六郎「おいおい、マジかよ」
顎髭の似合う三十路前の男、「藤島六郎」、このお膳立てで紳士設定じゃなかったら罪だぜ。
六郎「今度は少女がお相手かよ・・。」
殺し屋相手ならともかく、こんないたいけな娘も倒さなきゃいけねーのか・・・。くそ、ちょっぴり俺の愛娘にも似てやがる。
パウラ「センセイ!今度は分かってる男が相手みたいだ!」
*<せやな、『見る目』がある、そういう男のようね。用心しましょう>
パウラ「大丈夫さ!舞台がこっちに有利すぎるくらい有利だからね!」
*<でもあなた一回戦と準決勝で右肩と左腕痛めてるのよ?>
パウラ「大丈夫だ、問題ない(キリッ」
C・R『コッカラ先ハ、俺ノ口カラ語ラセテモラオウ』
C・R『ア?「なんで今まで喋らなかったんだ?」ダト?』
C・R『知ッタコトカ、1回戦ト準決勝ノ作家ニ訊イテクレヨ、ソンナ「こと(メタ)」ハヨォ~』
C・R『……マァ、結論カラ言ッチマウト。優勝シタノハ【アナザー・センチュリー・エピソード】ノ少女ナンダガ。』
C・R『イヤ・・「勝ッタノハ」、ノ方ガ正シイカモナ。』
C・R『ナァニ、パパット済マセッカラヨ、チョット読ミ難イ文ニ付キ合ッテクレヤ』
そういうことで、我らが本体「藤島六郎」さんは絶賛校舎内迷子ってわけだ
六郎「今時の校舎ってのはこんなに広いのか?俺が子供の頃は平屋で間に合うレベルだったんだがなぁ……」
こいつが私立校と公立校の区別を付けていないことはあえてスルーしよう。
チナミニコノ時ノACE達ノ視点ハ、証言ニヨッテ補完サレテイル―――
*<しかし、校舎内に監視カメラどころか、マイクまで設置してるなんてね。>
パウラ「イジメの根絶に力入れてるんだよ我が校は!」
「人の権利」も真っ青の仕様である。
*<…24時間体制の事務室が空になってるし…、このトーナメントって一体なんなのかしら>
パウラ「管理棟にも誰も居ないからマスターキーも手に入っちゃった!」
ちなみに筆者も公立の出だから私立がこんな感じなのかは知らない。
*<相手方のいる棟は高等部みたいね>
パウラ「さっきまで校庭に居たのに!?見知らぬ土地で随分そそくさと動き回るんだねぇ!」
*<カメラからじゃコマ落ちが多すぎて「スピードC」以上のスタンドの挙動が掴めないから、もしかして何か罠を張っているのかもしれないわ>
パウラ「なるほどセンセイ!「生兵法は怪我の元」だね!」
*<「転ばぬ先の杖」よ、用心しなさいと口を酸っぱくし続けているでしょう。>
六郎「なんだよ、鍵全部空いてんじゃねーか?対戦相手どこだ?」
彼は未だに管理棟が離れの校舎だということにも気付いて居ない。かわいいやつめ
六郎「隠し扉とかあるのか?最近のガッコーってのは。」
※ありません
六郎「ったく、窓の鍵も全開だったし、ブヨージンだぜ。貴重品とか心配じゃねーのか?」
律儀に全ての窓のカギを締めてここまで登ってきた彼を誰か褒めてやってほしい。
六郎「まぁいい、みつからねーんだから、こっちから相手が出てくるのを待つとするぜ」
ココカラ大シテ長ク膠着状態ガ続イタワケジャナイガ、展開ヲ割愛サセテモラオウ―――
舞台は西棟最上階廊下突き当りの教室
ガラッ!
と威勢よく扉を開けて中に入ると、男が窓際の席に着いていた。
パウラ「こんにちわ!」
六郎「おう(生でみると更に激似だな…)」
*<…変ね>
パウラ「センセイ?どうかしたの?」
*<あの人、闘う気が無いわ>
パウラ「えぇ!?そうなのオジサン!」
六郎「あ?どういうことだ?」
パウラ「闘わないの?」
六郎「いや、闘うだろ。なんで決勝戦で不戦敗するんだよ」
パウラ「そうだよね!もー!センセイの早漏!」
*<早合点でしょ、しかもあなたのね。私は「闘わないで勝つつもりよ」って言ってるの>
パウラ「つまり・・・どういうことだってばよ?」
*<それが分からないから困ってるのよね>
と、ここでネタばらし。
実はこの藤島六郎、教室内に既に巨大なロケットを仕込んでいたのだ。
まさに飛んで火に入る夏の虫
だが当然、『センセイ』の読み通り、六郎はパウラを倒す気は毛ほどもない。
「大きな力を見せつけて、戦意を奪う」というのが目的だ、その為の巨大な「全力のロケット」だ。
ググッ
パウラ「痛っ」
六郎「おい、その傷大丈夫なのか?」
パウラ「へへ、オジサン優しいんだね。でも大丈夫だよ」
パウラが傷だらけの左腕を真っ直ぐと突き出す
この時、六郎はパウラ後方の「教室の扉」に仕掛けたロケットをほぼ発射寸前に状態にしていた。我慢汁が出てる状態だ
だがあまり近過ぎると暴発の恐れがある為、動けないでいた。流石に近親はマズい。
六郎「(近距離型のスタンドだったら、距離を詰める必要がある筈。)」
教室の窓際と廊下側ではおよそ10メートルの距離がある。六郎の読みは正しかった
が、相手もその裏を読んでいたのだ。
パウラ「『アナザー・センチュリー・エピソード』ッ!!」
六郎「(なに!?この距離から何が出来る!机や椅子とは「直線の位置」に居なければ当たらないはず・・!)」
パウラ「『スライド』させろ!」
―意外(でもないけど)!それは『左腕』ッ!
パウラは自身の左腕のみをスライドさせていた。
パウラ「勝利の為の犠牲さ!」
若くしてとんでもない覚悟である。
六郎「ッチ!『クレセント・ロック』ッ!」
ガシィッ!
惜しくも若き覚悟は顎前寸での所で捉えられてしまった。おっさん自重しろ
六郎「あ、あぶねぇ!ギリギリだった!」
そして敵方もまた、それが計算の内だった。
パウラ「ククク、『触った』な?」
*<ホントに、ムチャをする子ね……>
パウラ「『アナザー・センチュリー・エピソード』ッ!その「私の腕を掴んでる右腕」を『スライド』させて!」
六郎「おいおい、マジかよ...」
ガッシ!ボカッ!
藤島六郎は失神した。スイーツ(笑)
―――しかし問題はここからだった。
パウラ「やったー!勝ったぁ!」
*<今夜は赤飯ね>
勝利の美酒に酔いしれる彼女達は知る由も無かったのだ
『クレセント・ロック』の「任意発射」が
「本体の意識の有無に関わらず遂行」されることを。
C・R『本当ニ、運ガ悪カッタンダ。』
C・R『「藤島六郎」ニ意識ガアレバ、発射後ノ操作デ直撃ハ避ケラレタシ』
C・R『「ぱうら」ノ右肩ガ損傷シテナケレバ『すらいど』ヲ使ッテ防グコトガ出来タカモシレナカッタ。』
C・R『ソモソモ最後ノ発射ダッテ、誤射ノヨウナモンダ。六郎ガ「相手方ハ万策尽キタ」ト思ッテ能力ヲ発動シチマッテタノサ。』
C・R『生ヤシタマンマノろけっとモ、イツモホオッテオケバ勝手ニ消エテイタ。マサカ「たいみんぐガ任意ニ指定サレテイレバ」「無意識デモ発射出来ル」ナンテ……。』
C・R『六郎モ俺モ、知ラナカッタンダ……』
【スタンド名】
アナザー・センチュリー・エピソード
【本体】
パウラ