スポンシオ建国伝説

昔々、今は亡い国の話
その国では召喚師が多く、召喚獣の研究が盛んに行われ奨励されていた
ある日、国王の宮廷魔術師がとある召喚獣を呼び出した

その召喚獣は見てくれは少女で自身を『不完全故に識』と名乗った
彼女は通常の召喚獣と違い、召喚した召喚士の言う事を聞かず、事有る毎に金を要求した
彼女を捉える事も排除する事も叶わなかった
結果として王城内を徘徊する少女程度の認識だった

そんな事が続いたある日の事
王城内の疲れて隠れて休んでいた奴隷が織と出会った
織は何時もと変わらず金を要求した、奴隷は織を身分の高い子供と思い金を支払った
奴隷は彼が望んでいた通りに休む事が出来た
彼曰く『とても上質なベッドで疲れが完全に取れるまで眠れた、疲れが取れた瞬間元居た所に戻ってこれた』
織は自身を『金を支払えば制限は有るが大体の願いを叶える存在』だと説明した

とは言え奴隷の男には金が無かった、そこで彼は一計を案じた
彼は織に『これからの生涯で自分が博打をする時に俺が勝った時に勝ち分を相手に必ず支払わせて欲しい
そしてそれが原因で俺に危害を加えさせないで欲しい、報酬は博打で勝った金の三割』

言うならば『俺が博打で勝ったら相手に金払わせろ、そして後で仕返しをさせるな』と言う物
織は変則的ながらも今の自分は選べる立場では無いとして了承した

そして奴隷の彼は博打をしまくった
奴隷の彼は生きるのに必死でイカサマなど相手の心理を読む事に長けていた
一方、相手は『奴隷だから負けても殺せば良いや』と手を抜いてしまった為
簡単に負け、織によって負け分を取り立てられた

奴隷の彼の財は着実に増え、彼も奴隷の身分から脱し自らに『スクイド』と名を付けた
織を使って借金の取り立てなども行い始め裏社会で頭角を現し始めた
しかし国王達も馬鹿では無く締め付けを始めた

追い込まれたスクイドは一世一代の大博打に出る
国王や国の召喚師優遇政策に不満を持って居た大臣や魔術師達を後ろ盾に立て
国王相手に自身の城と城下町を賭けさせギャンブルの舞台に引きずり出した
国王との勝負はイカサマ無しで行われ勝利した

城を得たスクイドは織に『この城と城下町をカジノ場とカジノ周囲の歓楽街に改装して欲しい』と言う願いを言った

織の傾向から他人の物なら兎も角、自分の物を如何こうするのは金は大してかからないと知っていたスクイドの読み通り
大金だが現在のスクイドに充分払える金額を提示し、スクイドは快く払った

そこからは王国は衰退の一途を辿る、何しろ王が城を取られた挙句にカジノ場に改装されたしまったのだ
王の信頼はガタ落ちし、騎士達もスクイドに着く者が続出、国民達も戸惑ったがカジノの周囲には働き口が有るので集まり
スクイドのカジノ街は大層繁栄した、これが現在有るカジノの成り立ちである

カジノの中ではスクイドが織に対してルールの順守の徹底を願った為
カジノ内での暴力行為やイカサマや負けの不履行は不可能になった
その為、如何なる組織でも暴力で如何こうする事は出来なくなった

織はその後、分裂し自身を召喚する為の魔導書をカジノの景品にする事にした
勿論、カジノに対して不利益な事はしないと言う条件を付けて

スクイドのその後は博打で負けてカジノを奪われ野垂れ死にしたと伝えられている
しかしスクイドのカジノ建設に敬意を払い、カジノオーナーはスクイドと呼称される
現在のスクイドはショタだが当然強運の持ち主且つ無邪気さが殆ど無い、歴代のスクイドに負けず劣らずとことん勝負師で有る
実は初代からずっと同じ人物で織に頼んで顔を変えたり若返らせて貰っていると言う噂が有る。

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最終更新:2017年06月24日 21:21