第05回トーナメント:予選①




No.4718
【スタンド名】
スロー・アタック
【本体】
バド・ワイザー

【能力】
触れたものをペシャンコにしたり膨らませたりする


No.3003
【スタンド名】
ドクター・ラブ
【本体】
ハル・シャプレー

【能力】
この後やろう、と思ったことを今すぐやらせる




スロー・アタック vs ドクター・ラブ

【STAGE:街中】◆70nl7yDs1.





アナ「私、第5回オリスタトーナメント1回戦の実況を務めさせて頂くアナ=ウンコウと申します!」

臭野「解説の臭野仁です」

アナ「なんと開催地は…えー…(資料を見ながら)太平洋のど真ん中に浮かぶ離島『星野古島』ッ!!」

臭野「世界最高峰の教育が受けられるという降星学園の校舎がここから見えますね」

アナ「今回のSTAGEは街中ッ! 住民の方には特設観客席に移っていただいております
そして、修理費もスポンサーが出すという太っ腹……!」

臭野「当たり前です」

アナ「それでは早速二人のスタンド使いに入場していただきましょう!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

帽子を被った青年と胸元がはだけたセクシーな少女が向かい合いながら歩を進める。

アナ「左手に見える男性は、ベルギーで富豪の用心棒をしていたバド・ワイザー!
右手に見える色っぺい爆乳ギャルは、降星学園代表のハル・シャプレー!」

ハル「へぇ……結構イケメンじゃん。私の男になるならわざと負けてあげてもいいよ?」

バド「そんなもんこっちから願い下げだ。俺は相手が女だからといって手加減するほど優しくはないぜ」

ハル「そう残念。ならこっちも殺すつもりで行くわ……」

アナ「おっとー! すでに両者とも白熱してる模様ッ!
それでは、さっさと始めてもらいましょう! ファイッ!」

アナの掛け声と同時にハルが動いた。
ヒュンヒュンと肩で風切り音を立てながら、バドに向かって全速力で走る。
ハルは全身にハートマークの意匠がある女性型のスタンドを出し、殴るモーションに入った。

バド「これは……近距離型のスタンドか」

ズオオオオオ

ハル「そのお腹に喰らわせてあげるわ! 『ドクター・ラブ』ッ!!」

ズギュゥ―z___ン


バド「『スロー・アタック』!(スタンドの両腕を掴んでから膝蹴りを……)」

しかし、『スロー・アタック』は『ドクター・ラブ』の攻撃が届く前に、膝蹴りの動作を行なって空を切った。

バド「……!?」

ハル「アッハッハ……無駄よ無駄!」

ドゴォ

『ドクター・ラブ』の右フックがバドの腹部に直撃する。

バド「ぐはぁ……ッ」

バドは地面に膝を着け、殴られた腹部を手で押さえる。

アナ「重い一撃が決まったァー!!
バド選手のスタンドは動きがおかしかったように見えましたが、解説の臭野さん……」

臭野「ええ、ハルのスタンド攻撃がすでに影響を与えているのかもしれませんね」

ハル「ンン~……イイ顔ね。今から私にボコボコにされるってのに……まだ諦めてないって顔!」

バド「フッ……アンタには負ける気がしないな」

その科白にハルの眉間がピクッと反応する。

ハル「あなたの攻撃は私には届かないわ……決してね」

バド「やれやれ……スタンドバトルってのは能力が割れちまったらオシマイなんだよ」

アナ「何ィィィー!! さっきの攻撃だけで能力を見抜いたというのかァー!!」

バド「さっきは腕を掴んでから膝蹴りを食らわそうとしたはずが、膝蹴りだけを先に行なってしまった…
おそらく行動の一部が飛ばされている……行動が早められてる……」

ハルはほくそ笑みながら口を開いた。

ハル「ウフフ……当たらずといえども遠からずと言ったところね
でも……それが分かったところでどうしようもないのよッ!!」

ズギュゥ―z___ン

……

ハル「!? なんで何も起こらないの……!?」

バド「……」

ハル「私の能力は『「この後やろう」と思っている事を「今すぐやらせる」能力』……
フツー戦いが終わった後に何かしようって考えるものじゃないの……!? ( ゚д゚)ハッ!
もしかして……今のことしか考えてない!? うう……プロの中のプロってわけね……」

バド「ご丁寧にペラペラと喋っちゃって」

ハル「……あっ!」


バド「それから……さっき殴られて分かったことだが……
アンタのスタンドは能力に重きを置いてるからパワー不足なんだよ
せいぜい鍛えた一般人程度のパンチ力だ。それで俺を倒せるとでも?」

ハル「うるさい! うるさい! だからって私の攻撃を躱せるわけでもないでしょ!?」

バド「いや、躱す必要はない」

アナ「動揺してるハル選手とは対照的に冷静沈着なバド選手! まだバド選手は何もしてないのに形勢逆転したかのような雰囲気!」

臭野「精神的に余裕を持ってますね。経験に裏打ちされた冷静さ……一体どれほどの修羅場を潜ってきたのでしょうか」

ハル「『ドクター・ラブ』……ガードが空いた隙を見計らって叩きこむッ!」

バド「アンタ分かりやすくていいね……」スッ

『ドクター・ラブ』が構えた瞬間、バドが走り出した。

アナ「あーっとバド選手! 猪突猛進に向かって行ったァァァー!!」

ハル「バカね! 『ドクター・ラブ』でも後頭部を思いっきり殴れば気絶くらいは……」

ハルは言いかけて止めた。目の前のバドが取った行動に驚いたからだ。
なんとバドのスタンドは連続で張り手をしながら向かって来ていた。
しかも、ほぼ無心でそれを行なっている。

臭野「これは無意識……通常、脳の前頭前野と感覚連合野による情報の循環で意識を得るが、これはそれを行ってない
呼吸や自転車運転のように、無意識でこの動作を行うことが出来るのだ……
動作の過程を思い浮かべることすら無い……」

両者間の距離は約2メートル、『スロー・アタック』の拳が迫る。

だが―――

アナ「間一髪でハル選手が避け―――いやッ!」

張り手がハルの腹に掠っただけに終わったかと思った瞬間、ギャルルルルという音が響く渡る。
掌にある穴がハルの服を吸い込んで肌に吸着した。
透明な全身を膜が覆い被さる。

ボコンボコンボコン

ハル「な……なによこれッ!!」

ハルの体は徐々に空気が抜けたかのように萎んでいく。

バド「なぁに……その馬鹿でかい乳は俺の好みじゃないんで平にさせてもらうぜ
まあ全身ペッタンコになっちゃうんだけどな」


アナ「一体どうなってるんだァー!! しかし、ハル選手は喋れているぞ!!」

ハル「も、元に戻してッ! 私の負けでいいからッ!!」

懇願するハルを尻目に両手を広げて、やれやれと呟いた。

バド「そうかい。じゃあお望みどおり豊満な体に戻してやるよ。全出力だッ!!」

『スロー・アタック』は掌をハルのお腹に当てた。
ペラペラになった体へ一気に空気を送り込む。

ボコォォォッ

アナ「で、デブだーッ!! これは小錦何人分だァー!?」

臭野「何故か破けずに今にもはちきれそうな衣服……醜く風船のように膨らんだ肉の塊、いや、彼女が起き上がれずに横たわってますね」

バド「ナイスバディだぜ」ニッコリ

ハル「ぜ……絶対に……許さないんだから……っ」

アナ「というわけで勝者はバド・ワイザー! 見事な戦いぶりで準決勝への切符を手にしましたッ!」

臭野「まだまだ手の内を見せてないという様子でしたね」

アナ「では勝利インタビューをしましょう! バド選手、いかがでしたか?」

バド「まあ余裕だな……ウォーミングアップにはなったが」

観客「ウオオオオオオオ!!」

アナ「お聞き下さい! この歓声をッ!」

バド「今のうちに俺を『持ち上げ』といてくれ。次の試合ではそうはいかないからよォ~」

★★★ 勝者 ★★★

No.4718
【スタンド名】
スロー・アタック
【本体】
バド・ワイザー

【能力】
触れたものをペシャンコにしたり膨らませたりする








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最終更新:2022年04月16日 14:28