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第02回トーナメント:予選②




No.2724
【スタンド名】
マイシクル・ティアーズ
【本体】
桐木 幻十郎(キリキ ゲンジュウロウ)

【能力】
袖の中から何でも創造する


No.3409
【スタンド名】
ゴースト&ダークネス
【本体】
グリシア・ハーミット

【能力】
食欲も増幅させる二丁拳銃




マイシクル・ティアーズ vs ゴースト&ダークネス

【STAGE:古城】◆UmpQiG/LSs




「フンッ……あのクソコックの野郎…また怖い目に会いたい様だな…。こんなパッサパサのクロワッサンを俺様の朝食に並べやがって…」
そう言いながらテーブルに並んだ豪華な朝食をムシャムシャと頬張る。
男の名は『桐木 幻十郎』。これと言った特徴の無い容姿だがその表情は“傲慢”を絵に描いた様な雰囲気を醸し出している。
その顔から見て取れる雰囲気そのものがこの男の日常であった。
幼少の頃より甘やかされて育った彼は自分の気にいらない事は一切せず、やりたい事だけをして今に至る。
スタンド能力に目覚めてからはその悪質な傲慢さは更に増し、今ここにある豪華な朝食も近所の店の店主をスタンド能力で脅し作らせた物である。


朝食を終えソファーに横になった彼の目の前の空間が小さく歪む。

一瞬でその歪みは消え1枚の封筒が宙を舞う。

幻十郎:
「マイシクル・ティアーズ ッッ!」

男がそう叫ぶと同時に1本のナイフが封筒を貫き、壁に貼り付けになっていた。男が封筒を見てニヤリと笑う。

幻十郎:
「フン…来やがったか。これが今噂の“アレ”だな。俺様を選ぶとはなかなか見所あんじゃねーの?この主催者はヨーっ!?」

誰もいない室内でまるで誰かに自分の存在を誇示するするかの様に吐き捨てドアを出る。

幻十郎:
「フンっ!俺様の能力に敵うヤツなんていねぇっ!!」

同時刻━。ヨーロッパ某所。


その石作りの小屋は何もない荒れ地にポツリと存在している。
通常の住居とは異なり一階部分がほぼ無く、小さな扉とその奥に地下への階段があるだけであった。

地下の居住スペースは建物と同じく石作りでいくつかの部屋と廊下で形成されている。


テロテロと蝋燭が揺れる当然ながら窓もない小部屋にその女性はいた。
ローブを纏いフードを深く被り本を読むその姿は“隠者”(ハーミット)そのものであり、彼女の一族は何世紀もの間こうして生き抜いてきた。
故に彼女達の一族は声帯は極端に退化し、その声を聞いた者には“死が訪れる”とまで言われている。

彼女『グリシア・ハーミット』の頁を捲る指が止まる。物語が続く筈の新しい頁には赤い文字で時と場所が示されていた。

グリシア:
「(………時ガ来タ…)」

暗く静かな部屋にローブを翻した音が反響する。

グリシア:
「(古からの“契約”-さだめ-…)」

そう声無き声で呟くとフードを深く被り直し何ヶ月ぶりかの外の空気に身を晒し歩を進める。


幻十郎:
「くっそ…っ、腰が痛ぇ…。ボロ車に何時間も押し込めやがって。俺様を迎えるならリムジンでも用意しやがれってんだ、フンっ!」
そう言って腰を擦りながら古城の前に立つ幻十郎。

運転手:
「既に対戦相手は控えております。御武運を」

全面真っ黒な車を見送り古城を見詰める。

幻十郎:
「勝ちゃあこの城も貰えねぇかな?ふふふ」

━━━━━━━━━━━━
城は予想以上に廃墟に近く、人の住める様な状態ではなかった。
そこら中からがさがさゴソゴソとネズミや虫等が這いずり回る音が聞こえる。
数m置きにある松明の灯りが唯一の人の痕跡であった。
幻十郎:
「前言撤回…。こんな城ヤルつってもいらねェよ…」
ペッと唾を吐き捨て暗い廊下を進む。
やがて狭い廊下の視界は開け広い大広間に辿り着いた。

ズキュンッ ズキュン キュン キュン キュン キュン キュン キュンッッ ッッ

十数発の銃声が木霊し辺りに静寂が訪れる。

幻十郎:
「フンっ…パーティーのセレモニーは花火じゃなくて銃声かよ?ああ!?」

まるで動じない幻十郎は隠れもせず、仁王立ちで見えない相手を威嚇する。

仄暗い大広間からは物音一つしなかった。

幻十郎:
「(さて…どう考える?拳銃は単なる武器か?それともスタンドか?いや、ほぼ間違い無く後者ダロ…。武器ならもっと効率良く使う。問題は能力だ。今の威嚇射撃は自分が飛び道具だと言う事をわざと見せたに違いネェ…フン…しゃらくせえ)」

幻十郎:
「うぜぇぇ!!マイシクル・ティアーズ !!!」


M・T:
「イイイイィィィッッッ!!!!」

まるで硬い金属が共鳴してるかの様な叫びをあげ幻十郎のスタンドが具現化する。
その姿は“死神”の様でもあり、また“気の触れた道化師”の様でもあった。

幻十郎:
「“ナイフ”…だ」

幻十郎がそう呟くとマイシクル・ティアーズはけたたましい叫びと共にその長い袖の腕を狂った様に幾度と無く振る。

マイシクル・ティアーズ の能力:『何でも創造出来る』によって物質化したナイフが十数本闇の中へ飛んで行く。

あるナイフは石に当たった様な音を立て、またあるナイフは木材に突き刺さった様な音を立てた。

再び静寂が戻ると同時に大広間の像も暗闇になれた目によってハッキリしてきた。
幻十郎:
「ダイニングルームってヤツか…」

辺りにはテーブルや椅子、食器等が散乱し数多の物陰を作っている。

幻十郎:
「こりゃナイフは当たらんわな…フンっ…。しかしなぁ~おまえさん相手が悪かったなァ。俺様のマイシクル・ティアーズはこんな状況ですらなーんの問題にもならねーだよ!」

自分のスタンド能力の強さが嬉しくてたまらない。その感情が幻十郎の声を大きくする。

幻十郎:
「死ね。勝つのは俺様だ。マイシクル・ティアーズ!!!“ダイナマイト”だっ!!」


ガサ…ッ ゴソッ………ッ
━━━━ガサ ガサ ズリ…
ゴソッゴソッ……ッ

幻十郎:
「ああっ……?」

最後の攻撃を仕掛け様としたその瞬間に辺りの異変に気付いた。

幻十郎:
「なんだぁ?………?」

音のする方向を見てゾッとする。

“ネズミ”ッッッ!!!!

それも1匹や2匹では無い。
煤や埃にまみれた汚いドブネズミが十数匹、幻十郎を取り囲む様にして群がっている。

幻十郎:
「くそっ!もしやこれが“能力”かッッッ!?しくった!マイシクル・ティアーズッッッ!!この薄汚ェクソネズミ共をブッ殺せェェェッッッ!!!!!!」

幻十郎がそうスタンドに命じた。時間にして僅か1~2秒の事。

━━━━━━━カチリ

幻十郎の額に冷たい物が押し付けられる。

グリシア:

『 さ よ う な ら 』

パァーン━━━━━…… ・・ ・

幻十郎がこの世の最後に見た世界は“天使の様な声”と“獅子を象った銃”だけであった。

★★★ 勝者 ★★★

No.3409
【スタンド名】
ゴースト&ダークネス
【本体】
グリシア・ハーミット

【能力】
食欲も増幅させる二丁拳銃








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最終更新:2022年04月21日 22:51