川原慎也「これだけ! PDCA」(2009)


評価

★★★☆

ひとこと

これだけ「PDCAがなっとらん!」と怒られてばかりなので、基本のキということで購入。
買ってから気づいたのですが、これも船井総研の人の本だった。
それほど目新しいことは書いていないけど、確かに耳の痛い内容であった。

Plan段階では、通常業務があることが前提で考える、問題の直視の仕方、
勝てるイメージの計画の落とし込み、こういう所が決定的に欠けている気がした。

なぜなぜ分析については小倉仁志「問題解決力がみるみる身につく 実践 なぜなぜ分析」と併読するとよいかも。



分類


目次

  1. なぜPDCAが回らないのか?
    • 当たり前のことが、当たり前にできない!?
    1. 全ての原因は「計画のダメさ」にアリ
    2. Pを邪魔する“成果主義”という名のモンスター
    3. 停滞するリーダー・成長するリーダーの違い
    4. 目標と目的を混同していませんか?
    5. メンバーとのコミュニケーションを軽視してはいけない
    6. 会社のビジョンは「腹落ち」するまで理解しているか
    7. 「鷹の目」と「蟻の目」の意識の不足
    8. 自社の戦略意図に基づいた指示を出そう
    9. 既存業務の延長では成長は見込めない
    10. 「諦めなければ成功する」のになぜ実践できないのか
  2. <Plan>計画策定段階で勝負は90%決まる
    • 「やらされている」意識が失敗を招く
    1. “手段の目的化”が計画をダメにする
    2. 「お客さまとの約束」でやるべきことは見えてくる
    3. 「約束」の有言実行で他社に差がつく
    4. ステップ① 現状の振り返りがスタート地点
    5. ステップ② 正しい事実を把握する
    6. ステップ③ 事実を認識するプロセスを欠かさない
    7. ステップ④ 計画には「勝てるイメージ」が不可欠
    8. ステップ⑤ 実行に値する計画か検証する
  3. <Do>実行段階のジレンマ
    • 「想定外」は起きて当たり前
    1. ワンランク上を目指すために必要なこと
    2. 「やることがありすぎて手が回らない」はホント?
    3. 緊急/重要マトリクスで、業務の仕分け
    4. 実行を妨げる人間の三つの特性を理解する
    5. 「5S」の徹底でチームの実行力アップ
    6. 限りある資源は有効活用すべし
    7. チームの“フロー化”でパフォーマンスを最大化する
  4. <Check>改善策が見えてくる! 評価の進め方
    • 評価指標は計画段階で決めるべきもの
    1. ステップ① 現状の正しい把握からスタート
    2. ステップ② 早めのタイミングで改善のための手を打つ
    3. ステップ③ 目標にピッタリのKPIを見つけよう
    4. ステップ④ 成果に直結するKPIとは?
  5. <Action>次の計画につなげるステップ
    • 改善が実現できるかどうかの分かれ道は“しがらみ”
    1. 何が改善を妨げているのか、理解しよう
    2. 会議を活用してメンバーを巻き込む!
    3. 形状記憶組織からの脱却
    4. チームの基礎力アップで改善スピードがグンと上がる
    5. PDCAは改善で終わりではない


気になる表現





メモ

  • 計画らしきもの
    • 「何を」「いつまでに」はあっても、「誰が」「どうやって」が殆ど明らかになっていない
    • 【理由1】計画を作るタイミングが悪い
    • 【理由2】計画を承認する組織構造に問題アリ(現場レベルの細かいチェックが行き届かない)

  • 成果主義的な評価制度の弊害
    1. 低い目標設定
    2. 長期スパンの事業の回避
    3. 非協力的な空気

  • 勝てる目標・計画の作り方
    1. 堅い見込み数値の決定
    2. 目標数値と①のギャップを出す
    3. ギャップを埋めるための方策を考える
      • 新しい販売チャネル・顧客を開拓する
      • 商品・サービスを変える
      • イベント・キャンペーンを行う
    4. 方策ごとの数値を予測
    5. ④の合計が150%になるよう、方策を追加
    6. ④・⑤の方策の実現可能性、実現を妨げるもの(阻害要因)を洗い出す
    7. ⑥で挙げた阻害要因を克服するための対応策を検討し、チェックするポイントを予め決めておく

  • 業務の仕分け
    • A:緊急   × 重要
    • B:緊急度低 × 重要
    • C:緊急   × 重要度低
    • D:緊急度低 × 重要度低
      • まずBの業務を推進する時間を確保 
      • C,Dは思い切ってやめる、極力効率化を図る
      • Aは「なぜここに位置づけられる業務が多くなってしまうのか」の根本的な問題を把握し、解決策を検討する

  • 実行を妨げる人間の三つの特性
    1. 学生症候群
    2. 必要以上の時間設定
    3. 掛け持ち

参考文献

  • 岩崎夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

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最終更新:2013年03月02日 20:02