小倉仁志「問題解決力がみるみる身につく 実践 なぜなぜ分析(2010)
評価
★★★☆
ひとこと
PDCAの回し方がなっていない、と言われてあれこれ乱読を進めている中の一冊。
「実践」だけあって、日頃のビジネスシーンで思い当たることばかり。
「分かったような、漠然とした言葉で表現しないこと」、
「すぐに“なぜ”に入らない」など日頃から心しておくべき点が多い良書。
なんとなく「課題設定力」が大事と感じていたが、これを読んでその意を強くした。
分類
目次
- 対象があいまいだと「なぜ」も的外れに~掘り下げ前の状況把握が分析の質を左右
- 現場力の弱点発見に役立つ
- 課題を見極め、絞り込みせよ
- 見たままを言葉にしよう
- 的確かつ具体的に表現する
- 目の前の「なぜ」を見落とささないコツ~事前に分析の観点を決めてはいけない
- 分析前の観点の決め付けには要注意
- 文中の言葉に着目して「なぜ」を出す
- 一つひとつ「なぜ」を挙げる
- 順序やつながりを踏まえ「なぜ」を繰り返す
- アバウトな表現が招くいつもの対策~表現の違いで「なぜ」を繰り返す
- 現場の行動をストレートに表現する
- 意味が広すぎる言葉
- 主語を入れて分析対象を明確にする
- 発生期間や時点、傾向を具体的にする
- 日本語の意味を確認してから表現しよう
- 人為ミスの分析のコツ まずは作業を細かく分解~間違いは4段階で探る
- まず作業を細かく分解する
- 「やらなかった」「間違えた」のどちらなのか
- 4段階を追って掘り下げる
- 人為ミスの「なぜ」の正しい視点~個人的な話と言い訳には要注意
- 個人的な話(臨床心理面)は避ける
- 言い訳は基本的に避ける
- ミスの要因例①「紛らわしさ」
- ミスの要因例②「○○しづらさ」
- ミスの要因例③「作業中のノイズ」
- ミスの要因例④「役割分担の不備」
- 並べ方にこだわるだけで要因漏れを少なくできる~並列の「なぜ」を直前の「なぜ」で“検算”する
- 時間や場所、作業内容を細かく分けよ
- 作業の流れを書き出してから「なぜ」を出す
- 時間の早い順、場所の近い順から並べよ
- 直前の「なぜ」が解消するかチェックせよ
- 定量的な表現は大事 深い分析の必要条件~差異の表現からも気づきを得られる
- 基準を明確にしよう
- 基準をはっきりさせ、反対側から見てみる
- 頻度や変化を的確に表現する
- 行動・動作の頻度もしっかり表現しよう
- 逆さに読んでみよう 筋道の正しさを判定~言い訳のおかしさもすぐ分かる
- 窓が開けば花びんが割れる?
- 人員不足は計画遅れの原因?
- 言い訳の先には対策は無い
- 背景を加えた表現で筋道を正そう
- 誰の再発防止策か狙いを意識し実践せよ~現場と管理者で落としどころが異なる
- 「再発防止策」の意味を正しく理解せよ
- 防止策とは発生を防ぐだけではない
- 管理監督者も自らの課題を分析せよ
- 途中で検証し絞り込む 事実誤認を防止~正しい検証は現場・現物主義で
- できるだけ早い段階で検証せよ
- 頭の中だけで検証してはいけない
- 検証すべきタイミングは主に2段階
- 検証すべき内容を具体化せよ
- 分析力の弱さは接客に響く
- 全社活動でリスク軽減 経営課題を見いだせ~活動を発生職場だけで終わらせるな
- 個々の分析力向上から始めよ
- 現場の報告を経営層も精査せよ
- 傾聴・合併・方針展開における活用法
- お客様の声の聞き取りに活用する
- 合併時のルールの見直しなどに活用
- 方針展開のチェックに活かす
- 甘い認識で論理的思考に臨むなかれ
- なぜなぜ分析 活用変
- 上司も自ら分析し動き回ろう ~「あるべきものが無かった」の分析事例
- 「なぜ」を出す前に準備が必要
- マネジャーも分析を実践
- QC活動のスキルと再発防止は別物
- 「チェック不足」の原因報告に注意せよ
- 定量的な分析とはスキルが異なる
- 残業減らしに活用しよう
- 「期限を守れない」~よくある事象を分析
- 特定の人を対象に掘り下げる
- 具体的に分析すれば突破口が開ける
メモ
「なぜ」を考える前にやるべきこと ←ココが重要
- 分析の目的を明確にする
- 課題(事象)を見極めて絞り込む
- 事象は、先入観を入れずに見たまま表現する ←大事な作業
- 事象は、より具体的に表現する
- アバウト表現のワースト4
- ○○管理
- ○○意識
- ○○不十分
- 悪い
- 対象とする物事のつながり(いきさつ、作業、構造)把握する
的確な「なぜ」を出す
- 意味の明確な言葉を選んで使う
- 主語を必ず入れる
- 期間、時点、傾向、基準、差異、変化の仕方を明確にする
- 「やらなかった」ミスと「間違えた」ミスに分ける
論理的に「なぜ」を出す
- 逆読みで筋道を但しながら「なぜ」を出す
- 「問題点」の視点から「なぜ」を出す
「なぜ」の漏れを防ぐ ←今まで考えていなかった観点
- 文中の言葉に着目して「なぜ」を出す
- 1つの「なぜ」に要因を2つ以上入れてはいけない
- 順序・つながり(時間、場所、作業)を踏まえて「なぜ」を出す
- 「間違えた」は「情報」「受取」「判断」「行動」から要因を探る
- (例)情報:商品表示の間違い
- (例)受取:表示の見間違い
- (例)判断:(この商品でよいと)判断の間違い
- (例)行動:(両隣の)商品の取り間違い
- 「気づかなかった」ことも挙げて、管理上の問題点も探る
- 検算の要領で屁入れてウに挙げた「なぜ」をチェック
狙いを踏まえて「なぜ」を繰り返す
- 狙いは再発防止策を出すことである
- 個人的な話(臨床心理面)には踏み込まない
- 現場側からだけでなく、管理側、管理部署側からも再発防止策を出す
「なぜ」の検証は現場・現物で
- できるだけ早い段階で「なぜ」を検証する
- 的確な検証方法を選択する
参考文献
最終更新:2013年03月02日 20:05