村上春樹「1Q84」(2009)
評価
★★★☆
ひとこと
文庫化されたので2012年の夏休みの読書に選んだ。
村上春樹の長編はどれにもいえることだけど、
ゆったり時間のあるときに、読むべきですね。
ただ・・・私にはやや“もやもや感”が残った一作でした。
万人向きというよりは、春樹ファン向けの一作かもしれません。
個人的には
ねじまき鳥クロニクルの方が好み。
分類
Book1 4-6月
- 青豆 見かけにだまされないように
- 天吾 ちょっとした別のアイデア
- 青豆 変更されたいくつかの事実
- 天吾 あなたがそれを望むのであれば
- 青豆 専門的な技能と訓練が必要とされる職業
- 天吾 我々はかなり遠くまで行くのだろうか?
- 青豆 蝶をお起こさないようにとても静かに
- 天吾 知らないところに行って知らない誰かに会う
- 青豆 風景が変わり、ルールが変わった
- 天吾 本物の血が流れる実物の革命
- 青豆 肉体こそが人間にとっての神殿である
- 天吾 あなたの王国が私たちにもたらされますように
- 青豆 生まれながらの被害者
- 天吾 ほとんどの読者がこれまで目にしたことのないものごと
- 青豆 気球に碇をつけるみたいにしっかりと
- 天吾 気に入ってもらえてとても嬉しい
- 青豆 私たちが幸福になろうが不幸になろうが
- 天吾 もうビッグ・ブラザーの出てくる幕はない
- 青豆 秘密を分かち合う女たち
- 天吾 気の毒なギリヤーク人
- 青豆 どれほど遠いところに行こうと試みても
- 天吾 時間がいびつなかたちをとって進み得ること
- 青豆 これは何かの始まりに過ぎない
- 天吾 ここではない世界であることの意味はどこにあるのだろう
Book2 7-9月
- 青豆 あれは世界でいちばん退屈な町だった
- 天吾 魂のほかには何も持ち合わせていない
- 青豆 生まれ方は選べないが、死に方は選べる
- 天吾 そんなことは望まない方がいいのかもしれない
- 青豆 一匹のネズミが菜食主義の猫に出会う
- 天吾 我々はとても長い腕を持っています
- 青豆 あなたがこれから足を踏み入れようとしているのは
- 天吾 そろそろ猫たちがやってくる時刻だ
- 青豆 恩寵の代償として届けられるもの
- 天吾 申し出は拒絶された
- 青豆 近郊そのものが善なのだ
- 天吾 指では数えられないもの
- 青豆 もしあなたの愛がなければ
- 天吾 手渡されたパッケージ
- 青豆 いよいよお化けの時間が始まる
- 天吾 まるで幽霊船のように
- 青豆 ネズミを取り出す
- 天吾 寡黙な一人ぼっちの衛星
- 青豆 ドウタが目覚めたときには
- 天吾 せいうちと狂った帽子屋
- 青豆 どうすればいいのだろう
- 天吾 月がふたつ空に浮かんでいるかぎり
- 青豆 タイガーをあなたの車に
- 天吾 まだ温もりが残っているうちに
Book3 10-12月
- 牛河 意識の遠い縁を蹴るもの
- 青豆 ひとりぼっちではあるけれど孤独ではない
- 天吾 みんな獣が洋服を着て
- 牛河 オッカムの剃刀
- 青豆 どれだけ息をひそめていても
- 天吾 親指の疼きでそれとわかる
- 牛河 そちらに向かって歩いていく途中だ
- 青豆 このドアはなかなか悪くない
- 天吾 出口が塞がれないうちに
- 牛河 ソリッドな証拠を集める
- 青豆 理屈が通っていないし、親切心も不足している
- 天吾 世界のルールが緩み始めている
- 牛河 これが振り出しに戻るということなのか?
- 青豆 私のこの小さなもの
- 天吾 それを語ることは許されていない
- 牛河 有能で我慢強く無感覚な機械
- 青豆 一対の目しか持ち合わせていない
- 天吾 針で刺したら赤い血が出てくるところ
- 牛河 彼にできて普通の人間にできないこと
- 青豆 私の変貌の一環として
- 天吾 頭の中にあるどこかの場所で
- 牛河 その目はむしろ憐れんでいるように見える
- 青豆 光は間違いなくそこにある
- 天吾 猫の町を離れる
- 牛河 冷たくても、冷たくなくても、神はここにいる
- 青豆 とてもロマンチックだ
- 天吾 この世界だけでは足りないかもしれない
- 牛河 そして彼の魂の一部は
- 青豆 二度とこの手を放すことはない
- 天吾 もし私が間違っていなければ
- 天吾と青豆 サヤの中に納まる豆のように
つまりですね、言うなればこれから普通ではないことをなさるわけです。(中略)
で、そういうことをしますと、そのあとの日常の風景が、なんていうか、いつもとちっとばかし違って見えてくるかもしれない。私にもそういう経験はあります。
でも見かけにだまされないように。現実というのは常にひとつきりです。(Book1上 p26)
もし気がつかなかったのなら、それは一度もいじめにあっていないということよ。
だっていじめというのは、相手に自分がいじめられていると気づかせるのがそもそもの目的なんだもの。
いじめられている本人が気がつかないいじめなんて、そんなものありえない(Book1上 p174)
あなたの行動が純粋な気持ちから出たことはよくわかっています。(中略)
しかし混じりけのない純粋な気持ちというのは、それはそれで危険なものです。
生身の人間がそんなものを抱えて生きていくのは、並大抵のことではありません。
ですからあなたはその気持ちを、気球に碇をつけるみたいにしっかりと地面につなぎ止めておく必要があります。(Book1 下 p77)
説明しなくてはそれがわからんといううことは、どれだけ説明してもわからんということだ(Book2上 p235-236)
心から一歩も外に出ないものごとなんて、この世界には存在しない(Book2 上 p319)
メモ
参考文献
主人公
最終更新:2012年08月18日 18:59