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きみこ@FVB様からのご依頼品


そこは大きな空洞だった。
声が、足音が、変な風に反響しているのが分かった。



「料理教室はここですか」
料理教室、というにはあまりにもかけはなれていた。
さくらつかさはきょろきょろする。
何もない。というか暗い。



「というか、ここはどこですか。」
つぶやくように、言った。
一緒にお祝いにきた面々も分からないらしい。
だいたいさくらつかさと同じような反応をしていた。



今日はエステルの結婚祝いをする予定だった。
そのはずだった。
さくらつかさはきょろきょろしてエステル達をさがす。
急に、ライトがついた。50m上の投光機が照らしているのだった。
次々とライトがついて、艦隊が光に浮かびあがった。
艦首はマッコウ鯨のように見える。
大きさは400mはあろうか。自分たちの船と比べると酷く無骨だった。



エステルは艦首の下で腕を組んでいた。エプロンをつけて。
「主砲、1番から8番、右、砲戦用意」
すごく慌てる一同をよそにゆっくりと動き出す砲塔。
ちょっとまった、とか。
ごめんなさいー、とか。
まさか材料をしとめるとかじゃないですよね、とか言っているうちに砲塔は完全に右を向いた。
狙いは自分たちから外れた。



「いえ。砲を動かさないと、ライトが邪魔されていたので」
「それ、砲戦と違う」
「MAKIに暗いので砲を右に動かせと言いはじめたら2時間それだけでかかります」
まなせのツッコミにも当然といった表情で返すエステル。



「融通の利かないヤツ」
「それはまた悠長な…」
まなせときみこは思わずそういった。
お祝いに来て砲塔に狙われるなんてたまったものではなかった。



エステルの声はMAKIに届いている。
対空レーザー砲塔がまわりだした。きみことまなせをねらっている。
速攻で謝るまなせ。心臓に悪いーとかいっているきみこ。
まなせときみこが動くたびに砲が要が揺動している。
「あやまれ、MAKIにあやまれ」真顔のまなせ。
「ごめんなさーい悠長なんて言ってごめんなさーい!」



<冗談です。ようこそ夜明けの船へ>
涼やかな女性の声が響いた。MAKIだ。



「……おまねき……ありがとう……ございます……」
「じ、冗談いうのかMAKIは…。ちょっとキツすぎる冗談なんですけど!」
精神的なダメージを受けた2人に対してエステルは
「そうですか?中々面白いと思いますが」と返した。
<古い時代にはギャグが未発達であった可能性があります>
MAKIも真顔で返したに違いない。



まあ、他人事なら面白いことは認めます、というまなせの言葉にエステルがうなずいた後、
夜明けの船は現在改装中でキッチンが使えないということを説明した。
お料理教室がなかなか始まらないことに対して痺れを切らしたのかもしれなかった。



<対空レーザーの出力補正は既に済んでいます>
「はーい、多少おっきな火をつかっても大丈夫ですね」
華麗にスルーしつつエプロンをつけ始める天河宵。
「これだけ広ければ……って、レーザー加熱?」
(…換気口をあけるとか?)
真面目に考えるまなせときみこ。



ここら辺で天河宵は気づいた。
「…てか、そういえばここって一体何処…」
MAKIは答える。
<ここは海法よけ藩国です>



夜明けの船は改装中だった。艦を前後に切り離して後半部分を別のものに変えていた。
ただ広く、暗い洞窟の中で夜明けの船は生まれ変わろうとしていた。
宇宙で戦うために。
ライトが次々と付き始める。一隻ではなかった。
<2番艦から8番艦までの建造は順調です>
400m級の艦があちこちに建造されていた。そのどれもが、船出を待っていた。



「すると、夜更けの船とか、夕方の船とかあるんだ」
まなせは一隻一隻を見ながらそう言った。
名前はもう付いているのだろうか。いや、建造中だからまだないのかも。
「いかがですか、宇宙艦長?」
きみこに向かってそう、言ってみた。きみこの職業4は宇宙艦長だった。
きみこの宇宙艦長の血が騒いでいた。



「夕焼けの船をきみはみてるか?」
まなせはきみこの血が騒いでいるのを見て、なんとなく決めてみた。
なんのパロディかは知らない。



さくらつかさは夕焼けとか言うといいと思う、と言いながら艦長を養成せねばと思った。
とりあえず、料理を作るための机を探し始める。今はこっちが大事だった。
「…ふやー、でっかいなぁ。名前考えるのも一苦労だ」
そう言いながら天河宵は塩を探している。
華麗に割烹着に着替える栗田 雷一。



「料理を作るのではないのですか?」
エステルにまでそう言われて思い出すまなせときみこ。
「そうそう。ほら、ネギ!」
まなせはバンダナを巻きつつネギを探した。
ピンポイントでネギを探すまなせ。



きみこは料理の準備をしつつはしゃいでいた。
宇宙艦長の血がまだ騒いでいるらしい。
「…しかしこの戦艦に囲まれたところで料理教室ってw すごい状況」
さくらつかさ、もちろん、と言いながら包丁を取り出してみた。
はやく料理がしたいらしい。きみこは割烹着を正した。



「お料理の先生は誰に頼んだの?」
「先生は、あの人ですよね♪」
きみこは別の血が騒いでいるようだった。ただどきどきわくわくしている。



「こんばんは」
不意に闇から青が顔をだした。今日の先生だった


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引渡し日:2008/03/03


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最終更新:2008年03月03日 20:04