【第二幕】始まり始まり
いつからだろう他人の嘘が見えるようになったのは
いつからだろう人の顔色を伺いながら暮らすようになったのは
ドゥルチスに来てどれくらい経ったかな
もう覚えてない
どうやってンドロンまで来たんだっけ
何でサーカスから出てきたんだっけ
マダム·ポルッツェルは何で私を捨てたんだろ
何でマダムは悲しそうな表情だったんだろ
何で私はレミクォーフなんだろ
━━━━━
ティ「んー!ンドロンはいいですね、店は綺麗で街はそれ自体が芸術!ハニートースト食べたい」
今日のチップはだいぶ稼げた
やっぱり、劇が向いてるらしい
夕飯は【ティーズ·バー】の少しお高いハニートーストにしよう
夜は【アリス·ドーロン】の商店街で寝よう
そして明日は朝から晩まで店を眺めていよう
きっと掘り出し物があるかも
そんな日々を続けてどれくらいになるかな
そろそろ冬が来る
さすがに冬用に安い宿を借りよう
その日暮らしだから賃貸はダメ
はぁ、タバコ吸いたいな
ガッコン、
ティ「・・・。」
ティズ「いらっしゃーい、お、お客さん一見さんだね、ここ座んなぁ」
はぁ、お面無いだけでこれだよ
50回は来てるのに毎回、一見さん扱い
慣れてるけど
ティ「えと、ハニートーストとミルクティーを」
ティズ「おぉ~、お目が高いねぇ、ウチのハニートーストはちと値は張るが最高の茶葉を使ったアイスと茶畑で育てた蜂蜜!これだよぉ、パンにも茶葉を混ぜてるんだ、後悔はさせないよぉ~?
フア!お客さんだ!ハニートースト作ってこい !」
フア「・・・ふぁあ、あ、いらっしゃ~・・・zzZZ」
ティズ「・・・俺が作るか」
こんな日常的光景が私は怖い
彼らは当たり前なのだろう
でも私にとっては知らない日常
相手の日常は自分の非日常
胸が苦しくなる消えてなくなりたい
ティズ「おまちどっ、あれ?あのお客どこいった・・・?」
思わず飛び出て来てしまった
ハニートースト食べたかったな・・・
あ、雨だ・・・
今日は何処かで宿を借りよう・・・
━━━━━━
カランカラン
「帰れ!店仕舞だよ!」
入店早々どなられた
羊人族の老婆が営む雑貨屋
棚はスッカラカンだった
ティ「すいません、表の看板に宿を貸してくれるとあったんで・・・1晩だけでも・・・」
羊「ふんっ、雨宿りにうちを使うたァいい度胸だね!500Fだよ!」
え、そんな、それじゃ手元には少ししか残らない
1週間の稼ぎがパァだ
ティ「・・・すいません、それじゃ私のせいかt
羊「ふん、お前さん、仮面をつけたまま話すのも、値切ろうとするのも礼儀知らずだね」
ティ「あ、し、失礼しました、お面は事情で・・・」
羊「見たとこ、魔術師とかじゃぁないねぇ、レミクォーフかい、ふん、なら外さんでいいよ」
ティ「っ!?・・・ありがとうございます」
見抜かれた・・・また追い出されてしまう
羊「で?いくらもってんだい」
ティ「・・・512Fです、すいません」
羊「旅行かい」
ティ「いえ、路上ぱf」
羊「浮浪者かい」
ティ「・・・そう、です」
羊「200F出しな。あとはツケにして住ませてやる。」
ティ「!?ほ、ほんとです!?」
羊「そのかわり!飯なし風呂なしトイレなしのワンルームだ。門限は21時だ。分かったかい」
ティ「は、はい!ありがとうございます!」
羊「けっ、早く行きな、奥の角だ」
二階に上がると、そこはとても質素で薄暗い廊下があった。
雨音でなおさら、暗く見える。
住む場所が見つかったとは言え、生活が苦しいのは変わりなかった。
部屋は6畳ほどで木製、ベッドと机と椅子があるだけ。
トラベルバック一つの私には丁度いい部屋だった。
お風呂とトイレがないこと以外は・・・。
翌朝、目が覚めると雨は止んでいた。
本当だったら、アリス·ドーロンでウィンドウショッピングの予定だったけど、止めてあのお婆さんと話をしよう。
久しぶりの世間話。
心は許しちゃいけない。
ティ「・・・おはようございます」
羊「ほぉ、よく眠れたかい」
ティ「おかげ様で、本当にありがとうございます」
羊「まぁ、部屋は好きに使いな」
ティ「はい、」
沈黙が出来てしまった。
あぁ、、こういう時どうしたらいいんだろう
サーカスの時は必ず誰かが騒いでたから沈黙なんて起きたことないから、、、
羊「なぁに突っ立ってんだい」
ティ「い、いえ、あの、この卵ください」
羊「売りもんじゃないよ」
ティ「え?」
羊「雑貨屋なんていってるけどね、殆ど部屋代で賄ってんだ」
ティ「そうだったんですか、すいませんツケなんて、」
羊「ふん、野たれ死んで道が汚れるよかマシだろう」
ティル「そう、ですね」
それから自然と話が進み、私はいつの間にか椅子をカウンターに置いて話していた。
食事とかは店から出るけど、暇な時は殆どオババとの会話があった。
それでも拭えないもの
この人もどうせ、私の事が嫌いなんだ
そう思ってしまう。
楽しいひととき、ふと、マダムの顔と言葉が脳裏をよぎる。
辛い、悲しい、苦しい
この人もこの人もこの人もこの人も、そう思ってしまうと止まらなくなる。
冬が来て、パフォーマンスはお休み
ほかの空き部屋の掃除やオババの手伝いで生活費を稼いだ。
贅沢なんて出来る金額じゃなかったから、アリス·ドーロンにも行けなくなった。
ティルダ「オババ、これ何ですか?見たことない宝石です」
羊「そいつぁ、【時結晶】ってんだ。
物作りん時に一緒に混ぜたりすると壊れなくなるんだとさ」
ティ「へぇ、凄いですね、そんなのあるんですか」
羊「殆どぁ、ボンボンの懐中時計やら装飾品やら家具やらに使われるからねぇ、殆ど出回りゃしないんさ」
ティ「これって、至福の時に使ったら永遠に続くんですかね」
羊「アホか」
長い長い冬だった。
そんな冬も明け、春が来る。
久しぶりの路上パフォーマンス、胸が踊る。
再開一回目はルドリレーン前で演劇をしよう。
とっても笑えるヤツ。
やってる自分も、見てる人も楽しいヤツ。
ティ「レディース&ジェントルマン!お面役者の路上舞台~!!」
去年私を知っていた人が何人か居てくれたらしい。
お面を変えても芸風で分かるようだ。
あぁ、私はこうやらないと人に認識してもらえないんだな。
嬉しい事のはずなのに、悲しい事を想像してしまう。
そんな中、あの少女に出会う。
春も折り返し地点、そろそろ暑い夏が来る。
例によって演劇で稼いでいると、箱で作った舞台の隣で座っている女の子がいた。
ティ「どうしたんですぅ?迷子?御家族は?」
少女「・・・」
ティ「うーん、困りました。あとはバルーンアートしかありません」
ササッと犬を作り少女に渡してみる。
少女「・・・」
無言で掴まれた・・・。
ティ「ん?君、レミクォーフですか?」
少女「!?」
女の子の見た目でループしてたから気づくのが遅れたが、彼女もレミクォーフだった。
ティ「私もね、レミクォーフなんですよ?ほら、」
お面を外す。
どんな、グロ映像が流れているんだろう。
老若男女問わず変わる顔。
少女「・・・」ポカーン
ティ「はい!ここまでぇ、君のお名前教えていただけます?」
少女「・・・ミット」
ティ「ミット?ミットちゃんでいいです?
私には君の顔は女の子でループしてるし、服装も女の子チックなので」
ミット「・・・コクン」
ティ「よろしくお願いします、ミットちゃん(ニッコリ」
ミット「・・・」
ティ「君、御家族は?」
ミット「ママとお姉ちゃん」
ティ「そうなんですかぁ、今は1人で遊んでたんですか?」
そこからは、彼女の愚痴だった。
家族は、普通の人間種。
レミクォーフとして生まれた彼女は愛されはしていたが、周りとの違いに彼女自身が受け入れられないらしい。
それからはほぼ毎日、オババの手伝いがない日は路上パフォーマンスして、ミットと遊んでた。
ミット「今日は、これがいい」
ティ「何ですか?これ、馬の頭?」
ミット「ホビーホース知らないの?」
ティ「ミットちゃんが持ってくるおもちゃはどれも初めて見ますですよ」
ミット「ふぅん、これね、跨って遊ぶの、ヒヒーんって」
ティ「お馬さんごっこですか!なるほろ、」
これがすごい面白いんだ。
実際に走ってないけど、視界の下で見え隠れする頭がリアル感を出す。
ティ「ミットちゃん!お馬さんごっこしましょ!お馬さんごっこ!」
ミット「また?今日は他のがいい、レジンやろ?」
ティ「・・・レ、レジン」
ミット「やっぱり知らないか」
ティ「・・・ごめんなさい」
ミット「こうやってね、液に浸して、お日様にあてるの、そうするとね、固まるの」
ティ「すご!?え?何これ凄い」
ミット「ティルダって、過去からタイムスリップしてきたの?」
ティ「そうかもしれません、気づいたらこの街に居ましたし」
ミット「ふぅん?そっか、」
本当に覚えてなかった。
サーカスからンドロンまでは山を超えなきゃなかったし、3日は歩かなきゃ着かない距離だった。
気づいたらこの街で、ボーとしてた。
ティ「サイファー?」
ミット「うん、ティルダはサイファーなの?」
ティ「まずサイファーってなんです?」
初めて聞く魔物
なんでも、【頭が対象の好きな玩具になっていて、その子供を誘拐したりする】らしい。
ティ「なるほろ、このお面、ミットちゃんの好きな玩具ですか?」
ミット「・・・否定も肯定も出来ないこと聞かないで 」
ティ「?、なんか、ごめんなさい」
ミット「いいよ、でね、そのサイファーってね、ドゥルチスの路上パフォーマーのフリしてるんだって、」
ミット「だから、ティルダがサイファーだったらどうしようって思って」
ティ「んー、むつかしいです、でも私はただのレミクォーフですよ?」
ミット「私もだよ」
ティ「はい(ニッコリ、あ、今日はもう日が暮れますから、お家にお帰りなさいな」
ミット「そうする、また明日ねティルダ」
ティ「はい!また明日ミットちゃん」
━━━━━━
ミット「・・・明日はホビーホース持っていこっと、ん?」
??「・・・」
ミット「ティルダ・・・?」
??「・・・」
━━━━━━
羊「そいで?そのガキをどうするんだい」
ティ「どうもしませんよ、ただレミクォーフとして解りある友達で居たいだけです」
羊「ふん、レミクォーフレミクォーフって、お前さんは口を開けばそれか、マダムとかいう小娘ばっかりだね!」
ティ「えぇ・・・、普通の話もしてるじゃないですかぁ」
羊「そのミットってのは、性はレガンスかい?」
ティ「?性ってなんです?」
羊「・・・なんでもないよ」
ティ「???、あ、サイファーって知ってますか?」
羊「あぁ、最近また出てきたらしいね、ンドロンに偏ってるって話さ、お前さんは真っ先に狙われそうさな」
ティ「いや、私子供じゃないですし」
羊「はんっ!よく言うよ!」
ティ「まぁ、いいですけど、子供で、
じゃあ、ご飯行ってきます」
久しぶりにハニートーストをたべよう
今度こそ食べよう
楽しみだな
久しぶりのティーズ·バーのハニートーストに舌鼓を打った後、時刻は真夜中
すっかり、遅くなってしまった。
まぁ、窓の鍵は開けてあるからそこから忍び込もう。
夜の街道、星空を眺めながら色んな事を想像する。
ティ「変な人が居ます、」
??「・・・」
ティ「んー、遠目だと馬人に見えたけど、近づいたらホビーホース頭に刺してる変な人ですね」
文字通り、頭にホビーホースを刺した変人が、民家の前に立っていた。
その家から出てきた子供。
ティ「・・・ミットちゃん?」
ミットはホビーホース頭の者と手を繋ぎ何処かへ歩きはじめる。
・・・何かがおかしい。
オッドアイの片側、蛇のような瞳は生物の体温が見える。
ミットと思われる子供は体温が見えるが、、、
片方は見えない、何あれ、
魔物?魔物って体温ないの?
溢れ出る違和感とミットの組み合わせ。
まさか、あれがサイファー。
ホビーホースはミットと遊んだ時に気に入った玩具だ、可能性はある。
ティ「助けなきゃ、いや、なんか烏滸がましい言い方だけど、うん、語彙力とかないですし、」
2人の後をゆっくり、ついていくと貸倉庫に着いた。
2人はそこへ入ってゆく。
もちろん私も入ってゆく。
ティ「・・・なにこれ」
そこにあったのは、沢山の子供の衣服。
所々破けたり焼け焦げていたり様々な傷があった。
教養のない私でも理解出来ることだった。
ティ「・・・」
2人に近づくとミットの目はうつろだった。
魔法で意識がないらしい。
サイファーはブツブツ呟きながら何かをしている。
気配を消し、近づく。
その手には変な輝き方をする光とナイフ。
ティ「何してるんです?」
サ「!?、オマ、オマエ!イツカラミテタ!?」
ティ「んなこたどうだっていいです、私の友達に何してたか聞いてんですよ、」
サ「ケ!シルマエニコロシテヤルヨ!」
ティ「待て!話せばわかる!」
サ「テメエカラハジメタンダロウガアアアアアア」
フッ・・・
と辺りが暗くなる。
ジーーーー!
カーテンコールが鳴り止む。
サ「ナッ、ナンダ!?」
ティ「しー、舞台が始まりますよ?」
口元に手を当てた赤毛の仮面がみを乗り出す。
ティ「まぁ、今夜の演目はR-18指定のグラン・ギニョール(残酷劇)ですけどね?にひっ」
サ「ハ!?ナニイッt・・・!?」
暗闇に拘束されたホビーホース頭の魔物。
フフフ・・・アハハ
舞台袖から生まれし魔女-暗闇の雲-
彼女のいる場所に光はささない
ライトの光は届かない
暗転していようがしてまいが暗闇に変わりはない
ティ「この子ね、昔劇場で出会ったんですよ、ひとりで舞台袖の暗闇に蹲って寂しそうだったから、私みたいだなって、可愛いでしょ?」
ティ「この子ね、生物の目から光が消えるのが好きなんですよ、暗闇から生まれたから、おぞましいでしょ?」
魔女の腕がサイファーの腹部を貫く
サ「!?ブァバッ!!」
ティ「今日の主役はあなたですよサイファー?」
ティ「私の友達に何をしようとしていたか、饒舌なるままにお語りなさいな」
ティ「舞台において主演は死する時饒舌になりますよね、美味しいところをあげましょう」
サ「オ、マエ、イキナリジョ、ウゼツダナ・・・」
ティ「だって、こうでもしないと心が潰されそうなんですもの。
さぁ、あなたの舞台に最っ高の華を!!」
サ「グゥ、オマエノガキミタイナ、ソノ、シコウキライジャナイ」
サ「オレハ、オモチャダ。ガングダ。
オモチャノソンザイイギガワカルカ」
サ「モトメテクレルヤツガキエルト、ソレハキエル」
ティ「だから子供なんですか」
スポットライトに照らされた玩具は語る
ライトの周りを取り囲む闇に抱きしめられながら
心地よくも不安を煽る場所
観客席いっぱいの魔女に見守られ
玩具は語りを続ける
最高の舞台の上で
サ「オレタチハ、オモチャノナレノハテダ」
サ「アキラレ、ステラレタオモチャダ」
サ「ガキハオトナにナル。ファンタジーヤメルヘンナンテミナクナル」
サ「ザンコクナ【セツリ】ッテヤツダ」
ティ「人間てめんどくさいですね」
サ「オレノアタマハ、ナニニミエル?」
ゆっくりと、もうひとつのスポットライトが点灯し赤毛の仮面を付けた役者を照らす
ティ「大地を駆ける模造品、とでもいいましょうか」
ティ「それは儚く楽しいものです。」
ティ「あぁ、姫よ今参ります」
ティ「走れ!愛馬よ!風のように!闇を切り裂き!岩を穿け!」
サ「【ホビーホース】ッテヤツカ」
ティ「おや、ご名答です」
サ「オマエハコドモノココロヲウシナッタトカジャネエナ、セイチョウスラシテネエ」
ティ「よくお気づきで・・・、さぁ、哀れな玩具よ楽しい一時は終幕を迎えます」
ティ「何か最後に」
サ「ソウダナ、」
【時間をくれてありがとうよ】
ドンッ
鈍い音と共にライトは赤へと変わる
ティ「・・・ぁ、」
役者は赤いライトに照らされ自身の状態を理解した
ティ「マジかよマジかよマジかよマジかよマジかよマジかよマジかよマジかよマジかよ!?
マジかよマジかよマジかよマジかよ!!!
マジかよマジかよマジかよマジかよマジかよマジかよ、、、いってえええええええ!!!?!!?!?」
叫ぶ役者の片腕にはどす黒く固まった血のような刃が無数に飛び出ていた
サ「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!! バカダネバカダネ!レミクォーフ!」
サ「オマエヒトリデ、ナンヤクヤリャ キガスムンダ? アワレナアワレナ ケガレタ チ メ!」
ティ「フーッ・・・フーッ・・・と、とんだダイコン役者ですよ、ちき・・・しょうめ」
ティ「ああああああ!!!くそ!いってええええ!何だよクソが! だから喧嘩なんざしたくねえんだよ! 私は平和に暮らしたいだけだ!」
サ「オヤオヤ、コンドハ オマエガ シュエンカ? アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
ティ「・・・はぁ、はぁ、うん、お、落ち着きましたよ、いてぇ・・・」
サ「コンドハ オレが オマエノ マネシテ カイセツシテヤロウカ?」
ティ「ええ、是非ともお願いしたいですねぇ・・・まだ痛い」
サ「コイツァナァ! 【ウルク=ハイ】ノ ケツエキ カラ トレル 【罪の枝】ッテンダ! サッキアイタ ムネノ カザアナニ ナガシコンダノサ!」
ティ「こっちが穏便にすまそうと思ってんのに・・・」
サ「ゲラゲラゲラゲラ!サァ!ショータイムッテヤツダ!」
ティ「希望もクソもない奴ですね・・・」
腕に未だに走る激痛
何年か前にサーカスのパフォーマンスで脚が切れた時より痛い
罪の枝とかいう物質のせいか
蝕み苦痛を与え続けさせるようだ
{アラ、あんたレミクォーフ?}
ティ「お喜びください、哀しき玩具。
幻聴まで聞こえてきましたよ」
{幻聴じゃないわよ、
私はねエリーザ 血に飢えた女帝
血を啜るように美を啜る魔女}
ティ「また魔女ですか・・・ 私の人生魔女ばっか・・・」
{あんたの右腕と血、罪の枝契約条件は揃ってる 私はあなたのも·の}
サ「ナニ、ヒトリデ ブツブツ イッテヤガル!」
ティ「お黙り、順番どおりなら私が今主演でしょう? 役者は黙って見てなさい ・・・」
ティ「またオババに何か言われそうですね・・・」
ティ「さて、さて、大どんでん返し デウス·エクス·マキナとでも言いましょうか!」
突如響く声とと共に歩み出す役者
台本にはない、筋書き
ティ「混乱を治めてくれる訳じゃないけど!」
全てを覆すアドリブ
響くカーテンコル 止まない喝采
上がる幕 照らすライト
暗闇の舞台袖はひっそり魔女を産む
【暗闇の雲】
美を渇望した女帝よ 血を啜れ
愛する者への愛撫と化せ
私の血肉を貪るそなたは美しく醜い
【エリーザ·バートル】
ティ「貴女にはあの玩具が何に見えます?エリーザ」
エ「可愛らしいお人形ね」
ティ「雲、貴女は?」
く「フフフ、アハハハ、幕を上げる滑車!」
ティ「あれ、楽しいですよね・・・」
サ「・・・ナンダヨ、ナンナンダヨ!テメーラハ!」
ティ「魔女ですよサイファー?この子達も貴方がおもちゃに見えるそうです。良かったですね」
サ「グ、アアアアアアアアアア!!!!」
キラリと光る短刀を自身の胸で受け止める仮面の役者
そこから滴る血を舐めては美貌に磨きがかかる魔女
ただ笑い続ける闇
ティ「ぐ、私、運動神経悪いんですよ・・・ でも、捕まえましたよサイファー」
サ「あああああああああああああああああああああ
あああああああああ!!!!!」
ティ「終幕です。」
その声と共に途端に舞台は暗転。
緞帳が降りる。
人生劇場 客も居ないままに
悲しみの波に溺れるぜ
ティ「・・・! ミット、ミットちゃん!」
舞台袖で眠る少女に駆け寄る
血だらけ刃だらけ血穢れ
ティ「・・・冷たい」
サ「ハッピーエ・・・ンド ニャ ナラネエ ヨナァ・・・アヒャヒャヒ・・・」
ティ「まだ生きて、たんですか」
サ「オレハ イノチジャネエ 【玩具】ダ」
ティ「だったら、粉々に砕いてやる!」
歯を食いしばり仮面の隙間から涙を滴らせ振り向く
ティ「・・・」
怒りで振り向き目を向けた先には
同じく歯を食いしばり木で出来た馬の目元から涙を流す【玩具】
サ「ワスレラレタク ナンカ ネエヨ・・・ モット、モット アソンデ ホシカッタ・・・」
ティ「サイファー・・・」
サ「ダカラ オレハ コドモヲ ツレサッタ」
ティ「遊んで貰うためなら殺すのも厭わないと・・・?」
サ「オトナに ナッテホシク ナンテ ナカッタ」
サイファーの胸元で何かが鈍い光を放つ
サ「コノ、コノ、」
ティ「それは、エビル·スピリットですか・・・?」
サ「コレガ カンセイスレバ、オレハ シアワセニ・・・」
ティ「・・・サイファー、それをよこしてください ミットを助けます。」
サ「!? フ、フザケンナ!」
ティ「それで貴方も1つ救われるんです!」
ティ「貴方は自分の手で自分を求めてくれる存在を消しているのがわからないんですか」
ティ「貴方が見えて、貴方に着いてくる時点でその子は貴方を求めてるんじゃないですか」
サ「・・・ソンナコト カンガエタコトネエヨ」
ティ「・・・でしょうね、さぁ、渡しなさい」
サ「・・・」
ティ「私は貴方を助けたい・・・しない善よりやる偽善ですけどね」
サ「ジブンデ イッテ セイトウカ シヨウト スンジャネエ」
ティ「・・・バレますよね」
ティ「さぁ、早く、早く渡しなさい」
サ「イヤダ!イヤダイヤダイヤダ!オレハ!コドモニ アイサレタママ の オモチャデ イタイ!」
サ「オレハ!」
ティ「アンタの面倒は私が見てやりますよ!」
サ「ハ・・・?」
ティ「ぶっ壊れるまで遊んでやりますよ。だから早く渡しなさい。お願いします。私から友達を奪わないで・・・」
サ「・・・ゥウッグ、ヒグッ、スマナイ・・・スマナイ・・・」
エビルスピリットを受け取ると
エ「アンタ使い方分かんの?」
ティ「使ってる人を見たことはあります。」
エ「それだけじゃダメよ」
ティ「え」
エ「それは力の源、他の力があってそれは完全なモノになるわ」
ティ「私の命ですか・・・?」
エ「そんなもん使ったら世界がひっくり返るわ、小さなものでいいの」
ふと、ポケットに入っている結晶を思い出す。
【時結晶】
あぁ、間違えてポケットにいれて持ってきてた
ティ「これと、あと、エリーザお願いしてもいいですか」
エ「・・・ええ、貴方の身体から罪の枝抜かなきゃですものね」
エビルスピリットと時結晶
そして、エリーザが一つになると
世界の時間は止まった
ティ「これからどうするんですか?」
エ「この子の時間を戻すのよ」
ティ「この子の時間を変えることは出来ますか?」
エ「私の生命と貴方の想いで充分ね」
【想罪】
エビルスピリットと様々な物を組み合わせることで無限の効果を発揮する
アーティファクト。
ティ「ありがとうございます、」
エ「貴方の血を舐めた時から私は貴方のモノよ、レミクォーフはねカクテルみたいな味がするの」
ティ「・・・お酒飲めないんです」
エ「あら、まぁいいわ、さぁやるわよ」
1.ミットの蘇生
2.ミットのレミクォーフを無かったことに
3.そして、ティルダとは全てが噛み合わない世界線の記憶を
4.この子の名さえもまた別に
5.この子の新たな名は【バティル】
6.哀れな玩具【サイファー】を玩具に戻す
7.その玩具は【ホビーホース】
8.ティルダのこれに関係した記憶を消す
9.そしてティルダの失った右腕の蘇生
10.エリーザ·バートルを開放し、ティルダから【罪の枝】を無くす
そりゃ、烏滸がましいと思いましたよ
名前も人生も全て変えたんですから
でも、この子は自分のレミクォーフとしての人生を受け入れられるか心配だった
私が未だに受け入れられてなかったんですから
怖かったんです
サイファーは1人しか救えてません
アーティファクトが無かったら救えもしませんでしたけどね
サイファーは今幸せなのか
語らない玩具になってしまったので解りません
お喋りは出来るようにすれば良かった。
━━━━━
私は何故ここに居るんだろう
なぜ生まれてきたんだろう
何故レミクォーフなのだろう
あぁ、無情
ティルダが初めて誰かを救おうとしたお話
これにて閉幕
最終更新:2016年05月08日 21:30