アットウィキロゴ

第10回トーナメント:決勝①




No.6552
【スタンド名】
エロティカル・クリティカル
【本体】
クリームヒルド・ブライトクロイツ

【能力】
自分が投擲した物を絶対に命中させる


No.3761
【スタンド名】
リトル・テンポ
【本体】
照屋 風夏(テルヤ フウカ)

【能力】
物体の魂「九十九神」を操る




エロティカル・クリティカル vs リトル・テンポ

【STAGE:怪しげな闘技場】◆aqlrDxpX0s





アナ「さあ今日これから始まりますのは、第10回トーナメント『クリームヒルド・ブライトクロイツ vs 照屋風夏(テルヤ フウカ)』!
   実況は私アナ=ウンコウが務めさせていただきます。そして解説はこの方! 臭野仁さんです」

臭野「よろしくお願いいたします」

アナ「今回の舞台はこちら……『怪しげな闘技場』! 何がどう怪しげなのかと申しますと、観客席をご覧になればお分かりいただけると思います」

シーン

アナ「……えー、席を埋め尽くしている観客が皆マネキンなんですね! しかも皆棒立ちで舞台を見つめております! はたして放送できるんでしょうか……
   何の演出かわかりませんが私恐ろしくてたまりません! これについてどう思われますか臭野さん?」

臭野「きんにく」

アナ「…………それでは、二人の出場者の入場です! まずは青龍の方角から、『クリームヒルド・ブライトクロイツ』!!」

クリーム「いったいなんなのこの舞台は……って怖ッ!!」

アナ「おおーーーっと! これは美しい! 美しいぞーーっ!! 私初めて姿を見ましたが予想をはるかに超える美しさです!
   北欧系の女性ならではのプロポーションのいい立ち姿だ!!」

クリーム「マネキンの中でひとり叫んで寂しくないのかあの男は」

アナ「続きまして白虎の方角より、『照屋風夏』の入場です!」

リトル「うわ、思ってたより狭い闘技場だなあ。フゥ、大丈夫かなあ」

風夏「大丈夫だよ」

アナ「スタンドのリトル・テンポも一緒に登場だァ! しかしっ……こちらもなんという可憐さだァ!
   透き通るような肌、そしてその水着姿は直視するのがためらわれるほど美しい! これが本当に未成年なのかァーーーッ!!?」

リトル「なんか気持ち悪いのがいる」

アナ「さあこの戦い、出場者は互いにスタンド能力を知らないどころか、今ここで初めて顔を見合わせたばかりです!
   そして舞台となる闘技場はたった半径8メートルほどの円形のリング! 互いに情報が無い中で接近戦を強いられるわけですが、これについて解説の臭野さん、どうお考えですか」

臭野「残念、ボッシュートです!」

アナ「……さあまもなく試合開始です! 二人のどちらかが戦闘不能になるか、あるいは降参するか、どちらかがリングから脱落した時に勝敗が決まります! さあ開始のゴングが今!」

臭野「カーーーーーン!!」


リトル「気をつけて! 相手がどう来るかわからないよ!」

風夏「うん!」

クリーム「待ちなさい!!」

アナ「おおっ!? 身構えた風夏選手とリトル・テンポに対し、クリームヒルド選手は直立したままだァ! 何か話したいようですが……?」

クリーム「私は……あなたたちと戦いたくはない」

アナ「クリームヒルド選手、3本のクナイを取り出したぞ!!」

リトル(スタンドは出してないけど……アレで攻撃するのかな?)

クリーム「はァッ!!」

ビュッ

アナ「風夏選手に向け3本のクナイを投げたァーーッ!!」

リトル「あ、あぶない!」


ズガガガ!!

リトル「…………?」

アナ「おおーーーーッ! クリームヒルド選手の投げたクナイは、風夏選手と彼女をかばって盾になろうとしたリトル・テンポを横切り、うしろの観客席のマネキンに突き刺さったァーーーッ!!」

リトル「あ、あぶなかった……」

アナ「先制攻撃を放ったのはクリームヒルド選手でしたが、風夏選手にとっては運よく命中しませんでしたァ!」

クリーム「違うよ……その『クナイのあたったマネキン』を御覧なさいな」

リトル「…………!」

アナ「なな、なんとォーーーー! これは……マネキンの眉間、喉、左胸にクナイが突き刺さっているぞォーーー!!
   これがマネキンでなく人だったなら大変なことになっていました!!」

クリーム「もちろん……狙って当てたんだよ。それが私のスタンド能力なんだけどね。『狙ったものに必ず命中させる』それが私の『エロティカル・クリティカル』」

アナ「なんということだァーー!! 『エロティカル・クリティカル』! もしこれを中学生男子が聞いたら、はたして何を思うのかァーーッ!!?」

クリーム「これまでの2戦で私も少しは成長したのかね。これぐらいの距離でも狙ったところに命中するようになった。精密性が上がったんじゃあないのよ? 射程が延びたの」

風夏「…………」

クリーム「この至近距離でなら狙いをはずすことなどありえない。……私が何を言いたいかもうわかるよね? 私にも私のスタンドにも、あなたたちをリングの外に寄り切るほどのパワーはない。
     クナイをあなたの体に突き立てるしか、私にとって勝つ方法は無いんだよ。だから……」

リトル「降参してくれっての? 生憎だけどね、僕たちもここまで勝ちあがって成長してきたんだ。いくら脅されても自ら負けを選ぶようなことはしたくないよ。そうだよねフゥ?」

風夏「もちろんだよ」

クリーム「……ハァ、それじゃあ仕方ないか。まるで私が悪役みたいだけど、ムリヤリにでも負けさせるしかないようだな」

ビュッ!

リトル「足元だ、避けてフゥ!」

ギュン!

ザグッ!

アナ「おおーーーーッと! 足元に向けて投げられたクナイが急に向きを変えて風夏選手の足首をかすったぞォーーーーッ!!」

風夏「…………ウッ」

クリーム「今のも運よくかすり傷で済んだわけじゃないよ。その気になれば腱を切ることだってできたんだから」

リトル「くそ、まずいな……予想よりも早くなりそうだ」


アナ「風夏選手、足首をおさえてうずくまっております。……解説の臭野さん、ここまではクリームヒルド選手が圧倒的に優勢を保っておりますがどうご覧になりますか」

臭野「大事な大事なアタックチャ~ンス」

アナ「間違えてますよ」


リトル「とりあえず……今は相手の能力を見極めることが重要だ、足痛むだろうけど相手の背後にまわるよフゥ!」

風夏「う、うん!」

アナ「円形のリングの縁をまわりクリーム選手の背後をとるつもりのようです」

クリーム「だから……そういうのは関係ないの。気の毒だけどまた痛い目にあってもらうッ!!」

ビュッ!

リトル「うわっ、また来た! とととりあえず逃げようフゥ!」


アナ「風夏選手、リングの縁を回り続けておりますが今はむしろ追ってくるクナイから逃げるために走り続けています」

リトル(……逃げても逃げても、クナイが落ちる気配は全く無い! 狙いはまた脚のようだけど、水平に飛び続けている……)

ザグッ!

風夏「うわあああっ!!」

バターン!

リトル「フゥ!」

アナ「クナイがふくらはぎに命中ーーーーーッ!! 傷は浅いようですが、風夏選手は倒れてしまいました!」

リトル(まずいな……本当に狙いを定めたものに命中するらしい。これだといくら九十九神を呼んでも……)


クリーム「これでもまだ降参しないというのなら……本当にやるわよ? あのマネキンのように……」

風夏「うう……」

リトル「動かないで、フゥ!」

クリーム「……?」

リトル(この人の投げたモノは必ずフゥに当たる……それなら、僕たちが勝てる可能性は『今のうち』だけだ!)

リトル「僕自身が、やるしか……ないッ!」

アナ「リトル・テンポ、クリームヒルド選手にとびかかりましたァーーーーッ!!」

クリーム「なっ……!」

ビュッ

アナ「クリームヒルド選手、思わずクナイを投げるッ!」


ズドッ


リトル「…………はッ!」

クリーム「……あっ、しまった! 驚いてとっさにやっちゃった……」

風夏「………………」


アナ「倒れた風夏選手の脳天にクナイが深く突き刺さったァーーーーーッッ!」

リトル「…………!!」

クリーム「う……彼女の身体の中で私に一番近かったのがよりにもよって頭だったなんて……う、うううう……」


アナ「け、決着ゥゥーーーーーーーーー!!!?」



臭野「いや、まだですよ」

アナ「く、臭野さん!?」

臭野「見てみなさい、リトル・テンポがまだ姿を現している」

リトル「……フゥ?」

アナ「ほ、ほんとうです! 倒れた風夏選手の傍らにリトル・テンポはまだ姿を保っています!
   本体が息絶えるとスタンドは普通姿を消す……スタンドが一人歩き型でない限り、風夏選手はまだ生きているということなんでしょうか!?」

臭野「そのようですね」

アナ「し……しかし、今の風夏選手は入場したときとは別の意味で直視できないような状態です! これはいったいどういうことだ!?」

臭野「それは……」ガタッ

アナ「臭野さん、立ち上がってどうしたんですか?」

臭野「こういうことだァァ~~~~~ッッ」

バリバリバリバリ

アナ「あ、あ、あ、臭野さんが自らのたるんだ顔の皮をはがしはじめましたァ~~~!!」



風夏「じゃじゃ~~~ん!!」

アナ「あれ……風夏選手? 解説の臭野さんが風夏選手に変身してしまいましたァ~~!!」

クリーム「えっなにこれ」

風夏「私はホンモノの臭野さんじゃあありません、そして、あそこで倒れている私は、ニセモノだったのです!」

クリーム「……あっ、私がクナイを投げたほうの子……血が流れていない!?」

リトル「…………そうだよ、これは『マネキンの九十九神』だからね」

アナ「あ、あれは風夏選手にそっくりのマネキン!? そして思えば最初からほのかにイイ匂いのしていた臭野さんは、風夏選手が変装していたものだった!!
   こ、これはいったいどういうことなんだァーーーッ!!?」

風夏「ふふふ……作戦通りだよ、リトル」

――照屋風夏 控え室



風夏「……うーんやっぱりよく似てるよね」

リトル「まあ、『物は持ち主に似る』っていうしね」

風夏「でも……こんなにおしり大きくないよ私」

風夏(マネキン)「『物は持ち主に似る』っていいますから」

風夏「お前が言うな、腹立つ!」

リトル「それで、解説者の人は今どうしてるの?」

風夏「今頃地下でグッスリだよ」

リトル「よく抵抗されなかったね?」

風夏「女の子には優しいんじゃない? すっかり油断してたよ」

風夏(マネキン)「そいで……アッシはご主人のかわりに舞台へ行けばいいんすね?」

リトル「そうだけど……入場した後はあんまりしゃべっちゃダメだよ。話し方がヘンだし」

風夏(マネキン)「そうっすかね?」

風夏「そーだよ、ちゃんとリトルの言うこと聞いてね。きょうのために高い金払ってあなたを買ったんだから」

風夏(マネキン)「その金はアッシに払ったわけじゃないでござんしょ? 別に言うこと聞く義理は……」

風夏「がんばったら私の水着また着せてあげるから」

風夏(マネキン)「精一杯がんばらせていただきやす」

リトル「……とにかく、僕とコイツで出来るだけ相手にスタンド攻撃を多くさせる。フゥはしっかりと見極めて、勝算があったら出てくるんだよ」

風夏「わかってるよ」

リトル「勝てそうにないと思ったとき、死ぬかもしれないような相手のときは絶対に出てきちゃダメだよ。そのための身代わりなんだから」

風夏(マネキン)「ご主人、必ずや弱点を見つけてくだせえ。でないとアッシはもう二度と水着を着ることがかなわねえでやんす」


クリーム(あー、決着はついてなかったとはいえ安心した)

リトル(……でも、どう考えてもこの人に対して僕たちには勝算がないよ? どういうつもりなの、フゥ……)


アナ「なな……なんということでしょう! 決着がついたと思われましたが、風夏選手は私の隣に座っておりました。
   つまり、まだ勝負は始まってすらいなかった!」

風夏「ふふふふ……」

アナ「えーと……と、とりあえず風夏選手、リングの上へおあがりください。勝負を再開しなければなりません」

風夏「ああ、そーだった」


アナ「風夏選手、リトル・テンポとクリームヒルド選手の立つリングへと向かっていきます! 試合再開です!」

クリーム「……勝負はふりだしに戻ったわけか」

風夏「それは違うよ、おねーさん」

クリーム「まあ……厳密に言えばそうだけどね。今は互いに相手のスタンド能力を理解している。あなたの能力はその……モノに自我を持たせるようなものなんでしょ?
     でもそれがわかったところで本質的なところは変わってない。要は、またあなたを降参させなければならなくなった……ということ」

リトル(そう……フゥが戻っても、状況は変わらない。どうすれば勝てるのか僕にはわからない。
    遅かった。フゥが出てくる前にマネキンに降参させるべきだった……)

風夏「もうひとつあるよ、変わったところ」

クリーム「え?」

リトル「……フゥ?」

風夏「ほら、あのマネキン」

クリーム「マネキン……? あなたに化けたマネキンは、携帯ストラップのピンのようにクナイを頭に刺したまま応援してるけど」

風夏「そっちじゃなくて! ……ほら、観客席のマネキンだよ」

クリーム「……私が、最初に3本のクナイを投げたあのマネキン?」

風夏「そう。……私は実況席でずーっと聞こえていたよ。クナイを刺されたマネキンの苦痛の叫びと、仲間を傷つけられたまわりのマネキンたちの恨みが……」

リトル「フゥ……まさか」

クリーム「ちょっ……やめてよ、オカルトめいた話は信用してないんだから」

風夏「やっちゃって! リトル!」

リトル「……わかった! いくよ!!」


ブオッ

アナ「……ッ!? なんでしょう、リングから一瞬、強い気の圧力のようなものを感じましたが……解説の臭野さん…………はいなかったんだった」



ガシャン



ガシャン ガシャン


ガシャン ガシャン

ガシャン ガシャン


クリーム「こ、これは……!」

アナ「ひ、ひぃぃいいいいい! マネキンが……観客席で棒立ちだったマネキンが……すべて動きだしましたああああああ」


リトル「すごいよ、フゥ! 僕はこんなこと思いつかなかった!」

風夏「『リトル・テンポ』……闘技場のマネキンすべての九十九神を目覚めさせた。通常なら思い入れのないモノは言うことを聞かないし役に立たないんだけど……
   ここのマネキンたちは違う。言うことを聞かないのは同じだけれど……皆強い『恨み』を持っている。仲間を傷つけた者に対する……ね!」

ガシャン ガシャン ガシャン ガシャン

ガシャン ガシャン ガシャン ガシャン

ガシャン ガシャン ガシャン ガシャン


クリーム「ひぃぃぁぁぁああああああああ!!!!」

アナ「なな、なんということでしょう! 場内のマネキンたちが皆クリームヒルド選手に向かって迫っています! フェンスを乗り越え、リングを埋め尽くさんとの勢いです!」

クリーム(だ、だめだ! あの子をこのクナイで死なせる以外に、あの子を負かせる方法が見つからない!)

風夏(マネキン)「うわぁ、ありゃあ怖い。悪夢でっせ」

風夏「あ、あんたは例外なんだ」


クリーム「ご、ごめんなさい~~降参する、降参するからこのマネキン止めてぇぇぇ!!」

アナ「い、今確かにクリームヒルド選手が降参をしました! 決着です!!」

リトル「フゥ! 能力解除しなくていいの!? このままだとリンチにされちゃうよ!」

風夏「あっ、そうだった!」

アナ「クリームヒルド選手がマネキンの山の中に埋もれていきます……」

クリーム「た…………助け………」






ドガァァン!!


アナ「!? 突然マネキン達がリングから吹っ飛ばされました!」

風夏「な、何が起こったの?」

リトル「あのマネキンの山をふっとばすなんて……すごいパワーだ」

アナ「マネキンの残骸の中央に、クリームヒルド選手を抱える男性の姿が見えます…………あ、あれは!!」







臭野「世界・ふしぎ発見!」



アナ「本物の臭野仁さんだァァアアアアア!!!」

★★★ 勝者 ★★★

No.3761
【スタンド名】
リトル・テンポ
【本体】
照屋 風夏(テルヤ フウカ)

【能力】
物体の魂「九十九神」を操る








当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。




最終更新:2022年04月17日 12:28