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金村佑華@FEG様からの依頼より



空からの贈り物

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小笠原は相変わらず快晴
青い空に入道雲がソフトクリームに似た形に姿を変えている
白浜に続く道、手をかざして空を見上げながら歩いている一人の少女
暑くなったアスファルトにサンダルの音が響く
青い空と蒼い海が広がっている景色を見て黄色のジャケットを着た少女は彼の人を思う

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キミは大事そうにクーラーボックスを持ち辺りを見渡しながら白浜の方に歩いていた。特に確信があるわけではなかったが彼に会えるかもしれないと思っていたが全然彼の姿は見つからなかった。厳しい日差しとアスファルトの照り返しで疲れたキミは砂浜の木陰を見つけてそこで休む事にした。タオルで汗を拭きながら
「暑いな~」
といい終わる前に目の前の海面が盛り上がって、高い水柱が上がった。その爆発の中に彼の姿があるのを見つけた。
「キャー!!!」
キミはジャケットを脱ぎ捨てて海に飛び込み彼が落下しそうな場所に向って泳ぎだした。彼を助ける為に無我夢中で泳いでいると
『がつーーん!』
と頭に衝撃が走ってキミは意識を失った。

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キミが目を開けると目の前には彼が心配そうにしている顔が飛び込んできた。頭が少し痛いが特に問題がないかと思ったら彼がキミを抱えて砂浜を歩いているのに気がついた。
「きゃ……また会えたあ~」
「何バカ言ってんだか、大丈夫かよ」
キミは嬉しいあまり顔がにやけて仕方がなかった。
「アハハ、私は大丈夫だよ」
「だって嬉しいんだもん」
「コブできてない?」
と彼はキミの身体をじーっと上から下まで見つめていた。思わずキミは顔が火照っているのを感じながら
「え、ダイジョブだよ?」
と答えると彼は真面目な顔で
「大変だ、胸小さくなってないか」
キミは威嚇しているハリセンボンの用に頬を膨らませて
「元からないもん!!」
キミのその顔が可愛かったからなのか彼は少し照れながら
「そう言うときは殴るんだよ。俺を。わかってねえなあ」
とキミの頬をツンツンと突いてきた。
キミは嬉しさと恥ずかしさを誤魔化すために
「殴って胸が膨らむか!!」
「ぷー!!」
といって拗ねて彼を少し困らせてしまった。でも、こんなやり取りでも凄く嬉しかった。

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彼はどこにいっていいのかわからずにキミの傍に戻ってきた。
「まあいいや、待てばまた帰れるだろ」
と言いながら君の傍に座った。キミも彼の横に行って座ってクーラーボックスの中身の事を思い出して勇気を出していってみた。
「冷たいおやつ作ったんだけど食べる?」
「プリン作ったんだよ」
彼の返事はそっけなく
「いらねえ。食べろよ。きにしないで」
キミはさっきの笑顔をどこかに置き忘れたような顔になって
「また会えたのに……」
「また逢えたからどうなんだよ。わかんねえなあ?」
「会いたいって思う事もダメなの?」
キミの瞳には涙が溢れそうになっていた。自覚はあるけどどうしようもなかった。
「誰か会いたい奴いるの? 連れてこようか?」
彼のこの一言でキミの瞳から涙が零れ落ちた。もう止まらなかった。
「貴方に会いたかったと言ったら困るの?」
「えー。俺、とぉ?」
「わっかんねえなあ。どういう理由だよ。俺たち一回しかあってないじゃん」
「……すごく会いたかった」
キミの真面目な瞳に負けた彼はまだ飲み込めていないのかもしれないがキミの言葉を受け入れてくれた。今はまだそれで十分…。

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手に残ったのは美味しくできたプリンが二個
キミは特に意識もせずに彼の分も作ってしまっていたのだ、でも、彼に渡すことができなくてキミの手の申し訳なさそうに残っていた。
キミは彼に自分の想いをたくさん伝えた。今は彼に届かなくても…。
でも、最後に彼はキミにウインクして
「飛行免許とったら、また事故って見る」
と手を振りながら消えていった。キミは彼の居なくなった場所を見つめていたが彼の言葉を思い返してみた。
『また事故ってみる』
そう、これはキミに会うための儀式なのだから…。キミは今度こそプリン食べてもらうぞって海の向うの彼に心の中で叫んでいた。

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白い砂浜の上に2個のプリンが仲良く残されていた。まるで恋人が仲良く座っているかのように…。


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最終更新:2007年11月24日 22:46