フェンリル「お、おい、一体どうしたんだよお前ら!」
フェンリルの前には邪魔イカさん家の三人組。しかし何かがおかしい様子。
透伊「ヒヒッ、ヒヒヒヒヒッ……!」
結「ううっ……うああ……」
ヌシ「……………………」
フェンリル「ふざけてんのか? だったら笑えねーぞ」
フェンリルが一歩前に進んだ時、結が叫び声を上げた。
結「や……ああああああああああああああっ!!!!」
フェンリルの呼び掛けが全く聞こえていないのか、彼女は突然襲いかかってきた。
その後を追うように、透伊も奇声を発して飛びかかる。
ヌシは無言でマシンガンを取り出し、躊躇うことなく引き金を引いた。
フェンリル「危ねえ!!」
フェンリルは慌てて飛び退く。銃弾のうちの1発が頬を掠めた。
透伊「ヒヒヒヒヒッ、ヒヒャハハハハハ!!」
フェンリル「事態が飲み込めねえ以上、迂闊に手を出す訳にもいかねえ……ここは一旦引くしかねえな……」
「そうはさせねぇぜ、オリジナル」
後方から声が聞こえた。戦闘に気をとられていたフェンリルはあわてて振り返る。
フェンリル「誰だ!!?」
フェンリル(?)「それはお前が一番良く分かってるんじゃねえのか?」
フェンリル「なっ……俺……!?」
そこに居た人物は、フェンリルと全く同じ顔、同じ姿、同じ服装をしていた。
フェンリル(?)「1つの世界に同じ悪魔は2体も要らねえ。オリジナルのテメエはここで死ねや」
その人物の背後では、30mほどもある巨大な狼がこちらをじっと見つめていた。
作者:パラソル