DRAGON QUEST ダイの大冒険の第1話

?「じいちゃんから聞いたことがある・・・ずっと昔――‘勇者‘と呼ばれる正義の戦士が人々を苦しめる悪い魔王に戦いをいどんだんだって・・・勇者さまは仲間達と力を合わせてつらい戦いの旅の末、ついに魔王をやっつけたぁ―――っ!!」
魔王「ウギャ~!」
勇者の一撃が魔王の首を跳ね飛ばした。
?「そのおかげで、人間から嫌われていた魔王の手下のモンスター達も、その邪悪な意思から解放され・・・誰にも迷惑のかからない場所でひっそりと平和に暮らすようになったんだ」
「その場所っていうのが南海の孤島、デルムリン島――いまおれが住んでるココなんだってさ!!」


デルパ!イルイル!(前編)

デルムリン島では、人間の少年がアンクルホーンにまたがって、他のモンスター達と遊んでいた。
ダイ(おれはダイ!この島でただひとりの人間だ!なんでも赤ん坊の頃、船が難破してこの島に流れついたって話なんだけど・・・くわしいことはわからない)
(当然!将来は立派な勇者になってこの島の平和を守りたい!!)
(-と思ってるんだけど・・・)
ブラス「バっカモ―ンっ!!」
ダイ「んぎゃぁ!!」
鬼面導師のブラスが杖でダイの頭を叩いた。
ダイ「ぶっ、ブラスじいちゃん。なにしてんだよょお・・・」
ブラス「えぇい、うるさいっ!勇者ごっこして遊んでるヒマがあったら魔法の一つも覚えてみせろ!まったくおまえを拾ってから何年になるとと思ってるんじゃ。だいたいお前ごときが勇者になりたいなどと、ぬかすのが間違いのもとなんじゃ・・・」


ダイ「な―頭きちゃうよな、ゴメちゃん」
ダイの側にいるのは、ゴールンデンメタルスライムのゴメだ。
ブラス(立派な魔法使いになればいずれ勇者さまの役に立てる!ダイ、おまえは魔法使いになるんじゃ!!)
ダイ「とは言うもの何年たっても魔法は上手くならないし・・・それになんたって勇者は一番カッコイイもんな」
ゴメ「ピー!
ゴメがダイの頭に乗り、勇者の兜を真似た。
ダイ「へへへっ、そうそう。やっぱゴメちゃん、話が分かるぜ」
その時、ダイが海の向こうから来る船に気付いて、望遠鏡を取り出し覗いてみた。
船の看板に乗っていたのは勇者のパーティ、と同じ格好をした4人組だった。
ダイ「あっあああああぁ―~っ!!ゆっ、ゆっ、ゆっ、勇者さまだぁ!!な、なんでこんな島に勇者さまが・・・う~ん・・・よ、よぉしっ!」
ダイが口笛を吹くと、下の海にマーマンが出てきた。
ダイ「ゴメちゃん、ちょっと待ってろよな」
ゴメ「ピ~ッ」
ダイが飛び降り、マーマンの上に乗る。
ダイ「マーマン、あの船までたのむよ!」
マーマン「おおおお―~ん!」
ダイ(本物の・・・本物の勇者さまが見られるかも・・・)

船に乗っていたのは、勇者でろりん、戦士へろへろ、魔法使いまそっぽ、女僧侶ずるぽんんの4人だった。
まそっぽ「キッヒッヒ、あれだな。モンスターの生き残りがウジャウジャいるって島は・・・」
へろへろ「またひと暴れしてやるかぁ!!」
でろりん「魔王が死んでおとなしくなったモンスターをいびり倒していりゃ、勝手に勇者とあがめてくれるだからな、こんなにオイシイ商売はないぜ」
へろへろ「まったくだ」
まそっぽ「ヒヒヒ」
ずるぽん「ちょっと待ちなよ。今回はモンスター退治が目当てじゃないんだ。‘アレ‘が見つけるまで、むやみに殺しちゃダメさ」
まそっぽ「世界に一匹しかいないという幻の珍獣・・・」
でろりん「ゴールデンメタルスライムかか・・・・・!?」
まそっぽ「一匹で百万の富に匹敵するというが・・・」
へろへろ「本当にいるのかよ!?」
ずるぽん「いなきゃ、島中皆殺しにして、いつも通り怪物退治の報酬をもらえばいいわよ」
でろりん「ふん、悪党め」
船にダイの乗るマーマンが近づいてきた。
ずるぽん「ハッ」でろりん「ム」
ダイ「!あ~っ!!や、やっぱり本物だあ!!」
ダイが船に飛び移った。
ダイ「ほ、本物の勇者さまですね!すごいや!!」
でろりんが剣を抜こうとするが、ずるぽんが止めた。
ずるぽん「ぼうや、あなたは・・・・?」
ダイ「おれっ、ダイです!!」
ずるぽん「あの島の子?」
ダイ「うんっ!」
ずるぽん「でもあの島にはモンスターがたくさんいるでしょう!?」
ダイ「大丈夫だよ。みんなおれの友達だもん!!」

でろりん「おい、どういうつもりなんだ」
ずるぽん「まあ、あたしにまかせときなよ。あの子に案内させりゃ、手間がはぶけるじゃないか」

でろりん達とダイが小舟でデルムリン島に入った。
ダイ「え!?みんなを呼ぶの?」
ずるぽん「そう。あたしたちはね、罪もないモンスター達が人間にいじめられないように保護してまわってるの。だからこの島にいるモンスターの実態がが知りたくてね」
でろりん「頼むよ、ダイ君」
ダイ「わかりました!」
ダイが指をくわえ、大きな口笛を吹いた。
口笛を島の全域に響き渡った。
ブラス「ん?集合の笛!?なんじゃ一体!?」

モンスター達がでろりん達の周囲に集まって来た。
ずるぽん「ぼうや、これで全部!?」
ダイ「うん、ほとんど」
ずるぽん「ほら、これ(スライム)のもっとキレイなヤツがいるでしょ・・・?」
ダイ「ああ、ゴメちゃんか!?」
ずるぽん「ゴメちゃん?」
ダイ「あだなだよ。ほんとはゴールデンなんとかっていう長ったらしい名前なんだけど言いにくいから・・・」
ずるぽん達(それだっ!!)
ダイ「あいつ人見知りするからな・・・おれが連れてくるよ!!」
ダイがその場から走り去った。
ブラス「み、みんなどうした!?何事じゃ?」
でろりん「ほう、鬼面導士が一匹生き残っていたか・・・」
ブラス「あ…!?勇者さま・・・!?い、いや・・・違う、本当の勇者さまはもっと澄んだ目をしておられる・・・!貴様らは誰じゃ!何しに来た!?」
でろりん「・・・うるさいジジイだ・・・!!」

ダイ「大丈夫だよ。相手は勇者さまなんだぜ」
ダイがゴメを連れて戻ってきたが、その場ではでろりん達がモンスター達を蹂躙していた。
ダイ「や、やめろおっ!!」
ブラス「ダイ・・・逃げろっ!」
ダイ「じ、じいちゃん!!」
ダイがブラスに駆け寄ろうとしたが、その前にずるぽんが立った。
ブラス「!!」
ずるぽん「ウフフ、ぼうや、ごくろうさん」
ずるぽんが、ダイの手からゴメを奪った。
ダイ「あ」
ずるぽん「ご褒美をあげるわ!バギ!」
ずるぽんの真空呪文がダイを吹き飛ばした。
ダイ「うわああっ!!」
でろりん達は小舟に乗り込んだ。
でろりん「さあ、一気にかたづけて引き上げだっ!!」
ブラス「ああ、あぶない!!みんなふせろっ!!」
でろりん「イオラッ!!」
でろりんの爆裂呪文がブラス達に放たれ、大爆発を起こした。

でろりん達は船に戻り、デリムリン島から離れていった。
でろりん「フフフ、うまくいったぜ」
ずるぽん「これが何百万ゴールドにもなるのかと思うと・・・」
まそっぽ「まったく笑いが止まらんよ」


ダイ「あんな奴ら勇者でも何でもない!一緒にいってぶちのめしてやろうぜ」
キラーパンサー「がうっ!!」
ダイ「よお~し!いくぞ―っ!イルイルッ!」
ダイの持つ筒に、キラーパンサーが吸い込まれた。

その筒は、ブラスがダイに渡した物だった。
ダイ「これは・・・」
ブラス「魔法の筒じゃ。あの偽物どもと戦うならば、これを持っていくがいい」
ダイ「でもおれ、魔法使えないよ」
ブラス「大丈夫じゃ。誰にでも使えるわい。これは中に生き物を一体だけ封じ込める筒なのじゃ。持って‘デルパ‘を唱えれば中身が飛び出す。‘イルイル‘の呪文で筒を向けた相手を封じ込める」
ダイ「ふぅ~ん、イルイルかぁ」
ダイの持つ魔法の筒が開いた。
ブラス「おわわ~っ!」
ブラスが魔法の筒に封じられた。
ブラス「バッ、バカモンが、早く出さんか~~~っ!」

ダイ「イルイル、イルイル、イルイル!!イルイル!イルイル、イルイル!」

ブラス「用意はいいか!?」
ダイ「うん、まだ動けるやつはみんなつめこんだよ。必ずゴメちゃんを取り戻してきてやる!!」
ブラスがダイに金色の魔法の筒を渡した。
ブラス「これはわしが昔、魔王よりゆだねられたものじゃ。何が入ってるか、恐ろしくて開けたことがない。はるか時空の彼方より来たれりものと聞くが・・・・」
ダイ「・・・・・・」
ブラス「もしもの時、使ってみるがいい」
ダイ「ありがとう!じいちゃん!!デルパッ!!」
ダイが魔法の筒からキメラを出し、その背中に飛び移った。
ダイ「よ―し、たのむぞ、キメラ!!」
キメラ「キエエッ!!」
ダイとキメラが出発した。

デルパ!イルイル!(後編)

ゴメを奪ったでろりん達は、人間の国、ロモスの王城に凱旋した。
ロモス王「おお!勇者でろりんよ、よくぞ無事に戻ってまいった」
でろりん「はは~っ」
ロモス王「このたびは魔物たちが巣食っているという魔の島、デルムリン島への冒険であったそうだが・・・」
でろりん「はっ、邪悪きわまりない魔物の残党どもが次から次へと襲いかかってまいりましたが、仲間達と力を合わせて奴らを一掃してまいりました」
兵士達「おお・・・」 「さすがは勇者さまよ」
でろりん「その際に一匹だけめずらしいモンスターを見つけましたので、殺さずに捕らえてまいりました。王様に献上しようと思いまして」
ロモス王「余にモンスターをじゃと?」
でろりんが出した手檻の中に、ゴメが閉じ込められていた。
ロモス王「おおお、こ、これはっ・・・!!?」
ずるぽん「幻の珍獣と呼ばれるゴールデンメタルスライムでございますわ」
でろりん「まさに生きた宝石です」
ロモス王「なんと素晴らしい!見事じゃ、でろりん。そなたの望むままの褒美をとらせよう!」
「でろりんこそ真の勇者じゃ!今宵は宴を開き、彼とその仲間達の帰還を祝おう!その席上で、余は真の勇者にのみ与えられるという‘覇者の冠‘をさずけるであろう!」

それから、ずるぽんは町の服屋に行った。
ずるぽん(やっぱりこんなダサい法衣でパーティーには出られないよね~~~!)
「ンフ」
「これとこれ!あ~っとこれももらうわ!!」
店員「お客さん、こんなに買い込んでもいいんですかい!?」
ずるぽん「なによ文句あるの!?金ならいくらでもあるんだからね!」
ずるぽんが持っていた服を誰かが取った。
ずるぽん「あっ!?なにすんのよ!それはあたしが・・・!ああっ・・・!?」
その客は、モンスター、おばけキノコだった。
おばけキノコは甘い息を吐いて、ずるぽんと店員を眠らせ、
ずるぽんを何処かへ引きずっていった。


ずるぽんは、ダイ達の隠れる小屋に連れてこられた。
ずるぽん「ん・・・ハッ。お、おまえは・・・!?」
ダイ「やっとつかまえたぞ、この悪党めっ!」
ずるぽん「・・・まっ、まさか生きていたなんて・・・!」
ダイ「へっへ~だ、そうおまえらの思い通りにいくもんか」
「さあ、ゴメちゃんの居場所を言えっ!!」
ずるぽん「ケッ、だれがいうもんか」
ダイ「あっそ、じゃあ、しょうないな」
ずるぽん「あっ・・・!な、なにすんのよ、このイロガキ!!」
ずるぽんは靴と下履きが脱がされ、裸足にされた。
ダイ「デルパッ!!」
ダイが魔法の筒から、大アリクイを出した。
ずるぽん「ひっ!?」
ダイ「大アリクイやれ!」

ずるぽんが大アリクイに足の裏をなめられる。
ずるぽん「キャ―ハッハッハッ!そ、そうなのよ。パーティーは王宮の庭でやるの。きっとそこにあのスライムも・・・!ぎゃ~はっは。やめて~」
ダイ「フムフム」

夜、王宮の庭でパーティーが開かれた。
でろりん「遅いな、ずるぽんのやつ・・・」
まそっぽ「どこへ行っとるんじゃ!?」
ダイが壁を渡り、塔を昇っていく。
ダイ「ぐお・・・あ」
ダイがロモス王の側に閉じ込められたゴメを見つけた。
ダイ(ゴメちゃん!くっそお、あんなところにとじこめやがって・・・!待ってろよゴメちゃん。今、助けてやるからな)
「みんなたのむぞ!デルパ―ッ!!」
ダイがばらまいた魔法の筒から、モンスター達が出てきた。
でろりん「げぇえええっ!?」
衛兵「うわぁあ!」
ロモス王「なっ・・・!なにごとじゃあ、これはっ!!」
衛兵「怪物の襲撃だあ~~~っ!!」
でろりん「おのれぇ!!」
でろりん達3人が、モンスターに向かう。

小屋では、ずるぽんがまだ縛られていて、スライム達が見張りをしていた。
ずるぽん「ああ・・・ああん。縄がくいこんで痛ぁい~~~、ねぇん、ちょっとゆるめてぇ」
スライム達が頬を赤らめる。

ロモス城、ダイが騒ぎに紛れて、ゴメの檻に近づいた。
ロモス王「あっ!?何奴じゃ!」
ダイ「ゴメちゃん!」
ゴメ「ピ~ッ!」
ダイがゴメの檻を持って、去っていく。
ロモス王「コ、コラッ、待ていっ!!」

まそっぽ「あの島の小僧だっ!!」
へろへろ「なんだとおっ!!」
でろりん「行けっ!」

ダイの前に、まそっぽとへろへろが立ちふさがる。
へろへろ「このガキが!」
まそっぽ「そのスライムを返すんじゃ!」
ダイ「うるさいっ!おまえらの弱点なんか、ちゃ~んとわかってるんだからな」
ダイが魔法の筒から、3体のパペットマンとおどる宝石を出した。
まそっぽ「げぇ!」
へろへろ「!!」

パペットマンのふしぎな踊りがまそっぽのMPを奪う。
まそっぽ「ううっ・・・魔法の力が吸い取られるぅ・・・」
へろへろ「ああ、宝石だぁ~~~~、わ~い、わ~い」
へろへろがおどる宝石を追いかけるが、ゴーレムにぶつかる。
へろへろ「ヘ?」
ゴーレムのパンチがへろへろを叩き潰した。
ダイ(まそっぽは不思議な踊りに、へろへろは金目の物に弱い!聞きだしたとおりだ!)
でろりん「メラ!」
でろりんのメラが、モンスター達を一掃した。
でろりん「言っておくが小僧、オレに弱点などないぞ・・・!」
ダイが剣を取り、でろりんに斬りかかる。
ダイ「こんの野郎~~ッ!!」
「うあああ!!」
ダイの攻撃を、でろりんは余裕でさばく。
でろりん「フン、勇者の力を見くびるなよ!!」
ダイは剣を砕かれ、でろりんに首根っこをつかまれた。
ダイ「く、くそお~!なにが勇者さまだ!オレの友達をさらった強盗のくせに!!」
ロモス王(な、なんじゃと・・・)
でろりん「だまれっ!」
ダイ「あっ・・・ぐうっ!!」
でろりん「あばよ怪物小僧!」
ダイ(だめだっ・・・!!)「!」
ブラス(この金の筒ははるかな時空の彼方より来たれりものと聞く・・・もしもの時は使ってみるが良いっ)
ダイ(どうせこのままじゃやられちまうんだ、よおしっ!!)
(デルパ――ッ!!)
ダイが金の魔法の筒を開いた。
魔法の筒から出てきたのは、おおめだま、メタルスコーピオン、ボイズンリザード、テラノバット、エレフローバー、ラリホービートルといった「DQⅣ」のモンスター達だった。
でろりん達(!?)
ダイ(み、見たこともないやつらだぞ・・・!!)

ダイが口笛を吹くと、新たなモンスター達はでろりん達に向かっていった。
へろへろ「ひええ~~っ!」
まそっぽ「うわあああ―!!」
へろへろ「ぎょええ~っ!」
まそっぽ「ぎゃあああ~!!」
ダイ「やったあ!こいつらすげぇや!」
へろへろとまそっぽは倒され、でろりんがモンスター達に囲まれる。
ダイ「よしっ!総攻撃だ!!」
ずるぽん「待ちなっ!!そこまでだよ」
ダイ「!?み、みんな!」
縄を解かれたずるぽんが、スライム達を袋に入れて人質にしていた。
ロモス王「・・・・・」
ずるぽん「さあぼうや、とっととその怪物達をひっこめなっ!」
でろりん「ハハハッ!でかしたぞ、ずるぽん!」
ダイ「ち、ちきしょう・・・」

金の魔法の筒の輝きをスライム達が見る。
?(汝ら集結せよ、秘められた力に目覚めよ。目覚めよ・・・目覚めよ・・・!!)
ずるぽん「ホ―ホホホッ!!ホホホ・・・」
袋の中のスライムが合体していく。
ずるぽん「ホ?」
合体したスライムはキングスライムとなって、袋を破り飛び出てきた。
ずるぽん「ぎょええええ~~~っ!!」
キングスライムがずるぽんを押しつぶした。
でろりん「あっ!?」
ダイ「いまだっ!!」
ダイが魔法の筒をでろりんに向ける。
ダイ「イルイル――っ!!」
でろりん「ゲ!わあああ~っ!!」
でろりんが魔法の筒に吸い込まれていった。
ダイ「ふぅ・・・」
ダイが倒れた。
モンスター達(!!)
ゴメ「ピ―!!!ピピ―ッ、ピー!ピーピー」
ロモス王「・・・・・・!」
衛兵たちがダイとモンスター達を取り囲む。
ロモス王「待て!」
「・・・どうやらわしの目がくもっておったようじゃ。いかに強く外見が立派なでも、子供を殺そうとしたり人質をとったりするような男が勇者であるはずがない」
「それを見抜けなかった自分がはずかしいわい。この‘覇者の冠‘をかぶる資格があるのは、この勇敢な少年かも知れんな・・・」
ロモス王が、ダイの頭に覇者の冠をかぶせた。
モンスター達とロモスの衛兵が一緒になって笑い出した。

数日後、デルムリン島
ダイ「じいちゃん、おれの‘覇者の冠‘どこにやったんだい」
ブラス「あ~ん?知らんなぁ~~~」
ダイ「とぼけんなよ!あれはいずれ未来のためにって王様がおれにくれたんだ!おれの宝物なんだぜ!!」
ブラスが杖でダイの頭を叩いた。
ブラス「バッカモ~ン。勇者の持ち物をおまえが持ってどうするんじゃ!」
ダイ「だからおれが勇者に・・・」
ブラス「おまえの未来は魔法使いじゃ!外にはなあ~いっ!!」
ダイ「そんなあ!どこにかくしたんだよ、ねぇねぇっ・・・・!」
「じいちゃんってばぁ!」

覇者の冠は、ゴメがかぶっていた。
ゴメ(冠なんかなくたって、ダイは本物の勇者さ!!)

(続く)

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最終更新:2017年02月27日 23:43