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浩太 お試しシナリオ



【浩太】「おはよう、文慧(ふみえ)母さん」
【文慧】「おはようございます、浩太さん」
母はちょうど朝食の準備をしていた。
焼きたてのトーストがテーブルの上に置かれる。
俺は静かにテーブルについた。
【文慧】「そういえば、今日から学校でしたね」
ひと仕事終えた様子で母もテーブルにつく。
【浩太】「学校じゃない日に、おれがこんな早く起きたことあるか?」
【文慧】「…………」
【浩太】「…………」
【文慧】「……、ありませんでしたね」
母は、うふふ、と笑った。
【浩太】「いや、やっぱりなんかあるだろ」
断言されてしまうと、逆に意地でもそんな日を見つけたくなる。
【浩太】「新作ゲームの発売日とかさ」
【文慧】「あなた、事前に通販で予約してたわよ」
【浩太】「くっ……。じゃ、じゃあ中学生のときあった地区の落ち葉拾い」
【文慧】「私しか行ってません。ご近所のお子さんはみんな集まってるのに、あなただけ全然起きなくて、結局来なかったじゃありませんか」
【文慧】「私だけ一人でいて、恥ずかしかったんですよ?」
【浩太】「すまなかった……」
【浩太】「じゃああれだ、小学校の頃行ってた夏休みのラジオ体操!」
【文慧】「毎年、『今年こそ行く!』って張り切ってましたけど、結局夏休みが始まったら『朝起きれない……』って言って行かなかったじゃないですか」
【浩太】「あれぇー……、そうだったっけなぁ……?」
【文慧】「そうですよ。『あと、”開いて閉じて開いて閉じて”が、かっこわりぃ』って……」
【浩太】「じゃあ、本当におれが学校以外の日に早く起きたことは……」
【文慧】「ないですね」
【浩太】「…………」
【文慧】「…………」
【浩太】「……学校行ってくる」
【文慧】「はい。気を付けていってらっしゃいね」
なんとなく不快感に見舞われながら(自分が悪いのだが)、家を出た。
最終更新:2010年10月02日 22:11