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第01回トーナメント:決勝①




No.4082
【スタンド名】
クレセント・ロック
【本体】
藤島 六郎(フジシマ ロクロウ)

【能力】
殴った場所からロケットを生やす


No.3000
【スタンド名】
アナザー・センチュリー・エピソード
【本体】
パウラ

【能力】
触れたものを「スライド」させる




クレセント・ロック vs アナザー・センチュリー・エピソード

【STAGE:ハイウェイ】◆QA0awCg7UM





パウラ「…おそいね、センセ」


深夜のハイウェイ、パウラとそのスタンド、アナザー・センチュリー・エピソード(以下ACE)が道路のド真ん中に立っていた。


ACE<そうね…これも相手の『作戦』なのかもしれないわ>

パウラ「なんてヤツだ。遅刻するなんてゆるせねー!」

ACE<………。あえて何も言わないで置きましょう…>


先日の決闘で遅刻をかましたパウラだが、そんなことはもう覚えていないのである。
とにかく彼女達は、対戦相手である六郎を待っていた。

___これから始まる『頂点を決める戦い』の為に。


ブゥゥン!


一台の車がパウラの側を走り抜けようとする。


キィィッ!


オッサン「おい!アブねーぞクソガキ!!」

パウラ「しょうがねェだろ!?ここが決戦場だって言われてんだから!」

オッサン「決戦…?なに言ってやがる、大体ガキはもう寝る時間だろ。ママはどうしたんだ?」

パウラ「うっさいガキ扱いすんなー!!これでも立派なオトナだッ!」

ガミガミガミガミ…

ACE<…全く。なぜ決戦の会場なのに封鎖すらしていないのでしょうか…>


ハァ…とACEは溜息をつく。一般人には見る事が出来ないのでACEはこの言い争いに参加する事ができない。

_ブゥン……キイィィィィ!!

その時、ACEの背後でバイクのブレーキ音が鳴り響く。
バイクに乗っていたライダーはヘルメットを脱ぎ、ACEの方を向いた。


六郎「待たせたな。俺はアンタと戦えばいいんだな?」

ACE<…ええ。どうぞよろしく>


二人の視線が交差する。それには敵意も悪意もなく、ただ『勝利への執念』が込められていた・・・・・


オッサン「だからオトナのオンナってのはな?もっとこう出るとこ出てるっていうか…」

パウラ「うわ、その変態発言はないわ~」


振り返ると、パウラはまだ運転手のオッサンと言い争いをしていた。
ACEはもう一度溜息をつき、パウラに声をかける。


ACE<ほらパウラ、相手が到着した様ですよ>

パウラ「え…あ、そうだった。じゃあね、オッサン」

オッサン「もう夜も遅いから、気を付けるんだぞ?」


ブロロロロロ…


オッサンの乗った車が走り去っていく。
そして話を終えたパウラは、体を六郎の方へ向き直した。


パウラ「アンタが対戦相手ね?」

六郎「おう、そうだそうだ。もう始めるのか?」

パウラ「いや、まだだ。アンタには答えなければならねー事が一つある。」


パウラは腕を組みながら高圧的に言う。


六郎「…なんだ?答えられる事ならなんでも答えてやるぜ」


彼女の態度を受け取り、六郎も真剣になって応じた。


パウラ「…なぜテメーは『遅刻』をしたんだッ!?」

六郎&ACE「……はい?」


その思わぬ質問に、六郎はおろかACEすら困惑する。


ACE<パウラ…その質問は本当に必要なの?>

パウラ「あぁ必要だね!答えろ!!」

六郎「お、おう…そりゃスマンかったよ…」


六郎完全にパウラのペースに翻弄されてしまった。無意識ながらの彼女の最大の武器である。

六郎はしばらくの間眉間を抑え、遅刻の理由を整理していく。


六郎「…えっとだな、まず今日の昼ごろな、俺はこのバイクを買ったのさ」

自分が乗っていたバイクを指さしながら六郎は話し始めた。

六郎「それで嬉しくていろんなに行ってたんだ」

パウラ「うんうん」

ACE<この方も緊張感を持ち合わせていないのでしょうか…>


六郎「んで○×橋でちょっと休憩してた時、俺はバイクに重大な欠陥がある事に気が付いた…」

パウラ「どんなどんな!?」

六郎「それはだな…なんと後輪とマフラーの…


キイイィィィィィィィ!!!!

六郎達が話に没頭しているその時、一台の大型トラックがパウラの方に突っ込んできた!


運転手「zz…んが、……ん?うわあああああああぶなああああああああい!!!!!」


ギャリギャリギャリ!!

運転手は慌ててハンドルを切るが、時既に遅し。そのまま減速せずにパウラの方へと突っ込んでくる…


六郎「オイ!アブねーぞ!?」

パウラ「くっ…センセイ!!」

ACE<は、はいっ!!>


ACEは勢いよく向かってきたトラックに触れ…


ACE<トラックと速度を合わせて…真横に『スライド』させるッ!!>


一瞬の間、後退しながらトラックと速度を合わせることでACEはトラックを『止まっているモノ』とした。


ギャルンッ!!


そもままACEは思い切り横へスライドさせる。

そしてその向かう先には…


運転手「どいてくれええええええええええええ!!!!!」

六郎「クソッ!よりにもよってコッチの方にずらすのかい!!」

六郎「『クレセント・ロック』!トラックを受け止めろおおおおおお!!!」

C・R<オオオオオオ!!>


ギイイイィィィィィィ・・・・ドゴォ!!


パウラ「やっちゃっ…た…?」

ACE<しまった!こんな事で勝負を決していいのでしょうか!?>


黒煙が立ち上り、横倒れになったトラックを見ながら彼女達は言う。


パウラ「マズい…よね?」

ACE<マズい…でしょう>

パウラ「もうっ!…ねェ!!大丈夫なの!?」


パウラは黒煙に向かって聞く。しかし返答が返って来そうになかった…


ACE<どうしましょうか…>

パウラ「もう……私たちの勝ちで、いいんじゃないかなぁ…?」

ACE<なんと!>

パウラ「いや、だってこのケムリじゃ確認しようがないし…うん!それじゃあ私のk


六郎「待ちやがれ」


油断していた彼女達に六郎は声をかける。
彼は黒煙を掻き分け、彼女達の元へ姿を現した。


六郎「全くよぉ…ただ逃げ出すのなら簡単にできたさ。…だが運転手を助けるのに手間取ッちまった」


六郎は脇に気絶したトラックの運転手を抱えていた。
そして彼のスタンドは、先程のバイクの前輪を右手にもっている。


パウラ「…生きてたのね」

六郎「たりめーだろ。…お陰で新品のバイクはこの有様だけどなァ!!!」


ゴウッ!

若干の涙声と供に、バイクの前輪をパウラに向かって投げつけた。


パウラ「センセイッ!」

ACE<このような物、能力を使う必要もないでしょう…!>


ACEは自ら前進し、投げつけられた前輪を叩き落とそうとする。

しかしその前輪には、すでにC・Rによって『ワナ』が貼られていた。


ACE<オラァ!>

六郎(オシッ!今だC・R!!前輪の中のロケットを『起爆』させろッ!!)


ヒュッ__バパババババ!!!!

ACEが殴りかかると同時に、前輪が勢いよく炸裂した。
大量の小型ロケットがバラ撒かれる。


ACE<!?…クッ!マズい、量が多すぎる!>


大量のロケットを全て捌く事ができず、漏れたロケットが本体のパウラの元へ向かった。


パウラ「!?」

ACE<パウラッ!!危ない!!!>


ダッ!

ACEは反転し、パウラの元へかける。

__だがそれすらも六郎の計算の内であった。


六郎「その行動は『想定済み』だぜ!!C・R!」


ググッ…

パウラの元へと向かって行った筈のロケットが突然向きを変え、逆向きに、ちょうどACEの方へ飛んだ。


パウラ「な、なんで!?」

六郎「そりゃあお前のスタンドがオマエを守ろうとするだろうと思ってたからな。…『カウンターパンチ』の容量だ」

パウラ「!?…しまった、センセイ逃げて!」


ドドドドドッ!

しかしACEは完璧にタイミングを合わされたロケットをモロに喰らってしまう。


ACE<ウッ__!!>

パウラ「センセーーーーーーー!」


六郎「これで勝ったとは思わないさ。…まだ戦えるんだろう?」


六郎は倒れたACEに聞いた。
流石にスタンドが今の攻撃だけでやられるとは思えないだろう。


ACE<まだまだ…ですよ>

パウラ「そんなっ…センセイ無理をしないで…」

ACE<無理なんて…何を言ってるんですか、そんな事する訳ないでしょう?>

パウラ「で、でもセンセイ…」

ACE<フフッ…スタンド使いにここまで心配されるスタンドもいないでしょうね>


ACEは微笑みながら、ポンッとパウラの頭に手を置いた。


ACE<さぁ、『命令』をください。パウラの為なら、どんな事でもしてみましょう>

パウラ「……!」


その一言でパウラは気付かされた。
自分が今までいかにACEに頼っていたのかを。自分の頼りなさを。


パウラ「違う……」

ACE<え?>

パウラ「そうじゃない!頼ってばっかりじゃあ駄目!『私』が先導しないと!!」

ACE<パウラ…うん、そうですね!>


__既に『覚悟』を決めたパウラの瞳には、もう迷いなどなかった。


パウラ「ゴメンね…少し時間かけたかな?」

六郎「構わないさ。俺も何もしていなかった訳じゃない」


六郎の周りには2mを超える巨大なロケットがいくつもあった。


パウラ「…!!行くよ!アナザー・センチュリー・エピソード!!」

ACE<…!はいっ!>


ダッ!

パウラは六郎のもとに駆け寄った。


六郎「来いッ!!」


彼は相変わらずトラックの運転手を脇に抱えている。その場を離れるつもりがないのだろう。


六郎「クレセント・ロック!!発射だ!」

C・R<オオッ!>


C・Rがトドメとばかりに側にあるロケットを殴る。

ドヒュン!!と音を立てロケットが勢いよく飛び出した。
その軌道はパウラ達に向かっている。


パウラ「ACE!このまま突っ切るよ!!」


ヒュルルルル…!

ロケットがパウラの眼前に迫る。このままでは直撃は免れられないだろう。

しかし…


ACE<オラァ!>


ゴッ!

ACEがロケットの横っ腹を殴る。いや、最早『押す』といった方がいいかもしれない。

しかしそれだけの力でロケットは起動が狂い地面に墜落してしまった。


パウラ「最小限の動きで避ける!大きさだけのロケットは怖くない!!」

六郎「やるねぇ…まだまだ!!」


C・Rはまたロケットを2、3発発射させた。しかし先程と同じように防がれた。


六郎「チッ!」


そして彼らの距離はどんどん近付いていく……


パウラ「…もう巨大ロケットの使える距離じゃないわね」


六郎の目の前に立ったパウラが言った。しかしなお、パウラは距離を詰め続ける。


六郎「ああ。そのようだな」


そして二人の距離は2mとなくなった。未だお互いの『テリトリー』を侵し合う…


六郎「今度はコッチから行くぜッッ!!」

パウラ「これが最後ね。ACE!!」

ACE<はいッ!!>

六郎「……クレセント・ロック!」

C・R<オオッ!!>


二人はスタンドを出し合い、面と向かって対峙する。

そして…


ACE<オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!>

C・R<オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!>


お互いのスタンドは激しいラッシュを繰り出す。
ガードよりも『いかに多くの拳を叩きこめるか』の勝負だ。

パンチの余波が空気にビリビリと震動を伝える。

六郎「うをおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

パウラ「いけえええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」


しかしこのラッシュも長くは続かなかった。
パワーはほぼ互角だが、スピードでC・Rに勝っていたACEはより多くの拳を相手に叩きこんでいた。


六郎「グハッ!!」


六郎はダメージのフィードバックに耐えきれず吐血してしまった。

そしてヨロヨロと歩き、まだ発射されていなかったロケットに寄りかかる。


パウラ「ハッ…ハァッ!!」


たまらずパウラも息を荒げる。しかし彼女の方にはまだ余力があった。


パウラ「ハァ…ハァ…どうだ、まいったか…」

六郎「た、確かに効いたぜお前のラッシュはよ…グ…」

六郎「だがなぁ…俺のラッシュだって『効いた』だろう?」

パウラ「まぁ、ね…だがまだコッチは拳を振るう力がある!!」

六郎「マジかよ…でもよ、大丈夫か?お前のスタンドを見てみろよ」

パウラ「?」


パウラは六郎の言葉に誘われ、ACEの方を見た。
そして『ソコ』には驚くべき光景が広がっていた…!!


パウラ「な…!?これは一体…!!」

ACE<ま、まさか…>


ACEの体には、驚くべき数の小型ロケットが取り付けられていた!


六郎(今だッ!クレセント・ロック!)

C・R<グオオッ!>


ドヒュゥゥ!!

一瞬の隙を見て、もたれかかっていたロケットを発射させ『その位置』から脱出をする。


六郎「おまえさんも退避しないとヤバいんじゃねぇか?…ま、もう遅いがな!!」


ロケットにつかまりながら六郎は言う。既に『その位置』から十分な距離に飛んでいた。


パウラ「どういう事だ!?」

六郎「まだ気付かないのか。じゃあその身で思い知りな!!C・R、発射だッ!!!」

C・R<オオオオオオオオオオッ!!!>


ACE<!!?>


ドドドドドドドッ!!
ACEに取り付いていた大量のロケットが一斉に発射された。


パウラ「ACE!大丈夫なの!?」


しかし発射された時に衝撃が多少あっただけで、ACEにダメージはない。


ACE<大丈夫ですが…これは………ハッ!?まさか!!>

六郎「気付くのが遅すぎるぜ…そう、ロケットの向かう先だ」


ロケットが向かう先には、先程の横倒しになったトラックがあった。


六郎「『的』はオマエじゃねぇ!そのトラックだ!!」

パウラ「こ、このためにずっとここに居続けてたのかよ…!」

六郎「更に気絶した運転手にもずっと気にかけながらな。一般人を巻き込むのは目覚めが悪くなるからよォ!!」

ACE<危ないパウラッ!私の後ろに隠れて!!>


ACEがパウラをかばうのと同時に、ロケットがトラックに着弾し、そしてトラックが爆発する____


__ドゴオオオォォォォォォン!!!!


六郎「やりすぎちまった…か?」


六郎は遠くに自分が乗っていたロケットを着弾させた後、爆破したトラックの方へ向かった。


六郎「無事だといいんだが…」


そしてトラックのもとに近づいてみると、煙で視界が晴れなかった。
しかしそこに『影』がいるのははっきりと感じられる…


六郎「大丈夫か?」

ACE<……ええ。一応ね>

六郎「!? …おい、まじかよ!!」


まさか返事が返ってくるとは思ってもみなかった。
しかもスタンドが答えてきたのを聞き、六郎は戦慄する。


六郎「……まさか無事だったとは。敵ながら天晴だぜ…!!続きをやるか!?」


六郎は精一杯の虚勢を張った。
正直六郎にはもう戦う力は残っていなかった。立っているのがやっとである。
それなのに明らかにこちらより重大なダメージを負った相手から返答が返って来た事により、彼の心は折れかかっていた。


六郎(畜生…どんな手を使いやがった!?)

六郎「オイ…やるのか!?それともやらねぇのか!!?はっきりしやがれ!!」

パウラ「………」


しかし返事は帰ってこない。六郎の額から玉の様な汗が流れ落ちる。

その時、風が吹き、当たりに充満していた煙が流れていった。

そして、視界が晴れていく____


__そこには気絶したパウラを抱えたACEの姿があった。


ACE<見ての通りよ。この子はもう戦える状態じゃないわ>

六郎「……オマエはどうなんだ」

ACE<この子を守るのでもう精一杯よ。もう動けない>

六郎「そうか…って事は…」

ACE<そうね…『その通り』よ>


安堵と供に、六郎の体に何処からか知れない力が湧いてきた。


六郎「おっしゃあああああああああああ!!!勝ったああああああああああああ!!!」


天に拳を高く突き上げながら六郎は叫んだ。


ACE<おめでとう…そしてアナタにはお礼をしたいわ>

六郎「ん…何をだ?」


ACE<戦ってくれてありがとう。勝負には負けてしまったけれども、この子が得た物はとても大きい>


アナザー・センチュリー・エピソードはパウラの頭を撫でながらそう言った。


六郎「アンタ…いいスタンドだな。コイツにも見習ってほしいぜ」

コンッ

C・R<オオッ?>


六郎はC・Rをこずきながら言う。


六郎「でもよ…ありがとな、クレセント・ロック。お前が俺のスタンドで良かったよ」

★★★ 勝者 ★★★

No.4082
【スタンド名】
クレセント・ロック
【本体】
藤島 六郎(フジシマ ロクロウ)

【能力】
殴った場所からロケットを生やす








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最終更新:2022年04月19日 00:21