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忘れない

忘れたくない

忘れられない

築いた絆は、もう、ずっと手放さない。

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空に、、何かがあった気がした。
何故、私は空を見上げているのだろう。
私は、何を見ていたのだろう。。

「あれ?消えた……何だったんだ?……それより×××!」

ふいに出た言葉が、何か分からない。
あれ?私、何て言ったんだ。

「……あれ?誰かの名前、言ったかな?」

tactyさんや、星青玉さんも様子がおかしい。
……何より、私のこの気持ちは何だろう。
置き忘れたような。この感覚は。

私は、一通り周りを見渡した。
ふと右手に持っていた綿飴に気が付いた。
私、綿菓子は。

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ミズキは少し悲しい顔をした。
周りには分からないくらい、ちょっとした変化だが、それは悲しみだった。

「……なんで、綿菓子持ってるんだ?私。」

仕組みを、ミズキは分かっていた。
彼は飛ぶ、記憶も何もかもを連れて行って。
連れて行かれたそのままの方が、本当は幸せなのだ。

「ねぇ。帰ろう?」

それがミズキに出来る精一杯の優しさだった。
このまま、忘れてしまったまま帰るのが一番いいと。
彼女は本当にそう思っていた。
タルクに何をしていたかを聞かれても、散歩。とだけ答えた。
SOUにも、袖を振ってだけみせた。
それでも、何も分からないだろうけど。

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綿菓子。。
気になる。私、この綿菓子。大切にしてた様な気がする。

「ミズキさん、一つだけ聞いていい?」
「何?」
「私、綿菓子なんて買ったっけ?」

ミズキさんは何か、知ってるような、、そんな気がする。
でも、私にとっては思っても見なかった言葉が飛んできた。

「もう、棄てていいと思うよ。」

私、、私。

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「だから、お祭に、戻ろう。」
「私、色々見て見たい。」

ミズキは完璧だった。
彼の事を分かっているからこそ、完璧に振舞えた。
彼の事を思い出さないほうが、幸せと。
そう心から思っているから。

「賛成です、行きましょう、みなさん。」
「あ、お祭にですねー。」
「えぇ、案内しましょう。」

Wyrdとtacty、タルクがミズキに乗った。
だが、星青玉やS×H、SOUはなかなか動き出さない。
彼らもまた、忘れたままの方がいいのだ。

ミズキは笑った。
みんなが笑えるように、珍しく、微笑んだ。

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綿菓子をじっと見つめる。
ミズキさんは、棄ててもいいって言ったけど。
でも。

「……なんか、誰かに約束した気がする。約束と言うか勝手に誓っただけのような。」
「でも。忘れちゃ、ダメだって。思ったんだ。」

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ミズキはSWの腕を引いて、屋台まで連れて行った。
この子は思い出さない方がいい、知らない方がいい。
その方が、優しくなれる。

「と、ミズキさん?」
「何か食べた方がいいよ。」

「? でも食べるものならもうあるよ。綿菓子。」
「ミズキさん、何でそう思うの?」

「別に。」
「別にって、綿菓子持ってる人に食べ物勧めるって、何か変だよ?」
「お腹にたまる方が、いい。」

綿菓子は、きっかけになる。
思い出さなくても、早くその綿菓子だけは棄てさせないと。

優しいミズキの、思いやりだった。

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「そう……かな。でも、これ私は買ってないんだ。なのに持ってる……ミズキさん、本当に知らないの」
「世の中には、知らないでいい事はある。」

ミズキさんの口調が、厳しくなった。
私、、何か言っちゃいけないこと言ったかな。。

でも、気になる。
ミズキさんは、何か知ってる。確実に。

「忘れちゃいけないって、記憶はある。それは絶対なんだ。ミズキさん、知ってるなら教えて欲しい。」

せ、精一杯の言葉。
どきどきするけれど、でも、聞かないといけない。
そんな使命感に駆られた。

「もう、遅い。」

やっぱり!
何かあるんだ。それをミズキさんは知ってる。

「じゃあ、何かあったんですね?!」

「誰かが、どこかで。死んだと思う。でも、故人は忘れて欲しいと思っている。」

その言葉に、体の奥に熱いものが沸いた。
そんなの、身勝手だ、

「それは死んだ方の勝手です。こっちにも勝手があります!」
「忘れちゃいけないと思った人で死んでしまったのならば、それこそ覚えてなきゃいけない!」
「おいしいものを食べた方が、いいのに。」

そ、、そんな言い方ってッ。

「おいしいものより、約束が大切です。」

ミズキさん、私は、思い出したいッ。

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浜辺は静かだった。

ミズキは先ほど買ったイカ焼きを食べている。
SWの言葉にも無言だった。

「ミズキさん、お願いです。何か教えてください!名前でも、何でも!」
「嫌。教えない。」

tactyは驚きながら聞き返した。

「何でッ?!」
「マイトは傷ついた。」

その言葉に、SWの胸が熱くなった。
マイト。

「マイト、名前はマイト!」
「頬を引っ張ろうとした時、貴方が身構えたから。」

その言葉に、SWの胸が痛くなった。

「そんな事……したか?した……様な気が。」

ミズキは背を向けて歩いていった。
他に、もう、伝える事もないだろうと言うかのように。

「っと、ミズキさん!まだ聞きたい事が!」

その声にも、ミズキは耳を貸さなかった。

マイト、マイト、マイト。

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周りのみんなから聴いて分かった事は、仲間、、いや、私が心配していた事。
悲しい顔で笑っていた事。
私が、約束した事。
それだけだ。。

「マイトと約束していた……忘れちゃいけないって、マイトを心配して。」

浜辺に目を落とす。
壊れた笛が見えた。

笛・・。

「笛……?そう言えば、誰かが笛を吹いていた。」

笛を手にとって、さすってみる。
鉄の笛。

「鉄の笛。珍しいな。音はどうだろう。吹けるかな。」

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SWが笛に口づける。

その瞬間。

鮮やかに、色がよみがえる。

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「……マイト!思い出した!」
「忘れないっていったのに!あぁ、ここにいて、戦ってたんだ!」

祭囃子を吹こうとする、だけど、壊れている笛からは音はならない。
なんで、、私は。。
私。。

涙が出てくる。
情けなさすぎだ。私。。

「これも…、ダメなのか…。」
「………マイトに、、謝りたい、、な。」
「ううん。謝ろう。マイトに会って。悲しませたことを。それで、覚えてたぞって言ってやろう。」

絆は、取り戻せるんだ。
絶対。

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砂浜に何かが落ちる音がする。
手を怪我した少年が、こちらにやってくる。

SWは、駆け寄る。
言ってやるんだ。絶対に。

~Fin~


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最終更新:2007年09月25日 20:38