岡崎武志「読書の腕前」(2007)
評価
★★☆☆
ひとこと
書評家による読書案内。
文学に疎い私には良書の紹介としての意味合いが強かったかな。。。
タイトルの「読書の腕前」そのものを期待すると裏切られるかも。
一読したので、売却予定です。
分類
目次
第一章 本は積んで、破って、歩きながら読むもの
- 「あらすじ」だけを知ったところで……
- 本は「即効性がない」メディア
- なぜ宮崎駿は立花隆を声優に起用したのか
- 「男の顔」は読書がつくる
- 「本を読む時間がない」というのはウソ
- 「理想の空間」は落ち着かない
- 読書の「特等席」
- 「目と本との距離」考
- 「歩く」ことは「読書」に似ている
- 「ツン読」しかありえない
- 本を指に記憶させる
- 「チューニング」には慣れが必要
- 本を破る
- 本を読むのに学歴は必要か
- 「沖仲仕の哲学者」の生涯
- 読書の伝道士
第二章 ベストセラーは十年後、二十年後に読んだほうがおもしろい
- 書評家家業は因果な商売
- 時数が多ければいいってもんじゃない
- 梅宮アンナのベストセラー小説をいかに料理したか
- 小泉純一郎、さだまさしも俎上に
- 超ハイレベルな戦後すぐのベストセラー
- ベストセラーの法則
- 「愛と死」がもたらす「涙」が日本人最大の娯楽
第三章 年に三千冊増えていく本との闘い
- 書斎は男の戦場だ
- 読んでいない本こそ処分せよ
- 買い取り値と元の定価は関係なし
- 古本屋が欲しくない本とは
- 売るならなじみの店
第四章 私の「ブ」攻略法
- いまほど古本が安い時代はない
- 「乙女系」の古書店の隆盛
- 下鴨神社古本まつり漁書記
- 目録持って一〇〇均文庫棚になだれ込む
- 私が目録やネットで買わない理由
第五章 旅もテレビも読書の栄養
- 人に本を薦めないし、人から薦められても読まない
- 鈍行列車に揺られ……日帰り読書旅
- 本の熱病は伝染する -佐藤泰志を求めて
- 「世界・わが心の旅」にハマる
- 同病のよしみでを選ぶ
- もし和田誠がいなかったら……
- 父親の絵本読み聞か読む
- 男が読んで楽しい絵本
第六章 国語の教科書は文学のアンソロジー
- 漫画誌の活字ページで読解力の土台をつくる
- 頭はよくないが、本だけは読んできた
- 「少年探偵」シリーズ -“悪い本”の放つ魅力
- 「このクラスに作文の天才がいます」
- 忘れられない先生
- 自分が溶けたら、本だけが残る
- 『戦争を知らない子供たち』にシビれる
- 「インドで考えたこと」の衝撃
- 文学の入口は「ぐうたら交友録」
- 吉行と開高の“大人の対談”
- “読書の水準器”としての庄野潤三
- 堀文学と志賀文学の違い
- “解説の名手”山本健吉
- 講談社文庫の解説に集う俊英たち
第七章 蔵書のなかから「蔵出し」おすすめ本
- 寝床に持ち込む本
- 本よりおもしろい「本の本」
- 詩は「別腹」
『教養』とはつまるところ『自分ひとりでも時間をつぶせる』ということだ。
それは一朝一夕にできることではない。働き蜂たちの最後の闘いは、膨大な時間との孤独な闘いである。(p29, 中島らも)
メモ
参考文献
(第一章)
- グライムズ「桟橋で読書をする女」
- 佐野眞一「だれが『本』を殺すのか 延長戦PART-2」
- 岡崎武士「読書と私」
- 吉田健一「文学の楽しみ」
- 岡崎武士「昭和史が面白い」
- 黒岩比佐子「伝書鳩 もうひとつのIT」
- 田辺聖子「読むことからの出発」
- 谷川俊太郎「『ん』まであるく」
- 中島らも「固いおとうふ」
- ギッシング「ヘンリ・ライクロフトの私記」
- 清水幾太郎「本はどう読むか」
- 井上ひさし「本の運命」
- 桑原武夫「わたしの読書遍歴」
- 「エリック・ホッファー自伝 構想された真実」
(第二章)
- 森正蔵「旋風二十年」
- 尾崎秀美「愛情はふる星のごとく」
- 永井荷風「腕くらべ」
- 三木清「哲学ノート」
- サルトル「嘔吐」
- ヴェルデ「完全なる結婚」
- ジイド「架空会見記」
- レマルク「凱旋門」
- 河上肇「自叙伝」
- 小松左京「日本沈没」
- 石原慎太郎「スパルタ教育」
- 石原慎太郎「息子をサラリーマンにしない法」
(第四章)
- 巖谷國士「ヨーロッパ夢の町を歩く」
- 今江祥智「幸福の擁護」
- 内田繁「椅子の時代」
(第五章)
- 片岡義男「日常術~片岡義男[本読み]術 私生活の充実」
- 笙野頼子「タイムスリップ・コンビナート」
- ロアルド・ダール「あなたに似た人」
(第六章)
- 北山修「戦争を知らない子供たち」
- 堀田善衛「インドで考えたこと」
- 吉行淳之介「原色の街・驟雨」
- 安岡章太郎「ガラスの靴」
- 庄野潤三「夕べの雲」
(第七章)
- 串田孫一「山のパンセ」
- 山本健吉「ことばの歳時記」
- 森有正「流れのほとりにて」
- 宮脇俊三「旅の終りは個室寝台車」
- 吉田健一「金沢酒宴」
- 稲垣足穂「一千一秒物語」
- ユグナン「荒れた海辺」
- レイモ「夜の魂 天文学逍遥」
- ぼくはカルチャー探偵団編「活字中毒養成ギプス」
- 丸谷才一「ポケットの本 机の本」
- 矢沢永一「紙つぶて」
- 荒川洋治「忘れられる過去」
- 高橋源一郎「人に言えない習慣、罪深い愉しみ」
- 北村薫「空飛ぶ馬」
- 長田弘「私の二十世紀書店」
- 関川夏央「本よみの虫干し-日本の近代文学再読」
- 小林信彦「本は寝ころんで」
最終更新:2010年12月17日 19:32