【名前】イェンジク・コヴァルスキ
【性別】男
【年齢】17
【罪状】世界文化に対する深刻な破壊行為
【刑期】12年
【服役】6ヶ月
【外見】身長167cm、ダークブロンドの髪に白い肌のやや幼く見える少年。寒がりなので看守に防寒着を着てもいいかと頼み込み、最終的にニット帽だけ許可が出たので被っている。
【性格】勉強自体は出来るが、「みんなのために」と考えたことが空回りしがちな、優しく考えが浅い少年。逮捕や裁判で散々批判されて落ち込み気味で、自分のやらかしも深く反省している。自分の行いを見つめ直し、贖罪をしていきたいと考えている。

【超力】
塔を作る者(バベルブレイカー)

「"新しい言語"を作り出す」超力。彼が文字・発音を定義して作った言語は、"新しい言語"となり、「彼が"新しい言語"で話しているのを聞く」「彼が書いた"新しい言語"の文を見る」ことで、瞬時にその言語をネイティブ並に使いこなせるようになる。

基本的には人間にのみ通用する能力。しかし、彼が直接意識的に"新しい言語"で語りかけたときのみ、生物・非生物問わず数十分程度の間だけコミュニケーションを取れるようになり、情報を得たり、お願いして手助けしてもらえる。
別に命令できる訳ではなく、あくまでお願いの範疇。
この能力の対象となるのは彼が「一人の相手」と認識出来る、可算名詞の対象のみ。

【詳細】
 元々は言語学に興味を持ち独学で5ヶ国語を学び、遊びで独自言語を作っていただけの少年でした。
 その過程で自分の超力に気づくも、さほど強力だとは思わず、単に友人や家族と「自分たちにだけ通じる言語」を作って遊んだり、ペットの猫に話しかけたりしていた程度でした。

 彼の転機となったのは、友人から紹介された、他国から来たという留学生の女性でした。女性は彼の超力を高く評価し、これを使えば世界の情報ネットワークに革命を起こせると力強く言います。
 よく分かっていない彼に、女性は熱弁を振るいます。君の超力を上手く使えば、色んな国の人たちが君の"新しい言語"で、言語の壁なくコミュニケーションを取れるようになるのだと。
 イェンジクは彼女の発想に賛成し、留学生の女性に自分の書いた"新しい言語"の一文を渡しました。

 彼女が帰国してからも、インターネットで連絡を取り合い、1年前、彼は最終的にある"計画"への参加を求められます。その内容は彼の"新しい言語"を広く公開し、彼の"新しい言語"を世界標準語にするという、急進的なものでした。
 流石に尻込みする彼に、彼女は"超力"とは世界を良くするためのものであって、そのために行使することは良いことだと説得し、最終的に彼は躊躇いながらも一度頷きます。
 その夜から丸一日かけて、彼の"新しい言語"はインターネットや公共放送、そして他の様々なメディアを一斉にジャックし、彼の想定を遥かに超える規模でバラ巻かれました。

 あまりの事態に、彼は動揺しますが、彼が気づいた時には既に彼の"新しい言語"は、世界の9割近くが最初から知っていたことになった、自明な世界共通語となっていました。
 これだけの人間が同時に一つの言語を使えるようになると、GPAが即座に修正に動き出すこともできないうちに恐ろしい勢いで世界で使われる言葉が"世界共通語"に置き換わっていきます。
 一日のうちに、世界は様変わりし、誰もが同じ言葉を使えるようになる世界が到来しました。

 救いであったのはこの言語は成立の過程で超力によりあらゆる言語の語彙を取り込んだため、どのような意味合いでも伝えられる完成された言語となったことです。
 しかし、元の言葉が制限されていたことによるニュアンスは、文化は、失われたことにも気づかないまま失われました。

 世界の人々は彼の力の恩恵と被害を知らないうちに受けるだけでしたが、GPAはこれほどの行使を見逃すことはなく、彼を見つけ出し逮捕します。
 彼は出頭するほどの勇気はありませんでしたが、抵抗せず逮捕され、罪を受け入れます。
 彼の行為は本来死刑にも値するほどの無許可世界的改変でしたが、唆された従犯であること、年齢、反省の態度から減刑され、12年の実刑を受けます。

 主犯と見做された女性は、"超力で世界を改革する"ことを掲げた急進的な過激派グループの一員であったことは分かりましたが、未だ逃走を続けています。
 大掛かりなジャックの手段も、不明なままです。

 彼の超力の影響は直後にはヤマオリ記念特別国際刑務所には到達しませんでしたが、最終的には"囚人の管理をやりやすくするため"ということで、看守が囚人に彼の文章を見せました。このため、本ロワ中は全員が"世界標準語"を扱うことができるものとします。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2025年02月09日 23:14