雷羅 来@よんた藩国様からのご依頼品
蓮華畑と美少年
支那実、雷羅来、吉弥が初めて宰相府にやってきた場所は、辺り一面蓮華の見えるよい景観の場所であった。
よんた藩国に滞在しているわん太と交流しようと言うのが今回の趣だったのだが、3人はわん太を見て驚いた。 やって来たわん太と言う少年、美少年であった。鼻が黒いのを除けば完璧である。
「わん太くん、はじめまして、こんばんわ~」
「っと、はじめましてー。」
「こんにちは初めまして~吉弥と言います」
「私は支那実といいます。よろしくね」
「おう、雷羅来や。」
「俺、わん! 太」
まずはご挨拶。
わん太は挨拶も独特たった。
3人はちょっとびっくりした顔をした後、とりあえず本題に移る事にした。
「えーっと、とりあえずその辺散策して、持ってきた弁当でも食べよか。」
「あ、お弁当いっぱい持ってきたんです~」
「今日はわん太くんと一緒にお弁当食べようと思って来たんだよ。ねーらいさん、しなみおねーちゃん」
わん太は不思議そうな顔をした後、尻尾を振った。
「悪い奴?」
何故。
「悪いやつ、ではないと思う。がんばって良い奴になりたいとは思ってる」
雷羅来はそう返答するものの、わん太は不思議そうにまた言った。
「悪い奴はたいてい食べ物でつるんだ。次に押し倒して服を脱がせようとするね」
3人は返答に困った。
一度集まり、作戦会議をする。
(どうしよう、わん太君私達怪しい扱いしてない!?)
(美少年だからかな……前に悪い人にひどい目にあったとか?)
(とっ、とにかくそんな気はこっちにはないっっ! とりあえずそれは分かってもらおう!!)
(オー!!!)
3人は声出しをしてわん太の方に向き直った。
わん太はくんくんと3人の持って来た弁当の匂いを嗅いでいた。
「ごめんね。ぼくたち食べるの好きで、こないだは詩歌国にもたくさんご飯持って冒険に行ってて」
「うん。うちの国は食いしんぼの国なので、みんなご飯もってお出かけするんだよ?」
「別に他人だし、関係ないし、あんたらは俺利用したいだけ。俺も利用する必要がやる。それでいいじゃん」
わん太の言う事はいちいち独特だった。
「利用……って、なんかどうしてもやりたいことあるんか?」
雷羅に問われて、わん太は笑った。
「めし」
どうもお弁当を食べてくれる気はあるらしい。
「は~い♪ ご飯用意しますね」
支那実は嬉しそうに持って来たお弁当を並べ始めた。吉弥もそれに続いて準備をする。
食べるの大好きよんた藩国。持って来たものも様々だった。
「これが普通のよんた饅でしょ、こっちはローストビーフとか、おにぎりも持ってきたー。あ、レジャーシートもあるよ」
「お茶とジュースと紅茶もあるよ」
わん太は2人がお弁当を並べるのを尻目に辺りを見回していた。
春の園の蓮華畑は、ぽかぽかとした陽気に包まれていた。
「ここはどういうところ?」
「宰相府って言って、自分らの国の偉い人がおるとこ。その中の観光名所みたいなとこかな。正確には、宰相府の春の園、やな」
「どういう意味があるの?」
「きれいな花畑に、意味なんているか?」
「なるほど。俺をよんだのも意味はない系か」
わん太は雷羅の言葉に納得したような顔をした。
2人が話している間に、支那実と吉弥はお弁当の用意を終えた。
わん太はひくひくと匂いを嗅いだ。
「あぁ、お口に合うかわからないけど、食べてみて」
支那実の一言で、わん太は手掴みであれこれ食べ始めた。
支那実はにこにこしながらお手拭きを用意して差し出す。
「来さんも吉弥君もどうぞー」
吉弥と雷羅と並んで食べ始めた。
と、わん太が食べ終えたようである。
「どう?お口にあった?」
「うお、たべんの早!」
「おいしいー。わん太食べるの早いねーお茶かジュース飲む?」
「腹減ってるとなんでもうまいね」
「よかったーおいしかったんだね」
「・・・・・」
わん太は弁当を見て言った。
「安全なのは食べた」
3人はまたも顔を見合わせた。
(ネギとかは入れてないけど……)
(犬が駄目なものって何だっけ?)
(ええっと……犬とか関係あるのかなあ?)
(もしかして私達、わん太から信用されてない……?)
(………)
3人が考え込んでいる中、わん太は次々と指を指した。
「こいつとこいつとこいつは、毒が入っているかわからなかった」
指されたのは玉子焼きとよんた鰻とロースとビーフである。
梅干しも嫌がっているようである。
3人はますますもって眉をひそめた。
(好き嫌い多いとか……?)
(それだったらいいけど、やっぱり信用の問題ちゃう?)
(うーん……)
考えた末、雷羅が口を開いた。
「う、勉強不足か。何か好きな食べもん教えといてくれんか? 後学のために。」
「手の内はみせられないよ」
わん太の即答にまたもまたも「うーん…」と考え込む羽目に陥った。
3人の考え込むのをよそに、わん太はきょろきょろと辺りを見回した。
春の園は宰相府でもいちにを争う位の観光スポットだが、今日はいささか人が少ない気がする。
わん太は遠くのゴミ箱を指差した。
数箇所設置されているようである。
「ゴミ箱が複数あるということは利用者は少なくないはずだ。どこかおかしい」
そう言えばと吉弥は思った。
最近になって戦闘があると言う情報が流れ始めていたはずである。
「……戦争の準備のせいかもしらん。近いうちに攻め込まれる可能性もあるらしいから……。」
「なるほど。あんたたちはバカ?それとも周囲がばか?」
「両方の可能性が高い。何とかできるように努力はしてるけど。」
「そう、わかった」
わん太は警戒したらしい。3人から距離を取った。
「そっちがどう思ってようと、こっちは一緒に笑って飯食えるくらいにはなりたいとおもっとる。嫌かも知らんが、それは自分で決めたことやから、これは譲らんからな。また、会いに来る。絶対会いに来るからな。」
「仲良くなるというのは俺を押し倒すまで、親切そうに言う奴が言う台詞だ」
3人はうーんと唸った。
(完全に警戒されちゃったみたいだね)
(うーん、まあ作戦変えよう。食べ物で釣ろうとすると思い込んでいるんだから食べ物以外で何とか興味をもってもらおう)
(わん太と普通に弁当食べれるようになりたいなあ)
(うんうん)
(頑張って、わん太とお弁当食べれるようになろう!!)
(おー!!!)
3人は再度声だしをした。
春の陽気はぽかぽかしている中、3人の戦いは始まった。
わん太と仲良くなる。次のミッションの始まりだ。
作品への一言コメント
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- なんか、プレイヤーの反応が出してない裏ログの状況ピッタリでびっくりですw 次回ミッションがんばります! ありがとうございましたー -- 雷羅 来@よんた藩国 (2008-06-20 17:40:25)
- おお、感想ありがとうございます。わん太君手強そうですけど頑張ってくださいませー。 -- 多岐川佑華@たけきの藩国 (2008-06-21 20:14:44)
引渡し日:
最終更新:2008年06月21日 20:14