日本推理作家協会編「Doubt きりのない疑惑」(2011)
評価
★★★☆
ひとこと
ミステリーアンソロジーは今まで知らなかった作家に出逢うために読んでいます。
そういう意味では、「ちょっと読んでみようかな」と思える作家に一作でも
出逢えれば成功なのです。
分類
収録作品
- 薬丸岳「黒い履歴」
- 蒼井上鷹「堂場警部補とこぼれたミルク」
- 佐野洋「選挙トトカルチョ」
- 新津きよみ「その日まで」
- 西村健「点と円」
- 長岡弘樹「傍聞き」
- 田中啓文「辛い飴 永見緋太郎の事件簿」
- 逢坂剛「悪い手」
ネタバラシ作品(この本より先に読め!作品)
ネタバラサレ作品(この本より先に読むな!作品)
メモ
- 近所で起きた殺人事件。犯行現場そばに居合わせた主人公(少年院経験有)の前に、昔の取調官が現れる。what do it。★★。薬丸岳「刑事のまなざし」の連作短編の一作。
- 被害者は「ゆすり」をしていた模様。誰が殺したのか。who do itの体裁をとっているが実は・・・。ドーヴァー警部へのオマージュ。個人的にこのパターンのミステリは好みでないので★★。蒼井上鷹「堂場警部補の挑戦」の連作短編の一作。
- 副署長に就任した男は、就任会見で近所に住む若い女性記者と遭遇し・・・。その後に起こった出来事は果たして何だったのか?★
- 強運の持ち主で、時効まであと僅かを残すだけの女と、その女の秘密を知る平凡な主婦の話。サスペンスタッチ。人間ドラマとしても味わいがある。「探す」を共通テーマとした短編集の新津ひとみ「わたしはここにいる、と呟く」の一作★★★
- 松本清張「点と線」のオマージュ。ミステリとしては平凡だが、「キャラ」やご当地が好きな人向けか。★★。ご当地ラーメン・ハードボイルド「ゆげ福 博多探偵事件ファイル」の中の一作。
- 横山秀夫を彷彿とさせる、警察小説。ラストもいい。短編集「傍聞き」に収録。★★★
- 伝説のジャズバンドの復活話。謎解きと思わずに読むと心地よい★★。
- サイコ・サスペンス。自分で制御できない左手を持つ女性ピアニストが診療所を訪ねてきた。★
参考
主人公
- 少年院から出所し、姉家族と暮らす男と、少年鑑別所の担当官の経歴を持つ刑事
- 堂場警部補
- J県警J中央署 副署長(ノンキャリ)
- 時効を待つ女
- 博多ラーメン好きの私立探偵。
- 小学生の娘を持つ女性刑事
- テナーサックス ミュージシャン
- 女性ピアニスト
最終更新:2012年06月20日 23:06