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No.174 龍鍋 ユウさんからの依頼


龍鍋ユウは悩んでいた。
友人―――――と言っていいものやらどうか分からないが、そうなりたい人が隣りにいる。
そんでもって一緒に登校中なのだが、
その相手の心が、ぶっちゃけ分からない。
いや、心が分かるのはエスパーだし、そこまで必要はないのかもしれないが、
とにかく、仲良くなる方法が分からない。

まず想定外のことが初っ端に起きたことが問題であった。
ファーストネームで呼んでもいいと言われたはずなのに、不思議そうにされてしまった。
あれ?あれ?と思っているうちに、何やら竹内の反応がおかしいなと思い始めた。
鍋を承諾してくれたときは笑い方は少し違うし、
鍋が嫌いなのかもしれないけれど会話はちょっと噛み合わないし、
もう何が何やら分からなくなってしまった。

ああ、どうしたらいいんだろう。
答えが出ないまま、今に至る。

繰り返すが、龍鍋ユウは悩んでいた。
そして悩んでいる内に優斗が回り道をしようとしていることに気付いた。
分かれようとしているのかも知れない。
ど、どうするべきか、鍋はあんまりっぽいから……ってそういうことは今は関係ないぞ自分。
ああ、うう、一緒に行かないほうがいいよなー
ああ、優斗がーいっちゃう、でも……しょうがないよなー
せめて……気をつけてもらおう。

「じゃ、気をつけてね」

そのとき、藩王から念のためと渡された攻略本が震えた。

「うひっ?」
「?」
「あ、ああいや、何でもない何でもない」

一瞬携帯かと思ったが、鞄全体が震えてるみたいなので違うと分かった。

これが震えているということは、マズイ事をしているってことだよな。
えー、付いて行かない方がいいのではないのかー?付いてけってかー?
しかし一回はお気をつけてねと言った手前、どうやって付いていけばー
あ、中を見ればいいのか?いや、みたらもう使えないんだろうし、ど、どうすればー

結果、ぐるぐる増長。
この間わずか5秒
優斗が不思議に思ってユウをじっと見ている。

まずい、い、い、言い訳を考えないと

「どうしたんですか?」

ど、どうする?自分。どうする?!

「ま………」
「ま?」
「ま……回り道ってのもいいよねぇ~」

……しまった!太平洋だ!
何故だかは分からないが、ふとその一文が頭に浮かんだ。

「は、はぁ」

優斗も首をかしげている。
ま、まずい、追い打ちが必要だ、とええと。

「というかええっと……そうだ、竹内君はどんな回り道をする予定?」
「僕ですか?」

急に振られてええっとと言いながらも、学校の方向を指差す優斗。
これだ、この機を逃すと後はない!
ユウは一人で燃えていた。

「普通に、あの学校の裏手、いったことないんであのあたりを廻ってみようと思いますけど」
「学校の裏手かぁ、そういえばそっちの方は知らないなぁ」
「暇なんですか?」

暇というか、もう朝は優斗と話すことしか考えてなかったからなぁ。
とは口が裂けてもいえない。いかんいかん、違う言い訳を考えないと。

「ん、まぁ、早めに学校行ってもボーっとしてるだけなんで、暇といえば暇かな」

その返答に優斗は苦笑した。ダメな人だなぁと思ったのだろう。
うう、苦笑されてしまった。でも、ここで攻めればきっとー!
そう思ってジーッと優斗を見るユウ。

「いきますか?」
「いきます!いきます!」

折れたのは優斗だった。微笑みながら歩き出す。
心の中でよっしゃー!とガッツポーズをとりながら、ユウがそれに続いた。


が、後ろに立つなと某スナイパーみたいなことを言われたり、変な人だなとか思われたりして、
何も解決していないことに気付くのは、このすぐ後だった。





おまけ

優斗が大きなやかんをもって学校の廊下を歩いている。
日直だからということで、お昼に全員に配るお茶を取りに行った帰りである。

「いつも思うけど、これ重いよなぁ」

ぼやきながらも仕事だからしょうがないと結論付け、教室のドアを開いた。

瞬間、むわっとした空気が全身を包み込んだ。
たじろぐ優斗。

「あ、熱っ!な、何ですか?」
「おー、竹内君お帰りー!」

そう言って出迎えたのはユウ。
熱い部屋の中で唯一涼しい顔をしている。

「龍鍋さん、なんなんですか?」
「いや、前に鍋をしようって言ったじゃないか。で、せっかくだからクラス全員でやろうかと」
「な、鍋?」

言われて教室を見渡すと、確かにクラスメイトが汗を流しながら鍋をつついている。
そういえば今日は弁当持ってくるな、ただし箸をもってこいと言われてたような……。
しかし、ここまで大規模にやるとは思っていなかった。

「よくこれだけ用意できましたね」
「ふっふっふ、鍋の国をなめちゃいけないよ!鍋のためならってそこー!肉が硬くなるー!」

話途中でいくつかある鍋の一つに飛んでいくユウ。
残された優斗はもう一度教室を見渡した。
皆がうまーい、龍鍋様サイコー!と微笑んでいた。
そこで悟った。コレだけ楽しければ、反対意見の出ようがないことを。
そして、早いところ参加しないと食いっぱぐれることも。
優斗はやかんを教卓に置くと、箸を取り出した。

「龍鍋さん」
「なに?」
「僕の白菜、残ってますよね?」

返事は、白菜で埋め尽くされた鍋だった。

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完成しましたので提出します。
修正などありましたらどうぞお気軽にお申し付けください。


作品への一言コメント

感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です)
  • 白菜鍋が良いチョイスです(><)b きっと中には鱈と蟹がギッシリ入ってるのね……あと、太平洋、これは言わないだろうと思い……でもよく考えると似たような言葉をその後のログで言ってる事を思い出しました(笑) 一回目ってホント、緊張しまくりなのねぇ。今見直すとぜんぜんかみ合ってないジャンって相手の気持ちがよくわかるし(苦笑)  -- 龍鍋 ユウ@鍋の国 (2008-03-23 02:05:15)
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引渡し日:2007/


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最終更新:2008年03月23日 02:05