、だれだろう…」
「あの人、暑いんじゃ……」
 扇りんくと環月怜夜は青に新しく焼いてもらった野菜にソースを付けながら首を傾げた。
「あ、あの人影はまさか……我らの!」
 心当たりある松永が口をあんぐりと開けた。
「……スイトピーとアーシュラ」
 黒い学生服の少年……マイトは青……アーシュラを見た。
「マイト?」
 アーシュラはエプロンを外した。

 二人は互いにクロスカウンターを決めた後、抱き合った。
「少しはつよくなったね。アーシュっ」
「君よりは少しね。マイ」
 二人は再会を喜んで握手している。
 それを見ながら、舞はますます顔を強張らせている。
「舞さんも、それくらいでむっとしないで、青が愛してるのはあなただけだろうし」
 氷野凍矢が慰めるが、舞の表情は硬いままだった。
「そうだ、母さんは?」
「どうして約束の場所にいなかったんだ」
「えー!?」
「島の反対側だよ」
 どうも、アーシュラは母・エリザベスと待ち合わせた場所を間違えたらしい。
 アーシュラはやや困った顔をしたが、マイトは少しだけ溜め息をついた後笑った。
「まってね、すぐ赤鮭呼ぶから」
 マイトがそう一言言った後。
 海面が盛り上がった。
「夜明けの船?」
「にゃぅ?」
 状況が分かっていないものとやや察しているもの、皆が海面を見た。
 大きな大きな、夜明けの船が現れた。
「うわ~何? 何?」
「海から船が…!? これって、夜明けの船??」
「なんだこりゃ~~~~!」
 辺りは一変。大騒ぎとなった。
 船のデッキの上には、水着の美女の姿が腕を組んで立っているのが見える。
「またせたね。放蕩息子!」
 美女が高らかに笑った。
「え、あの。あれ誰?」
 アーシュラがキョトン。とした顔してつぶやき、一同全員揃ってずっこけた。
 マイトは、アーシュラの顔を見ながら泣いた。
「あのね、親ってやっぱり、すごい子供にいい格好しようと」
 アーシュラは言いたい事が分かり、よろけた。
「いや、ぼくはいつもの母さんでいいんだけど」
「いいから、喜んで」
 マイトに押され、アーシュラは前に出た。
「母さん、見栄張りすぎだよっ!」
「何言ってんだいっ、さあ、相手をお出し、海賊の嫁にいいかどうか見てやるよ」
 周りは一斉に舞を見たが。

 おらん。

「スキピオ~舞何処行った?」
 四方無畏は結城杏の肩のスキピオを見るが、スキピオはゴロゴロ声を出すだけだった。
 ふと氷野凍矢が顔を上げると、三行半が書かれた紙が置いてある。
 ………。
 アーシュラは4つ足で絶望した。


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 アーシュラ絶望=青の厚志絶望=魔王降臨=世界滅亡

 その方程式が頭に浮かび、一同は戦慄を覚えていた。

 アーシュラとマイトが泣く中、環月怜夜は必死になってMAKIに問いかける。
「MAKIさん、ここで舞さんを探さないと、我々は死を覚悟しないといけないんです。教えて――」
『ログアウトしたようです』
 MAKIの冷静な答えに、一同は顔を引きつらせた。
立体映像のロジャーを見上げて環月怜夜と緋乃江戌人は困り果てた顔で訊ねた。
「ロジャーさん、手伝ってはくれないですか?」
「…………ロジャー様、何か解決策を思いつかれたりはしませんか?」
「きっと、舞殿も、ぐるぐるして、逃げたかったのではないかな。食事も食べれていなかった」
 ロジャーの言葉に皆は先程の光景を思い浮かべた。
 なるほど、確かに彼女はほとんど口に付けていなかった。
「ま、舞に頑張ってもらうしかないかぁ」
「泣いてないでむかえに行ったほうがいいよ、アーシュラさん」
「早くしないとチャンスを逃すかも」
 四方無畏はロジャーの言葉に納得し、カヲリと環月怜夜は泣いているアーシュラを励ましに行く。
その光景を見ていたロジャーはやれやれと肩をすくめた。
「だがまあ、舞殿が調子が悪いくらいは、分身にも証言出来るだろうし、それぐらいのおせっかいは、この幸せを壊すまい」
そう言いながら、ロジャーはエリザベスの元に歩いていった。
エリザベスとロジャーは何か話した後、エリザベスは大きく頷いてアーシュラの元に歩いていった。

「欲しいものはこの手でつかみな。再会の抱擁はその後だよ」
エリザベスは凛とした佇まいでそう言った。
アーシュラは母をしばし見つめた後立ち上がった。
「ごめん、母さん」
「母親は息子を許すために生きているのさ。行きな」
アーシュラは、手に剣を取って走っていった。


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「ふう、次会うときは、もう少し、びっくりしないようにしたほうがいいかもですね…っと焦げる!?」
結城由羅藩王はアーシュラとエリザベスの親子愛を見守った後、我に返って主のいなくなったバーベキューの焼き網の前に立って焦げかけている物を片っ端から皿に移し始めた。
「……あの、焦げた所を抽出して皿に載せているよう見えるのは気のせいですか?」
「イヤダナアソンナコトハナイヨ?」
結城由羅藩王とみはえる摂政の主従漫才はさておいて。
「仕方ない。そこのバーベキュー、混ぜてもらうよ」
エリザベスとマイトはバーベキューの輪に混ざっていった。
「よろこんでぇ」
 一同は、輪を囲んでバーベキューを仕切りなおした。




作品への一言コメント

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  • このシーン大好きでした(*^^*)すてきなSSをありがとうございました~! -- カヲリ@世界忍者国 (2007-10-08 22:48:09)
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引渡し日:2007/10

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最終更新:2007年11月06日 08:06